韓国でノンバンク中心に不動産関連融資延滞率が上昇か
「韓国を待つのは金融危機か、通貨危機か、あるいはその両方か」という当ウェブサイトにおける仮説については、あながち間違ったものではなさそうです。韓国メディアの報道によると、ノンバンクを中心に不動産融資が非常に膨張しており、また、一部業態では延滞率が急上昇しているようです。韓国銀行が利上げしてノンバンクの不動産融資などが焦げ付けば自己資本が棄損し、金融危機に発展しかねませんし、韓国銀行が利上げを見送れば外貨流出が生じて通貨危機に発展しかねません。
韓国資産バブルFRB主犯説
隣国の経済状況が、非常に怪しくなってきました。端的にいえば、「金融危機」か、「通貨危機」か、あるいは下手をするとその「ダブルショック」が襲い掛かってくる、という可能性が出てきているからです。
その懸念点のひとつは、不動産、株式、暗号資産といった「リスク性資産」のバブル状態にあります。
「米FRBが2020年のコロナ禍直後から市場に資金を潤沢に供給したことを受け、韓国を含めた新興市場諸国(EM)に巨額のホットマネーが流入し、それらが韓国の不動産市場や株式市場、暗号資産市場で資産バブルを形成した」――。
これが当ウェブサイトでこれまでしばしば指摘してきた、「韓国資産バブルFRB主犯説」の流れです。
【参考】韓国資産バブルFRB主犯説
- ①FRB等、主要国中央銀行による金融緩和
- ②為替市場で韓国ウォンを含めた新興市場諸国に投機資金が流入(=通貨高)
- ③韓国の通貨当局が「ウォン高になり過ぎれば輸出業者が困る」と判断
- ④韓国のウォン売り・ドル買い介入(→外貨準備の増加)
- ⑤市中のウォン流通量が増大(→マネタリーベースの増加)
- ⑥金融機関の家計向けローンが増大(→家計債務の増大)
- ⑦カネを借りた家計がリスク資産(株式、不動産、暗号資産など)に投資
- ⑧韓国ウォンが一時、ビットコイン取引通貨の第3位に浮上
(【出所】著者作成)
ホットマネー流入で家計債務も膨張したが…
実際、2020年後半以降、韓国ウォンが米ドルに対し上昇し、(おそらくは韓国銀行による為替介入の結果でしょうか)韓国の外貨準備とマネタリーベースが両建てで拡大し、家計信用も膨張し、株価、不動産価格、暗号資産価格などが押し上げられました。
しかし、韓国の家計の怖いところは、銀行などからカネを借りて、リスク資産に投資しているらしい、という点にあります。こうした行動を取っていると、株価や不動産価格、暗号資産価格が下落すると、家計は借金を返すことができなくなり、債務破綻します。
当然、家計にカネを貸している金融機関にとっては、巨額の貸倒損失を計上することにつながりますし、それによって自己資本が棄損すれば、その損失の度合いによっては経営危機に陥る金融機関が増え、公的資金注入をしなければ金融システム全体が崩壊の危機にさらされることもあります。
(※1990年代の日本の住専問題を全国規模に拡大したようなものだと思えばだいたい合っているでしょう。)
この点、『韓国不動産バブル「山高ければ谷深し」と鈴置氏が警告』などでも取り上げた、韓国観察者の鈴置高史氏による韓国の統計データをもとにした議論を読むと、すでに韓国ではバブルが急速にしぼみ始めている可能性が濃厚です。
ノンバンクの不動産延滞急増か
こうした状況を債務者側から裏付ける、もうひとつの報道が出てきました。
高金利に警告灯…保険・カード・証券会社不動産PFローン延滞急増【※韓国語】
―――2022-09-13 06:04付 聯合ニュースより
韓国メディア『聯合ニュース』によると、与党「国民の力」の議員が金融監督院から入手した国政監査資料に基づき、今年に入って保険会社や証券会社、カード会社の延滞残高と延滞率が悪化したことが判明したのだそうです。
また、業種別では「金融圏」で最も多い保険会社の「不動産PFローン」(※「不動産プロジェクトファイナンス」の意でしょうか?)の残高は3月末時点で42兆2472億ウォンで、このうち延滞残高は1298億ウォンと、昨年末の305億ウォンと比べ4倍以上の水準に膨張したのだとか。
また、この「不動産PFローン」は証券会社も行っているらしく、その金額は4兆1760億ウォン、債務保証残高は24兆6675億ウォンで、延滞残高は3月末時点の1968億ウォンと昨年末の1691億ウォンから16%ほど増加している、などとしています。
さらには、「カード会社」の不動産PFローン残高は6月末時点で26兆7289億ウォン、延滞残高は2289億ウォンで昨年末の917億ウォンと比べ2.5倍に膨らんだ、などとしています。
正直、「証券会社やカード会社などが不動産ローンを持っている」といわれると不思議な気がします。韓国で不動産証券化商品、特定貸付債権(SL)などの市場が発達している、といった話は、あまり耳にしないからです。
どうやって乗り切るつもりでしょうかね?
こうした不透明感はあるにせよ、仮にノンバンクが大々的に不動産融資を行っているのだとしたら、金融システム自体に不良債権が発生しそうになっている、ということでもあります。正直、韓国銀行が利上げを行った場合のインパクトは、私たち日本人が想像しているよりも遥かに大きいのではないでしょうか。
いずれにせよ、韓国銀行が利上げをすれば不良債権問題から金融危機が発生し、韓国銀行が利上げを見送れば資本流出から通貨危機につながるという可能性が濃厚であり、韓国銀行がハンドリングを間違えれば、金融危機と通貨危機が同時に生じるという展開もあり得ます。
こうした危機、我々日本人にとっては他人事ではありますが、韓国政府や韓国銀行がこの危機をどうやって乗り切るのかについては、金融評論という立場からは純粋に興味があると思ってしまう次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
南国が日本と友好をと叫べば、アサヒ・毎日・日経が
日本は南国を援助しろというから、簡単ですよ。
で、TVで南国の人達が友好をと呼びかける
お涙頂戴番組をフジ・TBS・NHKが作製しますね。
日本のバブル崩壊の時期、多額の不良債権を抱えた金融機関に、公的資金をつぎ込んで救済することに対しては、モラルハザードを招くという批判がずいぶんありました。
でも、もともとモラルなんか無い国で同じ事が起きたとすれば、どういう批判が起きるでしょう。
「別に今までと変わりないんだから、いいじゃん」になるのかな(笑)。
「我々が問題としているのは『道徳』であって『モラル』などではない!」と叫べばOKなのでは?
韓国の不動産価格のチャートとKOSPIのチャートを眺めた感想です。不動産のほうは、高騰が激しい地区でも2倍程度ですし、KOSPIも最高値が10年前の1.5倍くらいで、中国の不動産やアメリカのダウに比べれば、バブルの山が非常に低いです(日経平均はもっと低いです)。KOSPIは山頂からふもとまでの半分くらいをもう下げてしまっていて、ダウ程の危険因子は残っていません。
たぶん、欧米や中国に比べると、日本や韓国での世界バブル崩壊による被害は、かなり少ないと予想しています。とりあえず、大国の中では、中国が非常に危険な状態でしょう。次いでEUかな。
ロシア・ウクライナのほうは、ここ数日で状況が一変してしまい、ドイツの世論すら、再びウクライナ支援に傾いてきたようです。分析のやり直しが必要です。
室谷克実氏の本によると韓国には大きな私債マーケットがあるとのこと。
不動産バブルを膨らませている原因の一つかも。
元来、非常に用心深い金貸らしいがバブルはそういう人たちの目も曇らせる。
南朝鮮はシャドーバンキングが発達してるとよく言われますよね。
そしてノンバンクなんかの第二金融圏のは昔から経営に問題がありましたし、
また不動産関連での独自の制度であるチョンセなんかも、
個人金融負債に換算されていないと聞いたことがあります。
ほんとによく分からない国で、先進国と名乗っていいのかも疑問です。
統計がいい加減(GDPの統計漏洩も日本より大きい)
ですから一旦逆回転すると実態把握が難しくなり、厳しい状況になるのではないでしょうか。
南朝鮮国民は過去の事例からどうせ日米が助けてくれると思ってるんでしょう、
しかしそのセイフティネットはもう存在していません。
不動産は値下がりの損失はあってもその一方で高く売り抜けたやつもいるので国内に資金が留まっている限りゼロサムで全体の損益は0なんだどけね(笑い
なにせ対岸の半島民はどこかの国と同じで国外逃亡好きだよね。
銀行の不良債権が増大して経営が悪化するのが最大の問題なんだけど。
元小規模銀行で貸付やっていた者です。
バブル崩壊そのものを目前にして、なす術もない我が社や取引先をいくつも見ていました。
尚、今は銀行員ではありません。
不動産プロジェクトファイナンスで正解のようです。しかもコレ無担貸付で、本来であれば企業の成長性を吟味して貸し付けるもののようです。
韓国の場合は、不動産価値が上がり返済に困らない事を前提にした融資のようです。
しかも担保取っていないのであれば、焦付きは銀行やノンバンクが被ります。そもそも銀行が根抵当権や先に担保設定してだとすれば、ノンバンク関係には殆ど弁済出来ません。
所謂カードローンみたいなもので、日本の銀行の場合は保証会社が債権譲渡されて回収を引き受けるのですが、ノンバンクとなると自分で回収するか、子会社の保証会社に回収させるかになると思います。
何かしらの理由で不動産価値下落すると、無理して借りている人が多いこの国では、沢山の回収不能債権が出てくると思います。
多くのノンバンクや中小銀行などは体力が持たず、破綻するでしょう。引き摺られて企業も連鎖破綻し、失業者が続出するのでは。
そうすれば普通は国家が公的資金で破綻処理をすべきでしょうが、日本と違いこの国はどうでしょうか。