節電で数十円→国民激怒→「やっぱり2千円あげます」
「毎月数十円」で国民が激怒するのを見て慌てたのでしょうか?今度は「節電キャンペーンに参加したら2000円あげる」、ときました。岸田政権がブレブレなのは今に始まったことではありませんが、これも大変に噴飯ものでしょう。ポイントという姑息な手段によるのではなく、再生エネ賦課金という、モデル世帯で毎年1万円を強制的に徴収する制度、さらには消費税法を何とかした方が良いのではないでしょうか。
節電ポイントへの参加は大変簡単!まずは6つのステップを…
先日の『電力会社「節電に協力したら毎月数十円差し上げます」』では、政府が今夏の電力不足を前に、節電に協力した家庭へのポイント付与制度を検討している、などとする話題を取り上げました。
首相官邸ウェブサイトで確認できる岸田文雄首相の発言に加え、いくつかの報道記事の話などを総合すれば、260kWhを消費する「モデル世帯」において、毎月数十円相当のポイントが付与される(らしい)、というものだそうです。
ちなみに東京電力エナジーパートナーのウェブサイト『夏の節電チャレンジ2022』のページによると、節電ポイントへの参加方法は次のとおりです。
- ①くらしTEPCOwebへログイン
- ②「夏の節電チャレンジ2022」参加フォームよりお申込み
- ③節電チャレンジの対象時間帯を前日まで(または当日1時間前)にお知らせ
- ④節電チャレンジの実施
- ⑤節電チャレンジの結果を確認
- ⑥キャンペーン終了後、節電ポイントに応じて「くらしTEPCOポイント」を獲得
…。
FIT賦課金をどうにかした方が先では?
なかなかに、消費者や国民を舐めているキャンペーンです。そんな煩雑な手続をして毎月数十円だと、「ナックマゲット(仮)」も買えません。
事実関係を改めて確認しておきますが、私たち国民は、決して安くない「再生エネルギー賦課金」を強制的に徴収されています。
ちなみにその金額は、資源エネルギー庁『なっとく!再生可能エネルギー』などによると、2022年5月以降は1kWhあたり3.45円に設定されていますので、モデル世帯(260kWh)の場合は毎月897円、年間で10,764円の負担です。
これだけの金額を負担させられておきながら、「やっぱり電気が足りません」、「節電に協力してください」というのは、話としてはまったく筋が通りません。すなおに「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が電力の安定供給という政策目標に照らして間違っていました」と認めるところから始めるべきでしょう。
それに、電力各社の役割は、「節電のお願いをすること」ではありません。「発電をすること」であり、「電力の安定供給に向けたロードマップを示すこと」、「FITを見直すこと」です。やるべき努力を尽くしたうえで、初めて「どうしても足りない分については●kWh分の節電に協力してください」、とお願いするのが筋でしょう。
先日の『じつは岸田政権下でひそかに進み始めている原発再稼働』でも指摘したとおり、岸田政権下で原発再稼働が(少しずつではありますが)進んでいること自体は正当に評価すべきではありますが、いかんせん、再稼働に向けたスピードが遅すぎます。最大手の東京電力の原発再稼働が進んでいないからです。
また、これに関してSNSなどで一般国民の意見を眺めてみると、「節電に協力しない」という意見が圧倒的多数を占めていますが、これも当たり前でしょう。政府も多くの電力会社も、「まずはやるべきこと」をやっていないからです。
国民激怒→「やっぱり2000円あげます」
ただ、国民からの反発があまりにも大きかったためでしょうか、政府は慌てて軌道修正を図ったようです。
政府、節電家庭に2千円相当のポイント支給へ
―――2022/6/24 12:37付 産経ニュースより
産経などの記事によれば、木原誠二官房副長官は24日の記者会見で、この「節電ポイント」に参加した家庭に対しては「2000円相当のポイント支給を検討する」と表明。「実質的に電気代負担を低減することを目指したい」と述べたのだそうです。
木原誠二官房副長官
(【出所】首相官邸HP・政府インターネットTV動画キャプチャ)
さすがに数十円だと「駄菓子も買えない」と気付いたのでしょうか?ちなみに2000円だと「数十円」よりはマシだと思ったのかもしれませんが、モデル世帯にとっては1回の外食費にすらなりませんし、FIT2ヵ月分にも満たない金額です。
しかも、産経によると木原氏は、「家庭や事業者がもう一段の節電をした場合に、電力会社の節電ポイントに国がさらに上乗せ支援をする」とも述べたのだそうですが、これもなんだか微妙です。
「実質的に電気代負担を低減する」のであれば、「節電ポイント」などという姑息な手段によるのではなく、「FITの改廃」という「正攻法」によるべきでしょう。あるいは、消費税法を改正し、電気代や食料品、生活必需品などに対して「ゼロ%の軽減税率」を適用する、といった方法でも良いと思います。
いずれにせよ、政府がこの問題にどう対処するかについてはじっくり見させていただくとしつつ、私たち日本国民の側は、参院選ではくれぐれも賢明に行動しなければならない、とだけ申し上げておきたいと思います。
おまけ:ある読者の声
「その数十円分のポイント諦めるだけで、真夏と真冬に電気・ガス使いたい放題か…ポイント諦めるだけの価値はあるな。」
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
ちなみに最後のコメントは「がみ」様のものです。がみ様、ありがとうございました。
節電の要請の前にやることあるんじゃない?というのは置いといても・・・・
なんでポイントなの?
大々的にやるんなら「月○kwh以下に抑えたら電気料金を国が負担します」とかで良いんじゃないのかな?
電力会社は各世帯の使用料把握できるんだから、基準以下のときは請求額を0円にして、代わりに国に総額を請求するだけでいいのに・・・・
ポイント関係は中抜きがしやすいと聞いたことがあります。作業が煩雑になればなるほど金を抜けるのだと思います。
再エネ普及のために10年間賦課金の負担を強いてきて、結果、「電気が足りません」と言う結論が出たのなら、まず政府は政策の過ちを認めるべきでしょう。話はそれからだ。
その元凶が民主党政権なんですけど、今頃立憲民主の連中は「俺たちはもう民主党じゃないから関係ない」と他人事みたいに思ってるでしょうね。
政権与党時代の反省や総括もせずに懲りずに「政権交代」を叫んでる醜態からは一切の良心も正気も感じられません。
そうやって屋上屋を重ねて政府の支出を増やす方角へ「とんちんかんな政策」を繰り出してみせるから、財務省の思うままにリモコンされることになる。原発再起動なんて難しいことには決して近寄らない臆病者政権丸出しです。
ポイントと口にしただけで(ぷくくく)この上ない悪しき事例をぶちかましてくれました。これが岸田文雄政権の実力ですよ。
殊この問題に関しては、和田政宗参議院議員が懸念しているように、来月の参議院選挙で自民党議席激減も起こりうるのではないかと、些か心配になってきました。
やはり器でもない人物を総理にさせてしまうと、なにがしかその反動はあるかもしれません。
だから岸田じゃダメなんだ。安倍晋三がなぜスムーズに岸田への禅譲をしなかったのか。多分だが、この煮え切らない態度を予見していたのではないだろうか。電気代金が高騰している。一般家庭は云うに及ばず、事業者や商売屋も青息吐息ではないのか。電気だけならともかくガソリンだって暴騰一途ではないか!数十円が2000円?バカですか?バカだよな?おれは自民党には投票しない。さてさてどうするか?野党もあれじゃあなぁ、、、呆然!
一体何があったのかをつらつら想像しています。ひとつの可能性は現政権の実体が
「ドクロベーとドロンジョ一味」
なのではないか、というものです。「総統とベルク・カッツェ」かも知れません。
いやそうじゃないだ、真実はこっちだ、というフォローお待ちしています。
財務省の『”ポチ”っとな』・・。
やっぱりリベラルを謳ってる宏池会は話しにならない
これでも多分、参院選の選挙対策の「つもり」だと思いますよ。
「参院選前に国民の批判が高まるのはヤバい。大盤振る舞いしよう!」
岸田政権の面々の世間ズレがよく現れてると思います。
再エネに利権が輻輳している様に、”ポイント利権”があるんでしょーねー()
一時の、冷夏、暖冬、祈ります。
一時の、我慢大会、参加せず。
せせこましい…。
コメント失礼します。
岸田総理の良い所「ゴネられると弱い」が又発動しましたね。もっと皆でゴネたら次は20万円かな?
そんなに節電して欲しいなら、先ずは霞が関と永田町からどうぞ。28℃で頑張って下さい。指揮官先頭。
政府が「○○ポイント」を言い出したら眉に唾をつけないといけません。マイナポイントで2万ポイントとかいうけど、PCもスマホもそこそこしか使わない小生にとっては手続きが面倒くさくて、政府は本当に普及させたいと思っているのか、疑問というかそんなこと思っていないんだろうな、と心底思います。小生は団塊の世代で、先述したように多少はPCもスマホも分かっているつもりだけど、それでもだめ。ちなみに自分のPC、スマホのほかコンビニ、郵便局で挑戦しましたがだめでした。分からない、ということではなく面倒くさくて途中でやめてしまいました。数十円の電気代でそんなことやる人がいるとは思えないし、やる人は今まで野放図に電気使っていた人なんじゃないかな。それはそれで腹が立つ。
木原さんの写真ですが、
なんか、情けない男に写ってますね。と思うのは私だけでしょうか?
財務省の回し者?丸出し?と思うのも私だけでしょうか?
政府と言う組織は総理大臣がボンクラに変わっただけで、かくも劣化するものなのですね。
切断のお願いではなく、原発再稼働、ソーラー発電課税をすべきでしょう。
とくに、ソーラーパネル廃棄物の処理は、事業者に義務付けることは、絶対にすべきです。
寿命がきたパネルの処理は、事業者の責任で処理させるのは当たり前でしょう。
同意です。
特に海外からの投資も有ると聞きます。
20年間のFITが終わったら逃げるのが有ると考えるのが普通です。
荒れた山(切り開いた山道はどうする)、荒れた設備(100Mの風車、大量の太陽光電池)がそのまま残ったら恐ろしいことになる。
つまり我々の税金が使われる。
議員先生は一銭も払わない。
太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について(エネルギー庁)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/fip_2020/fip_document03.pdf
原則、源泉徴収的な外部積⽴て
最も早い事業が積⽴てを開始する時期は2022年7⽉1⽇
資料有り難うございます。
保険加入まで用意されているようです。(努力義務)
風力については無いようですね。
風力は広範囲に設置されある意味太陽光より影響が大きいかと思って居ます。
規模の大きい風力もなにがしかの規制は必要かと思って居ます。
追伸
大阪での上海電力ステルス参入は国の基本とも言える電力安定供給に致命的な影響を与える可能性があります。
日本の電力網へ影響を与えないような対策はしているのでしょうか
特に太陽光も風力も中国製が多いと聞いています。
用心に用心を重ねても十分と言う事は有りません。
彼の国文化は「欺される方が悪い」なのです。
国防動員法を持つような国の企業の参入制限(資本規制、人員規制)を実施すべきですね。この辺りどうなっているのだろう。
何とかの一つ覚えの様な”規制廃止”と”規制改革”を混同・取り違えている輩にはよく考えて欲しいもの。
再エネ賦課金って、本来なら淘汰されるべきゾンビ企業の延命にしかなってないような。
となると、補助金の利権がどうなってるのか、興味があります。
↓下記の(A)(B)におさまる接続詞の組合せを答えよ。
*エネルギー政策( A )ポイント( B )供給だ!
① (A.の B.は)
② (A.で B.を)
*こんなの間違う人がいるんだろうか?
不確定多者の協力に依存するよりも、能動的な動きでの確実な解決に越したことはないと思うんですけどね・・。
泥縄政策ですね。
立憲民主党と同じレベル感ですね。
まずは保守系野党の育成が喫緊の課題だと痛感しています。
木原誠二さんは現首相の守護神ですね(笑) 言葉巧みだから、以前の首相のバカ発言を曲解し?(中身は真反対なのですが、すり替えて)TVで、自信タップリの表情で普通を装っていました。 この猿芝居が通用するのだから、TV業界は悩ましいですし世の中も悩ましい。 おたがいの利益のため「猿と狐と狸と寄生虫」を許す政界とマスメデイなのでしょうね。
寄生虫はどの世代でも姿を変えて生息し続けるでしょうから、無秩序に増え続けた猿とか狐か狸とかを減らすのが先決ですね。 政党は申しません!
あっ、寄生虫とは日本共産。
要するに、節電ポイントが最も貯まる家庭というのは、節電余力の多い家庭。
換言すれば、これ迄電気を浪費して来て、今初めて節電でもしてみようか、という家庭。
従来から真面目に節電努力して来た家庭を足蹴にするというか、こういう、「正直者が馬鹿を見る。」様な政策は最低ですね。
仰る通り、日頃から質素倹約を旨としている家庭には恩恵はありませんね。
浪費家庭を対象とした政策なのでしょうね。
浪費している人に変容を促すという意味ではやったほうが良いのかもしれませんが。
正直者がバカを見るという典型的な政策ですね。
宏池会は立憲民主党と同じレベルという事です。
気象庁の3か月予報で、今年は猛暑かつ残暑厳しいってことみたいだけど、2000円一回こっきりじゃあ1か月の値上がり分でチャラじゃないの?
うちだって電力あまり使わない5月で前年比すでに1500円弱上がってるぞ(使用量変わんないのに)。
6月の今からすでに暑くてエアコンつけざるを得ないのに、「やったー節電して2000円ゲットしよ!」ってならないよ。猛暑で病院送りになったら2000円じゃ済まないしね。
プーチンのような強権リーダーも困るが岸田のように意見は聞くが何もしないリーダーも困りもの。それにしても市井一般のレベルに達しない人の集団が内閣とは情けない。町内会でももう少しマシな議論がされている。元町内会役員より。
>「節電ポイント」に参加した家庭に対しては「2000円相当のポイント支給を検討する」
これまでの経過から岸田首相の言う「検討」って「やらない」と同義とですね。
あと支給額はゼロが二つ足りないです