韓国協議団は面会重ねるも…諸懸案の具体策が一切なし

韓国の協議団は昨日だけで外務省や経産省などを訪問し、林外相とはワーキングディナーまでこなしましたが、そのわりに日韓諸懸案解決のための具体的な提案がなされたという話は、まったく見えてきません。こうした状況で、一部メディアは岸田首相が本日、協議団と面会する予定だ、などと伝えられていますが、正直、今回の訪日団は日韓関係「改善」という視点では逆効果になったのかもしれません。

「岸田首相との面会を調整中」=一部メディア

韓国の尹錫悦(いん・しゃくえつ)次期大統領が現在、「政策協議代表団」を日本に派遣しています。

この代表団は24日に来日し、28日まで日本に滞在する予定であり、日テレなど一部メディアは、26日(すなわち本日)、岸田文雄首相自身がこの代表団と面会する方向で調整中だ、などと報じています。

首相 韓国代表団とあす会談で調整

―――2022/4/25 16:44付 Yahoo!ニュースより【日テレNEWS24配信】

日本の内閣交代直後に、首相が韓国からやってきた使者と会うという意味では、菅義偉総理が2020年11月に朴智元(ぼく・ちげん)氏と面会したという事例があります。

このとき、朴智元氏はおそらく、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領との首脳会談などについて提案したようですが、菅総理は朴智元氏に対し、「日韓関係を健全な姿に戻すためのきっかけは韓国が作ってほしい」と伝えました(『菅総理「日韓関係健全化のきっかけ要求」の本当の意味』等参照)。

見事な「ゼロ回答」だと思います。

「岸田首相が協議団と面会する」との報道が事実だとしたら、果たして岸田首相が菅総理のような毅然とした態度を取ることができるかどうか、あるいは「二度あることは何とやら」ではありませんが、2015年の二の舞となるのについては、非常に興味深い論点でしょう(個人的には後者を予想していますが)。

外務省は林外相がワーキングディナーで歓待

もっとも、この政策協議代表団の行動を見ていると、なかなか興味深い話題がいくつか出てきています。ひとつは、外務省が発表した、こんな話題です。

林外務大臣と韓日政策協議代表団とのワーキングディナー及び森外務事務次官と同代表団との意見交換

―――2022/04/25付 外務省HPより

外務省によると、林芳正外相が協議団との間でワーキングディナーを行ったそうです。外務省ウェブサイトに掲載されている概要は、次の3点です。

  • 当方から、政策協議代表団の訪日を歓迎するとともに、ロシアによるウクライナ侵略や北朝鮮の核・ミサイル活動の活発化等、国際社会が時代を画する変化に直面する中、健全な日韓関係は、ルールに基づく国際秩序を実現し、地域及び世界の平和、安定及び繁栄を確保する上でも不可欠である、また、日韓米3か国の連携も重要である旨述べました。
  • また、当方から、1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を発展させていく必要があり、尹次期大統領のリーダーシップに期待する、日韓関係改善のため、新政権と緊密に協力していきたい旨述べました。
  • これに対し、日韓関係を改善していきたいとの基本的な立場に立って、先方の考え方の表明があり、日韓間の懸案を含め双方で率直な意見交換が行われました。その上で、韓国新政権の下、日韓両国で緊密に意思疎通を行っていくことで一致しました。また、北朝鮮への対応を含め、日米韓協力を更に推進していくことで認識の一致がありました。

…。

話している内容自体に、従来の日本政府の立場から逸脱するものはありません。

「ルールに基づく国際秩序」という発言自体、ルールや国際秩序を無視している現在の韓国の姿勢を痛烈に皮肉ったものと受け止めることもできますし、また、「1965年以来の日韓の友好協力関係」云々の発言も、「韓国が約束を守ってほしい」という意味では、これまで日本政府が繰り返してきたものとほぼ同じです。

「ワーキングディナー」と称してはいますが、これを林外相自身があたかも歓待するかのように実施したこと自体が適切だったのかどうかといわれれば、話はまったく別でしょう。

それに、これまでの韓国側の行動を見ていると、日本側が正論を話しても、それが「伝わっている」かどうかが大変に怪しいところです。これまでの「丁寧な無視」から大きく転換したかにみえること自体、韓国側に「日本は譲歩する」という誤った印象を与えてしまった可能性があります。

輸出管理を「輸出規制」

その一方で、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に、輸出管理に関する誤認に満ちた記事も掲載されていました。

韓国代表団が萩生田経済産業相と面会 日本の対韓輸出規制など協議

―――2022.04.25 19:39付 聯合ニュース日本語版より

記事のタイトルが、いきなり間違っています。日本が韓国に輸出規制を発動した事実はないからです。

聯合ニュースによれば、政策協議代表団は25日、経済産業省を訪れ、萩生田光一経産相と「2019年に始まった日本の対韓輸出規制強化などについて」協議した、としています。そのうえで、鄭鎮碩(てい・ちんせき)国会副議長は面会後、記者団に対し、こう述べたのだそうです。

輸出規制問題など懸案があるが、新たなスタートラインから両国の互恵的な未来を切り開くため、問題を賢明に解決するために努力しようと(萩生田氏に)申し上げた」。

なかなか強烈な発言です。

日本が韓国に対する輸出管理適正化措置を発動した理由は、韓国自身が輸出管理において不適切な事案を発生させたことと、日本政府が韓国との間で信頼をもって輸出管理に取り組むことができなくなったからです(経産省『大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて』参照)。

それなのに、聯合ニュースはこの措置を「輸出規制」と誤記したうえで、次のとおり、あきらかに事実無根の内容を記載しています。

韓国大法院(最高裁)が強制徴用被害者への賠償を日本企業に命じたことを受け、日本政府は事実上の報復措置として19年7月に半導体などの製造に必要なフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材、フォトレジスト)の3品目の対韓輸出規制を強化した」。

ここまでくると捏造と言わざるを得ません。

経産省は「WTO提訴された状態で政策対話はできない」

もっとも、聯合ニュースの記事には続きがあります。具体的には、経済産業省の出雲晃・韓国室長が面会後に開かれた記者会見で、「日本政府のこれまでの立場を繰り返した」うえで、こう述べたのだそうです。

日本はWTOに提訴された状態では政策対話を開くことができないとの立場であるため、韓国が提訴を取り下げれば、政策対話に戻ると説明した」。

この記述、聯合ニュースの記者の方が気付いているかどうかは知りませんが、日本政府の従来の立場とまったく変わっていません。経産省側は輸出管理適正化措置を「撤回」(?)するかどうかを巡っては、少なくとも両国が政策対話に戻ることが必要だと述べてきたからです。

想像するに、韓国側からは「日本は輸出規制を撤回してほしい」と要望したものの、経産省側は「輸出『規制』ではなく輸出管理の体制変更だ」、「政策対話に応じ、フッ化水素などの横流し疑惑についてちゃんと説明することが先だ」、などと韓国側に伝達したのではないでしょうか。

具体策が何もない

いずれにせよ、これらの報道などを眺めている限り、今回の政策協議団の派遣は、韓国側が関係「改善」の意思を伝えたものの、そもそも協議団の構成員自身が日韓諸懸案について何ら勉強しておらず、したがって、「改善」提案についても具体的な中身がなにも伴っていないのではないか、という疑念は尽きません。

こうしたなかで、もうひとつ取り上げておきたいのが、自民党の外交部会長を務める佐藤正久参議院議員が発した、「意欲はあっても具体策はなし」と批判するツイートです。

これは、韓国側の団長が「解決は一方の努力だけでは難しい」、「両国が誠意をもって努力していかなければならない」などと述べた点に関連し、「ボールが韓国側にある」という点を認識していないのではないか、と疑念を呈するものです。

正直、当ウェブサイトではかなり以前から、「政策協議団とやらが持参するであろう具体的な解決策が見えてこない」、「日韓関係を正常化するも破綻させるも、すべては韓国の選択次第だ」と申し上げ続けてきたつもりですが、佐藤氏のツイートは正論ではあるにせよ、すこし周回遅れ、という気がしなくもありません。

いずれにせよ、1日でここまで多くの関係者と面会したようですが、日韓諸懸案を解決するための具体的な方法論が、ここまで何ひとつとして出てきていないというのにも驚きます。こんな状態で韓国側が日本政府の関係者などを部分的に「説得」することはできたとしても、日本国全体を「納得」させることができるとは思えません。

その意味では、『期待大きければ失望も大きい:韓国の協議団は裏目に?』で指摘したとおり、今回の協議団の訪日は、「保守政権(?)」に後退したところで、韓国がなにひとつ変わっていないことを如実に示すきっかけになるのが関の山ではないかと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. クロワッサン より:

    >これは、韓国側の団長が「解決は一方の努力だけでは難しい」、「両国が誠意をもって努力していかなければならない」などと述べた点に関連し、「ボールが韓国側にある」という点を認識していないのではないか、と疑念を呈するものです。

    其れが認識出来るようなマトモな人間ならば韓国人辞めちゃってるでしょうにね(笑)

  2. j より:

    お疲れさまです。

    輸出管理を輸出規制と言い張るのは、横流し疑惑を突っ込まれるとまずい証明でございます。
    暗黙の国民的合意が、できているんだとおもいます。
    「独島は、我が領土。」と言い張るのと同じだとおもいました。
    実行支配の経緯を突っ込まれると、まずい証明でございます。
    これも暗黙の国民的合意が、できているとおもいます。

    これから日本は対話の場で、はっきりと指摘するとを希望いたします。
    そうして初めて、対等な関係になっていくとおもいます。

    ロシアの富豪の家族ごと亡くなる事件が続きました。
    日本の国防を考える時代になったとおもいます。
    「明治以来の富国強兵があったから、日本は侵略されずにずんだ。」どこかで見ましたが、納得いたしました。
    人間、失敗はいたします。やり過ぎて変な国を併合したのは、反省するべきだと思います。

  3. sey g より:

    ここから、韓国が大逆転する方法があります。
    岸田総理の前で、突然皆で三跪九叩頭の礼をするのです。
    そして、それを隠し撮りしてバラマキ、日本に強要されたと嘘をばらまくんです。
    日本は当然、韓国が勝手にやった事と事実を言いますが、誰が信用しますか。勝手に三跪九叩頭の礼などするはずがないと。
    そして、道徳的優位にたち日本に要求をのませるのです。

    1. 匿名 より:

      三跪九叩頭の礼ですか?
      まず、彼らはやらないと思います。

      何故なら、彼らにとってはメンツがすべてであり、日本は道徳的の劣った存在です。
      民間の商売くらいならともかく、外交という場でそんな真似をすると、屈辱外交だと韓国民に袋叩きにされます。
      ほんの一瞬でも、自分達を序列が下という姿を見せる真似は出来ないので、そういう真似はしないと思われます。

      しかし、諸懸案の具体策が一切なしですか。
      前々から言われていた事ですが、これでは何の話にもなりませんね。
      岸田総理が合おうが合うまいが、何も話は進まず、一切の影響は無いでしょうね。

      1. sey g より:

        もちろん冗談ですよ。
        彼等が大事なのは金よりメンツですから。
        ただ、三跪九叩頭の礼をする使節団を見られたら 面白いだろうなと思っただけです。

        1. タナカ珈琲。 より:

          say g様。

          ワタシは冗談では無く、本気で見たいです。

          朝鮮ドラマでやっていましたが、21世紀で見る事が出来たら痛快です。

          蛇足です。
          読書欄の時間になりましたが…、
          確認したら、まだ0件でした。
          『うなとと』をネットで検索しました。
          1番安いのが、550円でした。ヤスッと言ってました。
          本吉屋さんのと比べたら、怒られますが、
          ヤッパシ比べてしまいます。
          今度、一緒に行くと約束しました。

  4. カズ より:

    「方向性を示すだけで行動を伴わない」のは、いつものことですね。
    他力本願の成就条件は、日頃の行いが良いことに尽きるのに・・。

    菅総理からの宿題「韓国側が会話のきっかけを作れ」の回答が、言葉のままに『韓国側からの会談要請』なのだとしたら、あまりにも思考が短絡すぎます。

    肝心なのは自助努力。「自らの行動をもって成就に努める」ことです。
    少なくとも「誰かに自らを助けてもらうための努力」ではないはず・・。

  5. 通りすがりのA より:

    鈴置さんの記事にあった言葉が思い浮かびました。
    「大統領の性向だけを見たら対応を誤る。K国世論全体が左傾化し、北・中に傾斜している。」

    K田首相やその取巻きは上記の言葉をどのように受け止めるのか、
    政権与党の自民党および他野党(K産党およびR憲M主党を除く)を含め、日本の国益とCPTPP、QUADの理念を如何にK国に理解、実践させるかに意を傾けてほしいですね。

    本日、K田首相がK国の政策協議団と面会するとの事ですが、多分、三匹目の泥鰌のようになるでしょう。その時こそ、K田降ろしの号砲が鳴るのかも。

    1. 迷王星 より:

      >CPTPP、QUADの理念を如何にK国に理解、実践させるか

      失礼ですが,何をお目出度いことをおっしゃってるのですか.
      「約束は守らねばならない」とか「ルールや法は守られるべきだ」といった基本的倫理観・価値観を未だ持たない(そういう意味で物質的にはともかくも精神的には未開民の段階にすら達していない)国民は,文明人である上でそれらの基本的な倫理観や価値観が如何に大事で不可欠であるかを心底思い知って一所懸命に実践しようとする段階にステップアップしない限り,CPTPPやQUADの理念を理解・実践することなど全くの絵空事です.

      それら基本的倫理観や価値観を身に付けていない現時点の韓国民にCPTPPやQUADの理念を如何に理解・実践させるかを問うのは,あたかも幼稚園児に大学院レベルの学問を理解させ演習問題を解かせるには如何にすべきかを問うに等しく,全く現実味のない無謀極まりない期待です.

      幼稚園児の場合,何よりも先ず約束やルールを守ることの大事さを学び実践できるようにならねばなりません.韓国民の現実はこの段階ですよ.

  6. G より:

    しつこいですけど、彼らは誰に会えるかだけが重要なんですよ。なんも具体策は出さないはずです。
    多分定期的に協議を続けましょうというだけです。
    訪問団の人たちはこれで「日本とのコネ」が出来て、韓国国内でいろいろ美味しい思いができるのです。

    首相も外相もそんな個人的なメリットに対して優遇し過ぎです。

    1. ジロウ より:

      Gさま
      日本の議員でもいろいろ美味しい思いができるんじゃないかと思っています。日本の国会議員の中に、口先だけでなく本当の国益を考えているのが何人いるんだろうかと思います。かつてないくらい政治不信に陥っています。どうせ、大あくび林も満面の笑みで連中を迎えたんでしょうね。

  7. 名無しの権兵衛 より:

     昨日の日韓議連との朝食会で、代表団の鄭鎮碩団長は、「(歴史問題に関し)悪いようにはしない。約束できる。」と発言したそうです。「権限を持っていない」のに、約束できるんですね。
     泥棒に対して被害者が「盗んだものを返せ」と言っているのに、「悪いようにはしない。約束できる。」と言われても納得できる訳がありませんし、開いた口が塞がらないとはこのことです。
     それはさておき、尹錫悦次期政権の方針は、「国際法違反の是正」ではなく、「国際法違反の凍結」だと思います。
     「悪いようにはしない」というのは「日本企業の差押財産現金化や日本政府財産の差押はしない」という意味だと思いますが、「悪いようにはしない」のではなく「悪いようにはできない」だけです。
     文在寅政権も尹錫悦次期政権も「悪いようにする」だけの度胸も根性も無いのは同じです。違うのは、瀬戸際戦術に利用するかしないかだけです。
     尹錫悦次期政権は、「国際法違反の凍結」により、日韓通貨スワップ協定や日韓漁業協定の再開を目指す作戦だと思います。お人好しの岸田首相や林外相が騙されないように祈るだけです。

    1. カオナシ より:

      「(歴史問題に関し)悪いようにはしない。約束できる。」
      もちろん、守らない約束なので、無問題。

      「国際法違反の凍結」だけでは、日本は、国と国の約束を守ったとは、見なさないと思います。

  8. 埼玉県民 より:

    誰かの東大受験と同じで2度あることは3度ありそうです。
    受験不合格は、個人の問題なので、ある意味勝手ですが、
    国益を毀損するのはやめていただきたいです。

  9. 元ジェネラリスト より:

    用日派が勝手に期待を高めて、会うぞ会うぞと言ってる内に、ほんとに岸田首相に会えてしまうのでしょうか。
    何も具体案を持っていない人たちにとっては、目的大成功です。
    話をよく聞く岸田氏に対しては、声を大にして言った者が得をするのかもしれません。

    ここで会ってやれば、新政権の可動域が多少は広がるとは思いますが、だからといって日本の望む解決策が今後出てくるとは思えません。

    3/10の「日韓関係改善のため、尹次期大統領と緊密に協力していきたい。」発言から始まる補助線が気になっています。
    岸田氏が変な妥協をしそうで心配しかありません。

  10. JJ朝日 より:

    佐藤議員の、「意欲は有っても解決案無し」が全てですね。
    あんな自己防衛専制君主法案が通るようなROKの立法府なら、日本との問題案件は永遠に解決はできないでしょう。
    さよならROKへ歩をんでいるだけのような。

  11. WindKnight.jp より:

    韓国の政治家が、韓国にボールがあることを認める発言をすると、生命が危ないからなぁ。
    まあ、言えない話ではあるのでしょう。

    岸田内閣としては、日本から見た日韓関係の説明に終始しそうですね。
    成果はあるかしら。

  12. イジワルばあさん より:

    私は今回の岸田政権のやり口を見てニヤリとしてしまいました。というのは日本の官僚の本領発揮でまさに慇懃無礼を絵に描いたような対応に見えたからです。韓国側が優遇されたと勘違いするのは計算済みでしょう。韓国側の反応は、都合よく曲解していい気になるかそうでなければ木に竹を継いだようなイチャモンをつけるかだからどっちにしても面倒臭いだけですもの。
    この「慇懃無礼作戦」の意味がどこにあるかと私なりに考えことは下記の通りです。
    1、尹錫悦次期大統領が日韓間の懸案に対してどんな考えでいるのか把握すること。
    2、何人もの閣僚が「面会」して(韓国側は「面談」と発表しているけど日本側は「面会」ととても軽い表現をしている)して、外相が夕食会(これも極めて軽い表現)まで開いて表面上は韓国側の協議団を歓待しています。これは安倍、菅両首相の頃は、両国間の合意破り、国際法違反状態を作り出した当人の文在寅に対しての姿勢だから「約束を守れ、国際法違反状態を是正せよ。」「その答えを持って来なければ会談する意味がない」というのはそれで筋が通っていました。でも今は韓国では次期政権が発足する直前ですし、その次期政権の使者を同様に懸案事項の回答を持って来なければ会わないとしたら日本側が韓国を拒否したことになり、日本側に関係改善の意志がないと米国や他の国々に思われてしまいます。つまり「対話の扉は開いている」としていた日本も口先だけかとなります。これは我が国の信用を毀損することになります。だから表面上歓待するのは、我が国は誠実に日韓関係を改善する姿勢ですというアピールになります。また文在寅政権と扱いが違うことで文在寅政権への強烈な嫌みにもなっています。
    3、尹錫悦次期大統領は、韓国国内ではちょっとでも日本に歩み寄ったと国民に思われたらロウソクで引きずり降ろされてしまうし、かといって日本の一貫した姿勢も変わらず日本が折れて来ることも期待できないので解決策などできようがないと思います。そこで韓国特有の思考で自分がしでかしたことではないから責任はないとばかりにオンラインゲームよろしくリセットボタンをおしたかったけれど、これも通用しなかったし、そこで「未来思考」とやらで過去の問題は押し込めて虫のいい関係改善を図ろうとしたのではないでしょうか。その意図で大仰な使者団を派遣(これは尹次期大統領の日韓関係にこれだけ力を入れていますアピール)したのでしょう。しかし、外相を始め経産相、防衛相と閣僚に面会しても日本政府の言うことは全く変わらないし、日本政府としては日韓の懸案事項を漏らさず突きつけることで文政権からの問題から尹政権へと繋げ尹次期政権がウヤムヤにすることができないように振る舞ったのだと思います。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告