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米国防総省「ウクライナに追加で最大3億ドルの支援」

ウクライナ戦争の長期化は、ロシア軍の装備や「戦い方」に関する情報が西側諸国に筒抜けになるということを意味しているのかもしれません。米国防総省が現地時間1日、「ウクライナ安全保障支援委イニシアティブ(USAI)」に基づき、ウクライナに対する追加での3億ドル相当の支援を行う方針を表明しました。米国防総省はまた、バイデン政権発足以降の対ウクライナ支援総額が23億ドルで、このうち16億ドルがロシアの軍事侵攻以降のものだとしています。

戦争の長期化はロシアにもさまざまな損害をもたらす

ロシアのウクライナへの軍事侵攻に関しては、以前の『ロシアのウクライナ侵攻の目的は「キエフ公国回復」?』などでも取り上げたとおり、ロシア側の当初の目論見としては、この「特殊な軍事作戦」を48時間以内に終わらせる算段だった可能性が濃厚です。

「プーチンは独裁者」=一般教書演説「ウクライナ戦争は自由主義国対独裁国家の戦いに」――。バイデン大統領の一般教書演説を眺めていると、米国側のそんな決意が見て取れます。その一方で、『クーリエ・ジャポン』によると、ロシアの国営メディアは誤って2月26日付で「勝利記事」を公表してしまい、あわてて削除したものの、その内容からは今回のウクライナ侵攻におけるロシアの「真の目的」が「キエフ公国の回復」にある、との指摘が出てきました。バイデン大統領の一般教書演説現地時間の3月1日(日本時間の本日)、ジョー・バイ...
ロシアのウクライナ侵攻の目的は「キエフ公国回復」? - 新宿会計士の政治経済評論

しかし、ウクライナ側の士気が高く、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領自身が首都・キーウに留まり、この「48時間」を乗り切ったことに加え、西側諸国からの有形・無形のさまざまな支援がなされたこと、さらには西側諸国がロシアに厳格な経済・金融制裁を科すなどの「援軍」が続々と到来している格好です。

とはいえ、もちろん、西側諸国は直接に軍事介入をしているわけではなく、あくまでも間接的な支援に留まっていますし、ウクライナ側にはさまざまな人的・物的被害の発生も報じられています。現地の人々の安否が心配でなりません。

ペンタゴンが追加で最大3億ドルの支援

ただ、戦争が続けば続くほど、ロシアにとっては不利な状況が続く可能性は濃厚です。というのも、西側諸国からの支援は尽きることなく続いているからです。

こうしたなか、このウクライナ戦争を巡り、米国防総省(ペンタゴン)がウクライナに対し追加で最大3億ドルの支援を行うと表明しました。

Defense Department Announces $300 Million in Additional Assistance for Ukraine

―――2022/04/01付 米国防総省HPより

ペンタゴンのジョン・F・カービー報道官によると、国防総省は「ウクライナ安全保障支援委イニシアティブ(USAI)」に従い、ウクライナに対する追加支援活動を実施することを、(現地時間)4月1日午後に米議会に対して通知したのだそうです。

具体的には、「ウクライナの主権と領土保全に対する米国の揺るぎないコミットメント」に資するため、「ウクライナの防衛能力を強化すること」、「ロシアを撃退すること」などを目的に、最大で300億ドル相当の安全保障関連の支援を行うとしており、具体的には次のようなものが含まれているそうです。

レーザー誘導ロケットシステム

スイッチブレード戦術無人航空機システム

ドローン「ピューマ」無人航空機システム

カウンター無人航空機システム

高機動多用途装輪車両

小口径から大口径に対応した各種非標準弾薬

暗視装置、熱画像システム、カメラ

戦術的セキュア通信システム。

マシンガン

商用衛星画像サービス

医療用品、フィールド機器、およびスペアパーツ

米国防総省はまた、「バイデン政権発足以降、ウクライナに対してコミットした軍事支援総額は23億ドル」としつつ、このうち16億ドル以上がロシアのウクライナ侵攻以降に表明されたものだとしています。

ペンタゴン「今後も支援を続ける」

また、これらの支援は、基本的には米国政府から直接に提供されるものではなく、該当する業界から資材を調達する際の資金援助に使われるものだとも記載されており、これに加えて同盟国やパートナー国とともに、ウクライナに対する支援を提供し続ける方針だ、ともしています。

こうしたなか、少し視点を変えると、米国を含めた西側諸国にとっては、ウクライナ戦争が長引けば長引くほど、最新の兵器の実戦使用事例が増えて来るわけです。これをロシアから見れば、自軍の装備の状況や「戦い方」といった情報が、西側諸国に筒抜けになってしまう、という言い方をしても良いでしょう。

いずれにせよ、今回のウクライナ戦争が長期化すること自体、ロシアにもたらされる損害は、経済・金融制裁に伴うものに留まらず、相当に広範なものとなる可能性が高いといえるのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (2)

  • 独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (というより、自分でも外れて欲しいので)
    ロシアのプーチン大統領によれば、ウクライナの現政権はナチスのような政権だそうです。ということは、ロシアにとっては、(一時的な停戦はあるかもしれませんが)ウクライナの現政権が崩壊するまで、ウクライナとの終戦条約は、あり得ないことになるのではないでしょうか。(もっとも、プーチン政権が崩壊して、ロシアの混乱のなか、有耶無耶のうちに事実上の終戦になることは、あるかもしれませんが)
    駄文にて失礼しました。

  • ウクライナが韓国化したら笑えるんだけど、ちゃんと自分で戦ってますしね。