「単純合算」とは限らない?韓国大統領選の候補一本化
韓国大統領選で野党候補が一本化で合意したことで、尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏の当選確率が上昇したと見るべきなのでしょうか。これに関し、韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に今朝掲載された記事によれば、やはり尹錫悦氏が有利であることは示唆されているものの、その一方で支持率が単純に合算されるというものでもないようです。
韓国大統領選で「候補一本化」
『「野党候補一本化」?最後まで読めない韓国大統領選挙』でも触れたとおり、お隣の韓国では来週の大統領選を前に、「3番手」だった安哲秀(あん・てつしゅう)氏が大統領選への出馬を取りやめ、尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏と一本化すると発表しました。
投票日目前で、じつに衝撃的な話です。尹錫悦氏は直前まで、支持率で李在明(り・ざいめい)氏と競り合っていたからです。
韓国大統領選 野党候補が一本化で合意
―――2022/3/3 08:21付 産経ニュースより
産経ニュースの昨日の記事では、尹錫悦氏が46.3%、李在明氏が43.1%、安哲秀氏が6.7%だったという、韓国メディアが2日に報じた「リアルメーター」発表値が掲載されているのですが、尹錫悦氏と安哲秀氏の支持率を単純合算すれば53.0%と過半数を制します。
これだけを見れば、もう尹錫悦氏の勝利で確定か、と見えてしまいます。
この点、残念ながら韓国ではすでに選挙前期間に入っており、現時点において世論調査を実施・公表することは禁止されているそうです。いわば、世論調査公表禁止期間に入ったとたんに候補一本化を発表した、という言い方もできるかもしれません(彼らがそれを意図していたのかどうかは別として)。
支持率は単純合算とは限らない?
ただし、わが国でも例の「立憲共産党フュージョン」(『衆院選での敗者は「立憲共産党」とオールドメディアだ』等参照)の例にも見られるとおり、候補を一本化しただけで、支持率が合算される、という単純なものではありません。
似たような政治的主張を持つ候補者同士の候補一本化は、票の分散を防ぐ効果が得られる反面、「選択肢を奪われた」と失望した有権者が、むしろ棄権、対立候補への投票などで意思表明をする、という可能性もあるのです。
こうしたなか、韓国の「左派メディア」とされる『ハンギョレ新聞』(日本語版)に今朝、ちょっと気になる記事が掲載されていました。
一本化で辞退したアン候補の票の行方は…「ユン候補に勝機」vs「浮動層すでに移動」
―――2022-03-04 09:26付 ハンギョレ新聞日本語版より
ハンギョレ新聞によると、今回の候補一本化の結果、「政権交代の代表走者」となった尹錫悦氏に有利に働くとの見方の一方で、以前実施された「仮想二者対決」に関する世論調査が取り上げられています。
具体的には、今月1日から2日にかけて『文化日報』の依頼で実施された「仮想二者対決」では、安哲秀氏の支持者の29.5%が尹錫悦氏に流れたものの、25.2%が李在明氏に流れるなどして、結局は両候補ともに僅差(尹錫悦氏45.9%、李在明氏45%)だったのだとか。
また、『韓国経済』の依頼で実施された同時期の調査では、安哲秀氏の支持者の44.9%が尹錫悦氏に流れたとしつつも、やはり25.1%が李在明氏に移ったのだそうであり、このことからも、候補を一本化すれば単純に支持率が合算される、というものではないことが示唆されている格好です。
日本には「尹錫悦リスク」も?
いずれにせよ、大統領選の結果は来週には判明しているはずです。
このあたり、日韓関係というだけの側面で見るならば、正直、文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代の「功績」(?)があまりにも大きすぎるため、どちらが大統領に就任したとしても、現在の日韓関係の基調が大きく変わるということはないでしょう。
日本は韓国に対し「日韓を健全な関係に戻すためのきっかけを韓国が作るべき」と考え、韓国は日本に対し「歴史に謙虚になれ」、などと要求する、という構図です。
ただし、尹錫悦氏は「日本との関係修復」に前向きである、などとされており、とくにジョー・バイデン米政権の「日米韓3ヵ国連携」という方針のなか、日本が韓国に対し、再び理不尽な譲歩を余儀なくされる可能性がないかどうかについては、我々日本国民としてもしっかりと見ておかねばならない点でしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
韓国なら、ブンブンなら、ここで大統領選挙などなかったことにして、ブンブン続投となることを期待します。がんばれブンブン!
単純合算して勝てるとは限らないのは立憲共産党でも証明されている
ゼレンスキー大統領でいいんじゃない?
>・・・バイデン米政権の「日米韓3ヵ国連携」という方針のなか、・・・
軍事に関する連携なら日本は従来通りの立場、しかし、非協力なのは韓国。軍事以外で例えば、韓国経済を支援せよなどの独立国を無視する様な理不尽な要求なら、日米関係は大きく毀損し、喜ぶのは中国である事くらい米国も知っているでしょう。
甚だしい価値観の乖離からして、尹錫悦大統領になっても関係修復は不可能。
最後に特大級のスキャンダルが出た方が負け、みたいな話があったようですが、「詐病による兵役逃れ疑惑」なんてのは、どの程度のインパクトがあるんでしょう?
『韓国大統領選、李在明候補が歴史問題に言及「解決方法は日本が提示を」「当選したらすぐに首脳会談」』
https://nordot.app/871025031140769792?c=247599509560559095
>記事によると、李候補は28日に報道された共同通信のインタビューの中で、当選すれば「すぐに日本の首相との首脳会談を推進し、(懸案の)包括的解決に向けた対話に乗り出す用意がある」と発言。ただし、「解決方法は日本政府が見いだすべきで、韓国政府に要求するのは正しくない」と語った。
日本に解決方法を要求していたら、日本側が首脳会談なんかに応じるわけなかろうに。なかなか心理学的に興味をそそる人物である。
>単純合算して勝てるとは限らないのは立憲共産党でも証明されている
楽韓さんによれば,支持率の調査・発表が法的に禁止されたタイミングで候補の統一化をしたのがキモとのこと.つまり有権者に対して支持率が単純合算されると思わせバンドワゴン(勝ち馬に乗る)効果を狙えるタイミングだとのこと.
なお尹大統領が誕生すると日本にとって大変な危険性がある,という点については別の記事のコメント欄に詳しく書いたので,日本にとっての尹大統領実現の危険性については次の拙コメントを参照して下さい.
https://shinjukuacc.com/20220303-05/comment-page-1/#comment-216301
要約だけ書いておくと,
1.尹新政権は文政権による慰安婦支援の基金解体を前政権の重大な間違いとしてリセットし,基金を再設立して合意破棄前の状況へと原状回復する.これによって慰安婦合意の仲介者たるバイデン現米大統領の面子を立て,歓心を買う.(韓国内政的にこれは可能と考える.その理由は上記コメントに詳説済)
2.それにより,気を良くしたバイデン大統領に対して,文政権の不作為による大法院による徴用工にへの慰謝料支払い命令判決が産み出した日韓対立への米政府による仲介(つまり米政府による日本側への譲歩の強力な指導)を依頼し,引き受けてもらう.
自称徴用工に対する慰謝料を日本側が支払うことが,最終的に日本にどれほど巨大な損害を生み出す危険性があるかについても上に示した別コメントに示したので,興味があれば参照して下さい.(論理的に突き詰めると,我々日本国民全員やその子供・孫などが韓国人・北朝鮮人の経済的な奴隷にされかねない危険性があると結論出来ます)
ムンムン、ウクライナに武器供与。K9自走砲 k11小銃、黒豹戦車が火を吹く→ロシア軍を撃退。世界中が拍手喝采の大称賛。共に選挙な民主党大勝利!李在明候補大統領就任。ウクライナ大統領には文前大統領を推す声が!
まあないですよね……