年末年始を前にして、米英仏などで新規陽性者が急増中

新規陽性者数にややリバウンドの傾向がみられるなか、コロナ禍で迎える2回目の年末も、マスク着用、手洗い励行、集近閉(しゅう・きん・ぺい)の回避など、私たち個人でできることに努めたいものです。こうしたなか、米国では50万人近い新規陽性者が報告されているほか、人口100万人あたりに換算すると、ドイツ、米国などの死亡者の状況は深刻ですが、なぜか日本や台湾は「防疫成績」が非常に良好です。

コロナ禍で迎える2回目の年末

早いもので、今日で今年もおしまいです。

ただ、コロナ禍で迎える2回目の年末ですが、このコロナ禍が始まって以降、どうも私たちの生活は変わってしまったように思えてなりません。

以前であれば、「年末年始の時期は家族でどこかに遊びに行っていた/帰省していた」、といった人も多かったのではないかと思いますが、昨今だとどうしても帰省し辛い雰囲気もあるでしょう。

いちおう、現在のところ新型コロナウィルス感染症の新規陽性者数などは(少し増加傾向にあるとはいえ)昨年と比べれば落ち着いていますし、飛行機や新幹線などの利用客も、少しずつ戻りつつあるようですが、これも国内旅行に限定しての話です。

少なくとも私たち一般人にとっては、まだなかなか自由な海外旅行など難しい状況です。

もちろん、国によっては日本からの観光客を受け入れているようですが、「相手国が日本人を受け入れてくれているから」という理由で、気軽に海外旅行に行く、ということは難しいのが実情です。日本人が外国に出掛けた場合、帰国した際には隔離などの措置が必要だからです。

厚生労働省ウェブサイトの『水際対策に係る新たな措置について』によると、日本人が外国を訪問した場合、帰国する際、その人が滞在していた国によっては、検疫所が指定する場所で3~10日の待機、自宅での待機などが要求されます。

また、東京に住んでいると、街中で外国人観光客を見かけることが、めっきり少なくなったと気付きます。

外務省の『新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について』によると、オミクロン株対応の水際対策として、基本的にはすべての外国人の入国が禁止されています(「日本人の配偶者である」、「特段の事情がある」などの例外は設けられています)。

このため、外国人が観光客として日本に入国するというのは、大変に難しいと考えて良いでしょう。

わが国の最新状況:7日間平均値は11月28日時点の3倍に!

さて、わが国の新規陽性者数については、今年8月20日の25,975人がピークであり、11月22日にはなんと22人(!)にまで激減しました。この新規陽性者数の激減については、専門家らのあいだでも理由はよくわかっていないようです。

当ウェブサイトとしてはおそらく、国民の多くが変な「反ワクチン宗教」に嵌ったりせず、ワクチンが国民に対し、急激に行き渡ったことに加え、日本人の生来の「生真面目」さでしょうか、マスク着用や手洗いの励行などを個人レベルで実践していることなどが関係していると考えています。

もっとも、激減していた新規陽性者数については、ここ数週間、増加傾向にあります。

新規陽性者数は日による変動が大きいため、こうした変動を均すために、7日間平均値を取ることが多いのですが、この7日間平均値は11月28日に90人にまで減少したものの、最新データ(12月29日時点)ではこの約3倍の268人にまで上昇しています(図表1)。

図表1 日本全国の新規陽性者数とその7日間平均値

(【出所】厚生労働省『オープンデータ』より著者作成)

たしかに、この図表1で見てみると、リバウンドは懸念すべき材料にも見えます。

この点、個人的には、冬の季節を迎えれば、新規陽性者数が増加に転じるのもある程度は仕方がないとは考えていたのですが、最近だとオミクロン株の「市中感染」も確認されているとの報道もあり、どうも気を抜くことができません。

グラフの作成期間をうんと伸ばしてみると…?

もっとも、図表1は10月20日以降の約2カ月分少々をグラフ化したものですが、グラフの期間をもっとうんと長くしてやると、まったく違った姿が見えてきます。

昨年1月以来の約2年分で作成したグラフが、次の図表2です。

図表2 日本全国の新規陽性者数とその7日間平均値

(【出所】厚生労働省『オープンデータ』より著者作成)

8月の「第5波」が大きすぎるがために、現在の状況が「第6波の兆候かもしれない」、などと言われても、ちょっとピンとこない人も多いでしょう(※もちろん、油断は大敵ですが…。)

諸外国の状況:日台両国が非常に優秀な成績

こうしたなかで、日本の現在の状況について客観的に確認しておこうとすれば、データサイト “Our World in Data” のデータが参考になります。

ここで、日本、日本以外のG7諸国(米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ)、日本の近隣の2ヵ国(台湾と韓国)、合計9ヵ国を比較してみると、日本は新規陽性者数、新規死亡者数ともに、それこそ「けた違い」に少なく、その日本をさらに下回っているのが台湾、という状況がクッキリと浮かんできます。

人口100万人あたりの新規陽性者数・死亡者数(いずれも平準化ベース)についてグラフ化しておきましょう。これらを実数表記したものが図表3-1図表4-1、対数表記したものが図表3-2図表4-2です(※ただし、台湾が少なすぎてエラーとなるため、図表3-2からは台湾を除外しています)。

図表3-1 人口100万人あたり新規陽性者数(平準化ベース、実数表示)

図表3-2 人口100万人あたり新規陽性者数(平準化ベース、対数表示)

(【出所】データサイト “Our World in Data” より著者作成)

図表4-1 人口100万人あたり新規死亡者数(平準化ベース、実数表示)

図表4-2 人口100万人あたり新規死亡者数(平準化ベース、対数表示)

(【出所】データサイト “Our World in Data” より著者作成)

米国で50万人近い新規陽性者

念のため、最新の12月29日時点のデータについて、実数でも確認しておきましょう(図表5)。

図表5 新規陽性者数・新規死亡者数の国際比較(12月29日時点、カッコ内は100万人あたり)
新規陽性者新規死亡者
米国489,267人(1469.645人)2,184人(6.56人)
英国223,621人(3278.558人)69人(1.012人)
フランス208,099人(3080.016人)184人(2.723人)
イタリア98,016人(1623.656人)136人(2.253人)
カナダ79,531人(2089.187人)56人(1.471人)
ドイツ69,956人(833.797人)613人(7.306人)
韓国5,029人(98.021人)73人(1.423人)
日本398人(3.157人)4人(0.032人)
台湾14人(0.587人)0人(0人)

(【出所】データサイト “Our World in Data” のデータより著者作成)

このなかで、新規陽性者の絶対数が多いのは米国ですが、人口100万人あたりで見て最も多いのは英国であり、次いでフランスです。また、韓国が「感染爆発状態にある」との報道を目にすることも多いのですが、人口100万人あたりに換算すれば、ドイツの8分の1程度であり、日本と台湾は圧倒的に少ない状況です。

また、人口当たりの死亡者数で見れば、ドイツが群を抜いて多く、これに米国が続いていますが、日本、台湾が圧倒的に少ないという点では、特異でもあります。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

いずれにせよ、普段からの繰り返しで恐縮ですが、幸いにして3回目のワクチン接種も始まるようではあるものの、「年末年始だから」、「ワクチン接種済みだから」、あるいは「日本は世界で群を抜いて低いから」といって慢心することがないようにしたいものです。

今年も私たち個人レベルでできること、すなわち、マスク着用、手洗いなどの励行、集・近・閉(しゅう・きん・ぺい)の回避などには努めていきたいものだと思う次第です。

読者コメント一覧

  1. 引きこもり中年 より:

     コロナウィルスに、年末年始は関係ない、ということでしょうか。

    1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

      普通に関係あるよ
      年末年始に忘年会や新年会や帰省や旅行をする人が多ければ感染者増えるが
      完全な寝正月にする人が多ければ感染者減る

      1. 世相マンボウ 。 より:

        バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 さま

        引きこもり中年さまのコメントは
        年末年始ぐらいはお店のように
        閉店してよ というジョークです。

        ただ実際は
        新宿会計士様の記事にも在りました
        青瓦台や韓流のメディアやお方さんの呆れた画策も
        繁華街でのチンピラさんのカツアゲも
        コロナウイルスの感染も
        こうしたときが稼ぎ時のようです(笑)

  2. だんな より:

    日本でもオミクロン株の感染拡大は、起こるでしょう。
    患者の対処法は、欧米を教科書に出来るだけ、日本は影響が少ない事を祈ります。

  3. とく より:

    差別だヘイトだと言われるかもしれませんが、歴史的に見ても、白人はウイルスに弱いように思われます。
    ペストしかり、スペイン風邪しかり、HIVしかりです。
    コロナにおいても、ワクチン接種率の極め高いイスラエルの現在の惨状は、日本と比較しても異常な状況のように思えますし、アメリカでも1日の感染者数の最多記録を連日更新するような事態になっています。
    もちろん、「天然痘はどうなの」「アメリカでは黒人もコロナで大勢亡くなってるけど」という反論が予想されます。
    まず、天然痘の方ですが、自然免疫の無かったネイティヴアメリカンの方たちに大きな被害が出たのは当然のことです。比較するなら、ヨーロッパと周辺のアジア地域で行なうべきでしょう。
    次に、アフロアメリカンのケースですが、彼らは、ネイティヴアフリカンとは全く違います。殆んどの場合、どこかで白人の血が入っていますし、そもそも体型からしてまるで違いますよね。陸上でいえば、中長距離向きの体型のネイティヴアフリカンに対して、アフロアメリカンは短距離向きのガッチリ体型です。
    最近の御時勢では、こういうことはなかなか言いにくい世の中ですが、事実は事実として受け止めるべきではないでしょうか。

    1. 匿名 より:

      白人種は東洋種よりも弱いとは言い切れないと思います
      身近な例をあげれば韓国の爆発的な感染があります
      現状アメリカ国内でも人種によって感染者数が極端に偏っているという研究データは
      眉唾モノの扱いです
      コロナ被害は
      人種の問題ではなく 環境の問題が大きいと判断しています

  4. 欧州某国駐在 より:

    個人的な感覚ですが日本は個人、個人が感染対策への意識が高いゆえに爆発的な感染者の増加が起きていない感じがします。当赴任地ではオミクロン型がここまで騒がれ始めてようやくマスク着用者が増えましたがその一方でいまだにマスクをしていない人も結構います。しない理由の一つで先日きいたのが「ブースターを接種したから」というもの。先日とある店の店先で店内に入るにはマスク着用してほしいという店員(店長?)とブースターを接種したばかりだから必要ないという客の言い合いをみました。結局店の人はしぶしぶ客を入れていましたが、こんな光景があちこちであるんだろうなあとなんとも言いようのない気分で眺めました。ちなみにこの客、結構身なりのいい紳士然とした人とその連れ(家族?)でした。低所得者にマスクをしていない人が多いという言説をきいたことがありますが、(マスクが実は結構、高価なので)この一例からもそんなことはないですね。当地で感染者の爆発的増加によって何が問題なのかといえばインフラや医療従事者の現場離脱による人材不足です。日本でブースター接種がどの程度進んでいるのかよくわかりませんが少なくとも医療従事者への接種は待ったなしかと思います。日本は周囲の状況を観察する時間が幸いにも確保できているのでうまく乗り切ってほしいことを切に願っております。

  5. どんぐり より:

    経済関係、韓国関係については新宿会計士さんの記事はとても参考になります。
    ただ、コロナについては私は別の見方で、むしろ反ワクチン派です。
    昨年我が国の超過死亡数は例年に比べ9000人以上減少しました。死者が減るパンデミックってあり?
    ところがワクチン接種とタイミングを同じくして3月から10月まで毎月連続で超過死亡数が増加し、約4万人の方が例年に比べ多く亡くなられています。これは東日本大震災の年を上回る増加です。
    また、イギリス、イスラエル、アメリカなどワクチン先進国は一旦減少した感染者が激増しており、シンガポール、イスラエルなどは3度目の接種の後、感染者・死亡者が激増しています。これはADE(抗体依存性感染増強)ではないかと疑われています。抗体研究の第一人者、東京理科大の村上教授によれば、動物実験では同じワクチンを打ち続ければ動物はすべて死ぬことが常識だそうです。人間が例外であるエビデンスはなく、シンガポールなどはそれを実証しているように見えます。
    またこの2年ワクチンが無くともコロナ感染者は増加しピークをつけて減少するということを繰り返してきました。デルタ株が収まったのもその波が収束期に入ったからではないでしょうか。

    1. 名無しのPCパーツ より:

      ワクチンの是非はワクチンが無かったスペイン風邪の死者がベンチマークになるかな。
      日本は38万人の死者が出たそうで。あと人口が500万人だった。
      80万人弱より高いか低いかで判断できそう。

  6. 名無しのPCパーツ より:

    まあ脇が甘い人は見かける。
    買い物に家族連れで来たり(最低限の人数にしましょう)
    レストランで食事が終わったのにマスクなしで会話していたり。

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