バラエティ番組のオファー自体が大谷選手に迷惑では?
野球の大谷選手に対し、バラエティ番組への出演を依頼した日本のテレビ局があるらしい――。こんな話題が出て来ました。正直、こうしたオファー自体が迷惑ではないかという気がしてなりません。そういえば、少し前にはバラエティ番組の収録中に卓球選手がレスリング技をかけられて肋骨を折る全治8週間のけがを負うという「事件」もあったばかりですが…。
大谷選手に結婚について尋ねる記者
当ウェブサイトでは芸能、スポーツなどの話題を取り上げることはあまりないつもりなのですが、ただ、「ちょっとこれはあまりにも酷いのではないか」という記事については、敢えて取り上げることもあります。
その話題のひとつが、野球の大谷翔平選手に関するものです。
大谷選手といえば、大変すばらしい活躍ぶりもあり、アメリカン・リーグで今年、最優秀選手賞(MVP)を獲得したとして、岸田文雄首相自身も11月19日に首相官邸で会見に応じているほどです(首相官邸ウェブサイト『大谷選手がMVPを獲得したこと等についての会見』等参照)。
ただ、その大谷選手が日本に帰国した際、11月15日に東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見に応じた際、わが国のメディアからの質問がなかなかに強烈でした。漠然とした質問に加え、今シーズンの活躍とまったく関係のない、私生活に関する質問なども飛び出したからです(『野球選手の記者会見で「結婚予定」を尋ねる日本の記者』等参照)。
とりわけ、会見では焦点のぼやけた質問、ないしは大谷選手の今シーズンの活躍とあまり関係ない質問が目立ち、大谷選手自身が会見の冒頭、司会者からの2分近くに及ぶ質問に対し、こんな風に答えたほどです。
「ちょっと質問が長かったので、何から答えたらいいのかちょっとわかんないですけども…」。
なお、大谷選手の会見の模様自体は動画サイト『YouTube』などで現在も視聴可能であるようですので、ご興味があればご確認ください。
当ウェブサイト的には野球は専門外なのですが、少なくとも野球に関する質問のレベルもさることながら、質問の仕方(要点を突いていない、漠然としている、ダラダラと喋る)、まったく関係のない質問をする(結婚の予定を尋ねる)などの様子を見ていると、見ている方が困惑します。
忙しい時間を割いて記者会見に臨んでくれている野球選手に対し、大変に失礼ではないでしょうか。
大谷選手にバラエティー出演をオファー?
こうしたなか、もっと驚く記事がありました。小学館が運営するウェブサイト『NEWSポストセブン』に昨日掲載された、こんな記事です。
大谷翔平、バラエティー出演のハードル高く 数百万円提示も答えはNO
―――2021.12.16 16:00付 NEWSポストセブンより
記事自体は『女性セブン2022年1月6・13日号』からの転載と思われますが、これがなかなか強烈です。
「テレビ局関係者」へのインタビューによると、各テレビ局がインタビューを「奪取せよ」とばかりに大谷選手にアプローチしているものの、「まったく手ごたえがない」、というものです。
NEWSポストセブンによると、この「テレビ局関係者」は次のように述べたのだそうです。
「ある局は出演料として数百万円を提示したが断られたといいます。また別の局は仲のいい同世代の現役選手経由で、交渉しているそうです」。
こんな依頼を受ける「仲のいい同世代の現役選手」も気の毒です。
そのうえで、NEWSポストセブンは「スポーツ紙記者」の次のような発言を取り上げます。
「大谷選手へのオファーは、アメリカの所属球団を通すことになっているそうです。球団広報と通訳のかたがとりまとめて最終的には本人がジャッジするらしいのですが、スポーツ番組ならまだしも、バラエティーは門前払いに近い」。
正直、一挙手一投足に目を向けるよりも、本人が来シーズンにさらに活躍できるよう、集中できる環境づくりに協力する方が有意義です。現在のテレビ局関係者がやっていることは、「オファーする」こと自体、まさに大谷選手からトレーニングに没頭する時間を奪っているのと同じではないでしょうか。
バラエティ収録中に卓球選手がレスリング技で負傷
ほかにもリンク先記事では大谷選手が現在どう過ごしているかについての記述もあるのですが、正直、芸能人かなにかのように追い回されるというのも大変だと思ってしまいます。
もちろん、日本のプロ野球選手の中には、「シーズン中はプレーに集中し、シーズンオフは年末年始の特番を中心にバラエティーに出演して世間に顔を売る」(スポーツ紙記者)という過ごし方をするケースもあるそうですので、野球選手がバラエティーに出演すること自体は責められる話ではありません。
野球選手も実態は個人事業主に近いので、自分自身をうまくプロモートすることが求められるからです。
ただ、NEWSポストセブンの記事のなかで、気になったのが、こんな記述です。
「最近でも、バラエティーに出演したアスリートがケガをしましたが、そういったことへの懸念もあるようです」。
これはいったい何を述べているのかといえば、リオデジャネイロ五輪の卓球男子団体で銀メダルを獲得した吉村真晴選手がテレビ朝日のバラエティ―番組収録中に肋骨を折る全治8週間のけがをした、という事件のことでしょう。
卓球の吉村選手、収録中に骨折/テレビ朝日のバラエティー番組
―――2021/11/5 17:54 付 共同通信より
共同通信によると吉村選手は「スポーツ選手らが他競技を体験する企画に急遽参加」し、「レスリングの技を掛けられるよう、うつぶせになった体を反転させられた際に肋骨を骨折した」、などと報じています。
これで選手生命が断たれるようなことがあれば、テレビ朝日はいったいどう責任を取るつもりだったのでしょうか。
このあたり、『紙媒体の新聞から10代が離れた』などでも触れてきたとおり、どうもさまざまな調査からは、最近のテレビ業界が視聴者離れに直面しています。
「面白くないから多くの人が見なくなる」のか、「多くの人が見なくなるから広告収入が減り、面白くなくなる」のかはわかりませんが(※実態はそのスパイラルでしょう)、いずれにせよ、スポーツ選手にかなり無理な要求をしてけがをさせたという可能性はないのでしょうか。
個人的な体験談
さて、ここで個人的な視聴体験についても申しあげておきたいと思います。
以前の『低俗な地上波テレビ番組と高レベルなユーチューブ動画』でも報告しましたが、正直、地上波のテレビ番組は近年、劣化が激しいように思えてなりません。
たとえば、2007年1月3日に放送された正月番組の動画で、芸能人が2人、音楽に合わせて踊りながらしりとりをするもので、たとえば「おせち」という単語であれば、「ち」で終わるため、「ち」で始まる単語(たとえば「チーズ」)を続けて「おせチーズ」と発音するという、非常に単純なものがありました。
- 「ミュージック・スタート!」
- (音楽が流れる)
- 芸能人A「おせち、おせち、おせチーズ」
- 芸能人B「おせち、おせち、おせ●●●」
(●●●には非常に低俗な単語が入ります。)
なお、動画のリンクについてはお示ししません。検索サイトで「おせち、おせち テレビ番組 下品」などと入力していただければいくつか候補が出て来ると思いますので、ご興味があればご自身で検索してください。ここで重要なことは、すでに2007年の時点でこれだけ低俗な番組が公共の電波を使って流されていたという事実です。
あるいは、個人的体験で恐縮ですが、2013年3月ごろに某地方空港の待合室では、次のような番組を目にしました。
- 芸能人と思しき複数の男女が出演している
- 出演者はCGのゲーム画面を操りながら、簡単なクイズ(例:漢字の読み方など)に答えていく
- 答えを間違えるとCGのゲーム画面で「爆発」が生じる
- そこでスタジオは爆笑に包まれる
…。
しかも、この番組のクイズで出てきた問題は、「美味しい(おいしい)」だの、「岩倉具視(いわくら・ともみ)」だのといった、ちょっと一般常識があれば誰でも非常に簡単な漢字の読み方であるのに対し、出演者らが、ことごとく答えを間違っていたというのも興味深い点でしょう。
たとえば、ゲーム画面を操った出演者らは、「美味しい」を「びあじ?しい?」「びみ?しい?」、「岩倉具視」を「いわくら?ぐみ?ぐし?」などと叫んで、ゲーム画面で「不正解!」という表示とともに大爆発が生じ、そこでスタジオは大爆笑に包まれる、というわけです。
いったい何が面白いのか、本当に理解に苦しみます。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
こうした低俗な番組が現在も地上波の大部分を占めているのかどうかは存じ上げません。
ただ、少なくとも日本のテレビ、新聞などのオールドメディアが不勉強かつ不見識であることは間違いなく、コロナ禍が拡大した原因も部分的にはオールドメディアにある(『陽性者を感染と呼ぶNHK:コロナ問題はメディア問題』等参照)というのが、当ウェブサイトの現時点までの見解です。
そういえばテレビ朝日の従業員自身が感染拡大につながりかねない行動を取っていたという事件もありましたが(『徹底して自分に甘いテレビ朝日:説明は明らかに不十分』等参照)、一事が万事、業界自体が腐敗し切っている証拠に見えてならないのです。
今年もオールドメディアは反省もなしに年を越すのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
バラエティ番組に著名な選手を出場させるのは、番組制作する際スポンサーに
説明しやすい点があるし、番組を見る側にも選手が見たいという欲求を満足
させる点があります。
但し、裏の目的がありそうな事も垣間見えます。
卓球だとC国の優位性を確保する為とか?(ライバルは早く消せ)
野球の大谷選手の場合、日本選手が大リーグで活躍している事自体が腹立たしい
という国があります。
又、記者の質問が意味が無いのは、記者が野球に興味が無いのもありますが
質問するという姿勢で「演説をしたいという欲求」を満足したいというのがあります。
新聞記者の方が野球選手より偉いと思っているのも考えられる。
菅官房長官時代、記者会見場で長々と演説し、質問したいのか演説したいのかが解らない
東京の新聞記者がいましたよね? あれと同じようなものです。
(注:本人談によると、良い質問をした事になっています。)
こういうアホな記者を排除すれば、日本の記者会見の状況が良くなるのですが、代わりの
記者も教養が無いので、交代できないのです。(注:あれで大卒です。過去の日本の大卒と
比較し、どうしてこんなに差ができたのかが、不思議です。)
いえ、高橋陽一さん曰く、昔から記者の質は最低レベルだったそうですよ
根拠なき昔は良かった!はやめましょう
我々は未来の日本を見据えるべきです
分断を生むような発言を少しでも減らしましょう
有名人は芸能人か芸人と同じくらいに思うのでしょうかね。
その分野で人生を賭けて勝負している人に対する敬意を感じません。どうせ出演すれば、芸をさせたりするんでしょう。
先日の選挙特番でも下品なお笑い芸人のMCが、選挙区落選が決まった甘利氏のインタビュー時に、「ご愁傷様です、ぎゃははは」と茶化したのが話題になりました。
あれも、政治家には何を言っても許される、テレビは何を言っても許される、という傲慢が表れたものだと思います。炎上後の本人の弁を聞いても一貫してテレビ側の人間の立場で語っています。
とにかく、テレビには視聴者や社会をバカにしていると感じることがままあります。
甘利さんの件、そんなことがあったのですか。そもそも選挙区での誹謗中傷からして、本人が応援のため不在なのを利用して酷いものでした。CTPP交渉であんなに頑張っていたのに。日本人全部そうだとは思いたくないのですが、リスペクトする習慣ってもっとあっていいと思います。
芸人だとしても、バラエティー出演ばかりして自身のお笑いネタ考える時間がなくなったら本末転倒だし
歌手が歌番組以外に出てもアレだし
俳優がバラエティーに駆り出されて本業がおろそかになる例が昔から多発している
MLBはオフでも選手に「してはいけないこと」をいろいろ課しているのでは?
かつてバスケットボールをしていて怪我をした選手がいたが、契約でバスケットボールは禁止スポーツの1つだったのでその選手はクビになったことがあった。
球界のレジェンドとの対談か、バラエティといってもNHKの球辞苑や南原清隆のNANDAみたいな野球を深く考察する様な番組ならもしかしたらという気もします。
それでダメなら仕方ないですね。
スポーツ選手のオフは、前シーズンの疲労を抜き、さらなる飛躍を遂げるための身体づくりをしていくのにとても重要です。
それでスケジュールに狂いが生じて翌シーズン活躍できなくなる可能性を考えると、バラエティ番組などに出ている暇などないのでしょうね。
たい様
多分予算に余裕がある、中居くんか上田晋也か浜田の番組ですかね…
絶対出ない方がいい。
幸い大谷選手の周囲の人は局アナのお姉さんが近づくのすら禁じているようなしっかりした体制なので大丈夫だと信じているのですが。
これから年間数十億稼ぐ可能性のあるトップアスリートが数百万円位のはした金で動かせると思っているテレビ界の低俗さが悲しい…
以前から気になっていた問題なので,記事化して議論の契機を与えて下さり有難うございます.
>こうした低俗な番組が現在も地上波の大部分を占めているのかどうかは存じ上げません。
私も知りませんが,そもそも出演者の大半が「芸人」という名のプロとしての芸が何も無い人々(無芸人…嘗ての漫才師は必ずもっていた話術など玄人としての芸・技術の欠片も持ち合わせておらず,笑いにしても客を笑わせるのでなく単に自分達が馬鹿笑いしている間抜けな姿を見せて見ている者の失笑を誘うだけ)のバラエティ番組で低俗でないものが存在するのかどうか私は知りません.
そして特殊ではあっても単なる一法人であるにも拘らず国民から強制的に金を徴収しているNHKが,嘗ては局アナを使っていた情報番組にその手の無芸人共をどんどん使って出演料をばら撒いて(つまりNHK予算額を増大させるのに活用して)同時に番組をどんどん低俗化し番組視聴者=日本国民の白痴化を推し進めようとしていることも許しがたい.
普通は出演交渉が通れば出演について報じ、断られたのであれば企画がお流れ無かったことに、というものかと思うのですが。大谷選手の知名度であれば「出演にNO」であっても耳目を引く話題にはなるのですが……わざわざ断られたことを公にする”必要性”は全く感じません。
「誘ってやったのにお高く止まってよぉ」というあてつけでもしたいんかなぁとか邪推してしまいます、TV屋とか記者嫌いなんで(火の玉ストレート)。
これですね
オシャレース(おせち〇こ)
https://www.youtube.com/watch?v=aVUZajljBaQ
テレビ番組は偏差値40の視聴者がドヤ顔出来る様に造る、とかナントカどこぞで見聞きしたコトがあったような気がしまする
ナントカいうギョウカイジンが吹いていたやに憶えとりますが全方位バカにしたハナシでんな~と思った記憶もありまする
恥ずかしながらそういう番組をよく見ていたアホです。しかしマスゴミの報道の仕方に疑問を持った時からそういう番組をちゃんと見てみると、俺は恐ろしいことをやらせていると理解しました。芸能人と戦わせるため一人対多数は当たり前、番組が考えた最強のゲームをクリアさせるなどケガの危険性が高いことや体調の調整を崩させることを平気でやらせていることに。スポーツの種類によっては、TVに出ることがその競技の普及促進にもなるので、無理をしてでもTVの言うことを聞いてやってる人もいるのではないかと思います。ほんとマスゴミは権力の監視が仕事とか偉そうなことを言ってる場合じゃなく、自分たちの行いを反省することを覚えるべきです(まあ無理でしょうけど)。