日韓トラブルの解決は「国際社会に委ねること」が基本
これまでの日韓関係に大きな間違いがあったとしたら、日韓間でトラブルが発生したときに、国際社会のルールではなく、韓国が求めるままに、不透明な解決策を模索して来たことでしょう。しかし、先週発生した韓国の警察庁長の竹島不法上陸以降の日本外交は、なかなか興味深い展開です。日韓間のトラブルを国際化しようとしているフシがあるからです。そして、こうした試みは、歓迎すべき変化です。
大変無責任な米国の姿勢
韓国が不法占拠中の日本の領土である島根県竹島に韓国の金昌龍(きん・しょうりゅう)警察庁長が上陸したことで、日本政府が米国で現地時間17日に開かれた日米韓外務次官級協議後の合同記者会見に参加しなかった、とする話題が、まだ余波をもたらしているようです。
これについて、当ウェブサイトなりの見解は先週の『日本が会見見送りで米国のメンツ潰した「本当の意味」』でも取り上げたとおり、端的にいえば、「韓国に対する牽制」であるだけでなく、「米国に対する牽制」でもある、というものです。
そもそも竹島問題自体、1952年、当時の韓国大統領だった李承晩(り・しょうばん)が国際法に反し、勝手なライン(いわゆる「李承晩ライン」)を引いたことが問題の発端ですが、問題を今日まで引きずる原因のひとつは、米国が介入せずに放置したことです(※当時の日本は連合国の占領下にありました)。
そのうえ、大変不思議なことに、米国は竹島問題を巡っては、「日韓両国が解決すべきこと」とする立場を堅持しています。
現在の米国は、日韓両国にとっては同盟国という立場にありますし、また、日米同盟と米韓同盟が同時に円滑に機能することが米国の国益だとされていますが、同盟国間で領土問題が存在していること自体、自分でこの3ヵ国連携関係を不安定なものにしているのとまったく同じです。
このように考えていくならば、理想を言えば、米国自身が日韓間を仲介すべきでしたし、それができないにせよ、国際的に納得がいく形での解決に向けて、たとえば国際司法裁判所(ICJ)への付託を(とくに韓国に対して)強く働き掛けるべきでした。
国際社会のルールで処理する必要性
実際、日本政府は過去に何度も、この問題のICJ付託を韓国側に呼びかけていて、韓国がそのICJ提訴から逃げ回っているのです。
あるいは、もしも韓国がICJ付託に応じたら、ほかのさまざまな国際法違反の問題(仏像窃盗問題、自称元徴用工判決問題、自称元慰安婦に関する主権免除違反判決問題など)についても、同時に国際法廷の裁きを受けることとなるため、都合が悪い、という事情でもあるのでしょうか。
いずれにせよ、国際法を堂々と破っているのは韓国の側ですが、もしも韓国が「自分たちに理がある」と思うのであれば、それを国際社会に対し堂々と主張すれば良いのです。それができないということは、暗に「自分たちに理がない」ということを、彼らが理解しているからでしょう。
また、日本も下手に韓国に対して忖度(そんたく)したりせず、基本的に日韓間の争いはすべて国際的な解決の仕組みに委ねても良いのではないでしょうか。
その意味では、日本の対韓外交の過去の失敗は、国際社会のルールではなく、韓国が求める「韓国流のルール」の土俵に乗っかったことが大きな原因であり、今後の対韓外交では、こうした「韓国ルール」に乗っからないことが大事ではないでしょうか。
自民党がICJ提訴検討=朝日新聞
こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)を眺めていると、ひとつ、大変興味深い話題がありました。
韓国警察庁長官の「独島訪問」で国際司法裁に提訴か…自民党が対応チーム設置へ
―――2021.11.25 13:37付 中央日報日本語版より
中央日報によると、自民党の外交部会・外交調査会の合同会議は24日、金昌龍長官の竹島上陸に対応するチームを設置することで合意したと朝日新聞が25日に報じたのだそうです。
報じたメディアがメディアだけに、鵜呑みに信じるのは少し早計かもしれませんが、もしこれが事実ならば、日韓間の2国間問題を国際問題化するという意味では、大変に良い兆候です。
ちなみに中央日報の記事には、こんなくだりもあります。
「独島を『竹島』と呼んで領有権を主張している日本政府は、」
このくだり、事実誤認がありますのでご注意ください。「竹島を『独島』と呼んで領有権を主張している」のは韓国政府だからです。自分たちがやっていることを、あたかも相手がやっていることであるかのようにおうむ返しにするのは、韓国の政府、メディアを挙げた特徴のひとつでしょう。
それはともかく、自民党の両部会が具体的に検討しているのは、韓国への対抗措置としてのICJ提訴だそうです。
このICJ提訴はこれまでに何度も検討されてきて、韓国側が応じなかったため、いまさら検討したところで実際にICJ提訴にまで持って行けるとは限りません。
ただ、日本政府が大きな声で「ICJ」と提唱することは、「日本が韓国の不法行為によって領土問題を抱えている」、「日本はICJにより、国際法に則った解決を図っている」、「そこから逃げているのは韓国の側だ」という事実を全世界に周知させるという点において、大変に有益なことでしょう。
もちろん、外務省がどこまで本腰を入れてこの問題に対処するかは見物ですが、ただ、少なくとも先週の日米韓3ヵ国の合同記者会見への参加拒否は、外務省にしては大変に良い仕事だったと評価することはできるでしょう。
外務省がこれまでの外交事なかれ主義と決別できるかどうかは、ある意味では、私たち国民の声にかかっているのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
>日韓トラブルの解決は「国際社会に委ねること」が基本
国際社会のルールを守るのは良い事ですが、お行儀の良い日本が「実は怒ると怖い」のを世界に見せつけるのは、今後の外交にプラスになると思いますけどね。
だんな様
>国際社会に委ねること
って表現には、ちょっと違和感を感じるのです♪
国際社会のルールに基づくにしても、解決は自力でするものだと思うのです♪
ICJへの提訴にしても、提訴したら丸投げじゃなくて、主張が認められるように努力することが必要だと思うのです♪
その上で結論は受け入れるんだと思うのです♪
だから、だんな様の言うとおり
>お行儀の良い日本が「実は怒ると怖い」のを世界に見せつけるのは
ってのも大切だと思うのです♪
まずは対中包囲網と紐づけてアメリカを抱き込んでおくのが大事でしょうね。輸出管理強化措置のように。
そうすれば「独島問題で日本が悪い」と言い訳にしにくい。
このICJ提訴をアメリカも踏み絵にできるかも知れないし。
イアンフ問題もICJ提訴で「証拠不十分」まで持っていければ御の字。まぁ決着がついてしまうから、この件も韓国はICJ付託に乗ってこないでしょうけど。
圧力、プレッシャーは、大切だと私は思います。
日本国民のプレッシャーは、大切です。
李在明氏なら、日韓テーパリングに大きく貢献すると思います。
日本国民は、受け入れられないですから。
竹島に不法入国した人間を可能な限り把握してリスト化し、普通に日本に来た時に入国拒否すれば良いと思います。竹島に入った時から通常の日本本土への不法入国と同じ期間拒否すればいいんじゃないでしょう。
政府の人間が公務で来る場合、しょうがないのかも知れませんが、その場合でもプライベートや民間人になった時は拒否で、勿論前記のような理由でやむなく入国拒否を停止する場合、その分拒否期間のカウントも停止で良いと思います。
日本固有の領土竹島に日本の許可なく
不法上陸は犯罪ですから、
入国拒否に持っていくのが正しいと思います。
ただ、
その前にやるべきこととして
竹島不法入国という日本においては犯罪を
自らが行うか、そうした団体に入っているか
または親族が行っている場合は
犯罪幇助の疑いも当然あるのですが
素知らぬ顔して日本に知識パクリ目的で入国し
奨学金や社会補助をのうのうと受けているものが
居ることが問題です。
竹島不法入国の有無を記入させ
奨学金など審査にあたって
参考事項にすることがまずは必要です。
入国拒否には賛成です。日本に来る必要のある人物にとっては、牽制になるでしょう。
実際、不法入国者なのだから、犯罪者として国際手配してICPOに報告するのもいいのではないかと。
領土を不法に占拠されているにしては、日本の対応は信じられないくらい生温いと思われます。ICJ提訴などの手順があるのかもしれませんが、事実上の支配を許しているのは、結局不利になるのでは、と心配になります。
> 少なくとも先週の日米韓3ヵ国の合同記者会見への参加拒否は、外務省にしては大変に良い仕事だったと評価することはできるでしょう。
本来ならば、合同記者会見に参加して、韓国の不法を指摘しても良い事柄です。
しかし、それをしなかった。
あえてしなかった。
なぜなら、参加拒否だけで、韓国が大騒ぎするから。
これは外形的に、日本が語らずとも、韓国自らが「竹島は紛争地域だ」と明らかにしたことに他ならない。
日本が騒いで、韓国が騒げば、「日本が変なことを言うから反論しただけだ」という言い訳につながる。
こういう細かいところがイカしてる、と思います。
あちらのヘラルド経済の取材で
(警察庁長官の竹島不法入国を)
青瓦台が知っていた
ことが物議を醸しています。
知っていたどころか実は
任期後投獄さけるため
文ちゃんの竹島不法入国画策の
露払い(?)として
警察庁長官不法入国命令したのだろうと
推察されます。
日米間外務次官協議の前でなら
日本も反対できずにウッシッシの思惑で、
さらには日本をのけ者にして
韓米2国記者会見やったニダ!
狙いを主張したのでしょうが
米国から記者会見追い出されてしまって
かえって失敗ニダというところでしょう。
今回は日本の外務省GJに私も賛成です。
民間人や知事とか国会議員でなく閣僚だから
「韓国政府は知らなかった」は最初からあり得ないと思う
良い傾向ですね。
ただ、米国や ICJ に過度の期待ができないことも留意していた方が良いですね。
米国にとっては竹島は日韓の適度な分断のために永遠に解決してほしくない問題でもあります。日米間連携が破壊されるのも困るが、日韓が蜜月となるのも避ける力学が働くでしょう。
ICJ への付託は日本が勝訴した場合は韓国は難癖をつけて判決を無視するでしょうし、韓国が勝てば大騒ぎして日本が判決内容に従うことを迫るでしょう。そして、日本の外交力の低さと韓国の巧みさは侮るわけにはいきません。これまで何度も日本が勝って当然の件で韓国などに負け続けてる事実は直視すべきです。
それでも、国際舞台の表に出て透明性のある形で処理しようとする姿勢は重要ですね。
陰で韓国と取引しても、すぐに全部反故にされますから。
紳士蟻さんのところで見かけたんですが、アメリカがこの頃にちゃんと対処してればねえ。日本はその頃の状態に戻そうとしているとも言えるか。
国務省機密電文3470号 April 27, 1960
https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%8B%99%E7%9C%81%E6%A9%9F%E5%AF%86%E9%9B%BB%E6%96%873470%E5%8F%B7
公海上での日本の漁船の拿捕と人質外交の上に李承晩体制下では、常に日本の領土とされてきている竹島を力ずくで占拠している。これは日韓関係の非常に重要で永久の悩みの種で、この島が日本に返還されるまで、日韓全体の和平が決着することが無い。それ故、我々は、新しい韓国の政権に竹島を日本に返還するよう圧力をかけなければならない。
我々が竹島を日本に返還するように強く圧力をかけている間、万が一、新しい体制がそうする気が無ければ、最低限、我々はこの件を国際司法裁判所に付託し仲裁を求める事に合意するよう主張すべきである。
>もしも韓国が「自分たちに理がある」と思うのであれば、それを国際社会に対し堂々と主張すれば良いのです。
映画「韓半島」でやったみたいに、日本を国際法廷に立たせればいいのにw
韓国にとっての国際法廷とは、韓国の思うままに判決が出るものですね。その準備ができるまでは国際裁判からは逃げまくるでしょうね。
今回の騒動は韓国お得意の自爆、ブーメラン後頭部直撃案件ですが、歴史的には竹島問題を故意に放置して、紛争の火種を残しておいたアメリカさん自身も自業自得で、ブーメランがアメリカさんの後頭部にも激突してしまいました。
今回もアメリカさんは日韓に形だけの仲直りを強要するのでしょうかね。
来年の韓国の大統領選挙で保守派が勝てば、多分日本に仲直りを迫ると思います。
岸田さん、林さんには毅然とした対応を期待したいです。