TPP加入申請にあたり「中国の顔色」を気にする韓国
中国につき従う韓国、立ち向かう台湾
数日前から当ウェブサイトでは、中国、台湾、そして韓国のTPP加入申請という話題を取り上げています。こうしたなか、韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)に日曜日、なかなか興味深い記事を発見しました。なぜ韓国がこの段階でTPPに参加を申請したかといえば、文在寅(ぶん・ざいいん)政権の「実績作り」という側面に加えて、「中国の顔色を伺っていたからだ」、という仮説が浮かび上がってくるのです。
目次
TPPで見えた中台の争い
茂木外相、同じTPP参加論でも中台両国に異なる反応
先日の『TPP加入、台湾には「歓迎」、中国に無言、韓国は?』などでも触れた話題が、TPPを巡る中台韓3ヵ国の動向と、中台両国に対する茂木敏充外相の反応の好対照です。
中国がTPPに加入申請をした直後、茂木敏充外相は9月17日の会見で、中国に関しては、同国がTPPに求められる「電子商取引、知的財産、政府調達、国有企業」といったルール面で、こんなことを指摘しました。
「今般、加入申請を提出した中国についても、TPPのこうした高いレベルを満たす用意ができているかについて、まずしっかりと見極める必要があると、このように考えております」。
言外に、「国営企業など、中国がクリアすべき課題は極めて多い」と指摘しているようにも見えます。
これに対し台湾については、今度は9月28日付の会見で、「台湾は日本にとって基本的な価値を共有し、緊密な経済関係を持つ大切なパートナー」とのべたうえで、台湾のTPP加入申請については「TPPの目的に沿ったもの」、「歓迎する」と絶賛しました。
「その台湾がTPPについて加入申請をしたと、これは自由で開かれたハイスタンダードの経済秩序、経済圏を世界に広げていくと、こういうTPPの目的に沿ったものであると思っておりまして、歓迎をいたしております」。
茂木外相の中台両国に対するこの発言の違いは、なかなか興味深いものです。
台湾のTPP参加は決して容易い道ではないが…
もちろん、TPPへの新たな加入には、それぞれの国がその要件を満たすことに加え、既存の加入国の全会一致による賛同が必要とされています。正直、中国がTPPに加入するのが難しいのと同様、「全会一致」要件は台湾にとってもまた、加入に向けて非常に高いハードルでもあります。
また、台湾自身が日本からの農作物等の輸入規制を課しているという事実もあるため、現在の日本が無条件で台湾のTPP参加を承認するとも思えません。
いずれにせよ、正直、中国のTPP加入申請は台湾のTPP加入を妨害するためという目的の方が大きいと思われるため(著者私見)、おそらく今回は、中台ともにTPPへの加入は実現しないのではないか、というのが個人的な予測であり、見立てでもあります。
しかし、『台湾が3番目の貿易相手国に浮上しつつあることの意味』や『大事な友人・台湾のTPP参加を日本が支援すべき理由』でも述べたとおり、台湾の日本経済にとっての重要度が上昇しているなかで、日台が経済産業協定を締結することは、日本経済にとっても非常に意義がある話です。
場合によっては、台湾が日本、豪州、ニュージーランドなどのTPP参加国とのあいだで、TPPを参考にした自由貿易協定(FTA)を取り交わすこととで、実質的に台湾がTPPに参加したのと同じような経済効果をもたらす、という構想もアリかもしれません。
その意味では、台湾のTPP加入が議論されること自体、決して悪いことではないと思う次第です。
韓国のTPP加入論
なぜ?韓国で急に強まるTPP論
さて、その一方で、最近になって突然TPP参加論が出て来た韓国に関しては、どうでしょうか。
じつは最近になって、韓国側からは、やたらとTPPに関する報道が相次いでいます。
たとえば、洪楠基(こう・なんき)経済副首相兼企画財政部長官は現地時間14日、訪問先の米・ワシントンで、TPP加入について発言しています。
韓国政府 今月末にもTPP加盟可否決定へ
―――2021.10.18 09:29付 聯合ニュース日本語版より
もっとも、その数日後、こんどは韓国メディア『中央日報』(日本語版)によると、その加入申請の時期自体は延期される見込みだ、などと韓国政府当局者が明らかにしたと報じられています。
CPTPP加入決定を先送りした韓国「あまりにもタイトな日程…追加調整が必要」
―――2021.10.22 15:25付 中央日報日本語版より
これらの記事を読むと、「加盟(ないしは加入)を決定する」、といった表現がやたらと出てきて、ちょっと辟易します。
韓国政府に決められるのは加入を「申請するかどうか」でに過ぎず、また、「加入できるかどうか」は韓国政府に決められることではありませんし、そもそも論として、国と国の約束も平気で破るような国がTPPに容易に入って来られるとも思えません。
ただ、その点を脇に置くにしても、いままでTPPの「T」の字もなかった韓国で、ここにきて唐突にTPP論がやたらと出てくるようになったというあたり、どうも不思議です。
申請すれば入れるというものでもなかろうに…
こうしたなか、韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)には日曜日、こんな記事が掲載されていました。
中国が加入申請したから? 韓国政府「CPTPP加入申請、決定が近づいた」/8年続いた曖昧な態度がなぜ突然変わったのか
―――2021/10/24 05:31付 朝鮮日報日本語版より
(※なお、朝鮮日報は記事公表日から数日が経過すると記事自体が読めなくなってしまうようですので、原文を確認される場合は早めにお願いします。)
朝鮮日報は「保守派」の最大手メディアのひとつとされ、文在寅(ぶん・ざいいん)現政権に対しても批判的な論調が多いことでも知られますが、その朝鮮日報の報道が、なかなか興味深いのです。
朝鮮日報は、洪楠基氏の「中国と台湾が突然加入申請書を提出したのは、韓国が検討を行うに当たり考えてもいなかった重要な変数だ」という発言などを紹介。
仁荷大学の鄭仁教(てい・じんきょう)教授の発言を引用する形で、韓国政府がTPPの加入決定を急ぐようになった背景のひとつに、中国の動きがあると指摘します。
「CPTPPに加入するには加盟する11カ国全ての同意を得なければならないが、『市場の開放性』『国営企業への補助金』『デジタル貿易』『労働・環境分野の規範』が相対的に高くない中国がCPTPPのドアをたたいたのだ」。
これは、いったいどういうことでしょうか。
この鄭仁教教授の指摘、そのまま読むと、「市場開放性などの評点が低い中国ですらTPPへの申請書を出したくらいだから、韓国も出せないことはないだろう」という判断があった、という意味にも受け取れますが、それだけではありません。
朝鮮日報はさらに、「韓国政府関係者」の「最近は英国などCPTPPへの加入を打診している国が増えていることもあり、今のこの時期を逃せば加入交渉が複雑になりかねない」、といった見解も紹介しています。
つまり、「中国でさえTPPへの加入申請をしたのだから、韓国も申請をしよう」という意図がありありと見て取れる、というわけですね。
このあたり、個人的には思わず、「申請すれば入れるというものでもなかろうに」、などと言いたくなってしまうのは、ここだけの話です。
「日本が議長国だから」ではないことは理解している
さて、朝鮮日報の記事には、まだ続きがあり、取り上げたい部分はいくつかあるのですが、本稿の構成の都合上、そのうちの後半の方から先に紹介します。
朝鮮日報によると、このタイミングで韓国がTPP加入の意向を示した理由について、洪楠基氏は「現在は韓国のTPP参加に否定的な日本が議長国だが、来年1月に議長国はシンガポールに交代する」ということを挙げたのだそうですが、朝鮮日報はこれについて、こんな趣旨のことを指摘します。
- 来年議長国がシンガポールに代わっても、加入交渉が順調に進むとは考えにくい
- CPTPPへの加入申請は外交政策の実績作りに過ぎないのでは、との指摘もある
…。
なかなか、鋭い指摘だと思います。要するに、このタイミングで韓国のTPP加入論が出てきた理由のひとつが、「文在寅氏の焦り」にある、というのです。これについて記事では、歴代の韓国の政権がいずれも大なり小なり、FTAの締結という実績を上げてきたと述べます。
たとえば金大中(きん・だいちゅう)政権は2003年、FTAの先駆けとなるチリとの協定を締結しましたし、盧武鉉(ろ・ぶげん)政権は米国(2007年)、李明博(り・めいはく)政権はEU(2010年)、朴槿恵(ぼく・きんけい)政権は中国(2015年)とそれぞれFTAを締結しています。
そのうえで、朝鮮日報は現・文在寅政権の実績について、こう指摘するのです。
「これに対して現政権による通商領土の拡大はパナマ、コスタリカ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグアの中米5カ国とのFTA締結にとどまっている」。
「経済領土」というのも、基本的には韓国メディアでしか見られない特有の面黒い表現ですが、それはともかくとして、とにかく退任を半年後に控え、本当にほとんど実績がない文在寅氏にとっては、いろいろと焦っているのだ、というのが朝鮮日報なりの解釈、といったところでしょう。
TPPから見える中韓関係
「宗主国様のご意向を伺う韓国」
ただ、本稿でこの朝鮮日報の記事を紹介した理由は、それだけではありません。
私たち日本人にとってはよく理解できないことのひとつに、韓国人の「中国恐怖症」がありますが、それが大変によくわかる記述があるのです。
「中国についてはCPTPP加盟国の日本とオーストラリアが反対の意向を示しているため、中国の加入が実現するかは不透明だ。しかし一部では『中国はCPTPPをもはや米国など欧米による中国けん制の手段とは見なしていない。これが中国のCPTPP参加申請によって確認できたため、韓国政府の加入申請決定も前倒しできる』との見方も出ている」。
…。
「韓国人の中国恐怖症」を理解していないと、そのままスルーしてしまうくだりです(※なお、文中で「牽制」と書くべきところをわざわざ「けん制」と読み辛く表記しているあたりも含め、引用箇所は原文どおりです。余談ですが、こんなところまで日本のマスメディアの悪い癖を真似なくても良いのに、と思ってしまいます)。
しかし、この文章、大変に重要なことを示しています。
「①中国がTPPに加入申請書を提出した」ということは、「②中国がTPPを敵視していない証拠だ」、「③だから韓国もTPPに加入申請ができる」――。
つまり、中国の意向を伺わないと、韓国としてはTPPへの参加申請すらできない、という、韓国の特有の国内事情が透けて見えるのです。
韓国が絶対にFOIPにコミットしない理由
このあたり、日本が提唱する、一種の「価値同盟」である「自由で開かれたインド太平洋」(あるいは英語の “Free and Open Indo-Pacific” を略して「FOIP」)に、韓国が頑なに参加しようとしないことを思い出しておくことも有益でしょう。
このFOIP、『外交青書:基本的価値の共有相手は韓国ではなく台湾だ』でも指摘したとおり、日本はすでに外交青書上は「近隣国(中国、ロシア、韓国)との外交」よりも優先順位が上位に置かれており、かつ、このFOIPに韓国は含まれていません。
これに加え、『ついに日韓ハイレベル防衛交流「ゼロ回」に=防衛白書』でも指摘したとおり、防衛面でも、伝統的な「日米韓3ヵ国連携」よりもさらに上位に置かれています(防衛白書上は、FOIPからは韓国が明らかに除外されています=図表)。
図表 FOIP
(【出所】防衛白書)
ではなぜ、韓国はこのFOIPから除外されているのでしょうか。
その理由として真っ先に考えられるのは、「韓国が日本に対し、国際法、条約、約束などを破ったり、ウソをついたりしていることで、日本政府が韓国に対し信頼を喪失していること」です。
ただ、これはこれで、大きな理由のひとつではありますが、説明としてはやはり不十分でしょう。
韓国が日本の外交・防衛政策上、FOIPから除外されている大きな理由は、「韓国が自ら望んだから」ではないでしょうか。
いや、もう少し正確にいえば、FOIPには「自由主義国家同士による対中包囲網」という側面がありますが、韓国としては、公然と対中包囲網に加わるわけにはいかない、という事情があります。
これこそまさに、平素から当ウェブサイトで(というよりも、優れた韓国観察者である鈴置高史氏が)指摘している内容そのものでしょう(正確にいえば、当ウェブサイトがいう「韓国が中国を恐れている」という説明は、ほぼ、鈴置氏の論考を読み、納得した結果をそのまま伝えているに過ぎません)。
原則なき国家:中国に呑まれる韓国、立ち向かう台湾
この点、朝鮮日報というメディア自体、文在寅政権に批判的であるという点については、多少、割り引いて考えておく必要はあります。
ただ、やはり普段から韓国の原則のない外交を見せつけられている身からすれば、これまで韓国がTPPから距離を置いてきた理由と、中国が突如としてTPP参加を申請したことを受け、これに追従しようとする韓国の動きは、見事にリンクするのです。
鈴置氏の名著のひとつに、『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』があります。
【参考】『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』
(【出所】アマゾンアフィリエイトリンク)
結論からいえば、2021年現在、鈴置氏の「予言」どおり、日本は中国につき従おうとせず、むしろ先頭を切って、「FOIP」を提唱し、TPPを主導するなどして、中国に「立ち向かって」います。そして、こうした日本の強い姿勢に感化されたのか、いまや台湾が中国に「立ち向かって」いるように見えます。
もちろん、台湾も一枚岩ではなく、親中的な政治家はいますが、少なくとも蔡英文(さい・えいぶん)総統、あるいは彼女の出身母体である民進党は、中国に「つき従おう」としているようには見受けられません。
これに対し、韓国では朴槿恵前大統領を含めた保守政治家、文在寅現大統領を含めた左派政治家を問わず、中国に対しては「立ち向かおう」としていません(というよりも、自国に強圧的な国に立ち向かおうとしないという点では、北朝鮮に対しても同じかもしれません)。
【参考】2015年9月3日、天安門に登った朴槿恵前大統領
(【出所】韓国政府HP。当時の朴槿恵・韓国大統領は並み居る独裁者のなかに混じり、黄色い服を着て天安門に登り、抗日戦勝利70周年記念軍事パレードを観覧した。このパレードに参加した西側諸国の国家元首は朴槿恵大統領のみであり、米国の強い不興を買った)
個人的には、韓国がTPPに本当に加入申請をするのかどうか、加入が認められるのか、といった点に対しては、大して興味がありません。
(朝鮮日報の主張が正しいという前提ですが、)むしろ、TPP参加ひとつとっても「中国様」の顔色を伺っているという状況自体が、現在の韓国が置かれている状況を物語っているという点にこそ、今回の騒動を見るポイントがある、という言い方をしても良いのではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
楽韓さんのところで、朝鮮語記事を取り上げて韓国側のTPP加入に関する過信の内容がありました。
韓国には「自国はルールを守らない国である」との自覚が全く無いのが伺える内容です。
「自分は常に正しい、間違っているのはルールの方だ」ってところかと。
行き着くのは「韓国を文明国扱いしてはいけない」で、国家を人間に落とし込むと「韓国人を人間扱いしてはいけない」になっちゃうような…。
クロワッサンさま
楽韓さんの記事をリンクしときます。
http://rakukan.net/article/484048049.html
朝鮮語の記事は、朝鮮脳満載で面白いですね。
だんな さん
ありがとうございます!
いやほんと、自己評価が高過ぎて、青天井なんですよね(*_*;)
確か、ドラえもんに自信ヘルメットというのがあったね
このサイトでドラえもんの話題が出たことあるはず
私は、韓国が加盟申請するなら、中国の指示によるものと認識しています。
中国の加盟申請は、CPTPPの新規加盟を不自由にさせるという点で、名案だと思います。
韓国のCPTPP加盟についての雑感です。
「韓国は、ルールを守らないから加盟出来ない」というコメントを良く見ますが、韓国の朝鮮脳は、加盟するにはルールを守らなければならないとは考えていません。
韓国が、「韓国はルールを守っているし、守る」と言うのは、慰安婦合意や日韓協定を見れば分かると思いますが口先だけで、詐欺師や泥棒が、自ら名乗らないのと同じ事です。
外交の観点で見ると、面と向かって相手国に「お前は詐欺師だ」とは言いにくいので、そこに韓国が付け込む隙がある訳です。
現在青瓦台は、「日本以外の加盟国は、韓国の加盟に全面的に賛成している」と言ってますので、朝鮮脳は、それを受け入れるでしょう。
韓国国内の規制緩和に対する不満や、日本からの輸入規制の解除が必要だなど、韓国国内で受け入れにくい議論が活発化すると思います。
韓国にとってのCPTPP加盟申請は、加盟出来ないだけで無く、国内の葛藤を増やして、結局最後に「日本が悪いニダ」という流れになるでしょう。
TPPに加盟するということは、現在やっている日本のイチゴ、ブドウ等の品種を盗み出して栽培・輸出販売すること、和牛も同じく精子を盗み出して表向きには自国で育てることが出来なくなるし、日本の特許公報(再現できるほど詳しく書かないと認可されないのが問題)をみて技術の盗用が出来なくなるということなので、青瓦台が決定しようとしても、まず韓国内の農工業団体がTPP加盟に反対すると思いますが。
韓国:
中国とともに恥をかくのであれば吝かではない。むしろ感情を共有できるチャンスかも知れない・・。
上でだんな様も書いてますが、私も、まぁ中国の差し金じゃないかと思います。
中国は自身が加入できるとは露ほども思ってなくて、それでも台湾の申請を阻止したいから、韓国にやらせればいい、くらい思っているんじゃないでしょうか。
「おい韓国、お前は建前上は自由主義陣営だ、ちょっと申請して加盟してこい」
「へい!中国様!」
「加盟出来たら、台湾の申請を拒否するんだぞ」
「わかってますぜ!」
こんなやりとりがあったんじゃないですかねw
日本を除く他国が「韓国を諸手を挙げて望む状況」(ソウル経済新聞)・・・いや、どこの国を見てそう思っているのでしょうか。
顔色うかがわなければならないのは、チャイナ様ではなく、TPPを牽引する日本の方でしょうが。
時刻が法治を守らない国家だということに全く意識が行ってない様子ですね。この態度でよく生きてこられましたね。明や清の時も朝貢していてこんな態度だったのでしょうね。
各国にそれとなく聞いてみた
↓
どの国からも面と向かってダメとは言われなかった
↓
各国は大歓迎しているに違いない
という毎度おなじみの幸せ回路が全開になっているだけです。
でも、結局のところ、韓国は正式な加入申請をしてこないのではないかと予想しています。正式な加入申請をした挙句、どこか1国の不承認で加入に失敗した場合、韓国的には「外交的大惨事」ですから、身に覚えのある韓国としては、うかつに加入申請はできないでしょう、多分。「各国が大歓迎している」というのも、日本に対する脅しか牽制のつもりなんですよ、あれでも。
なので、日本としては、「ふ~ん、そーなんだぁ」と聞き流しておけば済む話ですよ。
皆様、違います!!
南国がPTTに宗主国中共様の指示で加入を表明したからには、
日本は南国のPTT加入を決めなければならないと考えているのです。
加入のアカツキには日本は今迄の罪を反省し、証しとして謝罪と賠償し輸出規制を無くし、
ホワイト国にするのは当然の事なのです。
CP-TPPには、多国間にまたがるサプライチェーンの実態を踏まえた「累積原産地規則」という考え方が採用されています。この考え方で原産地は、最終製品化した国ではなく、加盟諸国域内での累積付加価値の割合(品目により異なるが45%程度)で原産地を域内か域外かに弁別します。その上で、域内原産品には低率関税など特恵を与えるものです。従来の二国間FTAでは最終製品化(最終組立、製品化加工など)した国を原産地とすることが多いです。故に、最終製品化を自国内で行いさえすれば特恵関税を受けられました。ただ逆に見れば、否が応でも最終製品化を国内で行わないと特恵を受けらません。
これを韓国の場合で言えば、例えば米韓FTAの原産地規則は「最終製品化国」主義です。これは、韓国が自国内で最終組立し米国に輸出する時には十分でした。ただ、最終組立を外国にアウトソースするとFTAの特恵が受けられなくなるという欠点があります。一方で、韓国では単純労働者の賃金が上昇し既に家電品などでは、韓国で設計し、部品を輸出して最終組立をベトナムなどに移転しています。こうなると米韓FTAの特恵を受けられなくなり悩ましいです。処が仮に、米国、韓国、ベトナムがCP-TPP加盟国であればベトナムで最終組立しても特恵が受けられるので、柔軟に生産地を選択できます。それが、韓国がTPPに参加するメリットです。このように、累積原産地規則は、国内を付加価値の高い設計や高度部品の製造に特化させ、付加価値が低い組立・検査などは他国にアウトソースする戦略を採用する場合に重要です。
再度、韓国の立場で見れば、現状は大市場である米国が加盟していませんから余り必要性は高くないでしょう。むしろ、日本製品に対する防壁となっている対日関税を撤廃せざるを得ず、対日貿易赤字がさらに拡大します。日本からの知財権盗用も難しくなるはずです。とはいえ将来、米国加盟の時が来れば韓国の不利は明らかです。ただ、本来のTPPには中国包囲網という一面があったので、これまでの韓国が中国の顔色を窺っていたのは確かでしょう。ですがその中国が参加申請した以上、韓国として遠慮する必要は無くなったということだと思います。参加までには、最短でも数年以上かかりそうなので、今から取り掛かっておこうということですね。
中国(CP-TPP加入要件を満たすのが困難と思われる)が、今、参加希望を表明した意図は良く分かりません。次のような理由が考えられるでしょう。
1)CP-TPP諸国分断によりこの協定を失敗させることにより;
①経済的な中国包囲網の破壊
②日本の国際的影響力を削ぐ
③一帯一路の失敗を薄める
2)米国国論の分断(米国ファースト派とグローバル派との争いを激化させる)、
3)台湾参加の妨害(一つの中国死守)、
4)他の新規加入妨害(自国内からの資本流出の加速阻止)
5)CP-TPPそのものの乗っ取り(自国覇権の拡大)
など等、様々考えられます。おそらくこれら全てが念頭にはあるのでしょう。
ソウル経済紙に掲載された産業通商大使とやらの兪氏(WTO議長に立候補して落ちた人)の論説を読んで、ますます韓国と関わってはいけないと思いました。
なぜ「日本は韓国をCPTPPに入れなければならない」のかの論理的根拠が感情だけでなにもない遠吠えに近いものです。
韓国との関係改善の為に日本が譲歩派の奴らも、そろそろ今後も対韓関係は損益マイナスにしかならないしそのマイナスの責任とれますか?
って考えてみていただきたいものです。
韓国ってつい最近まで「FTA強国」とか言ってなかった?