X

次に陥落するのが「ソウルではない」という保証はない

タリバン≒北朝鮮

米国がなぜあのタイミングでアフガニスタンから撤収したのか――。これについて現地時間の16日夕方、ジョー・バイデン米大統領がホワイトハウスで談話を発表しました。バイデン談話に対しては、米国内でもさまざまな反応があるようですが、むしろ個人的に高い関心を抱いているのは、「無責任」という観点からは、まさにアフガニスタンよりも韓国の方が問題ではないか、という論点です。

本稿の要約

米国がアフガニスタンを「見捨てた」かに見える理由は、おそらく、アフガニスタンが「自分の国を自分で守る」という覚悟を示さなかったからでしょう。

こうしたなか、「米軍の最新装備で武装したアフガニスタンの正規軍が装備貧弱なタリバンに敗北した」という意味では、むしろ、アフガニスタンの政府も軍も無責任といわざるを得ない、という批判が成り立つ余地があるのはたしかでしょう。

そして、「装備が貧弱なタリバン」を「装備が貧弱な北朝鮮」に、「アフガニスタン正規軍」を「韓国軍」に置き換えてみれば、米国が韓国を絶対に見捨てないという保証がないということは明らかです。

本稿ではこれについて、考えてみましょう。

大統領談話と米国内の反応

ジョー・バイデン大統領の談話とは?

米軍が撤収したアフガニスタンで政府が崩壊し、タリバンが首都カブールを制圧して政権を掌握した話題に関しては、当ウェブサイトでは『鈴置論考「韓国大統領選への米中介入と韓国核武装論」』などで取り上げたところです。

これに関連し、ジョー・バイデン米大統領は現地時間の8月16日夕方、ホワイトハウスで談話を発表しました。

Remarks by President Biden on Afghanistan

―――2021/08/16 16:02 EDT付 ホワイトハウスHPより

最初にバイデン氏の発言を一読した際の個人的感想を申し上げるなら、「大変に冗長で取っ散らかった内容」、という気がしました。ただ、気を取り直して、バイデン氏の意図を読み取り、要旨を日本語で要約すると、こんな具合ではないかと思います。

  • 米国が20年前にアフガニスタンに派兵した目的は、2001年9月11日にわが国を攻撃した者たちを逮捕するとともに、アルカイダが私たちを攻撃する拠点として、アフガニスタンを二度と使用できないようにするためだった
  • 実際、私たちはアルカイダを弱体化させ、今から10年前にはウサマ・ビン・ラーデンを確保することにも成功したが、我々の目的に「国づくり」は入っておらず、アフガニスタンを統一的で中央集権的・民主的な国にすることは決して想定されていなかった
  • 米国は約30万人のアフガニスタン軍を訓練し、装備するのに1兆ドル以上を費やした。これは多くのNATO諸国の軍隊よりも規模が大きいが、そのアフガニスタン軍が自ら戦おうとしない戦争で米軍が戦ったり死んだりすることはできない
  • 正直、米軍をアフガニスタンに派遣して以来、20年間、撤退させる最も良い時期というのはなかった。彼ら<タリバン>の動きは想定よりも早かったが、アフガニスタンの政治的指導者たちは諦めて国を逃れ、アフガン軍は戦おうとせずに崩壊した
  • こうした先週の出来事は、アフガニスタンへの米軍の関与を終わらせることが正しい決断だったことを補強している

…。

無責任なアフガンに失望したバイデン氏

要するに、米国は最初から、アフガニスタン派兵の目的を「9.11の首謀者を捕まえ、アフガニスタンをテロ拠点として使用できない状況にすること」に置いていたのだ――。

それが、バイデン氏の発言の要旨でしょう。

そのように考えるならば、「1兆ドル以上のカネを費やしてアフガニスタンの軍隊を訓練し、育て、タリバンをはるかに上回る装備を獲得しているにも関わらず、なぜアフガニスタン軍はタリバンと戦おうとしないのか」、という、バイデン氏なりの不満を見て取ることができます。

また、バイデン氏は、今回の撤退がドナルド・J・トランプ前政権時代にすでに決定されていたものであるとも指摘しつつ、「米軍の行動はすべて米国の国益のためになされなければならない」、「米国の国益はテロ攻撃を防ぐことにある」、と強調しているのです。

米議会などからは政権への批判続出も…

一方、このバイデン氏の演説に対し、米メディア・ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に掲載された次の記事は、かなり批判的な立場を取っているようです。

Biden Defends Afghanistan Pullout Amid Bipartisan Criticism

―――2021/08/16 22:36 EDT 付 WSJオンラインより

WSJの主張をヒトコトでいえば、「バイデン氏は無責任だ」、というものでしょう。

具体的には、タリバンが予想よりも早く、アフガニスタンの国土を掌握したにもかかわらず、米軍が出動しなかったことに関して、「責任の多くを米軍が訓練したアフガニスタン軍に押し付けた」、などと批判しているのです。

WSJはまた、また、「アフガニスタンの人々のために、米軍撤退の時期をもう少し遅らせるべきだった」、といった批判が、米議会では民主、共和両党の議員らから上がっていると指摘。また、バイデン政権が現地の米国人の保護にもっと迅速に動くべきだったのではないか、などとする批判も出ている、としています。

この点、「あのタイミングで米軍が撤退したことは仕方がない」、「アフガン政府の崩壊はアフガン人自身の責任だ」、とするバイデン氏の主張が正しいのか、「撤退するにしても、もう少しやり方があったのではないか」とする主張が正しいかについては、当ウェブサイトとしてはあえて判断を控えたいと思います。

なぜなら、当ウェブサイトはべつに「米国のウェブ評論サイト」ではないからです。

そして、バイデン氏が主張するとおり、米軍がアフガンから撤収するという計画は、トランプ氏が立てたものでもあります。また、「長く関与すればするほどコストがかさむ」、「ズルズルいつまでも撤退しないより、あるときに思い切って撤収する」というのは、ひとつの政治判断ではあります。

この問題でバイデン氏「だけ」の判断がおかしかったと早々に決めつけるべきではありません。

目的合理性が失われ、撤退のタイミングを逸していた

ただ、少し違った視点から本件について申し上げるならば、何をするにしても「目的」はとても大切だ、という点を、改めて思い知らされた気がします。

米国がアフガニスタンに関与した最大の理由が、まさに9.11の首謀者であるウサマ・ビン・ラーデンの身柄の確保ないし殺害にあったというのならば、2011年5月2日をもって、その目的は達せられたはずです(ということは、その時点で撤退を決断しなかったのはバラク・オバマ元大統領の責任、ということでしょうか)。

結局のところ、普段から申し上げているとおり、米国にとっては、「太平洋戦争(大東亜戦争)後の日本統治がうまく行き、ファシズム国家だった日本を自由で民主主義の国に作り替えることができた」という(ニセの)「成功体験」が強烈すぎたのかもしれません。

そもそも日本では戦前の1925年には法制化されていましたし、大日本帝国憲法下では「法の定める範囲内における(居住、信教、結社などの)自由」が規定されていました(大日本帝国憲法第22条・第28条・第29条)。

「米国による軍事占領のみによって、日本が自由民主主義国家に生まれ変わった」、といった考え方自体が、そもそも勘違いですし、むしろ日本を当初は非武装国家にしようとしたがために、却って中国の共産化、ソ連の伸長を助けたという側面すらあったのではないか、というのが個人的な見解でもあります。

このあたり、先ほどのWSJの記事にも出てきた米議会議員らの発言を読んでいると、彼らにはどうも、暗黙の裡に「外交などを通じて相手国を(自分たちの望む国に)変えることができる」、といった信念を感じてしまうのですが、もしそうだとしたら、それは大変な思い上がりでしょう。

米国が信頼しない国はむしろ…

「安保のタダ乗りは許さないぞ」=バイデン

ただし、そうした長年の米国外交の問題点はひとまず脇に置き、先ほどのバイデン氏の発言を読み解いていくと、「安保のタダ乗りは許さないぞ」、というメッセージにも辿り着きます。要は、「自分の国は自分で守れよ」、「米国に一方的に負担を押し付けるなよ」、です。

もちろん、現代の国際社会だと、同盟関係にあればその分、国防が容易になるという側面はありますので、基本的価値と戦略的利益を共有する国と同盟を結べば、その分、国防力の強化に役立つことは間違いありません。

ただ、それと同時に、「自分の国は自分で守ろう」という発想は、とっても当たり前の話でもあります。米国との同盟にしたって、「自国と米国にとってお互いに何らかのメリットがある」、という意味であって、「米国が一方的に守ってくれる」という意味ではありません。

当然、わが国にも当てはまる話ですし、台湾にも韓国にもフィリピンにも同様に当てはまります。

この点、わが国の場合は、近年、むしろ日本の方から積極的に、「自由で開かれたインド太平洋」なる概念を提唱し、これに米国だけでなく、志を同じくする国を複数巻き込み始めています(※インドが日本にとって「基本的価値」を共有しているかどうかは別として)。

そして、最近だと、英語表記の “Free and Open Indo-Pacific” を「FOIP」と略し、いわゆるクアッド(日米豪印)に加え、カナダ、英国、フランスなどをも関与させようとしているのが日本外交の姿でしょう(ただし、フランスが最近、FOIPに対しやや後ろ向きに見えてしまうのは少し気がかりですが…)。

こうした動きが拡大するなどし、機が熟せば、もしかすると日米など主要国が台湾を国家承認したうえで、台湾をFOIPに招き入れる、といった展開もあるかもしれません。

このように考えていけば、みずから「FOIP」を唱え、その事務局を買って出ている日本は、軍事力の行使に依然として制約があるとはいえ、米国にとっては「インド・太平洋戦略」を展開するうえでのカギとなるパートナーに浮上しつつあることは間違いないでしょう。

タダ乗り・食い逃げ外交の実例豊富な韓国

「タダ乗り外交」「食い逃げ外交」が大好きな国の筆頭格といえば、韓国でしょう。

米国の同盟国という立場にありながら、2015年に発足した、中国が主導する国際開発銀行であるAIIBに、米国の同盟国のなかでは「いの一番」に参加を決めた国が、韓国です。

あるいは、米国の同盟国の首脳ででありながら、国家元首である当時の朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領が2015年9月3日、中国が主催した「抗日戦勝利70周年記念式典」に参加し、独裁者らと並んで座ったという事実もありました。

さらには、2017年5月に発足した文在寅(ぶん・ざいいん)政権は、米国と北朝鮮の公称に首を突っ込んで引っ掻き回し、また、旭日旗騒動、火器管制レーダー照射、GSOMIA破棄などを通じ、米国が大切にする「日米韓3ヵ国連携」の枠組みを壊そうとしました。

そんな韓国のことを、米国が快く思っているとは考え辛いのですが、これに関連して韓国メディア『中央日報』(日本語版)に昨日、こんな「社説」が掲載されていました。

【社説】アフガニスタン事態が韓米同盟の重要性を見せた

―――2021.08.17 10:39付 中央日報日本語版より

この社説が興味深いのは、タイトルと中身がまったく合致していない、という点にあります。

社説の3段落目にある、「アフガン事態は他人事でない」で始まる記事以下を読むと、米韓合同演習の縮小に加え、北朝鮮の独裁者である金正恩(きん・しょうおん)の実妹である金与正(きん・よしょう)が在韓米軍の撤退を求めたことなどに言及がなされています。

すなわち、「アフガニスタン事態」が見せたのは、米韓同盟の「重要性」ではなく「脆弱性」ではないでしょうか。

外国に自己投影する韓国

ただ、中央日報の記事に掲載されている韓国側の反応は、これだけではありません。

次のとおり、「アフガン事態を受けて日本でも大混乱」、「台湾では米国への信頼が議論の的になっている」、といった記事も相次いで掲載されているのです。

「今後、どう対応するか…」米国と共にアフガン支援した日本、大混乱

―――2021.08.17 15:10付  中央日報日本語版より

アフガン米軍撤退の後遺症…台湾で「米国信じられるのか」激論

―――2021.08.17 18:00付 中央日報日本語版より

正直、日本では「大混乱」など生じていませんし、台湾で「米国が信じられるのか」といった激論が生じている、とする中央日報の記述自体、どうも眉唾です。

これらはどちらも、じつは韓国国内の話を外国に「投影」しているだけではないでしょうか。

これに加え、ほかにも韓国の反応の事例としては、昨日の『アフガン崩壊に韓国政治家「覚悟なければ国は滅びる」』で、保守政党「国民の力」の大統領予備候補でもある崔在亨(さい・ざいひょう)氏がフェイスブックに寄稿した内容を紹介しました。

そのなかで崔在亨氏が、米・アフガン関係を「2001年の9.11テロを契機に急造された同盟」などと位置付けたうえで、「米韓同盟はこれと違う」、などと主張したという内容を紹介したところです(※詳しくは、昨日の記事をご参照ください)。

無責任は韓国も同じ…、いや、もっとひどいかも?

ところで、先ほども紹介したバイデン氏の発言からも、「自分で自分の国を守ろうとしない国の代わりに米軍が戦ってあげるということはあり得ない」、という、ある意味でごく当たり前の発想が見て取れるのですが、その認識に照らすなら、韓国の行動など無責任そのものです。

先ほども少し触れたとおり、大変危険で無責任な米中二股外交が激化したのは、朴正煕(ぼく・せいき)の長女で、一般に「保守派」とみなされる政治家でもある朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領が政権を握っていたころの話です。

また、そのさらに先代の李明博(り・めいはく)政権も、同じく「保守派」とされていましたが、その在任中の2010年3月の天安鑑の撃沈事件、同11月の延坪島への砲撃事件に対しては、北朝鮮に対し目に見える制裁をほとんど何も行っていません。

このように考えていくと、米国を失望させたのがたかだか20年のアフガニスタンと、70年近くの間、米国を失望させ続けてきた韓国を比べるならば、米国の怒りが強いのはどちらの方なのか、なんとなく想像がつく、というものです。

いずれにせよ、韓国とアフガニスタンだと、経済的な実力、軍事的な装備などの諸条件は異なりますが、それでも「タリバン」を「北朝鮮」に、「書類上は30万人の高度な装備品を持った軍隊」のくだりにある「30万人」を「」60万人」に、それぞれ置き換えてやれば、両国はそっくりです。

今回陥落したのはソウルではなくカブールでしたが、極端な話、米軍にとっては米軍基地周辺の安全が確保されている状態ならば、ソウルを見捨てるというシナリオは十分にありうる話でもあります。

それこそ日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏が最新の論考『韓国大統領選挙に早くも大国が介入 中国は「貿易」で、米国は「通貨」で恫喝』で示された、韓国大統領選への米中双方の介入の状況などを含めた半島情勢については、これからも固唾を呑んで楽し見守る価値がありそうです。

新宿会計士:

View Comments (66)

  • おはようございます。
    ホント、そうですよね。
    20年のイライラvs68年のイライラ~w
    よく米国は耐え忍んで?いると思わざるをえませんねー。(棒。
    イライラが三倍以上たまっているとは、お気楽な「血盟」国は思ってもいないでしょうし。
    もちろん日本は、反面教師として参考にしつつ、自助努力をしなければいけないなと、思います。

    • >もちろん日本は、反面教師として参考にしつつ、自助努力をしなければいけないなと、思います。
      ーーーーーーーー
       御説の通りですが、日本は「独力でも日本を守り切る自助努力をする行動を取っている」でしょうか?

       単なる私見ですが、日本政府は支那の悪質な独裁者の顔色を伺いながら、且つ憲法改正を妨害することで結果として日本防衛の自助努力の妨害をしている某宗教団体の御用政党の顔色も伺っていることから、「独力でも日本を守り切る自助努力をする行動を取っている」とは思えないのですが。アメリカもそのように感じない保証がありましょうか。

       その御用政党にしても某宗教団体の代表であるからやむを得ないと言うこともあるでしょうが(と言うことは結果論としては明確に憲法に違反しているように思うのですが)、肝心の日本政府が支那の悪質独裁者の思うとおりに扱われても仕方がないと言う態度しか示せないと言うことはアメリカがどういう印象を持っているかなと心配していますが。

       将官の俸給と同程度の報酬を受け取っていた南朝鮮の売春婦像に堂々と跪いたり、「日本は日本人のモノではない」と公式に喚いたりするルーピーの時代よりはアメリカの印象は遙かにマシとは思いますが、防衛費を2%くらいにしてくれというアメリカの要請を某宗教団体御用政党の顔色をうかがいながら頑として受け入れず、尖閣が日本の治世下にある事を明確に意思表示して自助努力で守ろうとしない態度を見たら、アメリカはアメリカ人が正面に立って日本を守る価値があるのかなと疑問に思っても不思議ではないように思いますが。

       アメリカが日本国内の基地を全て放棄してアメリカに引き揚げると決断することも、若し自衛隊が支那の攻撃を防ぎきれない場合はアフガニスタンの例を見れば、日本の防衛を何故アメリカが負担する必要があるかという判断もあり得るかも知れないと思いますが。
       
       このことを支那の悪質独裁者が感じ取ったらは次は台湾ではなく日本だと目標を定めない保証があるでしょうかね。日本が簡単に手に入るなら第一列島線を維持するためには台湾より日本を強奪した方が遙かに有利と思わない保証があるでしょうか。

       否、支那が日本を手に入れれば、アメリカは無理して台湾を守る必要が無くなり、台湾はいつでも制圧できてしまうでしょう。そうなれば支那の悪質独裁者は毛沢東を超えたと思い込み、慌てて台湾を制圧する必要もないわけで、笑いが止まらないでしょうね。

       こう考えるとアメリカが支那を明確に現実の敵として認識した今の時期、更に加えて南朝鮮からも撤退しようという今の時期に菅総理が8月15日に靖国参拝を放棄して日本が自ら国を守る態度を見せず(且つ総理自身の最適な起死回生策でもある靖国参拝を放棄して)、私費で玉串奉納した程度の判断力しかない態度を見たら益々日本を見放す可能性が高いように思うのですが、私の考え過ぎでしょうかね。

      • 一点だけ.

        >今の時期に菅総理が8月15日に靖国参拝を放棄して日本が自ら国を守る態度を見せず(且つ総理自身の最適な起死回生策でもある靖国参拝を放棄して)、私費で玉串奉納した程度の判断力しかない態度を見たら益々日本を見放す可能性が高いように思うのですが

        靖国参拝をしなかったらアメリカから日本は見捨てられる危険性が高まると菅総理を責めるのは全くの筋違いです.

        第二次安倍政権の時,つまり2013年12月26日に安倍総理が靖国参拝をして,共産チャイナや南北朝鮮やロシアあたりだけならまだしも,よりにもよって同盟国の対日窓口と言うべき在日米国大使館と米国国務省から,つまりそのアメリカという同盟国自身から「失望した」と世界中の面前で大々的に批判されたのですよ.

        12月でも8日ならばいざ知らず,26日という特に特別な因縁は何もない日に時の総理が参拝しても,そのアメリカから大々的に批判されたのです.

        8月15日に参拝しようものなら,特亜3国やロシアだけでなく肝心要のアメリカからさえ徹底的に批難される危険性は十分すぎるほどあるのですよ.まして,今はトランプ率いる共和党政権でなく対日警戒心の強い(というよりも,実質上は反日同然だと思いますが)民主党政権ですからね.

        前回の民主党政権を率いていたオバマ大統領が安倍さんが首相として返り咲いた時に,右翼ナショナリストとして非常な警戒をして安倍政権をなかなか信用してくれなかったのは良く知られた事実です.

        恐らくですが,首相としての安倍さんが当時のオバマ大統領の信頼を得られたのは,米国が「チャイナ主導のAIIBには参加するな」と同盟国に呼び掛けた時に,日本だけが唯一米国と歩調を合わせて参加しなかった件からでしょう.習近平がAIIB構想をブチ上げるという我が国にとっての幸運がなければ,反日オバマ政権の最後まで安倍政権はアメリカから信頼を得られず終いとなった危険性は十分にあったと私個人は考えています.

        今のアメリカの(反日)民主党政権を率いているのは,そのオバマ政権での副大統領だったバイデン氏です.菅総理がよりによって8月15日という靖国神社参拝で最も特別な意味を持つ(と反日諸国の政府・国民のみならず我々日本国民の殆ども考えている)日に靖国参拝をしようものならば,「安倍の番頭役だった菅もやっぱりナショナリストか.こういう類の輩は完全には信用ならないから,あの時の慰安婦合意のような手段で日本に重荷を背負わせて自由に動けないように締め付けねば」と余計な警戒心を植え付け,FOIPなど今後の様々な問題での日米協調に支障を来す危険性は十分すぎるほど高い.

        それでなくても,バイデン大統領が本当にFOIPを本気で推進する気があるのか,本気で対中対立を厭わず,台湾や日本を防衛し西太平洋の赤化を阻止する気があるのか,率直に言って彼の国防予算案を見ると極めて疑わしい.

        案外,バイデン氏の本音は「共産チャイナや南北朝鮮に日本を叩かせておき,日本の背後というべき東シナ海の緊張を高めておくほうが,日本が自由勝手に活動できなくなり,日本を抑え込むのに有効だ」ぐらいだとしても,私は驚きません.(アメリカの太平洋での主敵が大日本帝国であった戦争終結直後ならいざ知らず,その大日本帝国の牙を全て抜いたり将来にまで効果を持ち続ける類の妨害工作を施し(そして将来の牙になりそうな兆候が僅かでも見えたら,全て潰したり奪い去ったりして)主敵はとっくに共産チャイナになっているのに何とまあ時代錯誤な考えのままな老人よ,あんたは本当にボケ切ったのね,と大いに呆れはしますけれどね)

  • >米軍の最新装備で
     本件、よくこういった表現がされます。米軍と同系統だったり一部は現行品だったり、中央アジア一帯にしては上等という意味では正しいかもしれませんが、ハンヴィーや古めのAR15系小銃を使っているというくらいで、戦車はM1エイブラムス、航空機は空自でも使うF-15のようなものを保有しているというわけではなく。

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB_EMB-314

     こういった軽攻撃機です。まぁ同等の空軍を持たないゲリラ的武装組織にはむしろ適しているのですが(韓国空軍にも本来こういったものがオススメ)。
     撤収後、米軍の兵站から離れた時点で既に整備部品や精密爆弾等は滞り、将兵も士気・忠誠心は低かったようです。

  • >これらはどちらも、じつは韓国国内の話を外国に「投影」しているだけではないでしょうか。
    全てこれで説明できますね。

  • 「今後、どう対応するか…」米国と共にアフガン支援した日本、大混乱 >

    私は韓国メディアのヘッドライン、殊に日本に関する記事の見出しには、(日本人にとって)反語法的表現に満ちていると感じることがままあります。あるいは、そうであって欲しいという切ないまでの願望が込められた希望的見出しとでも申せましょうか。

    この中央日報の記事を読めば、日本が20年間で69億ドルもの莫大な援助を行ったにもかかわらず、結局はタリバンに政権を投げ出したアフガニスタンという国家の結末に、ほくそ笑んでいるようにも読み取れます。

    そして記事の最後はアフガニスタンのパラリンピック選手団のパラ参加辞退で締めくくられていますが、記事の前段との関連に頸を捻らざるを得ない内容となっていますね。結局この記事は日本の援助が全くの無駄で在り、その結果、東京で行われるパラリンピックに多少の毀損が生じたとでも指摘したかったのでしょうか?よく分からない記事ではあります。

    云ってはなんですが、69億ドルという金額は決して少ないものではありませんが、ある意味、「先進国」としての義務を負っている以上、決して全く無駄な援助金額ではなかったと考えています。少なくとも、韓国がこれから「先進国」の仲間入りをして、その責務を果たそうとする覚悟と矜恃があるとするならば、一言申し上げてやりたくなります。

    そんなに「先進国」を名乗りたいのなら、あまりさもしい話をするんじゃねぇよ、と。

  •  初めてコメントさせていただきます。
     なぜあのタイミングでアフガニスタンから撤収したのか……。私は、来週に予定されている米国のコロナ起源に関する報告が関連しているのではないかと疑っています。コロナを武漢研究所からの流出と断定し、全面的な対決への狼煙を上げる。そのための戦線の整理ではないかと。
     既に米国では、北京オリンピックへのボイコットで同盟国の選別を行うまでがスケジュールに入っているような気がします。

  • 韓国を他の国の事例に当てはめて考えるのは、あまり意味が有りません。
    アフガンは、明確な形でケリが付きました。
    しかしながら韓国は、二股外交のように曖昧な状況を作って利益を得ようとする国民性ですので、同じ事が起こるとは限りません。
    私は、「韓国は既に陥落している」と見ています。
    とにかく朝鮮が関わると、見境なく乞食して、マジェマジェした状態になるんだと思います。
    彼らが朝鮮王朝の崩壊で学んだ事は、そのマジェマジェした状況をよりマジェマジェして、関わった国の理解を越えれば勝ちのような、泥仕合に持ち込む事だと思います。

    • 私もそう思います。北も南も腐った国、腐った人たちです。腐ったものどうし、仮に、混合しても腐ったままで、また仲間割れして殺し合いをはじめるでしょう。放っておけばいい。大事なのは、か・か・わ・ら・な・い・こ・と。

    • だんな 様
      卓見です。
      敵味方マジェマジェ作戦ですか。エラいことを考え出すもんですww

  • 欧米は「多様な価値観を受容する」という建前とは別に,白人大衆心理は反イスラム指向が強く伝統的なキリスト教世界に生きています。アメリカがアフガニスタン政府を援助するに際しても,アフガニスタンに根付いていたイスラム法に基づく国家建設を認めてしまうとアメリカ大衆の支持が得られないので,欧米型民主主義社会,もっとはっきり言うとキリスト教型社会をアフガニスタンに作ろうとしました。はじめから無理に決まってます。タリバンは外国勢力ではないようで,アフガニスタン各地の伝統に従った政策を行っていました。ただし,それがキリスト教的価値観からは,あり得ない犯罪的行為に見えたのでしょう。女性にブブカを強制するのは,女性の人権侵害だとか,イスラム女性からは支持されない主張ばかりしている。化粧も手抜きできて楽だとか知らないかな。
    韓国・日本・欧米のキリスト教の違いの説明は長くなるので,仕事が暇になったとき書こうと思いますが,韓国は仏教徒よりキリスト教徒のほうが多い国です。欧米との価値観の共有度合いは日韓で日本のほうが上だとは言えません。北朝鮮や中国が韓国で盛んに活動しているというのが最大の問題点ですが,それで,アメリカとしては韓国と同盟を結ぶより,韓国をうまくコントロールする手段を模索しているのでしょう。パキスタンとイランに挟まれたアフガニンスタンより,韓国のほうが地政学上の重要性が高いので,簡単に手放すことはないでしょう。アフガニンスタンの場合はロシアが出て行ったので,それで十分,という考え方もあると思います。

    • 欧米との価値観の共有度合いは日韓で日本のほうが上だとは言えません。

      中国、北朝鮮と共に韓国は価値観どころか、現状認識能力や思考様式さえも欧米諸国とは共有していないと思いますよ。
      彼等の「現状認識」は疑うことの許されない独りよがりで幼稚な「我々は絶対の正義であり、かつ最も優秀な民族であるから、我々は常に正しく、過ちは有り得ず、外の民族はすべて我々に従わなくてはならない」と言う『絶対真理』を大前提としているので、その大前提に沿わない現実は認知できないか、歪曲された情報としてしか脳にインプットされません。

      それはKF-Xの米国からの技術援助にしろ、レーダー照射事件にしろ、自称慰安婦・徴用工訴訟にしろ、K-防疫・ワクチン調達にしろ、彼らが認識している「朝鮮式真実=検証されていない思い込み・妄想・願望」と普通の先進国の認識している「現実」の間には越えられないギャップがあります。

      「客観的に検証出来る現実をそのまま認識出来ない」し、その結果として物事の因果関係を理解出来ないし、テンプレート思考しか出来ない方々と「価値観」なんて共有出来るのでしょうか?

    • > 韓国は仏教徒よりキリスト教徒のほうが多い国です。

      そういった表面的なところにあっさり引っかかるのがアメリカの欠点です。戦後、英語が話せてクリスチャンだというだけで李承晩を首班に据えましたが、結果はあのざまです。
      統計上クリスチャンが多数派なのは事実ですが、韓国キリスト教の実態(の一部)は元歯医者さんの著書からも窺えるように、かなり異形と言わざるを得ない代物のようです。現世利益を強調しているあたり、少なくとも、キリスト教的価値観が韓国に根付いているとは到底思えません。太平天国よりは若干マシかもしれない程度に見ておいたほうが良いと思います。

      • 龍様

        ちなみに、統一教会はキリスト教の一派であるとアメリカのクリスチャンは認めているのでしょうか?

        • アメリカではMoonismと呼ばれていると聞いたことはありますが。
          なにしろ、カルトが山ほどある国(らしい)ので、その一つくらいなのかもしれません。

          • 龍様

            有難うございます。
            アメリカのカルト、とんでもなく恐ろしいカルトもありそうですね、統一教会なんて可愛い部類かも。

          • チキンサラダ様

            Mooniesなんて、オムツのメーカーと関係があるのかと思ったら、文鮮明からきた名称なんですね。

            Moonismは、その文鮮明の教義、異人種間の子供を多く作って世界統一国家を創ることが世界の諸問題の解決につながる、といった趣旨のようですが、なぜ合同結婚式を推進していたのか今解りました。

            しかし同じ文でも、正反対ですね。
            かたや朝鮮民族主義者、かたや世界混血民族?主義者、今も文鮮明が生きていたら、真向対決したに違いありません。。

          • チキンサラダ様

            > Moonism だと、なんか変なのが出てきましたよ。

            なんですか、こりゃ?
            Mooniesは教祖の姓からだというのが明白ですが、この説明文では由来にすら引っ掛かりません。国家神道だの八紘一宇だの、相当な悪意が込められてますね。まあ、アメリカのゴリゴリのキリスト教原理主義者からすると、区別がつかないのかもしれませんが。

  • タリバンが、ペシャワール会が作った運河を破壊するとかしたら大騒ぎになるかもしれませんが。

    そう言えば、アフガンに布教活動に行って人質になったのって韓国でしたっけ?

    • 匿名様

      そうです、但しキリスト教ではなく、それの某国版のウリスト教です。
      キリスト教を全世界に布教しなえればならないという信者の務めらしい
      のですが、他人を貶めて喜ぶ某国人達がイスラム信者に教える事ができたか
      どうかは疑問です。(最初からムリと思っている)
      キリスト教を全世界に広げるなんて考え方を教皇や法皇達が諦めて頂けると、世界は
      より平和になると思います。
      (キリスト教国とイスラム教国と多神教世界との宗教分離-互いにチョッカイださない)

      • ちょろんぼ 様
        どの宗教も「我が仏大事」なので、自分たちの信じている教えが最も尊いと思ってる。そうでなければ信仰なんて出来ません。
        教団は更に経済的な理由もあって、我が教えを広めたいと思ってる。
        で、他宗教を排斥するのは自然の流れです。
        これは大乗仏教の日本仏教も同じで、歴史的にも、かなり戦闘的な教団も生み出して来ました。
        比較的寛容なのは神道かも知れません(偏見)ね。

  • アフガニスタンからの撤収は理解できるが 米軍の協力者をまず避難させた後に軍隊が撤収すべきだったと思う。太平洋戦争終戦時の満州の民間人の苦難が思い出される。

  • >自分を守るためにこぶしを振り上げることすらできていない。友情とは、ギブアンドテイクが成り立たなければならない

    セオドア・ルーズベルトが120年前に大韓帝国を評して言った言葉。
    https://metternich.exblog.jp/4105712/

    アフガン人は韓国のクレクレ歴史に学ぶべきだった。

    • こういう先人の得難い言葉があるのに、なぜ米韓同盟が上手く行くとおもうんでしょう?

1 2 3 4