【速報】「韓国の裁判所がPNR株式の鑑定評価実施」

「売却してもええんやで?」

自称元徴用工判決問題にかかる資産の「売却スルスル詐欺」のうち、三菱重工業の件については、先日の『【まだやっていたのか】「売却スルスル詐欺」最新状況』でも取り上げたのですが、さらに別件の動きもありました。日本製鉄の在韓資産であるPNR社の株式について、鑑定評価が行われたのだそうです。これについてどう考えるべきでしょうか。

売却スルスル詐欺:サラミがまた1ミリスライスされる

本日の「速報」です。

「売却スルスル詐欺」における「サラミ」がさらに1ミリほどスライスされたようです。

いくつかの韓国メディアの報道によると、自称元徴用工問題を巡って差し押さえられている日本企業の在韓資産の鑑定評価が行われたそうです。ここでは『中央日報』(日本語版)の記事を紹介しましょう。

韓国裁判所、強制徴用日本製鉄差し押さえ資産鑑定…現金化手続きに着手

―――2021.05.13 15:56付 中央日報日本語版より

中央日報によると、株式の鑑定評価が行われ、鑑定評価書が裁判所に提出されたのは今年1月15日のことだそうです。

そのうえで中央日報は「韓国裁判所が日本に強制徴用加害企業の日本製鉄(旧新日鉄住金)の国内資産を現金化するための鑑定を行ったことが確認された」、「鑑定書の提出により売却対象株式に対する鑑定手続きが仕上げの段階に入ったものと法曹界は見ている」と評しています。

これを、どう読むべきでしょうか。

道のりはまだまだ遠い

結論的に言えば、現金化までの道のりはまだまだ遠いと言わざるを得ません。

そもそも以前の『非上場株式の売却、「法治国家では」とても難しい』などで繰り返し議論してきたとおり、一般に非上場会社の株式の強制売却は、大変に困難です。一般に非上場株式には「譲渡制限条項」が付されており、譲渡する際の値段も、なかなか決められないからです。

ここで、非上場株式を差し押さえた場合と、それを売却するまでの具体的な流れを再確認しておきましょう。

非上場株式の差押と売却までの具体的な流れ
  • ①現在、問題になっている株式は、日本企業と現地企業が合弁で設立した「P社」という会社の株式であり、そのP社は日本企業であるS社が30%、現地企業が70%を出資している。
  • ②「S社が保有するP社に対する株主持分が差し押さえられている」とは、現在、現地の裁判所によってS社によるP社株式の譲渡が禁止されているという状態であるが、S社はP社に対する株主としての権利(議決権、配当金請求権など)については問題なく行使できる。
  • ③現地の裁判所がP社株式の競売を実施すること自体は可能だが、非上場株式であるため、最低限の落札価格を調査しなければならず(いわゆる財務デューデリジェンス【DD】)、その財務DDにはそれなりの時間とカネがかかるし、P社には財務DDに協力する義務はない。
  • ④P社に譲渡制限が付されているかは不明だが、一般に合弁会社の場合は「株式の譲渡制限」が設けられており、もしP社の定款に「株式の譲渡制限」が設けられていた場合、P社の取締役会の承認なしに株式譲渡が行われた場合、P社は株主名簿の名義書換を拒否することができる。
  • ⑤上記④は、裁判などの手続によってS社が保有するP社株式が強制的に売却された場合でもまったく同じであり、もしもS社から株式の譲渡を受けたXという人物がいたとしても、P社はXに対する名義の書換拒否することができる。
  • ⑥上記⑤の場合、XはP社に対し、自分が取得したP社株式の換金を求めることができる。この場合、P社はXに対し、株式を譲渡すべき相手方を指定する必要がある(その相手方は、P社自身であってもよい)。
  • ⑦上記⑥の場合の譲渡価格は、XとP社が指定した相手方の両者の協議によって決める必要があるが、その際にもう1度、財務DDを実施しなければならない。」

さて、いったいだれが鑑定コストを出したのでしょうかねぇ…?

ここで、ポイントはいくつかあるのですが、そもそもこの流れでは株価の鑑定を2回しなければならないこととなっており、それぞれにコストがかかる、ということです。今回韓国メディアが報じた手続は、上記③に該当するものですが、これは売却までの手続のひとつにすぎないのです。

ただし、ここで少しだけ疑問があります。

今回の鑑定評価手続(財務DD)、いかにして実施したのでしょうか。

おそらく、株式の発行会社が協力する義務はありませんので、外部データなどを利用した簡便的な鑑定評価に留まったのではないかと思いますが、その費用がどこから出ているのかについても気になるところです。

いずれにせよ、本件については「続報」があれば、また取り上げたいと思います。

読者コメント一覧

  1. だんな より:

    飽きた。

  2. 名無しの権兵衛 より:

     結論的に言えば、彼らに現金化を実行する度胸はありません。
     記事にある鑑定書が提出された3日後の1月18日、文在寅大統領は、年頭記者会見で「強制執行で資産が現金化される方法は、韓日関係に望ましくない。」と発言しました。文大統領には、現金化にゴーサインを出す度胸はありません。
     また、裁判所も、1月8日付けの自称元慰安婦が勝訴した判決について、日本政府資産の差押を認めない決定を下したり、4月21日に一転して日本政府の主権免除を認める判決を下したように、日韓関係を決定的に破綻させる判決や決定を下すような度胸はありません。
     結局、彼らは「手首を切るブス」に過ぎないのです。
     けれども、何かの間違いで現金化が実行されたならば、日本政府や日本国民は飛び上がって大喜びすると思いますし、日本国の歴史にとって輝かしい出来事になると思います。

  3. 豆鉄砲 より:

    アメリカさんの怒りがどこら辺で頂点に達するか、少しずつ踏み込んでる印象ですね。

    以前、河野さんがサンフランシスコ条約にまで言及されていました。

    これはアメリカと協議したのではないかと思われますので、戦後秩序の破壊行為と見られているでしょう。

    価値観を表に立てた外交が主要となっている昨今、この現金化はレッドラインか、ブルーラインかの境目となるでしょうね。

  4. めがねのおやじ より:

    資産鑑定なんて言わずに、さっさと現金化やれよ。そんな度胸も無いくせに。本当にやって貰って結構だ。意気地なし、ビビリンチョに出来るかなぁ〜。ホラッ、はやく、ハヤク!(笑)

  5. より:

    > 一般に非上場会社の株式の強制売却は、大変に困難です

    何度かコメントしているような気もしますが、韓国でならば何の困難もありません。
    どうせ引受先は政府系金融機関なので、財務DDなど適当で問題ありません。後から国民の非難を浴びない程度の価格で買い取ればOKです。また、譲渡制限条項があろうとも、政府がPOSCOに指示を出すだけの話です。何の障害にもなりません。韓国を甘く見過ぎですよ。
    従って、現金化が実現するかどうかは、韓国政府の出方次第です。韓国政府が現金化を進めると決断すれば、一般的に想定される障害など何も問題にはならないでしょう。

    ただし、韓国政府が決断をグズっているのに裁判所だけが暴走するというケースもありえないわけではないでしょうが、日鉄ばかりかPOSCOまでも敵に回しかねない案件に手を出す民間企業はないでしょう。唯一可能性があったとすれば、正義連あたりが、どうやってかは知りませんが金を工面して買い取るという方法でしょうが、現在の正義連にはそこまではできないでしょう。

    というわけで、現金化が実現するかどうかは韓国政府の決断次第です。日本としては、別にどちらに転んでも構わないので、放置の一手ですね。

  6. 福岡在住者 より:

    日本製鉄の場合、現金化されたら1965年の日韓請求権協定違反で 韓国政府とポスコを国内で同時提訴するという手法を使えませんか?(当然、日本政府の報復と同時ですが) ポスコはここの技術協力でできた企業ですし、今では日本国内でスチールセンターとかを派手にやってますよ。

    自動車産業さん(笑) どう?

  7. 韓国が差し押さえた日本企業の財産を現金化して政府をぶちギレさせて欲しいですね。流石に現金化されれば本気で経済制裁するでしょうから。

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