韓国メディア「茂木外相が返書、会談近いとの見方も」
「茂木外相が鄭義溶・韓国外交部長官に返書を送った」。韓国メディアは、これをわざわざ報じるのです。しかも、メディアによっては「日韓外相電話会談の開催が近いとの『見方もある』」、などと記載しているケースもあります。自国政府がかつて、相手国の親書を郵送で送り返したことがあるという事実を覚えている韓国人がどのくらいいるのかは存じ上げません。しかし、少なくとも本件についてはたんに日本政府が「最低限の礼を尽くしただけ」と考えた方が自然だと思うのですが、いかがでしょうか。
「茂木外相が鄭義溶氏に返信」がニュースになる!
昨日は久しぶりに驚きました。
韓国の鄭義溶(てい・ぎよう)外交部長官(※外相に相当)が茂木敏充外相に東日本大震災10年の書簡を送付したところ、これに茂木外相が返信をした、とする記事が、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に掲載されていたからです。
韓国外交部長官「東日本大震災10年慰労書簡」に日本外相から返信…事実上初の疎通
―――2021.03.17 17:59付 中央日報日本語版より
この記事に接した第一印象は、「それってわざわざ報じることですか?」、です。
中央日報によると、鄭義溶氏が今月10日、東日本大震災10周年に関連し、お見舞いの書簡を茂木外相に送付したところ、茂木外相は16日に、「慰労に感謝する」という内容の返書を送った、などとしています。
鄭義溶氏が外交部長官に就任して以来、日韓電話会談はいまだに実施されていません。このため、中央日報は「今回(の書簡のやりとり)が事実上初めての(意思)疎通だ」としています。
最低限の外交儀礼を考える
ただ、基本的に外交の世界では、最低限の礼を尽くすのは当然でしょう。実際、戦時中の1945年4月に内閣総理大臣に就任した鈴木貫太郎が、同じく4月に死去したフランクリン・ルーズベルト米大統領に対し、訃報を送ったことは、歴史的事実としてはかなり有名です。
(※もっとも、金正日が2011年12月に死亡した際、当時の民主党・野田佳彦首相が北朝鮮に対して弔意を示さなかったという事例はありますが…。)
べつに日韓両国は「断交」しているわけではない以上、(心がこもっているかどうかは別として)お見舞いをもらえば、それに対して(心がこもっているかどうかは別として)礼を述べるのは、国家の外交儀礼上は当然のことです。
そういえば、野田佳彦元首相に関連して思い出すのは、「親書の郵送による返送事件」でしょう。
2012年8月、当時の李明博(り・めいはく)大統領が島根県竹島に不法上陸し、天皇陛下(現在の上皇陛下)を口汚く侮辱するなどの事件が発生しましたが、野田元首相が李明博元大統領に親書を送ったところ、韓国政府はそれを読まずに普通郵便で返送した、という事件がありました。
こうした経緯を知っていれば、「韓国政府から届いた親書のたぐいはすべて読まずに郵送で送り返してやっても良いのに」、と思う人もいるかもしれません。ただ、やはり日本政府はそこまで野蛮なことはしないのでしょう。それが、茂木外相による鄭義溶氏への返信、というわけです。
もっとも、こうした日本政府の姿勢については、賛否両論あるとは思います。
聯合ニュースは「日韓外相電話会談が近い」
さて、この件に関連し、もっと踏み込んだ記述がありました。
韓国外相の書簡に茂木氏が返信 電話会談近いとの見方も
―――2021.03.17 16:09付 聯合ニュース日本語版より
同じく韓国メディアの『聯合ニュース』(日本語版)は、茂木外相が鄭義溶氏に返信したことをもって、「電話会談も近い」との見方がある、と述べています。
「だが、日本に続いて韓国を訪問中のブリンケン米国務長官が韓米日協力の重要性を繰り返し強調していることから、近く電話会談が行われるとの見方もある」。
この手の「~との見方もある」との報道は、得てしてその記事を書いた本人の希望的観測だったりもします。
このあたり、わが国のメディアでも「~に批判が集まりそうだ」、「議論を呼びそうだ」と報じられる際には、得てしてそれを報じるメディア自身が相手を批判したいときである、という特徴があるようですが、それと同じようなものなのかもしれません。
ただし、さすがに単なる書簡のやり取り(しかも単なる儀礼的なもの)がなされただけで、両国関係が改善すると考えるのは、議論がかなり飛躍していると思わざるを得ません。
茂木外相や菅義偉総理らが姜昌一(きょう・しょういち)「次期大使」と当面は面会しない方針だと報じられていることはたしかですが、冷静に考えてみれば、それらの原因を作ってきたのは一方的にすべて韓国の側です。
くどいようですが、自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題などを筆頭に、日韓関係を破壊してきたのは、韓国の日本に対する一方的な不法行為ですが、それだけではありません。
2018年12月に発生した火器管制レーダー照射事件については未解決ですし、2019年7月の対韓輸出管理適正化措置の原因となった政策対話の拒否などの問題も解決していません。
あるいは、2012年8月には大統領が、2019年2月には国会議長が、それぞれ天皇陛下を侮辱した事件もありましたが、それらの侮辱を行った張本人やその後継者らが国を代表して天皇陛下、上皇陛下、日本国民に対して真摯に謝罪したという事実もありません。
せめて自称元徴用工判決問題について、国際法違反の状態を解消するための方策を韓国側が出さない限り、日本政府が韓国との対話に応じなくても、それはそれで仕方がない話なのかもしれませんね。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
『新聞記者話法の裏を見抜け」
・との見方もある=書いた本人の希望的観測
・に批判が集まりそうだ=書いた本人の一方的批判をにおわせる記法
・議論を呼びそうだ=書いた本人が炎上を狙っているときの記法
不肖はにわは「新聞記者の国語力を凌駕するAIプログラムの開発」を狙っています。データは続々集まっています。がたが来ているかも知れない50代新聞記者の月給(総額n=nは置き換えられるべき記者たちの有能度の総和)で利用可能なオンラインサービスです。角度も批判精神もパラメータ設定次第、A記者にもT記者にもM記者にも自在にカスタマイズ可能です。
こんなものがあったとして何に役立つのでしょうか。イライザのようなおふざけプログラムに過ぎないでしょうか。いいえそうではありません。肉体新聞記者の通信簿・自動採点装置になるのです。人類文明のクオリティ向上にきっと役立つでしょう。
既存の天声人語メーカー(改)でも十分なような気もします。
実際、大方の記者の文章力はそんなもんでしょう。
「(心がこもっているかどうかは別として)」の繰り返し、笑わせていただきました。
更新ありがとうございます。
東日本大震災の時は日韓サッカーで「東北大震災をお祝いいたします」というダンマク(応援団の幕の意)が掲げられ、JFL(日本協会)から抗議しました。KFLはロクな調査もせずにウヤムヤに。
野田首相の親書を普通郵便で送り返す。国同士の親書を何と思っているのか、下卑た人の考え、行動です。外交ルートを通すのが常識でしょう。
茂木外相が鄭義溶・韓国外交部長官に返書を送った程度なら、最低限の「塩対応」をしたって事です。無視するほどでも無い、心はこもってないだろうが、普通郵便では無く、ちゃんと礼儀は尽くしたゾーーと。
コレ一件で電話会談だ閣僚級会談だ姜正一臨時大使と会談だ、と言うのはハヤトチリ、お花畑的妄想です。返書のハナシはこれでハイ、おわり(笑)。いちいち記事にしなさんな。
昨日の時事通信では、この返信について以下のように短く伝えていました。
【ソウル時事】韓国外務省は17日、東日本大震災10年に合わせ鄭義溶外相が日本側に送ったお見舞いのメッセージに対し、茂木敏充外相から16日に返信があったと明らかにした。
返信の具体的な内容については「言及は控えたい」としている。鄭外相の2月の就任後、両外相の電話協議はまだ実現していない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/37025b043bb07cdaf8c986930e0262514c339edf
この「言及は控えたい」という韓国側からのコメントに、私は瞬間的にとある童謡の一節を連想してしまいました。
その童謡とは、まどみちお氏の『山羊さんゆうびん』です。
白山羊さんからお手紙ついた
黒山羊さんたら読まずに食べた
仕方がないのでお手紙書いた
さっきの手紙のご用事なぁに
もちろん茂木大臣は山羊さんではないので、読まずに食べたのではなく、捨ててしまったのかなと。
まぁ、なんというか、何言ってんのか意味わかんなぁい、みたいなニュアンスだったのかなと理解してしまったワケです。
以上、朝から下らない投稿で申し訳ありません。
愛知県東部在住 様
10周年追悼へのお悔やみに対する返事。こんなもの、どう考えても「お気遣いありがとう」以外に書いてるとは思えません。
韓国としては手を差し出している(つもり)ので、「ぜひ会談をお願いします」くらいのことを妄想してました。
周辺には「これで改善するから」と吹いていたかもしれません。
でも「お気遣いありがとう」しか書いてない。
こんなもの発表する訳に行きませんから「言及は控えたい」と言っておく。
これなら何か大きい事が書いてあったんだ、ムン政権凄い!と思うバカも居るでしょう。
茂木閣下も「お気遣いありがとうと書いただけ」って発表しちゃえば良いのにねww
「儀礼的なもの」だったようですね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6051bbadd0ba26d832bebe310c1a7afb717594b5
ただ、外務省幹部が誰か、どのような状況で明らかにされたのか、気にかかります。
朝から下らない投稿で申し訳ありません。・・・いえいえ 朝からちょっぴり血圧が下がりました。
もし日本が、韓国の親書を郵便で返送したら……
a.おのれ無礼な!え、李明博もやってた?恥ずかしい、ごめんなさい日本。
b.おのれ無礼な!え、李明博もやってた?積弊李明博と日本は恥ずかしい奴ら!
どっちになるかは明白ですね。明博だけに。
農民 様
>明博だけに
上手いです(^^♪
すみません。重箱つつきですが…
鈴木貫太郎が「訃報を送る」だと誰かが亡くなった知らせをアメリカに送る事になります。
この場合は「弔意を表す」とか「哀悼の意を示す」の方が文意に沿っているかと思います。
かつて、3.11式典を中国とともに欠席し、自国への招待を知らなかったことにした韓国。(大使館員がFAX文書をうっかり破棄)
でも日本側の意趣返し(親書のうっかり破棄)への懸念は、杞憂なのかと。
*あなたたちじゃ、ないんだから・・。
自分らの希望を書き立てて実現させる姜昌一氏のケースと同じですね。
大臣は韓国製LINEは中・韓に筒抜けなので、韓国とのコミュニケーションはこれからも普通郵便でやろっと、と思っただけかも。
>大臣は韓国製LINEは中・韓に筒抜けなので、韓国とのコミュニケーションはこれからも普通郵便でやろっと、と思っただけかも。
その可能性も大ですね。
LINEの暗号化技術の問題とサーバー設置場所(韓国)は数年前から指摘されているので、政府内の重要な情報や民間企業内の重要な技術&営業情報は、とうに管理責任者の韓国や委託先の中国に漏れている可能性もあります。
データは膨大ですが、AIを使ってひっかければ欲しい情報はすぐ取れるでしょう。
逆に、気に食わない政治家等を貶めるために、彼らのLINE上の会話を日本の親韓マスコミに密かに流すことも可能です。
わが国は文明国なので、最低限の外交儀礼は遵守します。ただそれだけのことであって、それ以上の意味もそれ以下の意味もありません。そのくらいのことで一々騒ぐのは、日頃自分たちが如何に外交儀礼に反することばかりしているのかということの裏返しに過ぎません。
ところで、protocolという語には様々な意味があり、単にprotocolというと誤解を招くこともあります。例えば、政治や外交の場では「外交儀礼」という意味で使われることが多いですし、環境問題に関心の高い向きには「京都議定書」のことかもしれません。また、通信やコンピュータの世界ではprotocolと言えば「通信プロトコル」のことです。さらに、protocolと聞いて、真っ先に「シオンの議定書」を思い浮かべる人は、立派な陰謀論者に違いありません。