ひとつのソリューションは「信任状捧呈式の無期限延期」
以前の『「極めて遺憾」は聞き飽きた…抗議ではなく実効措置を』でも報告したとおり、天皇陛下への侮辱や日本領への不法上陸などで物議をかもした姜昌一(きょう・しょういち)前国会議員を、日本政府が次期駐日大使として扱っていること自体、いかがなものかと考えます。ただ、いっそのこと、信任状捧呈式を無期限延期しても良いかもしれません。現在の韓国政府のトップが「あのお方」であることを踏まえるなら、大使はいてもいなくても実害はないという言い方もできるからです。
姜昌一問題と「酷いもんだ」
姜昌一(きょう・しょういち)前韓国国会議員の言動に関する話題については、『佐藤正久議員、姜昌一氏の過去の言動に「酷いもんだ」』などを含め、当ウェブサイトではずいぶんと以前から紹介してきたのですが、ここで同氏や韓国政府の噴飯物の言動を簡単に振り返っておきましょう。
まず、この人物は2011年5月、ロシア政府の許可を得て国後島に上陸しました。もちろん、日本政府の許可を得たわけではありません。
当時の報道等によれば、北方領土に上陸した現職の韓国国会議員は姜昌一氏が「初めて」だったそうであり、しかも、姜昌一氏は報道陣に対し、上陸する名目が「独島(※韓国が不法占拠中の島根県竹島のこと)の実効支配を強化する狙い」にあったと述べています。
(なお、姜昌一氏の発言は、2011年5月25日付AFPニュース『韓国国会議員が北方領土訪問、日本側は反発』でも報じられています。)
日本政府が「日本固有の領土だ」と宣言している土地に、日本政府の許可を得ずに上陸したという事実をもって、この人物が駐日大使として日本の国土を踏むこと自体、笑止千万でしょう。
この人物の問題点は、それだけではありません。天皇陛下のことを「日王」、「日本国王」などと積極的に蔑んで呼称したのです。各国駐日大使は天皇陛下に信任状を捧呈することで日本政府から正式に大使として認められるわけですが、果たしてこの人物、陛下の御前に立つ資格があるのでしょうか。
アグレマンなしに発表した韓国政府
しかも、姜昌一氏を駐日大使に任命するプロセスもメチャクチャです。
韓国政府は昨年11月、唐突に姜昌一氏を次期大使に「内定した」と発表し、日本の祝日明けにこれが報じられたのですが、外務省の吉田朋之報道官は今年2月3日の会見で、次のとおり、日本政府のアグレマンが得られていなかったことを明らかにしています。
「国際慣習法上は、覇権国は接受国側のアグレマンを得たうえで公表するというのが一般原則であるが、今回、(韓国政府による)姜(昌一)次期(駐日)大使の内定発表は、(日本政府による)アグレマン(付与)の前に行われたものである」。
しかも、韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に1月27日付で掲載された『姜昌一・新駐日韓国大使「歴史コンプレックスのない進歩政権が韓日関係の解決を」』という記事によると、姜昌一氏の来日直前における認識も、なかなか強烈です。
詳細は『姜昌一氏、日韓関係の悪化の責任を日本に転嫁』でも説明したとおりですが、駐日大使として赴任しようとする人物であるにも関わらず、日本政府が2019年に発動した対韓輸出管理適正化措置を「輸出『規制』」と呼ぶなど、正直、お粗末というほかありません。
そもそも慰安婦問題、自称元徴用工問題などの日韓問題の圧倒的多数は韓国が一方的に作り出した問題であり、その「解決」に日本が協力するというのは筋違いも甚だしい話ですが、姜昌一氏はどうやら本気で「韓日双方に解決する責任がある」などと考えているようなのです。
この点、当ウェブサイトとしては『「極めて遺憾」は聞き飽きた…抗議ではなく実効措置を』などでも申し上げたとおり、そもそも姜昌一氏にアグレマンを(おそらくバックデートで)出したのだとしたら、それこそ、日本政府の甘さの証拠に思えてなりません。
単なるガス抜きじゃ困りますよ
ただし、それと同時に姜昌一氏を巡っては、産経新聞が1月19日付『《独自》首相や外相、駐日韓国大使との面会見送りへ』という記事で、「姜昌一氏が日本に赴任して来ても、菅義偉総理大臣や茂木敏充外相が面会を当面見送る方向で検討している」と報じました。
これについて当ウェブサイトでは、「単なるガス抜きで終わってもらっては困る」と申し上げましたが(『姜昌一氏面会拒否報道は単なる「ガス抜き」の可能性も』等参照)、姜昌一氏が1月22日に成田空港から入国して以来、今のところは本当に姜昌一氏は菅総理、茂木外相と面会していないようです。
これに加えて姜昌一氏は日本政府・外務省の『各国駐日大使リスト』というページでは、令和3年3月8日(つまり昨日)時点において、いまだに「次期大使」というステータスのままです。
外務省によると「次期大使」とは、「既に本邦に着任し、信任状の『真正な写し』の外務省への提出は済ませたものの、信任状を天皇陛下に捧呈していない大使」のことだそうですが、姜昌一氏の天皇陛下への信任状提出が遅れている理由については定かではありません。
ただし、姜昌一氏が「次期大使」のままで放置されている理由は、韓国に対する嫌がらせというよりも、単に新型コロナ感染症拡大防止の観点から、天皇陛下への面会のスケジュールの調整が済んでいないという可能性も考えておく方が良いかもしれません。
現時点で韓国以外にも、ドミニカ、エルサルバドル、スリランカ、UAE、アイスランド、アルゼンチン、アルメニアの7人が「次期大使」という立場にあります。
「これら7人すべての信任状捧呈が完了したにも関わらず、姜昌一氏だけ信任状捧呈が終わらない」などの状態になれば話は別ですが、現時点においては姜昌一氏の天皇陛下への信任状捧呈が完了していない理由を「対韓制裁の一環だ」と決めつけるのは、かなり尚早、というわけです。
日本政府が姜昌一氏を「冷遇」=韓国メディア
さて、この「姜昌一問題」を巡って、昨日はこんな「続報」がありました。
駐日韓国大使 茂木外相といまだ面会できず=日本が「冷遇」か
―――2021.03.08 11:46付 聯合ニュース日本語版より
駐日韓国大使、未だ日本外相と面会できず=韓国報道
―――2021.03.08 14:18付 中央日報日本語版より
韓国メディア『聯合ニュース』や『中央日報』(いずれも日本語版)によると、姜昌一氏が駐日大使として赴任してから1ヵ月以上、政府要人との面会が行われていないのだそうです。
これについて聯合ニュースは「日本の外相をはじめとする政府要人にろくに会えていない」、「駐日大使が赴任してから1ヵ月以上、日本の外相と会わないのは異例」、中央日報も「駐日韓国大使が着任から1ヵ月以上も外相と面会できずにいるのは異例」などとしています。
この点、中央日報によれば、姜昌一氏が自民党の二階俊博幹事長、立憲民主党の枝野幸男代表らの「政界の要人(?)」とは会ったのだそうですが、いずれにせよ「政府関係者との意味のある面会は伝えられていない」のだとか。
また、聯合ニュースの孫引きですが、読売新聞は3月8日付で姜昌一氏(記事では「姜大使」)が茂木外相との面会希望を伝えたところ、日本政府側は(自称元)徴用工(問題)や(自称元)慰安婦問題に関連し、「韓国側が解決策を提示するまで面会に応じない構え」と報じたそうです。
これが事実なのかどうかはわかりませんし、「日本政府のことだから会わない、会わないなどと言っておきながら、どうせどこかのタイミングで姜昌一氏に会うのではないか?」といった不信感を持つ人がいても不思議ではありません。
しかし、考え様によっては、もし日本政府が本当に「韓国に対する制裁」的な発想で姜昌一氏との面会を先延ばしにしているのだとすれば、これはこれでなかなか意地悪なやり方ではあります。
信任状捧呈式無期限延期も実害はない
こうしたなか、姜昌一氏に対する信任状捧呈式の無期限先送り、というのも、悪いものではないかもしれません。
このアイデアは『「姜昌一問題」は信任状捧呈式の無期限延期で対処を!』のなかで、姜昌一氏に対する信任状捧呈式の実施を「(文在寅大統領の任期が切れる)2022年5月頃まで先延ばししたらどうか」と冗談めかして述べたのですが、この際、真剣に検討してみても良いのかもしれません。
もちろん、そんなことをしたら、日本も相星孝一・駐韓大使の信任状捧呈が遅れるという可能性はありますし、そうなれば「日韓両国で本格的に意思疎通ができなくなってしまうじゃないか」という批判があることも承知しています。
ただ、身もふたもない言い方ですが、日韓双方に大使館が存在し、そこに大使が駐留していれば良い、というものでもないでしょう。というよりも、過去4年間の日韓関係を振り返ってもわかるとおり、現在の韓国のトップがあのお方であるという事実を踏まえると、大使がいてもいなくても、どうせ意思疎通はできません。
こうした点から、日本が韓国に抗議するときのために、金容吉(きん・ようきつ)公使を引き続き「臨時代理大使」として取り扱えば良いのではないでしょうか。
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「姜昌一氏に対する信任状捧呈式の実施を2022年5月まで延期せよ」とは、もちろん冗談です。「2022年5月以降も延期」、ということでも良いのではないでしょうか。
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認証式は月に2国のペースみたいで、かつしばらくは緊急事態宣言でやってないみたいなので、とすると再開は4月。韓国次期大使の順番は6月くらいかなぁと思われます。一般論ですが、「次期大使」のリスト順にやっていくものと推測されます。
私は特に何もせず順番に認証式をやっていくと思います。ここで変にパワーを使っていく必要はありません。例の次期大使さまは日本の協力が得られず、本来の仕事を全く出来ていません。外務大臣にも総理にも会えない。そんな仕事出来ない大使を置いておくことが韓国にとっては一番の損失です。
日本からの大使も全く同じレベルの冷遇をされるのはほぼ間違いありません。まあ、こちらは万一の時の邦人避難作戦の検討や、現地邦人向けサービスといった方面の仕事をきっちりやって貰えばいいでしょう。小国が大国におく大使と大国が小国におく大使で役割は全然違うのです。
まあ事実上膠着状況と言えなくもない現状では既に疎通出来てないに等しいですが…
いちいち真面目に取り合うのも飽き…疲れたので、
もう当面は粛々と塩対応を続けて、かのくにがプリマの如く躍り狂うさまを生暖かくヲチしていればいいか、
と思考停止気味になってオリマス…
次期大使は、二階と会った頃に志位、山口にも会ってます。えだのんにも会ったのなら、維新の会以外は、韓国利権が有るところは、みんな会えたという事でしょうか?
政党ひとりは、会う必要もないんでしょうかね。
この大使には、期待してたんで、もう少し余計な事を言って欲しいと思います。
本事案に対しては、一貫して「アグレマン付与する日本政府が馬鹿」と述べさせていただきます。
菅総理や茂木大臣が面会を当面見送るとかアホです。今更なにやってんだという感じ。
我が国の駐韓大使との相互付与とか、日本特有の甘い考えをいつまでも引きずっているからそうなるんですよ。
こういう局面を作り出しておいて、ここにきての小細工とか、最初からアグレマン付与しないという毅然とした態度で臨むべき。韓国には何でも無視すりゃいいってもんじゃない。
次期大使になっている以上、信任状奉呈を行わない訳にもいかんでしょう。
ほぼ同感です
外交問題とはいえ
不法入国した犯罪者にアグレマンを与えることは理解し難い
駐韓日本大使に即座に「同じことを報復」しちゃったので韓国側は「不当な冷遇」と言う大義を失いました。その点一つとってもこの記事は不正確で、「百対ゼロ理論」?による身勝手な言いがかりになって居ます。日本はアメリカから表立って駐日韓国大使を受け入れてやって下さいとでも言われるまではこれで良いと思います。韓国が被害者ヅラするためにはスムーズに駐韓日本大使を受け入れ、大使と身のある交流をし、韓国の実業界、大学教授など知識人層とも友好的にイベントを続け、そこまで下にも置かず高待遇で受け入れて置いて、はじめて「韓国ではこの様にキチンと大使を厚遇するのに」と言えるでしょう。
だが韓国政府は即座に第一に「報復」しました 笑。次に産業界は知らないが、韓国の「学者界隈」なんてマトモにソサエティがあるのか?そこに日本大使が行って、また変なのがコンクリートブロック片だとか刃物を持ち込んでテロに及ばないか?テロ犯はともかくとしても、「韓国人学者センセイ」の皆さんがマトモに新聞記者や他の韓国人も居る前で大使に握手したり大使のスピーチに拍手したり、にこやかに写真におさまるか?
もうそう言う心配をするタイミングです。(駐日韓国大使が誰と会っても(余程の暴言でもしなければ)大したニュースにはならないでしょう。
この温度差があります
更新ありがとうございます。
姜昌一代理大使は、そのまま放置で良いと思います。で、来年5月に見送り無しで帰っていただく。信任状捧呈式無期限延期も実害は無いどころか、韓国への見せしめになります。
それでも日本に居る限り、忙しいでしょう。在日大韓民国系のパチ屋、焼肉屋、芸能人、輸入業者。場所的には新大久保、上野、池袋、京都市右京区、南区、大阪市生野区、アベノ、神戸市長田区辺りの方々と意見交換するのもなかなか大変ですヨ(笑)。次いでに連れて帰って下さいネ。
あ、朝鮮総連の方とは富士見やなくて、ヨソの方がいい。どうせ繋がってるんでしょう?始終警察・公安が見張ってますから。見つかったらペルソナ・ノン・グラータ!
メガネのオヤジ様👓、私は貴方のコメントを楽しみにしている者ですが、特定の職業や、地域な差別化は、どうかと思います。
めがねのおやじ様
私『も』めがねのおやじ様のコメントを楽しみにしています。
特定の職業のコメントは『大歓迎』です。
私の痴的好奇心を刺激してクレます。
むかし、ムカシ、もっと昔の事ですが、京都の飲み屋さんで楽しく飲んでいました。
美人のお姉ちゃんがどこすんでんのんて、聞いてきたので、当時住んでいた、(大阪の)西九条に住んでんねん、(京都にお住いの人ならお判りでしょうが)場の空気が、しら~っとなりました。オレNワードを言った⁇……、ワタシが大阪から京都に飲みに行ってるのを知っている、特別美人のお姉ちゃんが教えてくれました。京都で九条は……、テン、テン、テン。以下省略。詳しくは○○様のコメントを参考にしてください。ワタシは詳細はコメントできません。痴的好奇心刺激されましたでしょうか。
蛇足です。
JALのタダ券を使って東京に行ってきました。日本橋で乗り換えてスムーズに目的駅まで行くことができましたので、東京の街が分かったつもりでしたが、上野がヤバいとことは今まで知りませんでした。めがねのおやじ様の情報収集力には脱帽です。長田のゴム屋さんは仲の良い知人からそれなりの情報は聞いていました。
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2021/kakugi-2021030901.html
令和3年3月9日(火)定例閣議案件
一般案件
ドミニカ共和国特命全権大使ロバート・ミキイ・タカタ・ピメンテル外3名の接受について(決定)
(外務省)
外3名に姜昌一が含まれているかどうかは今のところ不明です。
ちなみに直近ではミャンマーとインドネシアの両大使の接受について2020年12月13日に閣議で決定され、同年12月17日に信任状を捧呈しています。
ドミニカ共和国特命全権大使他3名も数日のうちに信任状を捧呈すると思われます。
定例閣議の議事録は公開までに数週間かかりますので、我々が詳細を知るには駐日各国大使館からの発信か、外務省の駐日各国大使一覧の更新が一番早いでしょう。
何度もすみません。
訂正です。
ミャンマーとインドネシアの両大使の接受についての閣議決定は
誤)2020年12月13日
正)2020年12月11日
でした。お詫びして訂正いたします。
>単なるガス抜きじゃ困りますよ
安倍政権のころ、実際に中でどう処理されていたのかはわかりようもないですが、ネット世論に対して真摯に対応している感触がありました。
現政権ではどうも、ネット世論の位置づけは、首相や官邸に入る情報のOne of themの扱いになっているように感じます。
首相自身の玄人選別眼が裏目に出ているのかどうかわかりませんが。
本人が気づかぬうちに世論が形成されてしまって、手遅れということもあるかもしれないと懸念してます。
政権転覆を狙う連中は、出本がマスコミであれネットであれ、乗れるものには乗りますからね。
>この人物の問題点は、それだけではありません。天皇陛下のことを「日王」、「日本国王」などと積極的に蔑んで呼称したのです。各国駐日大使は天皇陛下に信任状を捧呈することで日本政府から正式に大使として認められるわけですが、果たしてこの人物、陛下の御前に立つ資格があるのでしょうか。
韓国人達の感覚だと「戦犯の孫である日王に韓国人の前に立つ資格があるのか?」かもですね。
日本からだと「メンヘラ・マジキチ・リスカブス・コウモリ・チキンホーク・被害者コスプレイヤーの代表が陛下の御前に立つ資格があるのか?」ですけど。
>もちろん、そんなことをしたら、日本も相星孝一・駐韓大使の信任状捧呈が遅れるという可能性はありますし、そうなれば「日韓両国で本格的に意思疎通ができなくなってしまうじゃないか」という批判があることも承知しています。
そもそも意思疎通が出来る相手じゃないですしねw
>姜昌一氏に対する信任状捧呈式の無期限先送り
外務省に非難決議が提出されたのだから、「慎重に対応を検討中」のままでいいのではないのでしょうか?
天皇の国事行為は、「内閣の助言と承認」が無ければ開催されません。
信任状捧呈式を経なくては次期大使から”次期”は取れないのかと・・。
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韓国の慰安婦判決、自民が常軌逸脱と非難決議 外務省に提出
https://www.sanspo.com/geino/news/20210119/pol21011918540004-n1.html
>佐藤正久部会長から決議を外務省で受け取った茂木氏は「韓国地裁判決は驚いた。あらゆる選択肢を視野に入れて対応する」と応じた。同席者が明らかにした。
>決議は、・・(中略)・・新駐日大使に着任する予定の姜昌一・韓日議員連盟前会長に日本政府が出した同意(アグレマン)の撤回や、相星孝一・新駐韓大使の赴任先送りを対抗措置として提案した。