香港紙「日英合同軍事演習」報道とFOIP拡大の動き
本稿は、ショートメモです。香港紙『サウスチャイナ・モーニングポスト』(ウェブ版)は18日付で、東シナ海や南シナ海などに対する中国の脅威が高まるなか、日英両国が西太平洋での合同軍事演習を実施することも検討していると報じました。「関係者によると」、とありますが、SCMPのことですから、もしかすると情報源は英国政府でしょうか。
日英合同演習
香港紙『サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)』(ウェブ版)は18日、日英両国が東シナ海・南シナ海を中心に合同軍事演習を実施することを検討していると報じました。
Japan and Britain schedule security talks, aiming to counter China in Indo-Pacific
- The two countries are expected to discuss a plan for Britain to send an aircraft carrier strike group, centred on the warship Queen Elizabeth, to the area
- Japanese and British ministers will send a ‘clear message’ at the February talks that maintaining a free and open maritime order is vital, sources said<<…続きを読む>>
―――2021/01/18 18:33付 SCMPより
SCMPによると、2月にビデオ会議形式で実施が予定されている日英の外相・防衛相による「2+2会合」の議題として、東シナ海や南シナ海における中国の脅威に対応するために、安全保障協力を強化することが盛り込まれるそうです。「事情に詳しい複数の関係者が月曜日に明らかにした」、としています。
SCMPはまた、これらの関係者が「もしも実現すれば、空母『クイーン・エリザベス』を中心とした空母打撃群を西太平洋に派遣し、合同軍事演習を実施するという英国の計画を取り上げる可能性が高い」、などと述べたとしています。
ここでいう「事情に詳しい関係者」が誰を指すのかはよくわかりません。
ただ、香港が英国の旧植民地だったという事情を踏まえると、この情報源に英国政府が関わっている可能性は相応にあるようにも思えます。
日英は基本的価値を共有している
実際、SCMPの記事には、これらの「関係者」による、次のような発言も取り上げられています。
「日英両国は中国による海域の一方的な現状変更の試みに関し、国際社会に対しても自由で開かれた海洋秩序の維持が必須であるとする『明確なメッセージ』を送ることを期待している。」
もちろん、今回の報道だけをもって、「日英同盟」が復活する動きだと短絡的に決めつけるのは尚早でしょう。
しかし、日英両国はユーラシア大陸の両端に位置し、地理的には非常に遠い国ですが、自由、民主主義、法の支配、人権尊重などの基本的で普遍的な価値観を共有する友邦同士であり、また、ともに海洋国家であり、日本は皇室、英国は王室を戴く立憲民主国家であるという共通点を有しています。
また、いちおう英国は小さいながらも太平洋に領土を所有しており(※次の産経ニュースの記事参照)、これに加えて「(旧)英連邦」諸国である豪州、ニュージーランド、カナダなども太平洋に面した諸国でもあります。
南太平洋の絶海の孤島が英国TPP参加の切り札!?
―――2018.2.5 17:00付 産経ニュースより
さらにいえば、英国は日本にとって、過去に数回、外相・防衛相の「2+2会合」が実施されている国のひとつでもあります(※少し古いですが、当ウェブサイトの次の記事などもご参照ください)。
外相・防衛相2+2会談の相手国が増えるのは良いことだが…
―――2019/05/30 06:00付 当ウェブサイトより
いずれにせよ、基本的価値と戦略的利益を共有するという意味で、英国は地理的に遠いという点を除けば、日本にとっては望ましい連携相手のひとつであることは間違いないでしょう。
FOIPの連携は広げていくべき
ところで、当ウェブサイトでは昨今、「自由で開かれたインド太平洋構想」(FOIP)について言及することが増えています。
現状、このFOIPに明確にコミットしている日米豪印の4ヵ国は、コロナ禍の最中にも関わらず10月には東京で外相会談を実施しました。
ただし、FOIPは4ヵ国に限られないこともまた事実でしょう。日本政府の発表などを読む限りでは、FOIPには自由、民主主義などの理念に賛同する国であれば、どこでも大歓迎、ということです。
【参考】FOIP
(【出所】防衛省)
その意味で、英国やフランスなどもFOIPに参加して来るのかどうかについては非常に興味深い論点のひとつといえるでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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イギリスが空母クイーン・エリザベスを中心とした機動部隊をインド太平洋方面に派遣するという話は以前から流れていましたが、虎の子の機動部隊をわざわざ派遣する以上、ただ派遣するだけでは無意味であり、関係国との合同演習は当然実施されるべき活動でしょう。
日英両国での合同軍事演習が実施される場合、こんな感じ?
1. どの海域で実施するか? … これ見よがしに南シナ海で実施したら「面白い」
2. 日英両国以外の参加国は? … オーストラリアは可能性があるかな。どうせならフランスも参加したら「面白い」
それにしても、中国は英仏がしゃしゃり出てきたら、何故「植民地主義の再現を狙った軍事覇権主義だ」とか言って非難しないんでしょうね。かつて英仏の植民地だった各国には十分アピールできると思うのですが。
英国は、お金がないのとCとB型を迷って混乱したせいでSTOLV空母が出来たのに20機もF-35Bを入手していません。
練度維持のためにも、米国海兵隊とのクロスデッキ構想は必須です。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう自分に言い聞かせないと、「自分は絶対に正しい」と勘違いしそうなので)
現在の状況を見て、第一次世界大戦前にマルクスの時代の同盟関係から再編成されたことを思い出すのは私だけでしょうか。
蛇足ですが、菅義偉総理を見て、イギリスの(チャーチル首相の前の)ナチス・ドイツへの融和姿勢をとったチェンバレン首相を思い出したのも私だけでしょうか。
駄文にて失礼しました。
すみません。追加です。
日英ともバイデン次期大統領との関係が悪化した場合に備えて、関係強化に乗り出しているという面もあるのではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
更新ありがとうございます。
あ〜韓国絡みと米国政権絡み以外で久しぶりの論壇ですね(笑)。日本と英国。「両国はユーラシア大陸の両端に位置し、地理的には非常に遠い国」です。しかし、ちょっと待って、、あ、すみません。昨日も書きましたので止めます(笑)。
お互いに近いトコロに英国が独国(仏もあるけど)、日本は朝鮮半島と最悪が隣に存在します。友邦は遠くて結構。自由、民主主義、法の支配、人権尊重などの価値観を共有する海洋国家です。
西太平洋に来てくれるなら、空母QEと軽空母「いずも」「かが」、英国イージス艦と海自DDG、潜水艦は原潜?と海自「おうりゅう」「そうりゅう」(たいげいは間に合わんか)、、。豪州も参加するでしょう。英国でFOIPにもフランス共々乗って欲しいですね。
中国がチカラで奪い取った南シナ海の諸島周辺と香港沖で一斉回頭の艦砲射撃と航空戦シミュレーションをやって貰えませんかね〜。防衛省さん、動画アップお願いしますー。
日本の海軍は英国を、陸軍はフランスを手本にした、と聞いていますので、師匠のお出ましは嬉しいてす。現在の実力は知りませんが、あの
無敵艦隊を破った英国海軍、それだけでワクワクします。自衛隊はこれまで形見の狭い思いをしていたでしょうから、陽の当たる場所で活躍して欲しいですね。
自衛隊の人材不足は前々から言われていました。憲法9条改正とかK国と断交だとか、勇ましい意見はありますが、自衛隊に入隊する人は増えているのでしょうか?やっぱり日本人には実感がないのかな。さん
ぷー 様へ
少子高齢化でブラック拒否の風潮ですから、定員充足すら危うくなってるらしいです。
無人化、ÅⅠ化による省人化が必要でしょうね。
本土に居てリモートで交戦なら、私でもお役に立てると思います。
門外漢 様
ありがとうございます。
>本土に居てリモートで交戦なら
うーん、筒井康隆の『通いの軍隊』みたいな感じなら、私もいけそうな気がしてきました。
台湾の駐米代表が米議会の就任式委員会から正式な招待を受けて大統領就任式に出席するのは,米台が断交した1979年以来初めて
https://www.sankei.com/world/news/210121/wor2101210035-n1.html
て,バイデン大統領は,中共との関係をどうする心算なのでしょうか?
≫日英両国は中国による海域の一方的な現状変更の試みに関し、国際社会に対しても自由で開かれた海洋秩序の維持が必須であるとする
海洋秩序の維持に対しては、鯨やイルカに関するものであっても、日英で共有していける価値観があるでしょう。
ここからはスレチになりますが、バイデン大統領、大統領就任、まことにおめでとうございます!
(おめでとうございます…おめでとう…おめ…)
政権交代において、政情不安を心配しなければならないのは、第三世界に対するものです。その政情不安に対する懸念を、アメリカ合衆国に対してしなければならないこの理不尽さよ…
こんな時代が来るとは、本当に嫌になる…
リン・ウッド弁護士に対しては、断固として批判されなければなりません。
『裏切り者、ペンス副大統領を吊るせ!』というセリフは、アメリカを二つに割って革命を起こし、アメリカを阿鼻叫喚に陥れるための呼び水となるから、そんなことが言われることがあってはならないと自分は警告を出しました。それなのに、リン・ウッド弁護士をそのセリフを連呼する。
彼は弁護士というよりも、革命家といった方が相応しい。
トランプ前大統領のアメリカを二つに割り、アメリカを政情不安に陥れたくはない、という真意を理解することなく、さながら道化のように騒ぎ立てる。
リン・ウッド弁護士が数多くの訴訟において無敗であったことは、選挙におけるあらゆる不正の証拠に向き合おうとしなかった『アメリカの司法』から、勝てる訴訟だけを優先的に受けることができた特権に預かれる身分だったからなんですよ…
リン・ウッド弁護士が好きだ、彼の前半生には共感できる、という人々もいるでしょう。
リン・ウッド弁護士を弁護しようという者がいるならば、自分が反論させていただきます。