王毅氏を熱烈歓迎する韓国の望みは習近平氏の訪問か
今朝の『菅政権、来日した中国外相に要求ばかりの「塩対応」』、『王毅氏の日韓訪問から垣間見える「日>中>韓」の力学』でも取り上げた、中国の王毅氏の日韓両国訪問に関して、続報がいくつかあるようです。結論からいえば、当ウェブサイトの見立てどおり、王毅氏の一連の訪問からは、「日>中>韓」という現在の力関係を読み取ることができてしまうのです。
王毅氏との昼食会に応じたのは「いつもの面々」
本稿は、ちょっとした「補足」です。
先ほどの『王毅氏の日韓訪問から垣間見える「日>中>韓」の力学』では、24日から25日にかけて来日した王毅(おう・き)中国外交部長(※外相に相当)を巡り、政府要人との対談については日本政府からあまり報道が出ていないという点に言及しました。
外務省のウェブサイト上、公式に確認できるのは24日夜の茂木外相との会談(1時間半の会談、30分のテタテ会談、1時間少々の夕食会)と、25日夕方5時からの菅義偉総理への表敬(夕方5時からの20分間)の2つです。
また、これ以外に時事通信の記事で、(おそらく午前中)加藤勝信官房長官との会談が確認できたほか、今朝の記事には「でゅーぷす」様というコメント主の方から、産経ニュースに昨日掲載されたこんな記事を紹介していただきました(でゅーぷす様、ありがとうございました)。
自民・二階幹事長、中国の王毅外相と会食 懸案解決に向け協力確認
―――2020.11.25 15:38付 産経ニュースより
産経によると、25日に昼食会に応じたのは自民党の二階俊博幹事長であり、平沢勝栄復興相、林幹夫幹事長代理、野田聖子幹事長代行らが同席したのだとか。いずれにせよ、この微妙なメンバーを見る限り、少なくとも日本が国を挙げて王毅氏を歓迎したというわけではなさそうです。
結局王毅氏は訪日でこれといって目立った成果もあげられず、それどころか菅総理との面談を夕方5時まで待たされた挙句、要求ばかりの塩対応を受け、次の訪問地である韓国に移動したというのも夜中という点で、なんだか逆に気の毒な気もしますね。
なお、ほかにも王毅氏が立憲民主党の枝野代表や日本共産党の「20年来の独裁者」である志位和夫委員長あたりが会っていても不思議ではないと思ったものの、調べてみた限りでは、王毅氏が彼らと会ったという報道は見当たりませんでした。
「王毅外相を熱烈歓迎します」=韓国
さて、日本の「塩対応」とは対照的に、今朝の「予言」(?)どおり、韓国は王毅氏を「熱烈歓迎」しているようです。その証拠でしょうか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝、こんな記事が掲載されていました。
王毅外相の訪韓に韓国与党関係者が相次ぎ儀典…与党代表「次回はマッコリでもてなす」
中国の王毅外相が訪韓日程を始める。米国の政権交代期という敏感な時期に訪韓した王外相が米中対立、習近平中国国家主席訪韓、韓半島(朝鮮半島)情勢など主要懸案に対しどのようなメッセージを発信するのか注目される。<<…続きを読む>>
―――中央日報/中央日報日本語版2020.11.26 08:49
「塩対応」だった日本とは天地の差、といったところでしょうか。
中央日報によると、王毅氏が韓国に到着したのは25日の夜10時ごろだそうですが、本日はまず、午前10時に康京和(こう・きょうわ)外交部長官(※外相に相当)と会い、会談と合わせてワーキングランチを実施。
その後、大統領府を訪れて文在寅(ぶん・ざいいん)大統領を表敬し、夕方には李海瓚(り・かいさん)氏(首相経験者、与党・「ともに民主党」の前代表)との夕食会が設けられているのだそうです。
それだけではありません。
27日には文正仁(ぶん・しょうじん)大統領統一外交安保特別補佐官、尹建永(いん・けんえい)議員、国会外交統一委員会の李在汀(り・ざいてい)議員、民主研究院長の洪翼杓(こう・よくひょう)議員ら、「与党の実力者」と相次いで会合を持つとのことです。
ちなみに、与党「ともに民主党」の李洛淵(り・らくえん)代表(前首相)は当初、王毅氏と昼食をともにする予定だったものの、武漢コロナウィルス感染者と接触したらしく、日程はキャンセルとなったそうで、「今回は会えなかったが次回はマッコリでもてなしたい」と述べたそうです。
これが記事タイトルにある「与党代表、次回はマッコリでもてなす」の意味でしょう。
「習近平様のご来韓を希望します」
さて、中国外交のトップという意味では、王毅外相ではなく、中国共産党・中央政治局の委員である楊潔篪(よう・けつち)氏がすでに今年8月、韓国・釜山を訪問し、徐薫(じょ・くん)韓国大統領府・国家安保室長と会談しています。
今回、楊潔篪氏よりも「格下」である王毅氏が訪韓したのは、いったいどういうことでしょうか。
おそらくこれには、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席の訪韓というテーマと関わりがあるのかもしれません。というのも、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に8月、こんな記事が出ていたからです。
楊潔チ政治局員は訪韓後帰国したが、習近平首席の年内訪韓は確定できず
徐薫(ソ・フン)青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室長と楊潔チ中国共産党政治局員の22日釜山(プサン)会談について、青瓦台は「新型肺炎状況が安定し次第に習近平中国国家主席の訪韓を早期に成功させることで合意した」と明らかにした。<<…続きを読む>>
―――2020.08.24 07:03付 中央日報日本語版より
中央日報によれば、楊潔篪氏が釜山を訪問先に選んだのは、ソウルをうかつにソウルを訪問してしまうと文在寅大統領を表敬訪問せざるを得ず、習近平氏の訪韓について言及せざるを得ないため、ソウルから離れた釜山を訪問したのではないかとしています。
また、中央日報は楊潔篪氏と徐薫氏の会談後、「韓国は習主席が優先的に訪問する国であるという点をを確認した」と韓国側が一方的に発表したものの、そんな文言は中国側の発表には含まれていなかった、などとしています。
つまり、韓国としては一刻も早く(というよりも、日本よりも先に)習近平氏の訪韓を実現させたいと思っているようです。だからこそ、いろいろと焦っているのかもしれませんね。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
ツイート @新宿会計士をフォロー
読者コメント一覧
※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。
やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。
※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。
※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。
当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
コメントを残す
【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
朝鮮日報から
李仁栄は会談を断られ、李洛淵は電報と花束…王毅外相を持ち上げる韓国与党勢力
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2020112680006
>韓国統一部(省に相当、以下同じ)の李仁栄(イ・インヨン)長官は様々なルートを通じて会談を求めたが実現しなかった。
との事ですので、南北関係については、「東アジアの安定のため対話で解決する必要がある」となるでしょう。
まあ、びっしりとスケジュールが詰まって、王毅外相は、お腹一杯だと思います。
気分良くして中国に帰れるかな。
だんな様
この記事を読んで改めて再認識したのは、序列〇位をやたらと出していることですね。 韓国らしいというか、、、。 日本では菅総理とも面会しているのですが、序列がどうたらというメディアはありませんでした。
福岡在住者さま
日本も序列を気にして良いのでは、と思います。
王毅外相は過去から日本との関係が有り、日本は常々厚遇していると思いますよ。
だんな 様へ
>日本は常々厚遇していると
これは思いました。
このおじさんが日本に来たときは、もうちょっと仲良くしてたイメ-ジがあります。
ガ-ス-になって変わったのか、国際情勢の変化によるものなのか、当然テキもその辺りを比較して考えることでしょう。
歴史的な日々=画期を目の当たりにしているのかも知れないと思えてきました。
西暦2020年って本当にいろいろなことがあったと将来思い返すことになりそうです。
映画「南漢山城」より、朝鮮王の三跪九叩頭の礼
↓ ↓ ↓
https://m.youtube.com/watch?v=ZhodJ5_Kqwo
とある福岡市民 様へ
冠も色々ありますが、朝鮮のテンガロンハット風と琉球の曲げわっぱ風は、何度見ても「考証の誤り」と思ってしまいます。
手搏図じゃありませんが、古代壁画にもあったそうですよ。
https://www.worldtimes.co.jp/column/49791.html
>笠子帽(カッ)は韓国民族を代表するファッションだ。歴史が古い。(北朝鮮の)平安南道龍岡郡花上里にある7世紀の高句麗古墳、龕神塚の壁画「着笠騎馬人物図」には笠子帽をかぶった武士が弓を射る姿が描かれている。
山葡萄原人並みに信用できると思います。
ふと思ったこと。
韓国の姿勢を見て「主権無い国」のように思う。
アメリカの大統領が、来日してる時の日本はどうなんだろうか。
米国の裏書きがなくても、日>中>韓 となる日が来るとよいですね。
ちょうど新任の駐中国大使が現地入りしたタイミングです。
なかなか興味深い経歴のかたとお見受けしました。実力のほどは分かりません。本邦の国力伸長ととわに続く安定のため職務に専念していただきたいものです。
ニューズウィークから
中国政府、少数民族弾圧はウイグルに留まらず 朝鮮族の学校からハングルを抹消へ
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/11/post-95061_1.php
朝鮮族は、183万人らしいです。
宗主国さまには、文句が言えないニダ。
モンゴル国を友邦として厚遇すると効果ありそうですね。
中央日報から
「また遅刻」王毅中国外相、韓中外相会談に25分遅れ…「交通のため」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8dd363adcd23d82c431f8916f71984329c744baf
記者が、遅れた理由を聞いたそうです。
明日には、消されるでしょうね。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(なにしろ、素人考えなので)
(韓国だけではありませんが)バイデン次期大統領と習近平国家主席、どちらと先に首脳会談をするか、迷っている素振りだけでも、した方が良いのではないでしょうか。(もし、中国側が「バイデン次期大統領より先に、習近平国家主席と首脳会談をしろ」と公に言い出したら、どうするつもりなのでしょうか)
駄文にて失礼しました。
Wow Koreaから
「中国と朝鮮半島の戦争終結・完全な非核化の努力を止めない」=文在寅大統領
https://news.yahoo.co.jp/articles/29f550eec79adf016d20985ae6c59cc754407c38
記事が、短いので引用しません。
前々から私の朝鮮半島の将来予想は、中国が南北を取り持って統一→統一させてくれた中国は、「朝鮮の親である」とか言いながら、属国に戻るというものです。
なんか、予想に自信を深めましたわ。
それで、統一朝鮮は核保有国になるのですか ?
虚構旭日新聞に大見出し踊る『202X 年、統一半島実現へ』
与正「女王さまとお呼び!」
文文「はは=(平伏)大統領であり続けることができるなら存分に」
近ぺ「忘れるなよ、ボスは俺だ。永遠に」