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菅義偉内閣始動:野田佳彦「元首相」の誕生を歓迎する

昨日、菅義偉氏が第99代の内閣総理大臣に指名され、菅義偉内閣が発足しました。これについて、菅総理の就任記者会見や首相官邸ウェブサイトに掲載されている基本的な方針などをベースに、当ウェブサイトなりに菅政権に期待すること、懸念することをいくつか列挙しておきましょう。また、あわせていくつかの「小ネタ」についても紹介したいと思います。

菅義偉内閣の方向性

昨日、菅義偉氏が第99代内閣総理大臣に指名され、菅義偉内閣が発足しました。

首相官邸ウェブサイトに掲載されている菅義偉総理大臣の就任記者会見や『内閣総理大臣談話』、『基本方針』などをもとに、菅義偉総理が目指しているところを当ウェブサイトなりに把握すると、次のようなものではないでしょうか。

  • 我々が目指すべき社会:「自助・共助・公助、そして絆」
  • 具体的な方向性
    • ①新型コロナウイルス感染症への対処
    • ②雇用の確保
    • ③地方創生
    • ④少子化に対応した社会保障の拡充
    • ⑤外交・危機管理

こうした方向性について、正直、賛否両論があることは間違いないと思いますし、全体として整合性が取れているとは言い難い部分もあります。

「自助・共助・公助」とは、自分でできることはまずは自分でやってみて、次に人々が助け合い、国が最後のセーフティ・ネットとして出てくる、といった考え方でしょうか。これはこれで、ひとつの考え方だと思います(それに賛同するかどうかは別として)。

この「自助・共助・公助」を大きな方針として掲げるならば、やはり、減税や政府部門のリストラクチャリングなどが必要でしょう。しかし、「少子化に対処し安心の社会保障を構築」の項については、ともすれば政府の役割の拡大という印象を伴います。

ただ、それと同時に、記者会見のなかでも触れられているとおり、菅総理自身、総務相時代の「ふるさと納税」導入を始め、行政上、さまざまな実績を上げて来た人物でもありますし、「仕事をする実務家だ」という印象が、記者会見から滲み出ています。

当たり前の話ですが、どんな政策でも長所と短所があります。

たとえば、菅義偉氏が推進してきた「外国人(インバウンド)観光の推進」については、実際に昨年、訪日外国人が3000万人を突破するなどし、莫大な観光収入を日本にもたらした反面、外国人の「目的外入国」のリスクを高めたことも事実です。

その意味では、当ウェブサイトとしては今後も、菅義偉政権についても是々非々でチェックしていきたいと思う次第です。

外交ではやや警戒も

外国では米国、中国、ロシアに言及

その一方で、安倍政権が得意としてきた外交に関しては、「基本的価値・戦略的利益」という表現が抜け落ちているのは、少し気になる点です。

いちおう、記者会見のなかでは、「戦後外交の総決算」として、次の点に言及しています。

  • 拉致問題の解決に全力を傾ける
  • 日米同盟を基軸としつつ、「自由で開かれたインド太平洋」を戦略的に推進する
  • 中国、ロシアを含む近隣諸国との安定的な関係を築いていく

すなわち、安倍政権の方針の骨格については維持されているものの、大きく後退した印象は拭えません。とくに、「弾道ミサイル」に言及はあったものの、北朝鮮の非核化という日本が目指している最も重要な安全保障上の課題に言及がなく、「価値と利益の同盟」という表現が見当たらないのは気になるところです。

このあたり、一部メディアから「外交が不得手だ」などと書きたてられている菅総理だけあって、やはり、安倍政権が進めていた、日米同盟を基軸とする、日米豪、日米印、日米英、日米仏などの重層的な国際連携の機運が後退することがないように願いたいところです。

ただし、米国、中国、ロシアの3ヵ国に言及したことは、「おおどころ」としては正しいと思います。とくに、米中対立が激化するなかで、日本としては米国の側に立たねばならない一方、万が一、中国が軍事的に暴発しようものなら、それによって受ける安全保障上の脅威は非常に大きいと言わざるを得ません。

もちろん、安倍総理並みの外交が菅総理に期待できるというものではありませんが、茂木敏充外相や岸信夫防衛相などの助けも得て、是非とも国益を最大化する外交を継続して欲しいと思う次第です。

諸外国の首脳から続々とメッセージが!

その一方で、菅総理に対し、諸外国の首脳から、続々とメッセージが寄せられているようです。

たとえば、ツイッター上では英国のボリス・ジョンソン首相やインドのナレンドラ・モディ首相、そして台湾の蔡英文(さい・えいぶん)総統などが、菅総理の個人アカウントに対して祝意を寄せています(※紹介し切れないだけで、ほかにも複数の国の首脳がツイッターで祝意を示しています)。

蔡英文 Tsai Ing-wen

菅義偉総理大臣のご就任に心よりお祝い申し上げます。これまで以上の重責を背負われることになりますが、これまで以上に見事に責任を果たされることを信じています。コロナ対策および経済対策という大きな課題がありますが、「意志あれば道あり」の信念で必ず道が拓けてくるとおもいます!
―――2020/09/16 18:12付 ツイッターより

Narendra Modi

日本国首相へのご就任を心よりお祝い申し上げます。閣下とともに印日特別戦略的グローバルパートナーシップをさらなる高みに到達させることを期待しています。
―――2020/09/16 14:31付 ツイッターより

Boris Johnson

Congratulations to @sugawitter on becoming Japan’s Prime Minister. I hope your appointment and the historic Free Trade Agreement we secured last week take the already rock solid relationship between our countries to new heights. おめでとうございます!
―――2020/09/16 17:45付 ツイッターより

また、ロシアのプーチン大統領、ドイツのメルケル首相らがそれぞれ菅総理に祝電を打ったようであり、とくに産経ニュースによると、プーチン氏は菅総理に「諸問題に建設的に共同対処していく準備がある」などと述べたのだそうです。

プーチン大統領が菅首相に祝電「諸問題に共同対処」 安倍路線継続を歓迎

―――2020.9.16 18:25付 産経ニュースより

日独共通の目標へ協力を メルケル氏、菅新首相に祝意

―――2020年09月16日17時59分付 時事通信より

この点、北方領土問題を巡り、ロシアで今年7月の憲法改正により、領土引渡しを禁止する条項が盛り込まれたことは事実ですが、これについて当ウェブサイトでは『日本は国力増強の一方、ロシアが困るのを待てば良い』で述べたとおり、困っているのはじつはロシアの側だと考えています。

産経ニュースによると、プーチン氏は「安倍氏の尽力などで近年の両国の対話は相当に発展した」などと評価したのだそうですが、国際的な石油価格の低迷や欧米からの経済制裁に苦しむロシアにとっては、菅政権が安倍政権の方針を継続することを望んでいるという証拠なのかもしれません。

(※といっても、個人的には日本国憲法の問題などが片付かないうちには、うかつにロシアと交渉すべきではないと考えているのですが、これについては機会を見て別稿で説明したいと思います。)

中国は「中日関係の発展」

さて、諸外国の反応のなかで、とくに気になるのは、中国のそれです。

共同通信の報道によると、中国外交部の汪文斌(おう・ぶんひん)副報道局長は16日、菅総理の選出について、「日本とともに各分野の交流、協力を進め、中日関係がより発展するよう推進していきたい」などと述べたのだそうです。

中国、菅新首相を歓迎/「中日関係の発展を推進」

―――2020/9/16 18:54付 共同通信より

共同通信はこの汪氏の発言について、「米国との対立が激化する中、日米間にくさびを打ち込む狙いがある」と解釈を付け加えていますが、この点については常に警戒しなければならない点でしょう。

あくまでも当ウェブサイトなりの解釈ですが、菅総理が述べた「『自由で開かれたインド太平洋』を戦略的に推進するとともに、中国をはじめとする近隣国との安定的な関係を構築する」の意味は、「自由で開かれたインド太平洋」が主で、「中国との安定的な関係」は従であるべきです。

とくに、一部メディアからは、「親中派(※)である二階俊博幹事長」の発言力が強まったとする指摘も見られるなか、中国が日米同盟を弱体化させようとする動きを活発化させて来るであろうことは、容易に想像がつきます。

(※先日の『なぜか二階俊博氏を「親韓派」と期待する隣国メディア』でも申し上げたとおり、二階氏は「親中派」というよりは、単純に利にさといだけの利権型政治家に過ぎないとは思いますが、ただ、日本の国益を損ねないよう、私たち有権者は二階氏らの動きをしっかり監視しなければなりません。)

その意味では、やはり、中国の動きはどうしても気になる点でしょう。

菅政権あれこれ

行革担当相の気の利いた発言

さて、ここからは菅政権に関するいくつかの話題に触れておきましょう。

菅義偉内閣では、河野太郎氏が行政改革担当相として入閣しました。外相、防衛相という要職を経験してきた河野氏が、ここにきて行政改革担当特命大臣に任命されたその狙いについて、菅総理は昨日の会見で、こう述べています。

党の行政改革もやっていましたので、それで任命をいたしました。(中略)例えば今日の閣僚呼び込みの中で、私、指示として、河野大臣に、例えば縦割り110番みたいな、そうした国民の皆さんからこんなことが現実に起きている、そうしたことを参考にしたらどうだということも、今日は大臣に指示をしてきました」。

つまり、縦割りや既得権益、前例主義などで問題が生じている部分については、すべて河野大臣が取りまとめ、国として対処しようとする、ということであり、菅総理自身が「規制改革」に本腰を入れて取り組むなかで、そこを強力にサポートさせる狙いがあるのでしょう。

こうしたなか、河野氏はさっそく17日未明、なかなか興味深い発言をしました。

河野行革相「こんなものはさっさとやめたらいい」 官邸での記者会見

―――2020.9.17 01:25付 産経ニュースより

産経ニュースによると、河野氏は官邸での記者会見を巡り、

延々とここでやるっていうのは前例主義、既得権、権威主義の最たるものだ。こんなものさっさとやめたらいいと思う/この記者会見も各省に閣僚が散ってやれば、今ごろみんな終わって寝ている

と言い放ったのだそうです。

というのも、「新内閣発足や内閣改造の際は、初閣議後に首相官邸で閣僚が順番に記者会見を行うのが慣例となっている」らしく、必然的に、閣僚名簿で後の方になればなるほど、記者会見が遅い時間にズレ込んでいくからです。

河野氏はツイッターなどで積極的に情報発信している政治家のひとりですが、それだけに、私たち有権者と直接対話することの重要性や意義を理解しているのでしょうし、前例主義や既得権、権威主義には嫌悪感を抱いているのでしょう。

確かに、悪しき前例には従う必要などありません。この人事が菅総理の思い通りに機能するか、しないのか、あるいは期待以上の成果をあげるのかについては、興味深く見守る価値がありそうです。

#スガ政権の退陣を求めます

最後に、ツイッター上の「#スガ政権の退陣を求めます」という話題についても、軽く触れておきましょう。

ツイッターの「トレンド」欄に、今朝、この「#スガ政権の退陣を求めます」が表示されていたのですが、ツイート回数も数万回と大変な盛況です。まだ発足したばかりで本格始動していないにも関わらず、いったい何がそんなに気に入らないのでしょうか?(笑)

ただ、ふと気になったのが、なぜ漢字ではなくカタカナで書いているのか、という点です。

その理由はおそらく、「菅」と書いてしまうと、違う「菅」元首相のことだと勘違いする人が出て来てしまうからではないでしょうか(『菅は菅でも「かん」違い:尖閣漁船衝突事件の真相』等参照)。

ただ、「#スガ政権の退陣を求めます」の人たちが、もしも本気で菅政権の退陣を実現させたいのであれば、非常に簡単です。菅義偉総理大臣の掲げる政策以上に魅力的な政策を打ち出し、それらの政権公約を掲げて総選挙で自民党以上に議席を取れば良いのです。

それができないからこそ、わざわざカタカナにして「退陣しろ」とツイッター上でせっせと呟いているのでしょう。哀れなことです。

祝・「野田佳彦元首相」誕生!

なお、昨日言い忘れていたのですが、安倍政権が総辞職し、菅政権が発足しましたが、当ウェブサイトでは今後も麻生太郎、安倍晋三両氏のことは「総理」と呼び続けるつもりです。

ただし、安倍総理が辞職したため、今後は晴れて野田佳彦氏の呼称を「前首相」から「元首相」にランクアップします。

安倍政権が8年近くも続いたため、これまで、民主党の3人(鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦の各氏)をまとめて「元首相」と呼ぶことができませんでした。というのも、野田佳彦氏は「前首相」だったからです。

今後は晴れて「鳩山・菅・野田の各元首相」、あるいは「あの3人」などとまとめて呼ぶことができるようになります。これが当ウェブサイトにとって、安倍総理が退陣したことの唯一の利点ではないかと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (28)

  • 更新ありがとうございます。
    外交に関しては大風呂敷を広げていないのかも知れません。
    (最初から無用な警戒を避けるため)

    太郎ちゃんがどう既得権勢力と戦って行くのか注視して行きたいです。
    (昔のアグレッシヴな働きを知っての登用かと)

  • ウリの祝辞には、コメントも無いニダ。
    菅首相も新宿会計士さんも、ネトウヨニダ。

  • 『文大統領が菅新首相に書簡 関係改善へ対話呼びかけ』
    聨合ニュース https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200916004700882?section=japan-relationship/index

     韓国の文在寅大統領が、菅総理に就任祝いの書簡を送った。
    「地理・文化的に最も近い友人の日本と常に対話の準備がある。積極的な呼応を期待する」という内容。
     文大統領が協力姿勢を見せた書簡は、日本に夕方までに届けられたため、
    韓国としては、当然、返信として就任会見で日韓関係への言及を期待したが、
    菅総理は見事にスルー!!

     韓国では菅義偉首相の会見で「日韓関係」の4文字が出てくることを期待した。
     しかし、菅総理は米国・中国・ロシア・北朝鮮には言及したものの、韓国を全くスルー。
     これからの日韓関係、ますます、いろいろなネタを提供してくれそうです。

  • 意図的にそうしたのかどうかはわかりませんが、菅総理は近隣諸国との関係について触れた際、中国とロシアの名前はあげましたが、騒がしい某国には触れませんでした。
    良いことであると思います。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (なにしろ、朝日新聞と違って自分は間違う存在であると自覚しているので)
     本日の朝日新聞の社説ですが、(前にもコメントで予想しましたが)「安倍政治を継承するな」というものですが、この真意は「(朝日新聞がいくら批判しても辞任しなかった)安倍総理の前にもどれ」ということでしょうか。(朝日新聞や韓国に忖度しなかった)安倍総理が辞任して、せいせいしているのに、菅義偉新総理も、そうなれば堪らないということでしょう。
     駄文にて失礼しました。

  • 元総理も総理と呼ぶのは日本の慣行ですからね。私も現在の肩書が必要な時以外は倣いたいです。

    なるほど野田さんは史上最長期間の「前首相」だったのですね。お疲れさまです(棒。まあでも、前2人に比べれば、状況はあったにせよ解散を決断してくださったり、その後の活動も特に害は感じないし、野田さんにはあまり悪い印象ないですね。主義主張違えど誠実な政治家だとは思ってます。

    • 野田さんは総理としてフツーに無能であったと思います。ただ、前任者2人があまりにアレだったので、とてもまともであるように見えたというボーナスポイントが付きますが。
      日本憲政史上の汚点とも言うべき民主党政権ですが、最初から野田さんをトップにしておけば、ここまで酷いことにはならなかったのではないか、とも思います。

      • 龍 様

        >野田さんは総理としてフツーに無能であったと思います。

        個人的には、野田元総理の本質は「退治されたくなくて対峙しなかった人」だと思ってます。

        彼は、対韓スワップを大幅増額させて日本の半導体産業衰退の原因をつくったり、円高対策に消極的だったり、解散総選挙と引換えに「消費増税」の置き土産を遺した人です。

        彼が最初から総理だったら、経済が”失われた50年”に突入してたのではないのでしょうか?

        韓国からの執拗な要求や国際社会との貿易摩擦、財務省からの圧力を回避するための事なかれ政治。

        他国との”ハイレベル協議”に臨んでも、二つ返事の「はいはいレベル」だったことは想像に難くないのです・・。
        m(_ _)m

        • いや、あの程度に無能な首相は以前にも何人かいました。ただ、民主党の人材不足で実務をきちんと回せる人物がいなかったこと、そして前任者2人が省庁との関係を破壊してくれたおかげで官僚の協力が碌に得られなかったため、結局何もできなかったということだったと思ってます。

          なにしろ前任者2人が日本憲政史上の黒歴史としか言いようがない存在でした。野田元総理が超絶優秀だったとしても立て直しようがなかったでしょう。でも、彼はフツーに無能だったので、為すすべもなく、後始末もできずでした。でも、民主党の人材不足はどうしようもありませんが、官僚との協力関係がうまく築ければ、もう少しマシだったのではないかと思います。

          • その通りですね。
            ”烏合の衆”には人罪しか居なかったんですものね。
            今だって立件民主党だし・・。

            *返信ありがとうございました。

    • > 元総理も総理と呼ぶのは日本の慣行ですからね。

      アメリカ合衆国でも、大統領経験者は、退任後も“Mr. President”と呼ばれるんですね。私は一抹の紛らわしさを感じていましたが、本日より迷いなく元総理も総理と呼びます。

      因みに、日本の法律に首相という呼称はないそうです。憲法・法律上の名称は内閣総理大臣のみ。略称として総理。辻本氏ですら「ソーリ、ソーリ、ソーリ!」とやっていたのは法を踏まえていたのですね。

      首相は通称で、マスコミが好んで使いますが、鳩山「首相」もありましたから、卑下の意図はなく、適当なのでしょう。

  • 安倍ちゃんの時代には、内政は、疎かになっていたという訳ではないが、外交が余りにも華やかだったせいもあり、その陰になって目立たなかったといえる気がします。ということで、スガちゃんの意思は、もっと内治に光を当て改革のスピードを上げたいということでしょう。椅子に長時間同じ姿勢で座っていると、尻が痛くなるので座り直しが必要なのと同じで、せっかく政権が代ったのですから、このような重点の置き方の変化はあるべきだと思います。

    • 蔡総統ご自身は、それほど日本が堪能ではありません。きっと優秀なゴーストライターがいるのだと思います。それは悪いことではありません。手間をかけて相手(日本人)に真心を届けているのですから。

      因みに、このコメントを書くに当たって「堪能」の意味を確認したら、またしても「日本語の乱れ」でした。

      本来の「堪能」は仏教用語で、堪え忍ぶ能力だそうです。堪忍(かんにん)する能力で、読みは「かんのう」です。ATOKでは「たんのう」でも「かんのう」でも変換候補にでてきます。堪え忍んで辛い勉学修行に励み、「物事に通じる」ようになるという意味にも使われるようになりましたとさ。

      「秋の味覚を湛能する」の方は「つちへん」ではなく「さんずい」だったのだそうです。それがいつの間にか「つちへん」に化け、本家の「かんのう」も「たんのう」と読まれるようになったんじゃよ、どっとはらい。

      独擅場(どくせんじょう)から独壇場(どくだんじょう)へ、と同様、今さら元に戻らないでしょう。私も今日まで知りませんでした。日本語はムズカシイですネ。

  •  菅首相が自民党総裁選で、“「アジア版NATO創設」について「反中包囲網にならざるを得ない」と否定的見解を示した。”ことは少し心配。中国に配慮したかもしれないが日米に隙を作る動きに見える。
     「アジア版NATO創設」は急ぐ必要はないが、この首相指名臨時国会が閉会したら、即座に菅首相は訪米し、トランプさんと会談(1時間で良い)した、日米同盟を基軸とした安倍さんのインド太平洋安定化政策の継続を再確認&表明し、日米同盟の盤石さを米中及び世界に示すべきと思う。併せて、茂木さん岸さんも渡米して2+2を開催し、同様に表明すれば、残りの一年間無理に動かず、じっくり世界の情勢を見極めても外交に関しては及第点だろう。米国新大統領決定まで遅れれば、多分外交失格となると思う。

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