昨日の『山尾志桜里議員:「肥溜め」→「三角コーナー」へ移籍』に続き、再び「肥溜め」から人罪が流出したようです。あるいは「沈む泥船から逃げ出すネズミ」でしょうか。離党したのは、昨年の参議院議員通常選挙で立憲民主党から当選した須藤元気氏ですが、ここでひとつ、問題点があります。須藤氏は確かに個人票も獲得しているものの、比例代表で「立憲民主党」という党名を使って当選している、ということです。
須藤元気議員も離党
「弱り目に祟り目」とでもいうのでしょうか。
3月に立憲民主党を離党した山尾志桜里衆議院議員が16日、国民民主党に入党届を出した、とする話題については、昨日の『山尾志桜里議員:「肥溜め」→「三角コーナー」へ移籍』でも取り上げたましたが、もう1人、立憲民主党を離党した事例が出てきました。
昨年7月の参議院議員通常選挙で立憲民主党から比例区で立候補して当選した、元格闘家の須藤元気参議院議員です。
立憲・須藤元気氏「離党する決意を固めました」 山本太郎氏支持を公言、波紋呼ぶ
立憲民主党所属の須藤元気参院議員が2020年6月17日にツイッターで離党の決意を固めたと投稿した。<<…続きを読む>>
―――2020年06月17日16時53分付 J-CASTニュースより
立憲・須藤元気氏が離党届 執行部不受理、辞職要求も(2020年06月17日22時59分付 時事通信より)
須藤元気議員が離党届 立憲民主党に…会見で涙(2020年6月18日 6:38付 FNNプライムオンラインより)
いちおう、いくつかのメディアの記事を読む限りでは、須藤氏が離党した理由は、東京都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)を巡る党との方針の違いなのだそうです。
すなわち、立憲民主党が元日弁連会長の宇都宮健児氏を推しているのに対し、須藤氏は15日付のツイートで、「個人的に」れいわ新選組の山本太郎代表を応援している、などと表明。
翌16日には「都知事選で支持する候補者の違いを党と僕との間で再確認した」などと述べ、それが17日の離党表明につながった、というのが、表向きの流れでしょう。
これに加え、須藤氏の離党表明を読むと、「都知事選を巡る意見の相違がきっかけ」としつつも、「以前から消費税減税など経済政策ついて」(※原文ママ)、党とは意見の相違があったなどと述べているようです。
最大野党である立憲民主党が、頑なに消費税の減税・凍結を自民党への対案として出さないのは不思議といわざるを得ませんし、須藤氏が消費税の減税を対案として出そうとしているのであれば、それはそれで悪い話ではありません。
ただ、もし本人が本当にそう思うのであれば、まずは党内の意見を形成し、党執行部を動かそうとするのが筋でしょうし、それをやらずに当選してわずか1年弱で立憲民主党を逃げるように離党するというのも、何か「よこしまな理由」を感じずにはいられません。
「沈む泥船から逃げるネズミ」
やはり真っ先に思いつく仮説は、「沈む泥船から逃げるネズミ」仮説でしょう。
立憲民主党を「沈む泥船」、須藤氏を「ネズミ」にたとえるのは、泥船とネズミに対して大変失礼だという点を承知のうえで、あえて申し上げるならば、まさに立憲民主党は自分たちで積極的に有権者からの支持を失いに行っているという意味で、先が見えない政党です。
『内閣支持率の逆転と無関係に「ズッコケ」る立憲民主党』などでも触れたとおり、いくつかのメディアの調査によれば、「野党第1党」であるはずの立憲民主党に対する政党支持率が下落しているようであり、一部では日本維新の会と支持率の逆転が生じているケースも出てきたほどです(図表)。
図表 日本維新の会と立憲民主党に対する政党支持率
メディアと調査日 | 維新 | 立憲 |
---|---|---|
産経・FNN(4/11~12) | 5.2% | 3.7% |
毎日新聞(4/18~19) | 6.0% | 5.0% |
共同通信(5/8~10) | 8.7% | 6.9% |
(【出所】著者調べ)
しかも、福山哲郎幹事長は、一部メディアで支持率が逆転している点を巡って、その原因が「セクキャバ事件」(※)にある、などと責任転嫁したそうです(『立憲民主党・福山氏「支持率低下はセクキャバが原因」』参照)。
※セクキャバ事件とは:政府が緊急事態宣言を発した直後の4月9日、当時、立憲民主党に所属していた高井崇志衆議院議員(=離党)が東京・歌舞伎町のいかがわしい店を訪れていたとされる事件のこと。
須藤氏が比例代表であるということ
さて、あくまでも個人的な心境を申し上げるなら、「人罪の宝庫」、あるいは昨日の当ウェブサイトの表現でいう「肥溜め」であるところの立憲民主党の勢力が弱まることは、非常に歓迎すべきである、という気がしてなりません。
ただ、立憲民主党を擁護するつもりはありませんが、今回の須藤氏の行動にも、大いに矛盾を感じます。
なぜなら、先般の参議院議員通常選挙では、たしかに須藤氏は個人票を73,787票獲得していますが、それと同時に「立憲民主党」あるいは「りっけん」として得られた票が791万7721票あり、得票率は全体の15%で、これが須藤氏に配分された、という面もあります。
このため、立憲民主党の比例区に配分された議席が8議席であり、須藤氏は8位で滑り込んで参議院議員に当選した格好です。須藤氏は議員辞職したうえで、50,415票の個人票を得て比例9位だった市井紗耶香氏に対し、参議院議員の地位を譲るのが筋ではないでしょうか。
しかし、いくつかのメディアによると、須藤氏は昨日の会見で記者団に対し、「(議員を)辞職するつもりはない」、「(こころよく)思っていない人たちには謝罪したい」などと述べているようですが、このあたりも何かと意味がわからない点です。
あるいは、いろいろな意味で「立憲民主党らしい議員」というべきなのかもしれませんが…。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
もっとも、コロナ禍の影響で、「安倍政権一強」という状況に揺らぎが出ている(とされる)なか、マトモな野党であれば、消費税の凍結・廃止などを掲げれば、それなりに票が取れるかもしれませんし、危機感を抱いた自民党がそれで政策を転換するという可能性もあります。
その意味では、対案を出さない「泥船政党」からネズミが逃げ出し、沈んでいくのは、決して悪い話ではないのかもしれませんね。
View Comments (13)
元気さんに限らず一度でも国会議員を味わうとやめられないようですね。
自民丸もあちらこちらガタが来て、水が滲みだしているのですが、それでもなかなか沈みませんね。
座礁して底がつかえてるんでしょうか?
そう言うと最近動きが鈍いように思います。
ゴミの選別をするのも、難しいですよね。
役に立つ政治家って、何人くらいいるんですかね?
20人くらい?50人くらい?
まあ、役に立つという定義が、曖昧過ぎますね。
「誰にとって」とか「何処にとって」とか、
ヒトクチに有用と云いましても…
…でござるナ
本人の政治的信条として立憲民主党からの出馬を選んだ訳じゃなく、比例区の集票のために声をかけた立憲民主党の御膳立てに乗っただけなんで、党の推す宇都宮じゃなくて山本を支援したいから離党するなんてあっさりツイートできるんでしょうねぇ。
山本の立候補の目的は、来るべき解散総選挙を睨み、票の掘り起こしと東京の各小選挙区にれいわを推す基礎票がどれだけあるのか確かめるためだから、須藤の応援などあってもなくても関係ない。
離党なんてせずに選挙期間中だけ反党行為の処分覚悟で山本の応援に入ればいいだけなのに、知恵が浅い。選挙をめぐる反党行為には甘い処分するのが民主党の伝統なんだし。あと5年、無所属でどう過ごすつもりなのやら。
山尾議員に続き須藤元気議員も泥船脱出ですか。 しかも、比例で当選しながら「山本太郎さんを応援」とか 真面目にコメントする価値もありませんね。
(不謹慎だったら削除して下さい 笑)
今から国会議員1対2の変則マッチを開催致します。 赤コーナ~! 日本共産党チャンピオン、志位和夫~! 対しまして挑戦者、三角コーナ~! れいわ新選組あこがれ、須藤元気~! 続きまして同じく、三角コーナ~! 国民民主党新人、山尾志桜里~!
尚、今回は須藤選手、山尾選手共 日本共産党別動隊色の強い 立憲民主党出身者ですのでノンタイトルマッチと致します。
笑ってしまったw
河井元法相の任命責任を安倍総理に問う枝野代表。そういうことは、ご自分の党の整理をなさってから、おっしゃいませ。俗に「自分の頭の上の蝿を追え」と申しますわよ。
クラウド蓮舫。とりあえず、この人の口を塞ぎなさい。笑いものになっています。それに、この人の国籍どうなっているの?
きっと比例代表選出の議員にとっては、所属政党の支持率低下が切実なる死活問題なのでしょうね。
政党の渡り鳥であり、かつ比例代表のプロでもある今井雅人議員の動向も少しだけ気になってます。
*あゝ彼の場合は「招かれでもしない限り維新や国民にはいけない」んでしたっけね・・今更・・。
カズ様
『議員としての地位が一番 立憲民主党に相応しい今井雅人議員』あたりもご参照ください。
www
新宿会計士様
返信ありがとうございました。(過去稿も拝見しました)
今井雅人議員は、銀行出身なだけあって少しだけ高性能の危機管理レーダーを搭載してるのでしょうか?
議員としての生き残りをかけた機微な判断は、大したものだと思います。
泥舟を渡り歩く彼の羅針盤の針は、常に「野党第一党」を示してるのでしょうね。
*比例選出議員の鞍替え(離党)は辞職を伴うべき事柄であり、よっぽどの事情がない限り「投票者に対しての背任」でしかない気がするのですが・・。
ヒトトシテハ、ドウナノデショウ⁇
>再び「肥溜め」から人罪が流出
人罪wwww
罪人でもどっちでも可
ネズミに反応しました。
変幻自在のトリックスター須藤さんの裏拳は好きでしたがついに逃げるネズミと化しましたか。
ネズミと言えば北朝鮮の言う酢を盗み飲みしたようなしかめっ面のネズミこと李明博さんやネズミ男、舛添要一前都知事を思い出します。(舛添さんは自身を倹約家の徳川家康の例えていましたが)
特徴は逃げ足が速いということでしょうか。ディズニーランドのミッキーさんも地方の田舎の遊園地のように経営に行き詰るといち早くどこかに移籍されるのでしょうか。
1.2年後に立憲民主の改名も近い予兆かもしれませんね。