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どうせ法治国家でない中国、無理に法を作らなくても…

昨日、中国本土で「国家安全法」という法律が可決されました。ただ、「法律が可決された」という表現は正しくなく、もう少し正確にいえば、実際の法律が可決されたのではなく、「法律を制定するための決定」が可決されたということであり、実際の法律は今後、全人代常務委員会が制定するということだそうです(※このあたりは中国が民主主義国家を騙る独裁国家である証拠でしょう)。これについて優れたチャイナ・ウォッチャーである福島香織氏の「中国は法治国家ではないのだから、本当は無理して法律など作る必要はないはずである」という論考を紹介するとともに、現実のマーケットの動きは意外なほど静かだという点についても指摘しておきたいと思います。

国家安全法が可決

正確には「法律」ではなく「決定」が可決

中国本土で「国家安全法」という法律が成立すれば、米国が中国に対する経済制裁などに乗り出す可能性がある、という話題については、『米国が「香港は金融センターの地位失う可能性」と警告』などで取り上げてきたとおりです。

ただ、昨日は米国で国務省が「もはや香港は中国からの高度な自治を維持していない」とする評価を下した(『【速報】米「香港は中国からの高度な自治を喪失」認定』参照)ことに加え、中国の全人代が国家安全法の新設を可決したことで、米中対立は新たな局面に入りました。

中国全人代、香港の国家安全めぐる法制度の決定を採択

中国国営新華社通信によると、中国の全国人民代表大会(全人代)は28日、審議されていた「香港が国家安全を守るための法制度と執行メカニズムに関する決定」を採択した。<<…続きを読む>>
―――2020.5.28 16:23付 産経ニュースより

産経ニュースはこれについて、

国家政権転覆行為などを禁じた『国家安全法』を香港に制定するためのもので、今後は全人代常務委員会が実際の法律を制定して香港政府が公布することになる

としていますが、これまでと比べて異例な点は、「港人治港」(香港のことは香港が決める)という、1997年の香港の中国返還時における原則を破っていることです。香港に適用される法律は本来、全人代という中国本土の機関ではなく、香港立法会が決めることとされているにも関わらず、です。

香港の「高度な自治」、本当?

もっとも、香港立法会自体も、議員は直接・普通選挙だけでなく、職能団体などによる間接・制限選挙によって選ばれているため、香港立法会が決めた法律が本当に香港の民意に基づいているかどうかは、個人的にははなはだ疑問ではあります。

実際、香港立法会は中国の国歌侮辱行為を禁じる「国歌条例」案なるものを審議していて、これに対する抗議行動なども行われているようです。

香港立法会、国歌条例案審議へ 警察が複数逮捕

香港の立法会(議会)は27日、中国国歌「義勇軍行進曲」を侮辱する行為を禁じる国歌条例案を審議する。<<…続きを読む>>
―――2020/5/27 12:32付 日本経済新聞電子版より

香港、各地に機動隊配備 立法会は国歌条例案を審議

―――2020年5月28日 14:22付 ロイターより)

このように考えていくと、香港立法会自体、なかば中国の傀儡のような存在なのです。もしも賢明な独裁者であれば、「香港の中国化」は少しずつ進めるのが得策ではないでしょうか。いわば、「香港の静かな取り込み」ですね。

このあたり、なぜ習近平(しゅう・きんぺい)(※)中国国家主席がこの法律にそこまでこだわるのか、いまひとつ、よくわかりません

(※)本稿と全く関係ありませんが、「しゅうきんぺい」といえば、コロナ対策の「集近閉」(合しない、接しない、鎖空間にいない)を思い出しますね。いちおう、わが国で緊急事態宣言は解除されていますが、集近閉を心がけるようお願い申し上げます。

福島氏の論考

福島氏「習近平の暴挙」

こうしたなか、「日本を代表する優れたチャイナ・ウォッチャー」の代表格といえば、ジャーナリストの福島香織氏です(福島氏自身が「チャイナ・ウォッチャー」と名乗っていらっしゃるのかどうかは存じ上げませんが…)。

その福島氏が『JBプレス』に昨日、こんな記事を投稿しています。

香港「国家安全法」の衝撃、習近平が暴挙に出た理由/香港の一国二制度が終わる日

中国の全人代(全国人民代表大会)の最終日の5月28日、いよいよ「香港特別行政区における国家安全保護に関する法律制度」、通称「香港版国家安全法」「香港国安法」が可決される。<<…続きを読む>>
―――2020.5.28付 JBプレスより

リンク先記事は約5000文字と長文ですが、臨場感にあふれ、読みやすくも非常に考えさせられる優れた論考です。

今回の法律に関する福島氏なりの考え方、解説については、ぜひ、リンク先記事で直接ご確認いただきたいのですが、驚くのは次の記述です。

香港国安法の全容がわかるのは、5月28日に可決されたあとだ。全人代開幕の3日前に急遽、全人代で草案が審議、可決されるという抜き打ちのようなアナウンスがあった。

全容がわかるのは可決後!

このあたり、日本を含めた民主主義国家では考えられない話ですが、民主主義国家を騙る独裁主義国家・中国は、法律を成立させるプロセス自体が非常に不透明である以上、仕方がない話なのかもしれません。

福島氏の論考では、なぜ今回の国家安全法が中国共産党にとっての悲願なのか、なぜこのタイミングで中国共産党がこの法律の成立を急いでいるのかに関する、福島氏なりの考察が示されているのですが、これが非常に秀逸です。

英中間の相互の思惑が入った香港基本法がもととなって、中国本土に民主主義が広まるのを、中国共産党が何よりも恐れている、というのが福島氏の見立てなのですが、このあたりは長年の地に足の着いた取材を続けてきた福島氏ならではの優れた考え方といえるでしょう。

法治国家でもない中国、無理して法律作る必要はない

さて、先ほども「よくわからない」と申し上げたのが、現在の習近平政権がなぜ、ここまで強引な法律制定に走っているのでしょうか。

この点、福島市の論考では、「静かな香港取り込み」を心がけていた胡錦濤路線が、習近平(しゅう・きんぺい)政権下で修正され、あからさまな香港の中国化路線路線に舵を切ったという点について、さまざまな事実を踏まえて明快に解説されています。

簡単に紹介しておくと、

  • ①香港デモの決着をつけるという習近平氏なりの「最後の賭け」
  • ②国際世論の「新型コロナ」責任追及をかわしたいという狙い
  • ③新型コロナ肺炎による米中関係悪化により、貿易交渉で米国に配慮する必要がなくなったこと

ということですが、それぞれの詳しい論点についても必読だと思いますので、このあたりも是非、リンク先記事をご参照いただきたいと思います。

そんな福島氏は、こう述べます。

香港国安法など成立させなくても、林鄭月娥長官を通じて、立法会選挙の民主派候補の出馬資格に難癖をつけて剥奪などすれば、選挙結果をコントロールすることくらいできるだろう。

まさにこの点こそが、先ほどの疑問点でもあるのですが、まさに福島氏の指摘どおりです。それなのに、強硬路線に舵を切った習近平氏を、福島氏はどう考えているのでしょうか。

冷静に考えて、香港を犠牲にして、習近平が国内外の責任追及を逃れようとするのは、中国で言うところの『臭棋』、囲碁の悪手もいいところだ。自分の目を全部自分でつぶしているような感じだ。自由都市・香港の経済的価値を全く計算できていない」。

手厳しいですね(笑)

個人的には、昨日の当ウェブサイトの読者コメント欄にもあった、

「中国は法治国家ではないのだから、本当は無理して法律など作る必要はないはずである

の部分には、ひとり爆笑してしまったクチですし、本稿のタイトルにも採用させていただいたほどです(※もちろん、一国家二制度が死ぬかどうかの瀬戸際を笑うというのも、不謹慎な話ではありますが…)。

具体的プロセスに疑問も

香港が「国際金融センター」でなくなるものなのか

ところで、米国政府高官などの発言を眺めていると、「香港は国際金融センターではなくなる」という発言は、中国に対する「国家安全法を制定するな」という脅しのようなものでもあります。

ただ、冷静に考えてみると、この「国際金融センターでなくなる」という現象、いったいどういう事態をさしているのかについては、米政府高官や米メディアはそれほど詳しく説明していません。

いちおう、教科書的にいうならば、経済活動の3要素は「ヒト、モノ、カネ」です(最近ではこれに「情報」を付け加えることもあります)。

このうち、「ヒトの移動の自由」については、もともと「完全に自由」というものではありません。

いちおう、香港は香港出身者については、日本や米国は短期渡航ビザについては免除されるという措置の対象にされています(※日本の場合はコロナショックで現在ビザ免除措置は停止中ですが…)。

しかし、香港に入境する際には、国籍によってはビザの取得が義務付けられており(たとえば北朝鮮出身者などは香港入境ビザが必要です)、ヒトの移動という点からは「自由都市」と呼べるのかは微妙です。

また、「モノの移動の自由」という観点からは、日本の輸出管理上、香港はいわゆる「グループA」(旧「ホワイト国」)ではありませんし、欧米主要国が香港を「(旧)ホワイト国」に等しく位置付けている、という話についても、あまり聞いたことはありません(※このあたりは調べ切れていませんが…)。

さらに、香港の場合はもともと、主要先進国で課されていた「資本の持ち込みの申告義務」がなかったのですが、2018年7月以降、マネー・ロンダリング(資金洗浄)対策のため、高額の現金の持ち込みに申告が必要とされるようになりました。

12万香港ドル超の持ち込み、7月16日から申告義務

香港政府は7月16日から、香港への入境者および入境貨物のうち、12万香港ドル(約168万円、1香港ドル=約14円)を超える現金などを持ち込む場合に申告を義務付ける。マネーロンダリングやテロ組織による資金集めなどを防止するための措置だ。<<…続きを読む>>
―――2018年07月06日付 JETROホームページより

このため、「ヒト、モノ、カネの移動が完全に自由である」という点については、若干の誇張もあるような気がしてならないのです。

もちろん、米国が香港金融管理局(HKMA)の保有している米国内資産を凍結するなどの措置を講じれば、香港ドルの信認が毀損される、などの可能性は十分にあるでしょう。

しかし、「具体的に香港が金融センターとしての地位を失うプロセス」については、米国側の追加の説明をもう少しじっくりと聞いてみる必要があるのかもしれません。

為替市場はほとんど動きなし

ここで、少し視点を変えましょう。

【速報】人民元が急落~いまや、中韓通貨は一蓮托生?』などでも触れましたが、数日前から中国の通貨・人民元や、(なぜか)韓国の通貨・ウォンなどが為替市場で売られるという現象が観察されています。

これについては、マイク・ポンペオ米国務長官が「香港は金融センターの地位を失うかもしれない」と述べたことを思い浮かべると、「市場参加者が米中対立を警戒して人民元(やそれと一蓮托生の韓国ウォン)を売っているのではないか」、などとする連想も働きます。

こうた連想から、当ウェブサイトでは「国家安全法に対する警戒売りか」という可能性を提起しているのですが、それにしては昨日の外為市場では、オフショア人民元(CNH)や韓国ウォン(KRW)の為替相場は米ドル(USD)に対してさほど下落しているフシはありません。

むしろ、日本時間の昨日午後10時時点でWSJのマーケット欄などをチェックすると、米ドルに対して横ばいか、むしろ小幅上昇しているほどです(たとえばUSDKRWは前日の1238.26ウォンが1237.02ウォンへと、小幅ながらドル安・ウォン高となっています)。

さらに、「香港が米国からの優遇措置を失い、金融センターの地位を失う」のを市場参加者が懸念しているのだとしたら、香港ドルが売られるという動きが見られるのが自然です。

香港ドルは、1米ドル=7.8香港ドルを中心として、7.75~7.85香港ドルで推移するよう、香港金融管理局(HKMA)がコントロールするという、事実上の米ドルペッグ制度が適用されています。

ということは、香港から資本逃避が発生した場合、1米ドル=7.85香港ドルの上限を振り切りそうになるはずなのですが、現実にはそれとは逆に、1米ドル=7.75香港ドルの下限近くに張り付いている状況が続いているのです。

また、香港を代表する株式指数であるハンセン指数先物も、日本時間の昨日深夜時点で、引け値に比べて1%前後下落しているものの、「暴落」という水準ではありません。

このあたりは不思議ですね。

いずれにせよ、少なくとも、市場参加者は、国家安全法が成立したからといって、香港が金融センターとしての地位を失うに違いない、といったパニック的な反応を示しているわけではなさそうです。

もっとも、国家安全法の全容が明らかになったり、米国政府が何らかのアクションに踏み切ったりすると、市場に何らかの混乱が生じるのかもしれませんので、本件については引き続き注目する価値がありそうです。

新宿会計士:

View Comments (48)

  • こうした中でも 今なお習近平の国賓招待をあきらめないアベ政権は世界の笑いものになるだろう。アベ首相の外交感覚があるとすれば完全に故障して逆回転しているとしか思われない。

    • 国賓招待はいわばリップサービスでしょう。
      尖閣の領海侵犯をやめない中国への日本なりの警告では?
      歯痒いですけどね。私はそれなりに評価します。

    • 国賓招待は外交カード、毒入り饅頭として有効です。これからもずっとそのカードが意味を持つことでしょう。カードとして役に立ちそうになくなればポイすればいいだけです。

    • 国賓招待しないと断言すれば気持はいいでしょうが、それは一度しかできないことです。
      日本としては最後まで礼はつくそうとしたという形をとり、カードとして残しておけばよいのです。
      今や死後となった「バイチャ」が、「バイバイ、チャイナ」の意味として復活するその日まで。

    • 一番効果のあるときに切るカードと考えております。
      (早ければG7後、所謂西側各国が動き出したとき)

      既に前振りはしているので、現地に進出している企業は撤退の準備を…

    • 匿名様

      「アベ」と平気で何度も書く時点で、ココでの立ち位置は厳しいよ。看過できぬと考える御仁がワンサカ居る。私もだ。

    • 前出の『安倍総理に核心突かれ逆ギレ=中国のわかりやすい反応』でもありましたが、WSJの「日本は米国に着くのか、中国に着くのか」の回答の通り、向こうからお断りされるのを期待しているんじゃないかと思う次第です。

  • 珍しく日本共産党が香港問題では大々的に中共を批判して居ました。
    .jcp.or.jp/web_policy/2020/05/post-839.html
    習近平国賓来日に固執する日本政府への単なる逆張りでないならば【反中共には政府と共闘】と言うべき所を妙に日本政府に難癖付ける物言いなのが気になりますが。一応香港問題では雨傘派や米国の側に立つ発言です。

    • 中共と自分達は違うというパフォーマンスでしょうか。どっちにしても、自由を奪う共産主義に変わりは無い。

      • 志位の独裁○○年♪
        でしたかね?
        ありゃ不破の独裁じゃろ?てな言説も耳にしますが…
        「共産」て何ですかいな??
        お貴族様専制政治の衣替えお化粧直しあたりでしょうかね?

        • 引っ掛かったオタクさま

          「共産」は私の中では昔、新聞紙をくちゃくちゃにして使った落とし紙のようなイメージです。列島にいまや存在しないでしょう。
          山のトイレもバイオの時代です。

          あーそういえば隣国のソラクサン登頂途中のトイレが数メートル下に落とし紙が散乱してました。知人に世界の秘境に行く人がいます。トイレ事情を聞くのはワクワクします。紙がないところも多く葉っぱ率が高いという説でした。そもそも彼らは切れがいいと。拭く必要がない、食べ物が違うし、動物は拭かなくて綺麗だろ。って。

          なるほど。「共産」はまだまだ生存していくんだなー。

      • 後戻りせずにちゃんと言行一致しろと言うべきであって「どうせお前ら共産党」と言ってしまってはダメなのでは無いか。その辺り中共包囲と言う立場を堅持するべきだと思います。

  • 香港の中国化は前から予想されていたことですし,コロナのどさくさにまぎれて,反共産党派のひを壊滅にかかることも予想していました。欧米は,これから経済的締め付けを厳しくして,外国企業の中国内での活動は,その有利性が失われていくでしょう。共産党は,中国に進出している外国企業の撤退を妨害するために,撤退企業の中国内の全資産没収とか,中国内での企業活動禁止,というような措置を段階的に強化すると思います。でも,これは,株の大暴落とか,投資した企業の倒産みたいなもおだと思って,諦めるしかないと思います。昨日新宿会計士様が提示された資料だと,日本経済の中国依存率は25%くらいのようですが,日本は,いったん,GDPを20~50%削減したところから再出発するしかないかもしれません。

  • 中国としては、武漢肺炎の隠蔽に対する責任追及を逃れられそうにないので、今なら敵を増やすことにはならないという判断でしょう。
    中国が信用できない国であることが、一層鮮明になりました。日本企業の国内回帰を更に進めて欲しいものです。
    向こうにある生産設備などは接収される恐れがあります。撤退前に、それとなく設備を既存しておくことを願います。
    (例えば、半導体生産設備なら、多量の不純物を含んだフッ化水素を流しておく。金属加工装置なら精度がでないようにしておく等)

    • 対中進出は間違った経営判断であり、現地政府による資産接収はどのみち避けられない。撤退および転進によって棄損される経営資源は企業内責任、損金会計の枠で措置する。という流れが生まれ得ましょうか。「損をしない撤退方法」を享受する中国通が脚光を浴びることになりやしまいかと。

  • 中国の憲法では、「国は、人権を尊重し、保障する」と有ります。
    お題目として色々な権利が保障されていますので、海外から人権無視と言われた時に「憲法で保障されている」と、反論するのに便利です。

    • だんな様 偶然、TVで紹介されていたのを見たのですが、中国のごく普通のおばあさんがSNSで「国が私たちに感謝せよという。不思議な感じだ。国民のために働くのが国ではなかったのか。」と発言していて、おばあさんは、多分、当局のコメント部隊だと思うのですが、かなり攻撃されたそうです。おばあさんのコメントは他にも紹介されましたが、思想的な主張は一切なく、日常を淡々と報告するものです。

      こんなコメントにも攻撃しなくてはならない共産党社会の意味って何?と、レーニンさんに伺ってみたい。

  • 更新ありがとうございます。

    何て言うか。諦めみたいな気持ちですが、香港はもう無理かな〜と思ってしまいます。共産党のやり方は酷いし、日本も米国同様、制裁すべしと思いますが所詮大陸と地続き。

    香港の良心派と呼ばれる人々も、脱国するか飼い慣らされて逆に日米に反旗を翻してしまうかもしれないという疑念があります。日本は特に半島や満洲、北支南支に関わってロクな事がない(千島列島と樺太南半分は日本の固有の領土です)。

    福島香織氏が言われる「香港をつぶすということは、中国は西側社会との決別を決心したということ」と言えます。香港の国際金融センター機能よりも、集近閉は自分の立場名声国体が大切だった。

    香港に対するビザや関税の優遇が取り消され、中国への経済制裁が行われることになれば、米中対立は深刻になり、日本は自由主義国側の筆頭、前線基地。好むと好まざると良い影響はないですね。

    やるなら徹底的に中国が潰れる、四散五裂するまで時間をかけてもやらねばならない。

    • いつも楽しく拝見しております。
      台湾と同じように香港人を例外的に難民として受け入れる対応も選択肢としてあると思います。

      • 匿名様 ちょっと待って!

        >台湾と同じように香港人を例外的に難民として受け入れる対応も選択肢としてあると思います。

        香港の人々には、民主主義国家の人間として応援したいとは思っておりますが、中共の工作を甘くみてはいけません。香港人の難民として、中共の人間が潜り込むことをどう排除します?

        ん十年前にも中国進出景気で私が勤めておりました会社にも大勢の中国人研修生が押し寄せました。彼らはなべて育ちのいいエリートでしたが、一挙ことがある際には、中華人民共和国の兵士となります。

        もちろん、難民として来るのであれば、中共の国籍は捨てるのでしょうが、工作であれば関係ないですよね。残念ながら、平和日本には、これをチェックするシステム(力)がありません。香港の人々に対する応援であれば、日本は身の長けにあったものでよいと思います。

    • 中共、傘下メディアに日本批判を抑え目になどと指示したらしいでかいね
      なんかスリヨリきもちわるい

  • 経済的価値と政治的危険性を天秤にかけると、中国としては香港の独立を尊重するコスパが失われた、ということであり、その利得の前には他国との約束など紙切れでしかない、という特亜的判断があるのだと思います。インドネシアの高速鉄道入札も利得>約束の例ですし、フィリピンも対ギャング戦争で実利>人権という優先順位を見せていますので、この傾向はアジア各国にもありそうです。中国的感覚では「他国のことに欧米はなぜそんなに峻厳に反応するのか?金にもならないのに…これは口実でしかない、中国を叩くのが目的だ!」とでも受け取っていそうです。

    中国はその尊大な態度とはうらはらに、国際的リーダーとして振る舞うことに慣れていないように思われます。他国が自国をどう見るべきかという理念はあっても、実際にどう見られているか、どう見られることになるかという配慮に欠けます。周辺各国への侵略行為、自国内のエスニッククレンジング、民主主義の抑圧、コロナ禍への責任回避、これらの行動によりどれだけ国際的信頼を失っているか、実に鈍感と感じます。

    あるいは、私がそう考えるのは「リーダーはメンバーの支持を受けてこそその地位に就く」という民主主義的感覚であり、「リーダーは上位者であるからメンバーは絶対的に従う」という中華思想ではそうではない、というだけのこと、それぞれに正義があるという見方もできます。

    もっと裏読みすれば、中国はこの機会に敵味方の瀬踏みをしているのかもしれません。

    異民族に支配されてもその異民族を中華化してきた中国と、文明の近代化と並行して世界に普遍化した西欧的価値観が、現在の香港で衝突しているということになるのでしょう。

    • 「エスニッククレンジング」はプロパガンダ用語であまり好きではありません。
      一般用語の「ジェノサイド」でいいのでは。

      • りょうちん様

        字面を追うと、ジェノサイド=虐殺=皆殺し に対して、エスニッククレンジング=民族浄化=虐殺+強姦+強制移住 という印象があって、中国のやっていることは後者に類すると思い、語を選択しました。

        で、言及されたプロパガンダという点が気になって、Wikipediaを参照してみました。
        なるほど、もともとユーゴ内戦の際に米広告代理店がセルビア側をより悪者にするために使用した言葉なんですね、勉強になります。
        広告代理店が当初は「ホロコースト」を使おうとしたら、ユダヤ人団体がその語の独占権を主張してお流れになったという事情など、プロパガンダ業界も世知辛いようです。

      • りょうちん様

        語感からジェノサイド=虐殺はエスニッククレンジング=民族浄化=虐殺+強姦+強制移住に含まれる印象があり、中国のやっていることはより広義の族滅であると感じて語を選択しました。

        りょうちん様の言及されたプロパガンダが気になってちょっと調べてみますと、なるほどユーゴ内戦の際にセルビアをより悪者にするために米広告代理店が使用した言葉なんですね。勉強になります、ありがとうございます。
        広告代理店が最初は「ホロコースト」を使おうとしたら、ユダヤ人団体からその語の独占権を主張されお流れになった話など、プロパガンダ業界も世知辛いようです。

        • 自己レスです。
          投稿したところ反応がなく、似たような内容を二重投稿してしまいました。
          内容は同じです。

    • >中国はその尊大な態度とはうらはらに、国際的リーダーとして振る舞うことに慣れていないように思われます。

      中国は歴史的に周りの国に対してリーダーシップをとった経験がありません。というよりもほとんど無視していました。

      それは中国があまりに豊かで、周りの方が貧乏だったからです。

      だから、中国から周りの国にいくことはほとんどなく、周りの国が中国にやってきました。わざわざ貧乏な国に行くなんてコスパが悪いですからね。中華思想というものがありますが、それは周りの国が勝手に中国にやってきて、中国はそれらの国を認めたというだけのものです。

      逆にヨーロッパが遠くまで船を出して冒険に出かけたのは、ヨーロッパが貧乏でアジアが豊かだったからです。

      結局、中国はなにか共通の理念のもとにたくさんの国を束ねたという経験が全くないのです。

      中国人は自国の歴史から学ぶのが得意ですが、中国の歴史をいくら振り返っても、この問題の答えはどこにもありません。

      • 春秋の五覇は一応尊王攘夷という理念のもとに、覇者の国が小国を束ねたと言っていいのではないでしょうか。
        ただ二千年以上前の封建時代の事です。当時覇者は(建前として)弱小国の保護や滅んだ国の復興に取り組んだと言われてますが、共産党政府はむしろその逆なのも確かです。
        統一された事や儒教の影響で外交の技術や上記リーダーシップは失われていったんでしょうね。

      • >中国人は自国の歴史から学ぶのが得意ですが、中国の歴史をいくら振り返っても

        いやいや、Chinaは易姓革命、焚書坑儒、歴史なんて何もない、あるのは勝者へ阿る嘘捏造ばかり。

  • 与太話です。
    江沢民派vs習近平派  少数中立胡錦濤派
    ↓ ↓
    ↓ 江沢民派と内部対立を進行中。
    ↓    実は親日派で江沢民派からの
    ↓ 暗殺未遂が数度あったとの噂。

    共産党内部、人民解放軍、公社などに独自の勢力を持つ覇権主義派閥。香港を中心に独自の経済圏を持つ。

    内部抗争が激化してる可能あり。

    あくまで、与太話です。

    • コメント欄と同期してないのみたいで、分かりにくい図になり、申し訳ないです。

      江沢民派vs習近平派 少数中立胡錦濤派
      習近平、江沢民派と内部対立を進行中。
      実は親日派で江沢民派から暗殺未遂が数度あったとの噂。

      江沢民、共産党内部、人民解放軍、公社などに独自の勢力を持つ覇権主義派閥。香港を中心に独自の経済圏を持つ。

  • 香港の特別待遇をやめるという処置で実際どのくらい中国に打撃を与えられるのか、計りかねています。強力な対策をとるとトランプは言っていますが、どこまでやるのでしょうか。

    もしも強力な策を出せるとしたら、それは香港の自立を阻害したものの合衆国財産を凍結できるという部分です。原理的には今回法律を制定した中国共産党幹部の海外資産(ドル資産)を没収できるということです。共産党幹部が資産を国外に持ち出していることはよく知られていますので、それを没収したら、きっとかの国ではパニックが起こるでしょう。

  •  中国が「国家安全法」を制定することに対して「中国は法治国家ではないのだから、本当は無理して法律など作る必要はないはずである」という言葉が的を得ているように、韓国が「親日称賛禁止法」を制定しようとしていることに対しても、同様に「韓国は法治国家ではないのだから、本当は無理して法律など作る必要はないはずである」ということが言えると思います。

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