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アルゼンチン9度目のデフォルトとTPPスワップ構想

昨日、複数のメディアが報じていましたが、南米の地域大国・アルゼンチンが金曜日、史上9回目のデフォルトに陥ったようです。こうした報道を眺めていると、「国の借金がたくさんある日本もいずれ国債デフォルトに陥るに違いない」といった非常に頭の悪い主張が出てくる可能性もありますので、本稿では「日本国債のデフォルトは絶っっっっ対にあり得ない」という点を改めて確認するとともに、「日本が通貨を使って世界に影響力を拡大する方法」について、少し妄想を膨らませておきたいと思います。

アルゼンチンのデフォルト

通貨と国債の関係を考える

つい先日、金曜日の『安易に「多国間通貨スワップ」に応じるべきでない理由』では、「G20通貨スワップ」構想について取り上げました。

これは、「日本とトルコのあいだで通貨スワップが締結される」という、おもにトルコ国内における「飛ばし」と見られる報道などをもとに、「G20というグループで多国間通貨スワップを締結すべきだ」などとする構想がいかに非現実的であるかについて触れたものです。

ただ、「通貨スワップ」や「為替スワップ」、「外貨準備」などについて議論し始めると、どうしても「通貨論」そのものにぶち当たります。

わかりやすくいえば、ヒトクチに「通貨」と言っても、実際には国際的に通用するハード・カレンシーもあれば、国際的にはほとんど通用しないソフト・カレンシーなどの通貨、さらには自国民からも信頼を失い崩壊した通貨もある、という話ですね。

たとえば、管理通貨制度の元では、放漫財政などにより、資産の裏付けもないのに中央政府がどんどんと「大盤振る舞い」をし、中央銀行がその放漫財政を支えるために、どんどんと紙幣を刷ってしまう、という事態が生じれば、財政破綻どころか通貨制度そのものが崩壊してしまいます。

また、安易に外貨で国債を発行した場合には、国であっても債務不履行(デフォルト)を発生させてしまうことがあります。「カリオストロ公国」や北朝鮮などの例外を除けば、中央銀行といえども外貨を「刷る」ことはできないからです。

国債デフォルトの3要件

つまり、次の3つの条件が揃ってしまうと、国債がデフォルトし、場合によっては国家財政が破綻し、最悪の場合、その国の経済自体が崩壊してしまうのです。

国債デフォルトの3要件
  • ①国内投資家が国債を買ってくれないこと
  • ②海外投資家が国債を買ってくれないこと
  • ③中央銀行が国債を買ってくれないこと

たとえば、有名なところではアフリカの国・ジンバブエがハイパー・インフレ抑制の失敗により通貨制度が崩壊し、自国通貨・ジンバブエドルの発行が2009年に停止してしまったというケースもあります(『レファレンス協同データベース』参照)。

また、ユーロ圏でもギリシャ国債が実質デフォルトしたという事例がありますが、これなどはギリシャの中央銀行にユーロという通貨を発行する権限がなかったため、最後の③のバックストップが機能しなかったことが直接のデフォルト原因です。

これに対し、日本の場合は、たしかに巷間では「国の借金(?)」とやらがGDPの2倍に達していて巨額だ、といった主張がなされるのですが、そもそも論として①の時点で国債デフォルトの要件を絶っっっっっっっっっっっっっ対に満たしません。

また、日本円自体がハード・カレンシーであり、かつ「安全資産」でもあるため、もしも日本国債にプラスの利回りが生じるようなことでもあれば、日本国債は外国人投資家から見れば非常に魅力的な投資対象に化けますので、②の要件を満たすこともなさそうです。

さらには、日本国債はその全額が日本円建てで発行されているため、③の要件を満たすこともありません。

つまり、日本の場合はそもそも論として財政再建が不要であり、それどころか、せっかく「日本円」というハード・カレンシーを保有している国であるにも関わらず、赤字国債をガンガン発行しないのはもったいないとしか言い様がありません。

なお、この点についてはこれまでも『国債372兆円増発と消費税法廃止、そして財務省解体』などを含めて何度も何度も主張して来たことなので、本稿では敢えて繰り返さないことにしたいと思います。

アルゼンチンが9回目のデフォルト~今世紀3回目~

さて、どうしてこんな話を唐突に申し上げたのかといえば、すでに報じられているとおり、アルゼンチンが総額650億ドル相当の外貨建国債を巡り、9回目のデフォルトを発生させたからです。

ここでは米WSJの記事リンクを紹介しておきましょう。

Argentina Defaults on Sovereign Debt Amid Coronavirus Crisis(米国夏時間2020/05/22(金) 17:00付=日本時間2020/05/23(土) 06:00付 WSJより)

(※ただし、リンク先記事は英文であり、また、契約していないと読めない可能性がありますので、ご了承ください。)

WSJによると、アルゼンチン政府は金曜日、同国が発行した外貨建国債を巡り、5億ドル相当の利払ができなかったため、正式にデフォルト状態に入ったのだそうです。また、歴史上、同国が国債のデフォルトを発生させたのは9回目なのだとか。

また、今世紀に限定しても、今回のデフォルトは2001年の外債デフォルト、2014年に発生したテクニカルデフォルトに続いて3回目です。

いちおう、WSJは「現時点においても債権者側とアルゼンチン政府側の協議は続けられている」などとしているものの、アルゼンチン外貨建国債の保有者であるヘッジファンド勢や著名ファンド勢のあいだには強硬な訴訟を辞さない動きも出ているのだそうです。

また、英FTによると、現時点において債権者側から直ちに保全措置などの申し立てがなされる動きはないとしつつも、アルゼンチン政府が既存の債務についてのリストラクチャリング(債務再編)を提案する動きもみられている、としています。

Government set to miss another payment deadline as it tries to restructure $65bn of foreign debt(2020/05/23付 FTオンラインより)

嵐の前の静けさ

混乱は限定的だが…

この点、WSJやFTの記事によれば、少なくともアルゼンチンの外貨建国債のデフォルトについてはある程度織り込み済みであったということもあり、少なくとも現時点で大規模な混乱が生じているという事実はなさそうです。

ことに、昨今のコロナ騒動の余波を受け、格付業者などもラテンアメリカ諸国で「ソブリン・デフォルト」が数件発生すると予測していたらしく、実際、最近だと4月に、産油国・エクアドルで国債の利払いが8月にまで繰り延べられるという騒動も発生しています。

また、南米で国債のデフォルトが頻発していることは事実ですが、全世界に目を転じてみても、外貨建国債のデフォルトというものは、意外と頻繁に発生しているものであり、3月には中東・レバノンの国債のデフォルトも発生しています(『レバノンのデフォルトと「国債デフォルトの3条件」』等参照)。

※どうでも良いのですが、日本から逃亡し、レバノンに逃げ込んだカルロス・ゴーンの身柄は、はたして無事なのでしょうか。あるいは、日本がレバノンに対し通貨スワップ締結をチラつかせ、ゴーンの引渡しを要求するのでしょうか。このあたり、冷ややかに眺めたいところです。

通貨スワップはこういうときに使う?

さて、この「アルゼンチンデフォルト」という報道に接して思い出したのは、今年3月下旬、WSJに掲載された次の記事です。

Coronavirus Heightens Risk of Emerging-Market Defaults(米国夏時間2020/03/29(日) 09:34付=日本時間2020/03/29(日) 22:34付 WSJより)

記事タイトルでもわかりますが、例の武漢コロナの蔓延の影響で、今年は「エマージング・マーケッツ(EM)」、つまり新興市場諸国を中心に、デフォルトのリスクが強まるだろう、という指摘です。

リンク先記事では、3月下旬の時点で、原油価格の低迷とコロナショックという2つの要素を受けて、世界18ヵ国のドル建て債券価格が「ジャンクボンド」級にまで下落していたと指摘。新興市場諸国からの資金流出により、これらの国々の債券のデフォルト懸念が強まるであろう、と予想しています。

もちろん、実際にはこの記事以降、EMからの極端な資金流出はひと段落していますし、また、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が世界14ヵ国・地域と結んだ為替スワップの引出額についても、日欧英などの先進国の引出額を除けば、懸念されていたほど巨額ではありません(図表1)。

図表1 2020年5月14日(木)時点の米ドル建て為替スワップ実行額
相手先 金額 平均金利/日数
日本銀行 2202.32億ドル 0.34%/80.99日
欧州中央銀行 1432.15億ドル 0.36%/81.73日
イングランド銀行 258.80億ドル 0.34%/68.36日
韓国銀行 187.87億ドル 0.62%/83.89日
スイス国民銀行 100.60億ドル 0.33%/82.01日
シンガポール通貨庁 84.24億ドル 0.53%/79.71日
メキシコ銀行 65.90億ドル 0.77%/84.00日
ノルウェー銀行 54.00億ドル 0.34%/84.00日
デンマーク国民銀行 42.90億ドル 0.34%/82.36日
豪州準備銀行 11.70億ドル 0.32%/84.00日
カナダ銀行 なし
NZ準備銀行 なし
スウェーデンリクスバンク なし
ブラジル銀行 なし
合計/平均 4440.48億ドル 0.37%/80.72日

(【出所】ニューヨーク連銀の “Central Bank Liquidity Swap Operations” のページにあるエクセルファイル “U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results” を参考に著者作成)

ただ、日本ではコロナ蔓延にも収束の兆しが見えているものの、世界的にはその収束のめどが立たない国もあることは事実であり、今回のアルゼンチンデフォルトのような事態が続けば、やがて再び「新興市場諸国への不安」が強く意識されることもあるでしょう。

改めて強調する、G20スワップが「あり得ない」理由

さて、昨日の『市場は韓国を「中国と一蓮托生」とみなし始めたのか?』では、「米中対立の余波を受け、日本円を除くアジア諸国通貨が軒並み米ドルに対して売られた」とするロイターの配信記事などを手掛かりに、韓国ウォンの急落について確認しました。

EM ASIA FX-Most Asian currencies slip as U.S.-China relations worsen
  • U.S. senators seek to sanction Chinese officials over Hong Kong
  • Most Asian FX under pressure, S. Korean won hurt most
  • Yuan steady, detailed stimulus awaited

―――2020/05/22 15:50付 ロイターより

同記事では「米中対立の余波で、韓国(※)の通貨が最も大きく売られた」などとしているのですが、冷静に考えてみたら、G20の一角を占めているアルゼンチンがデフォルトしたことによる影響というものも意識されたのかもしれません。

(※原文では “South Korea” ですが、本稿ではあえて「韓国」と訳しています。)

くどいようですが、G20とヒトクチに称しても、参加している国は雑多です。

  • ①基軸通貨国…米国
  • ②ハード・カレンシー国…ユーロ圏、日本、英国、カナダ、オーストラリア
  • ③BRICS諸国…ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ
  • ④上記以外…サウジアラビア、メキシコ、アルゼンチン、韓国、インドネシア、トルコ

なかでも一番中途半端なのが、①~④のうち、④のカテゴリーの国でしょう。

そういえば、アルゼンチンは今回だけでなく、過去に何度も外貨建て国債のデフォルトを発生させていますし、韓国、インドネシアは過去にIMFのお世話になったこともあります。さらに、『「飛ばし報道」だけでトルコリラの暴落を防いだ日本円』で取り上げたトルコも、この④のカテゴリーの国です。

つまり、G20と称しても、世界を「支援する側」(米国、ユーロ圏、日本、英国など)と「支援される側」(とくにメキシコ、アルゼンチン、韓国、インドネシア、トルコなど)を同じグループに属するものとして取り扱うには、やはりかなりの無理があると思わざるを得ないのです。

もちろん、メキシコ、アルゼンチン、韓国、インドネシア、トルコなどは、「G20多国間スワップ」のような仕組みを欲しがるのだと思いますが、逆にこのスワップで最も割を食うのは日本でしょう。

TPPスワップ

さて、「G20スワップなどあり得ない」などと記載した際に、「雑把」様というコメント主の方から、こんな趣旨のご指摘を頂きました。

TPP参加国に、日本が通貨スワップと為替スワップを提供するという構想を提案してはどうか。限度額を定め、為替スワップについては低金利で。また、交換するのは米ドルではなくあくまで日本円で。

なるほど。

ドサクサに紛れて「円経済圏」を確立してしまう、という発想でしょうか。なかなか興味深い構想だと思います。当ウェブサイトでも過去に『東アジア共通通貨に対抗し得る円の国際化と通貨スワップ拡大』で少し触れた論点とも重なりますね。

じつは、日本政府も財務省あたりは円の国際化を狙っているといわれますが(『世界最強通貨・円の国際化』等参照)、その取り組みはいかにも中途半端です。

たとえば、日本はアジア太平洋の7ヵ国との間で、二国間スワップを9本締結しています(図表2。なお、シンガポールとタイは通貨スワップ、為替スワップの双方を締結している)。

図表2 日本がアジア太平洋諸国と締結する二国間スワップ
契約相手 交換上限 相手国から見た引出条件
豪州準備銀行(RBA) 1.6兆円/200億豪ドル 日本円と豪ドルの為替スワップ
中国人民銀行(PBOC) 3.4兆円/2000億元 日本円と人民元の為替スワップ
シンガポール通貨庁(MAS) 1.1兆円/150億シンガポールドル 日本円とシンガポールドルの為替スワップ
30億ドル 日本円または米ドルとシンガポールドルの通貨スワップ
タイ中央銀行(BOT) 8000億円/2400億バーツ 日本円とタイバーツの為替スワップ
30億ドル 日本円または米ドルとタイバーツの通貨スワップ
インドネシア銀行(BI) 227.6億ドル 日本円または米ドルとインドネシアルピアの通貨スワップ
フィリピン中央銀行(BSP) 120億ドル 日本円または米ドルとフィリピンペソの通貨スワップ
インド準備銀行(RBI) 750億ドル 米ドルとインドルピーの通貨スワップ

(【出所】日銀『海外中銀との協力』のプレスリリース、財務省『アジア諸国との二国間通貨スワップ取極』等より著者作成)

たしかに、三々五々、さまざまな国と散発的に通貨スワップだの、為替スワップだのを締結するというのも、効率が悪い気がします。

それだったらTPP参加国に対して特典的に為替スワップを提供し、日本円を事実上のスタンダードにしてしまうことで、一種の「ブロック経済」を作ってしまうというのも手でしょう。

冷静に考えてみたら、ユーロ圏というものも、見方によっては「ドイツマルク経済圏」のようなものですし、韓国はいまや「中国人民元経済圏」に飲み込まれつつあります。このように考えるならば、

  • ドイツマルク経済圏→現在のユーロ圏?
  • 人民元経済圏→中国+南北朝鮮+ASEANの一部
  • 円経済圏→日本+TPP諸国+ASEANの一部+台湾

といった具合に、「通貨」を手掛かりに「ポストコロナ」の世界の勢力を考えてみるというのも面白いかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (36)

  • 更新ありがとうございます。

    なるほど「雑把」様のご意見、得たりと思います。こんなご意見があったとは、飛ばしてました。『TPP参加国に、日本が通貨スワップと為替スワップを提供する。交換するのは日本円で。』

    円経済圏→日本+TPP諸国+ASEANの一部+台湾。私はもう少し欧州で増やして欲しい国がありますが(笑)。
    コロナ禍の後の地球規模での世界勢力を考えて見ると、「通貨」を手掛かりに円経済圏を構築するというのは面白い着想です。

    G20にマルチ通貨スワップや為替スワップをしようという他国の企みは、日本等先進国からの融通だけでしょう。④のグループには関わりたくないです。土台、G20は存在意義が無いと思いますので、無くなっても態勢に影響ないです。

  • 新宿会計士様、更新ありがとうございます。

    通貨による経済のブロック化というのもありそうですね。
    貿易相手国が円での決済をした場合、何某かのインセンティブを与える政策を採れば良さそうですが、米国に対しどうフォローなるのかがキーになりそう。
    (米国債の引き受けが最短コースではないかと)

  • CPTPPからアメリカが離脱した時に、もうまとまらないと思った人が、多いのでは無いかと思います。
    アメリカが抜ければ、日本が経済規模が一番大きな国となりますので、私は、アメリカが居ない方が、おいしいと思いました。
    結果として日本は、CPTPPをまとめ上げましたが、その活用は日本らしく地味というか、下手くそというか、まだまだこれからと言った印象です。
    CPTPPは、単なる経済協定としてでは無く、安全保障、金融など、日本が主導して、日米印豪の中国包囲網と合わせて、中国共産党を圧迫すべき集まりにしなければなりません。台湾、英国も加わると一段と、中国共産党への圧迫が強まると思います。 
    その中で円の国際的な地位を高める為に、スワップを利用する事は、コロナ前から考えられていたと思います。
    日本は、CPTPPを利用するのみで無く、主導する立場です。RCEPは、インドが離脱している状況ですので、日本に参加するメリットは有りません。米中摩擦が強まれば、纏まるかどうかも分かりません。
    その間にCPTPPを大きくして、中国より先に主導権を握るべきだと思います。

  • 円経済圏なんてアメリカに嫌われることはどうかな。アメリカは日本の製品を買ってくれる良いお客さん。お客さんの機嫌を損ねることはやめて、適当におだてておけばよい。在日米軍の負担だって、米軍がいることでどれだけ日本の防衛費が節約できていることか。付き合って得する国と付き合って損する国がある。ロシアや北朝鮮は付き合うとろくなことがない。アメリカは付き合うとお得なことがいっぱい。中国は微妙なところだね。今までは得だったが、今後はそうでもなさそう。損になるようだったら距離をとればいい。中国とズブズブの政治家なんかも表からゆっくり消え去ってもらうことになるのかな。

  • 国の経済がどれだけ安定しているかの指標の一つとして、国際の利回り変動の触れ幅を見るというものがあるようです。 産経新聞の以下の記事で武漢コロナの蔓延以後の主要国の10年国際の利回り変動のグラフが出ています。

    【日曜経済講座】コロナショックが暴く「財政破綻」の嘘 赤字膨張でも金利はマイナス 編集委員田村秀男
    https://www.sankei.com/premium/news/200524/prm2005240007-n1.html

    これを見ると一番利回り変動が少ないのが日本国債なのですよ。国債がデフォルトしやすいのなら経済に大きな影響を与えるパンでミックのような緊急事態に利回りが急変してもおかしくないと思うのですけどね。日本は円建ての国債がほとんどだということを勘案してもアメリカ、イギリス、ユーロと比べても変動幅が少なすぎるほどだと思います。
    新宿会計士様がご主張なさっておられるとおり「日本国債のデフォルトは絶っっっっ対にあり得ない」というのは正しいとあらためて思いました。

  • こんにちは。
    「カリオストロ公国」で噴きました^^;
    自分は経済音痴かつ滅多に海外に出ない人間ですが、20年ほど前にロシアと東欧を旅行したとき、ドイツから相当な距離がある国でも、外貨と言ったらドルではなくドイツマルクでした。また、ことあるごとにドイツに対する憧れと恐怖のような感情(ナチスではなく)が入り混じった言葉が出てくるので、かつてのオーストリア帝国時代と言わず、ドイツ経済の影響は東欧やロシアの深くに根を下ろしていることを実感した次第です。大戦後に東欧諸国が一斉にソ連の影響下に入ったのも、軍事的な力はもちろんですが、こういう「ドイツに対する憧れと恐怖」が恐怖側に振れたことによるのかも…って気がしました。
    今後はそれがどちらに触れるのか自分にはわかりませんが、国境や政治面だけでは見えてこないものがあるというのは気をつけておかないといけないかも、と思いました。
    本論とは外れる話ですみませんでした。

  • アルゼンチンの場合デフォルトに慣れていて,バラマキ放漫財政ツケを国債購入者に押しつけるというか,アメリカなどの債権者に甘えているような気がします。高利回りドル債がハイリスクなのは当然ですから,この後は債権者とアルゼンチン政府の交渉(攻防)です。もちろん,コロナがデフォルト確率を高くしたことは事実ですが,そこは株などの暴落と同様,投資リスクと考えないといけません。

    • 愛読者 様
      これまでアルゼンチンが何度もデフォルト起こしているのですから、債権者のある程度は博打と考えていそうな気がします。
      (残っているのはハイエナみたいな奴かも)

  • 円経済圏については置いておくとして(メリットより、デメリットが大きいと思えます。)、アルゼンチン9回目のディフォルトなんですのね。どなたかが、もうイベント化しているとかおっしゃていましたが、そうだとすると、そのメンタルの強さが羨ましくもあります。

    ただ、このメンタルもこれから続けられるかは分りませんわよね。世界経済が旅行産業から崩れております。

    米レンタカー大手ハーツが経営破綻 負債2兆円 コロナで需要が劇的減少
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200523-00000038-mai-bus_all

    世界経済は繋がっております。まして、影響力が大きいアメリカからとなると不安になります。だって、世界史によると経済不況は大戦に繋がります。どなたかの手腕でこれを限定的なもの(中韓とか、中韓とか、中韓とか)にしていただけないかと祈っております。

    • 心配性のおばさん 様

      食糧自給率が100%オーバーの国の場合、外貨はなくとも何とか食えますので。
      それと、戦場は半島で…というのはなかなか難しいかと考えております。
      (現在の北が、必ずしも親中という訳ではないため)

      • ボーンズ様 

        >戦場は半島で…というのは

        とは考えてはおりませんのよ。難民とか日本に火の粉がかかるじゃありませんか(怒)。
        経済不況が○○限定で済んでくれれば、世界は何事もなく復興するのじゃありません?

        経済難民のほうは、入国制限を半永久で続けていただくことで何とかなるのではないかしら。

      • 船出してこなければ良いのですが…日本海側に機雷敷設と収容所の整備が必要になりますね。

      • アルゼンチン・ペソもいつの間にか固定相場制から変動相場制へと移行していますね
        (私が不勉強なだけかもしれませんが)
        国債金利が異常値を示すと支払不可になりますからデフォルトは当然の結末ですが
        食糧自給率が300%もあるから誰からも信用されず外貨が入って来なくても困らないということなのでしょうか?

    • 心配性のおばさん様

      ハーツが破産ですかぁ…。空港で結構お世話になったので少々ショックです。AT車を借りようとするとデカい車ばかりで運転に苦労したことを思い出します。

      ハーツへの主要融資銀行のひとつがドイツ銀行と聞いて、ちょっと嫌な感じです。ラクダの背中にさらに藁一本?

  • この記事を読んでおりますと、BSプライムニュースの真田教授の発言が凄く気になりますね。日本の信認は少しずつ下がっている。という。

  •  このサイトのシステムだと、クッキーが名前欄を保存してくれませんね。毎回入力するのが面倒・・・。

     さて、あるアメリカ人だったか経済の専門家の言葉が思い浮かびます。「この世界の国々の経済形態は、主に4つに分けられる。先進国と後進国。それとアルゼンチンと日本だけだ。」
     という言葉が今になってより実感できます。農業国だから影響は限定的、という評価している人を見ましたが、本当でしょうか?デフォルトの多さに途中で数えるのをやめてしまいましたが、もう9回になってしまったのですね。

     今では信じられないことですが、あの「母を訪ねて三千里」は、イタリアからアルゼンチンに出稼ぎに行った母を探し求めに行く少年の物語です。その時代のアルゼンチンはGDP世界5位くらいの先進国でした。そして今は後進国になったとさ・・・上記の4つの国家区分は、アルゼンチンの凋落を指しているものです。

      青山何某先生が、「投資の順番はもう決まっていて。中国はひととおり終わった。次は南米、そしてその次はアフリカ」などと申していました。

     南米・・・・果たして明るい未来があるのでしょうか。投資してあげて強い国家になってくれればいいのですが。どうもそう見えません。

    • サムライアベンジャー 様

       ノーベル経済学賞を受賞したサイモン・クズネッツの言葉ですね。この人はアメリカ国籍を持つ白ロシア(ベラルーシ)人です。

      “There are four kinds of countries in the world: developed countries, undeveloped countries, Japan and Argentina“

       何度もデフォルトを繰り返してもアルゼンチンはさほど混乱してませんし、And The Money Kept Rolling In、お金は回り続けてますね。
       「国債が紙屑になる!」の掛け声は「だからうちの金融商品を買って下さい」の勧誘に使われてばかり。仮に日本国債がデフォルトを起こしたとしても、実は日常生活でさほど困る事はないかもしれませんね。

       Don’t cry for me Argentina ! (これが言いたかっただけです)

    • サムライアベンジャー様

      >主に4つに分けられる

      そういう言葉があるんですね。興味深く拝読しました。
      で、某隣国(自称先進国、而してその実態は・・)はどれに入るんでしょうかね?
      日本型だなんて言われることは、絶っっっっっっっ対に嫌だ、とはおもいますが(笑)。

      • 福岡市民さま>>
         正しい引用文、掲載ありがとうございます。そこまで手が回るなんて・・・すごいです。

         デフォルト慣れ・・・アルゼンチンに滞在経験がないので想像できませんが、ある意味日本も参考にしてもいいかもしれませんね。そのような状態でも一応国として成り立つのですから、紙幣の印刷代に迫るくらい価値が下がるほどお金を刷って金融緩和しても日本は大丈夫そうですね(暴論かな?)。

         ベラルーシ出身の方・・・遊牧民の動きを中心にして世界史を見ている私には、「ベラ・ルーシ」は悲しい国名に感じてしまいます。

         モンゴル帝国に支配されていない、つまりはモンゴルにレイプされていない「純潔のルーシ」ですからね。
         地図上ではあんなに距離畫は晴れているのに、なぜかモンゴル方面と東ヨーロッパ方面って何かつながりがあるのですよね。
         現在のベラルーシとは領域が重なりませんが、「ルーシ・カガン国」、つまりハーン国があったりします。おそロシア、ロシアじゃなくて遊牧民族の移動速度。

        門外漢さま>>
         GDPの大きさなどを考えなければ、韓国の産業構造は日本の後追いを目指してきただけあって、ある点では日本とすごくよく似ています。我々個人が買う最終「消費財」ではなく、韓国も部品(=資本財)を作る割合が高い国だったりします。
         サムスンやヒュンダイなどの消費財の売り上げのニュースにばかり目が行ってしまいますが、韓国も資本財に力を入れている国です。そこだけは日本の産業構造とすごく近いのです。

         ちょっと前のデータですが、サムスン「電子」は、スマホの売り上げが70%近いです。携帯電話なんて、博打に近い=消費者の気分でころころ変わるものを売っている企業が中心になっていますから、その意味で韓国は綱渡り状態の国と言えるかもしれません。

         別に、中小企業の数が少なく産業層が薄い韓国は、産業構造の厚さ・多様さでは戦前の日本にも追いついていません。産油国とは違う意味ですが、韓国はモノカルチャー(頼りない産業構造)の国と言えるのではないでしょうか。

         たぶん会計士様も困っていると思いますが、韓国紙に中小企業のニュースはほとんどありません。あってもハンギョレ(親北派)新聞か、地方紙や専門誌でしょう。小さなお店や企業の話があっても、たいてい暗~い話が多いです。小さくてもがんばっているお店が、財閥系のチェーン店にいじめられている話とか。

         日本のTVで、地方のおいしいお店特集とか楽しいTV番組が作れるのとは大きく違いますよね。

         ということは永遠に日本に追いつくことができそうにないですから、ご安心あれ。

        • サムライアベンジャー 様

           あの……白ロシア(ベラルーシ)の白は「西」という意味と聞いてるのですけど。
           これはモンゴル人経由で伝わった陰陽五行説の影響だそうで、東欧に広がるルーシの地のうち、南(ウクライナ)を赤ルーシ、西(ベラルーシ)を白ルーシ、北(ロシア西部)を黒ルーシと呼んでいた時期があり、白ルーシだけが現在に残ってるという説があります。

           確かにベラルーシはキプチャク・ハン国の支配は免れてるようですけど、純潔やレイプと関係があるのかどうかは疑問です。

        • サムライアベンジャー様
          とある福岡市民様

          蛇足ですが、青(方角:東)のオルド(チンギスハーンの長男、ジュチの政権・領地名)、黄金(方角:中央)のオルドというのもあったそうです。で、黄金のオルドの支配下には、先年ロシアが無理やり併合したクリミア半島(クリミア・ハン国)が含まれていました。そして、このクリミア・ハン国は18世紀まで続いていたとか。14世紀に瓦解したモンゴル帝国につながる国が、モンゴル高原から遠く離れた黒海沿岸で、その後4世紀も生き延びていたことに驚きます。

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