新型武漢コロナウィルスの蔓延により、米FRBを含めた世界中の中央銀行が危機対策を進めているのですが、当ウェブサイトがとくに注目しているのは、2008年のリーマンショック時と似たような対策である、FRBによる世界各国との為替スワップ協定です。これについて、現時点で見る限りは、為替スワップ協定が世界の為替市場を安定させているという明確な効果は確認できません。もっとも、コロナ危機に伴う金融市場の混乱が本格化するのは、むしろこれからなのかもしれません。
目次
世界の通貨の分類
米ドル回帰の流れは一巡?
例のコロナショックの影響で、市場のさまざまな指標(株価、金利、通貨など)は連日のように乱高下する展開が続いており、とりわけ新興市場諸国通貨の対米ドル相場が大きく下落している、という話題については、先週の『インドネシアとの通貨スワップ発動の可能性に注目か?』でも取り上げました。
米ドルに対して顕著に下落していない通貨といえば、「安全資産」の筆頭格である日本円とスイスフラン、米ドルに対するペッグ制度を導入しているサウジアラビアリアルや香港ドルくらいなものであり、それ以外の多くの通貨は米ドルに対して大きく売られていた、というのが先週水曜日の状況でした。
つまり、コロナショックによる世界的な「リスク回避」の動きのため、株式市場や債券市場では相場が乱高下する一方で、外為市場では資金がほぼ一方的に米ドルに流れる、という構図がくっきりと浮かんだ格好だともいえるでしょう。
ただ、先週金曜日はこの「米ドルの一方的な上昇」が、やや反転しました(具体的な数値については後述します)。
その原因についてはよくわからないのですが(※)、経済セオリー的には『米国は史上最大級の財政出動、日本は消費税法凍結を!』でも言及したとおり、巨額の財政出動による米国における資金需要の逼迫という連想から、ややドル安に流れたのではないか、というのが自然な仮説でしょう。
(※もっとも、「為替相場の動きの理由はよくわからない」というのは、為替限らず、市場では常に言えることです。経済新聞などが「XXを原因としてドル高となった」などと報じているのは、あくまでも市場のアナリスト等による分析あるいは仮説に過ぎません。)
世界の通貨をざっくり分類すると…?
さて、ここ1ヵ月、金融市場の混乱を抑えるために、米国の事実上の中央銀行に相当する連邦準備制度理事会(FRB)がさまざまな対策を講じて来たのですが、個人的にそのなかでもとくに注目しているのが、FRBが3月19日付で、9ヵ国の中央銀行・通貨当局と締結した為替スワップです。
これについては『速報:米FRBが9つの中央銀行と為替スワップを締結』でも速報したとおり、この9ヵ国は、2008年の「リーマンショック」(※)直後にFRBが為替スワップを締結した相手国・地域(14ヵ国・地域の中銀等)と、ほぼ重なっています。
(※米投資銀行大手のリーマン・ブラザーズが経営破綻したことに端を発する金融危機をさす俗語として、わが国で広く用いられている用語。なお、英米圏では “Lehman shock” ではなく “financial crisis” と呼ばれることが一般的です。)
ただし、より厳密にいえば、この14ヵ国・地域のうち、日本、英国、スイス、カナダの各国の中央銀行と欧州中央銀行(ECB)の5つの通貨当局との間では、期間・金額無制限の為替スワップがすでに存在しています。
したがって、今回のコロナショックをきっかけに9本の為替スワップをFRBが復活させたことを踏まえると、現時点においてFRBが保有している14本の為替スワップは、上限金額などの条件が異なるにせよ、事実上、2008年のリーマンショックの際の相手国・地域と同じであると考えて良いでしょう。
さて、FRBによれば、この為替スワップは、あくまでも流動性供給を目的としたものであり、通貨・為替市場の安定を目的としたものではありません。
しかし、これら14ヵ国・地域における金融機関の米ドルの短期資金繰りを改善する効果が期待されることから、結果的に為替相場にも安定をもたらすのではないか、という仮説が浮かびます。では、実際のところ、外為市場はどうなっているのでしょうか。
いくつかの通貨を選定してみた
そこで、G20諸国、アジア諸国、あるいは米FRBと緊急で為替スワップを締結した諸国の通貨を26種類選び、コロナ騒動が本格化する直前の1月20日の時点と、先週金曜日(3月27日)の時点を比較してみましょう。
選定したのは、次の5つのグループです。
- ①米FRBと期間・金額無制限の為替スワップを締結している相手通貨(5通貨)→日本円、英ポンド、ユーロ、スイスフラン、カナダドル
- ②米FRBと期間6ヵ月・金額上限600億ドルの為替スワップを締結した相手通貨(6通貨)→豪ドル、ブラジルレアル、韓国ウォン、メキシコペソ、シンガポールドル、スウェーデンクローナ
- ③米FRBと期間6ヵ月・金額上限300億ドルの為替スワップを締結した相手通貨(3通貨)→デンマーククローネ、ノルウェークローネ、ニュージーランドドル
- ④米FRBと為替スワップを締結していない通貨のうち、G20通貨(8通貨)→インドルピー、インドネシアルピア、ロシアルーブル、サウジアラビアリヤル、オフショア人民元、オンショア人民元、トルコリラ、アルゼンチンペソ
- ⑤米FRBと為替スワップを締結していない通貨のうち、アジアの主要通貨(4通貨)→香港ドル、台湾ドル、タイバーツ、マレーシアリンギット
いわば、①が「米ドルと並ぶ基軸通貨・準基軸通貨」、②、③が「米FRBが金融市場の安定のために為替スワップが必要と認めた相手国通貨」、④、⑤がそれ以外の通貨、ということです(※個人的には加ドルを「準基軸通貨」と呼ぶのには違和感もあるのですが…)。
この5つで見れば、直感的には①のグループが最も安全であり、⑤のグループが最も大きく下落しているのではないか、という気がしますが、実際にはどうだったのでしょうか。図表が少し長くなってしまって恐縮なのですが、26通貨の対米ドルの騰落状況を紹介しておきます(図表1)。
図表1 主要26通貨の対米ドルの騰落(1月20日→3月27日)
通貨 | 相場変動 | 対ドルでの騰落率 |
---|---|---|
④ロシアルーブル | 61.6→78.77 | ▲27.87% |
②メキシコペソ | 18.6637→23.391 | ▲25.33% |
②ブラジルレアル | 4.1904→5.1005 | ▲21.72% |
④インドネシアルピア | 13621→16140 | ▲18.49% |
③ノルウェークローネ | 8.9292→10.4877 | ▲17.45% |
②豪ドル(※) | 0.6872→0.6165 | ▲10.29% |
②スウェーデンクローナ | 9.5183→10.4877 | ▲10.18% |
④トルコリラ | 5.9147→6.455 | ▲9.13% |
③NZドル(※) | 0.6609→0.604 | ▲8.61% |
①加ドル | 1.3049→1.4023 | ▲7.46% |
⑤タイバーツ | 30.36→32.52 | ▲7.11% |
④アルゼンチンペソ | 59.9919→64.1724 | ▲6.97% |
⑤マレーシアリンギット | 4.0595→4.3276 | ▲6.60% |
④インドルピー | 71.04→75.47 | ▲6.24% |
②シンガポールドル | 1.3466→1.4278 | ▲6.03% |
②韓国ウォン | 1159.61→1212.74 | ▲4.58% |
①英ポンド(※) | 1.3009→1.2455 | ▲4.26% |
④オフショア人民元 | 6.8673→7.0964 | ▲3.34% |
④オンショア人民元 | 6.8669→7.0887 | ▲3.23% |
⑤台湾ドル | 29.969→30.182 | ▲0.71% |
④サウジアラビアリヤル | 3.7519→3.7557 | ▲0.10% |
⑤香港ドル | 7.7693→7.7514 | +0.23% |
③デンマーククローネ | 6.7346→6.7025 | +0.48% |
①ユーロ(※) | 1.1096→1.1168 | +0.65% |
①スイスフラン | 0.9684→0.9513 | +1.77% |
①日本円 | 110.18→107.92 | +2.05% |
(【出所】WSJのマーケット欄等を参考に著者作成。通貨名の前にある①~⑤は、先ほど示した分類のこと)
なお、図表1を読むうえで注意しなければならないのは、「※」印で示した通貨です。
これは「ニューヨークターム」と呼ばれ、「その通貨に対して米ドルがいくらか」を表示する方式であるため、数値が大きくなればなるほど「その通貨の価値が上昇している」、数値が小さくなればなるほど「その通貨の価値が下落している」、ということを意味します。
これに対し、「※」印が付されていない通貨は「コンチネンタルターム」と呼ばれる方法、つまり「米ドルに対してその通貨がいくらか」を表示する方式であるため、数値の大小の意味がニューヨークタームの通貨(英ポンド、豪ドル、NZドル、ユーロの4通貨)とは逆転していますので、注意してください。
為替スワップと市場変動
米国との為替スワップがなくても安定している通貨も
さて、結論から言えば、米国が為替スワップを締結したことで通貨安を防ぐ効果があったのかどうかは微妙です。
先ほどの図表1を眺めてみると、たしかに大きく下落している通貨には④や⑤のグループのものも多いのですが、その反面、米国との為替スワップを保持していないにも関わらず、意外と安定している通貨というものもあるからです。
- ④ロシアルーブル…▲27.87%
- ④インドネシアルピア…▲18.49%
- ④トルコリラ…▲9.13%
- ⑤タイバーツ…▲7.11%
- ④アルゼンチンペソ…▲6.97%
- ⑤マレーシアリンギット…▲6.60%
- ④インドルピー…▲6.24%
- ④オフショア人民元…▲3.34%
- ④オンショア人民元…▲3.23%
- ⑤台湾ドル…▲0.71%
- ④サウジアラビアリヤル…▲0.10%
- ⑤香港ドル…+0.23%
香港ドルやサウジアラビアリヤルの為替相場変動がほとんど生じていない理由は、米ドルとのペッグ制度を採用していて、それを維持しているからでしょう。よって、これらの通貨に関し、為替変動が大きくない理由については考察してもあまり意味はありません。
しかし、それ以外に関しては、ロシア、インドネシア、トルコのように約10%~20%売られている通貨もあれば、台湾ドルのように意外と安定している通貨もあります。
米国との為替スワップにも関わらず下落している通貨も
一方で、今回、あらたに為替スワップを締結した9ヵ国の通貨に関していえば、デンマーククローネのようにむしろ米ドルに対して上昇している通貨も含まれている一方で、メキシコペソやブラジルレアル、ノルウェークローネのように、インドネシアルピアなみに下落している通貨もあります。
- メキシコペソ…▲25.33%
- ブラジルレアル…▲21.72%
- ノルウェークローネ…▲17.45%
- 豪ドル…▲10.29%
- スウェーデンクローナ…▲10.18%
- NZドル…▲8.61%
- シンガポールドル…▲6.03%
- 韓国ウォン…▲4.58%
- デンマーククローネ…+0.48%
以上から、あくまでも為替相場の動きだけから判断する限り、現在のところは米FRBの為替スワップによる為替相場の安定効果が生じたと決めつけるには尚早と言わざるを得ないでしょう。
もっとも、米FRBとの無制限の為替スワップを保持している5ヵ国・地域の通貨に関しては、少なくとも米ドルに対して10%以上下落しているものはなく、また、ユーロ、スイスフラン、日本円に関してはむしろ対米ドルで価値が上昇しています。
- 加ドル…▲7.46%
- 英ポンド…▲4.26%
- ユーロ…+0.65%
- スイスフラン…+1.77%
- 日本円…+2.05%
ただし、この5つの通貨に関していえば、「米国との無制限の為替スワップがあるから為替相場が安定している」というよりも、民間金融機関が参加するレポ市場、為替スワップ市場や通貨・ベーシススワップ市場、あるいは中銀の金融政策などの個別要因によるものが大きいと思います(※著者私見)。
米国の為替スワップは過去にどういう効果をもたらしたのか
ただし、少なくとも過去事例に照らすと、現時点においてコロナショックの影響が完全に出切ったと見るのもまた時期尚早ではないでしょうか。これについて考えるうえで参考になるのが、過去の米国の為替スワップが為替市場にどんな影響を与えたかという過去事例です。
2008年のリーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発する金融危機の際には、為替市場では米ドルが大きく買われる反面、日本円などの一部の通貨を除き、主要国通貨が軒並み米ドルに対して大きく下落する、という現象が広く観測されました。
ここで、新興市場諸国通貨のひとつである韓国ウォンを例に取ってみましょう(図表2)。
図表2 韓国ウォンの対米ドル相場(2007年12月~2009年12月、引け値ベース)
(【出所】韓国銀行)
同国通貨はリーマンショックで大きく下落したというイメージを持っている人も多いと思いますが、リーマン社の経営破綻(2008年9月15日)の直後から急激に売られたわけではありません(たとえば2日後の9月17日時点の為替相場は1ドル=1116ウォンでした)。
しかし、韓国ウォンはむしろリーマン社の経営破綻後、そのインパクトを金融市場が織り込みに行くに従い、徐々に下落のペースを強めました。たとえば10月8日に1395ウォン、11月24日に1513ウォンを記録しています。
その後、12月に入って韓国は日本との円建て通貨スワップの金額を100億ドル相当額から200億ドル相当額に増額する措置を講じてもらい、さらに、米国からも300億ドルの為替スワップ協定を締結してもらいました。
その効果があったからでしょうか、2008年12月29日には1ドル=1263ウォンと、金融危機が始まる直前と比べれば依然としてウォン安水準ではあるにせよ、ドル・ウォン相場は小康状態に落ち着いたのですが、これは一時的な要因に過ぎませんでした。
というのも、為替市場ではその後、翌年から再びウォン不安が再燃し、翌年2月27日には1570ウォンにまで売られる展開となったからです(※なお、例として韓国ウォンを挙げたのに、とくに他意はありません。)
以上から、少なくともリーマンショックの事例だけで見る限り、「日本との通貨スワップが増額された」、あるいは「米国との為替スワップが締結された」ことによってウォン相場が完全に落ち着いたわけではなかった、ということは明らかでしょう。
金融市場の不安定さは続くのか
さて、すでに『感染者数で米中逆転?我々も「3つの条件」避けるべき』でも紹介しましたが、メディアは新型武漢コロナウィルスSARS-CoV-2の感染者数では米中の逆転が生じていると報じています。
そして、米WSJなど一部メディアの報道によれば、現地時間の先週金曜日時点において、米国における感染者数は10万人を超過し、米国が「世界最大の感染国」となっているようなのです。
U.S. Coronavirus Cases Exceed 100,000; Boris Johnson Tests Positive(米国夏時間2020/03/27(金) 18:19付=日本時間2020/03/28(土) 07:19付 WSJより)
(※なお、「米国の感染者数が10万人超過」という情報については、現時点においてまだWHOの公式ウェブサイトには反映されていません。)
そして、わが国では今週、金融機関を含めた機関投資家の「決算日」(3月31日)をまたぐため、決算日前後の金融市場のフローが不安定化する可能性には十分な注意が必要といえるかもしれません。
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韓国が、120億ドルの為替スワップの入札を始めるようです。
以下の様に担保が、必要らしいです。
貸し出し金額の110%に相当 となってますが、ウォンベースの様に思います。また政府保証債が含まれますので、厳しい様に見えますが、ザルの様にも思います。
この辺も、専門家である新宿会計士さんが、説明して頂ければと思います。
6.貸し出し担保
□外国為替銀行の外貨貸し出し金返還義務不履行危険に備えて貸し出し金額の110%に相当
する担保を徴求
o貸出期間中、1週間ごとに担保価値を評価して債券価値および為替レート変動(価格下落または、為替レート上昇)で担保価値がが融資額の105%未満に下落した場合には、110%との差額(融資額の110%相当額 - 担保価値評価額)を追加(add-on margin)に徴求
o担保の種類は韓国銀行の韓国ウォンRP売買対象証券のうち国債、政府保証債、通貨安定証券とし、これらの担保が不足だと判断される場合には「公開市場運営規定」第4条にともなうその他RP売買対象証券*または、韓国ウォン現金も担保物と認定することができる
* 韓国住宅金融公社発行MBS、銀行債など
自己レスです。
換金性が悪いとは、予想していましたが、為替スワップを利用するという事は、韓国が誇った外貨準備高では、もう足らないという事ですかね?
担保そのものが準備できなくなる心配は要らないかもしれません。
日本の場合ですとドルオペに際して、その担保となる適格債券を貸し出すオペが同時に行われています。
韓国の場合日本と違って適格債券になるようなものを中銀(韓国銀行)自身あまり持ってなくて、先ほど書いたようなオペが日本にようには出来ないかもしれません。
ただ、そんな時も適格債券の幅を広げて対応などで乗り切れるでしょう(後半に書いてあったお話)
重要なのはドル額面の110%を維持する担保を必ず積ませる。ってとこかと。これで韓国自身がドルを横から持っていくことが出来なくなりますね。
今回のFRBの金融スワップは,米国が関係する対外債権のデフォルトを減らすという目的であろうことは,衆人の一致する意見だと思います。しかし,「金融市場の不安定さ」の大きな要因は,対外債権より,金融派生商品のリスクや企業活動の停滞の中の存在しているように思われます。リーマンショックの教訓にもかかわらず,CLO債の幾つかのように高利回り高リスク金融商品は大量に流通しています。また,今後の倒産企業の急増で貸し倒れや不良債権も増加します。3月決算で表面化するのは氷山の一部かもしれませんが,近い将来,金融機関の破綻が多数発生する可能性は極めて高く,株価暴落が金融危機を誘発する,という過去のパターンは避けられないように思われます。
この状況では、各国の国内産業政策と体力勝負という情勢ではないかと考えております。
この点で韓国は、圧倒的なビハインドがあるように見えますけど気のせいでしょうか?
早速米韓為替スワップ(実質的にアメリカからの借金)で設定された1/5を行使するみたいですけど、返せるアテがあるのかは私には判りません。
(返せなかったら…何が起こるかな?)
人・物・金で言えば、リーマンショックは金の動きの異変により起こったものでした。
今回は違います。
まず、人の動きが止まりました。
また、物の生産・消費・流通も大きく低下しています。
小手先の金融措置で解決するものではなく、人・物の動きの停止・縮小に各国がどれだけ耐えられるかという基礎体力が問われています。
ふと、米韓スワップは当初から為替スワップだったんじゃないかとか想像します。
アメリカとのスワップは効果を強調して日本との「本命」である援助型通貨スワップを引き出すための呼び水に過ぎない。
通貨スワップ為替スワップという分け方そのもの、どうも日本財務省が我々の理解のために開発したもののようですしね。
・ このコロナ騒ぎで世界経済は縮小方向に向かう。
・ そうすると、これまで借り換えでしのいできた過去の借金の返済が不安になる。
・ その結果としてのドル需要の急増と、流動性不足の懸念が世界に拡がる。
・ 貸し倒れになっては敵わないから、アメリカはドルを供給しなければならないが、世界最大の借金国家であるアメリカには本来世界に貸してやるような金はない。
・ しかしそこは基軸通貨国の強み。輪転機を回すだけで、借用証書たるドル札ならいくらでも発行できる。
・ これを為替スワップという形で返済に窮しそうな国に貸し付ける。もちろん期限付き。
・ これでアメリカのファンドが所有する債権は、当面は為替スワップ分を充当させることで回収できる。
・ さらにFRBが振り出した為替スワップも、満期になればきっちり取り立てて、オペレーション終了。
・ 過去のQE分も含めて、世界に大量に流れ出たドル札も、こうやればうまく回収されるから、値打ちが毀損されることはない。
つまりこれは、過去にドルを借りて経済を回し、経済発展してきた他国の成果をこの機会に乗じて巻き上げる、いわばアメリカによる貸し剥がしではないかと思うんですが、この理解は間違っているでしょうか?
伊江太さま
私もそう思います。
というか今回気がつきました。
世界一の金貸し日本も、同じ事が出来ないかなと思いました。
国単位での経済格差は、利子が存在しますので、変わりにくい気がするんですよね。
だんな殿
踏み倒されそうになった時、ぶっ飛ばす腕力が必要かも。
成功できなかった新薬開発経験者さま
確かに日本は、取り立て苦手そうですよね。
借金国がこの状況を変えるには、戦争が一番簡単ですからね。
だんな様
わたしも成功できなかった新薬開発経験者さんと同じような危惧をもちます。
わたしを含めて皆さん、カノ国のデフォルトを期待されてる雰囲気ですが、
本当にそうなったとき、みずほなんて大丈夫なんですかね。
このサイトを読んでる方々は、とうにみずほの預金は退避済みでしょうが。