ウェブ評論の流儀は「議論のトレーサビリティの確保」
本稿では久しぶりに、「ウェブ評論の流儀」について、雑感を述べておきたいと思います。インターネットが出現する以前であれば、新聞、テレビを中心とする既存のマスメディアは、「記者クラブ制度」などの特権を使い、情報の収集と発信を独占していました。しかし、インターネット環境が普及したことを受け、議論にも「トレーサビリティ」、つまり「確認できること」が求められるようになっているのではないでしょうか。
議論のトレーサビリティ
ウェブ評論の流儀、というものがあります。
それは、「議論のトレーサビリティの確保」です。
いきなり「トレーサビリティ」(traceability)という難しい言葉が出て来て面食らうという方も多いと思いますが、そんなに難しい概念ではありません。当ウェブサイトでいうところの「トレーサビリティ」とは、「その人の議論の根拠となっている資料なり、議論なりについては、誰にでも確認ができる」、ということです。
これについて説明する前に、「トレーサビリティが存在しない世界」について、改めて説明しましょう。
以前の『安倍総理の強さは「1+1=2」と言い続けるところ』では、これまでの「記者クラブ制度」、つまり、「一握りのメディア関係者が情報を独占し続ける」という、一種の特権組織の限界や弊害について、議論しました。
これは、『スマートフラッシュ』なるウェブ評論サイトに掲載された、東京新聞の望月衣塑子(もちづき・いそこ)記者に対する次のインタビュー記事をもとにして、政府、東京新聞のどちらの言い分が妥当なのかについて考察する、という試みです。
東京新聞・望月衣塑子、安倍首相の「学習しない強さ」に呆然(2020.03.01 06:00付 Smart FLASHより)
菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官は基本的に毎日2回、首相官邸の記者クラブである「内閣記者会」が主催する記者会見に応じているのですが、ひと昔前であれば、この記者会見の様子を私たち一般国民がノーカットで視聴することは非常に困難でした。
しかし、現在では、首相官邸ウェブサイトの『内閣官房長官記者会見』というページにアクセスすれば、基本的に誰でもノーカット版の記者会見の様子を視聴することができます。
もちろん、この内閣官房長官記者会見には、「どの社のどの記者がどういう質問をしたのか」については自分自身で視聴しなければ確認できないほか、記者によっては声が小さく、質問が聞き取れないケースがあるなど、さまざまな問題があります。
このため、個人的希望を申し上げるなら、少々面倒であっても質問した記者の氏名とその所属をあわせて文字起こしして欲しいな、という気持ちがあるのですが、これが実現しないのは、官房長官記者会見が毎日1~2回行われ、首相官邸側の人的リソースも限られている、という問題もあるのだと思います。
しかしながら、かつての記者クラブが情報を独占していた時代と異なり、「その気になれば誰でも内閣官房長官記者会見をノーカットで視聴し、官房長官と記者らのやり取りをノーカットで確認することができるようになった」というのは、非常に良い変化だと思います。
したがって、私たちはその気になれば、たとえば菅官房長官と東京新聞の某記者のやり取りについて、インターネットで直接確認することができるわけですし、先ほど示したような記事を読み、政府、東京新聞のどちらの言い分が正しいのか、私たちが直接判断できるのです。
マスメディアは「トレーサビリティの拒絶」
以上の議論、とっても重要な論点なので、もう一度、繰り返しましょう。
【インターネット普及前】
インターネットが普及する以前の社会だと、マスメディア(とくに新聞やテレビ)が報じている内容が正しいのかどうか、多くの一般国民にとっては判断するすべはなかったし、仮にマスメディアの報道の誤りに気付いたとしても、それをほかの人々に伝える手段はほとんどなかった
【インターネット普及後】
インターネットが出現し、普及したことで、マスメディアの報道に誤りが含まれているかどうかについては、その気になれば誰でも検証できるようになったし、誤りを発見した場合には、ツイッターやブログなどの手段で簡単にそれを発信することができるようになった
この、「インターネット普及後」のくだりに含まれているうちの、「マスメディアの報道に誤りが含まれているかどうかを検証することができること」こそが、先ほど申し上げた「トレーサビリティ」です。
つまり、インターネットが普及する以前であれば、あるメディアの記事なり番組なりにおいて、①情報源でウソをついているか、②情報源自体は正しくても途中で議論を捻じ曲げているような場合であっても、私たちのような一般国民にはそれらについて検証する手段がありませんでした。
しかし、現代社会では、その気になれば、あるメディアの記事については、①他社がどう報じているか、②官庁の報道発表ではどうなっているか、③法律、経済統計などと比べてその記事の内容が正しいかどうか、といった点から、本腰を入れて検証することができるようになりました。
そのうえで、あるメディアの報道に誤りが含まれていると思った場合には、根拠を付けて、「この新聞のこの記事はこういう点で間違っている」、などと説明する文章を作成し、それをSNSなり、ブログなり、YouTubeなりに投稿する、ということができるようになったのです。
報道の2つの要素
だからこそ、現代社会では、「報道」のかなりの部分については、新聞、テレビなどの独占業務ではなくなりました。
ここで、報道には2つの要素があります。
- 「客観的事実」:どこの誰が報じてもだいたい同じような情報になるもの
- 「主観的意見」:報じる人によって意見が異なる(極端な話、真逆になる)ような情報
たとえば、昨日の夜、安倍晋三総理大臣は国際五輪委員会(IOC)のバッハ会長に対し、今年予定されている東京五輪をおおむね1年延期することを提案し、バッハ会長からはこれに100%同意するとの回答を得た、などと述べました(詳しくは首相官邸フェイスブックを参照)。
これについての「客観的事実」は、
- 「安倍総理は令和2年3月24日、IOCの会長に対し、東京オリンピック、パラリンピックの1年延期を提案した。」
- 「安倍首相は2020年3月24日、IOCのバッハ会長に対し、東京五輪の1年延期を提案した模様です。」
など、和暦を使うのか、西暦を使うのか、「首相」と呼ぶのか「総理」と呼ぶのか、といった細かい違いはありますが、「安倍総理」「東京五輪」「1年延期」「バッハ会長」などの要素はおおむね同じです。
しかし、これについてどう考えるかを巡っては、
「日本だけでなく全世界でコロナウイルスが蔓延するなか、日本としてはアスリート、観客双方に安全と安心を提供するためのものであり、妥当な判断である」
と述べるケースもあれば、
「今日まで東京五輪を予定どおり実施すると言っておきながら、急に1年延期するとは無責任極まりない判断である」
などと述べるケースもあるかもしれません。これらは、いずれも「主観的意見」です。
トレーサビリティの本質
つまり、トレーサビリティとは、記事に含まれる
- 客観的事実関係:「いつ、だれが、どこで、何を発表した」
- 主観的な意見:「これについてはこう考えるべきである」
という情報を巡って、読み手がそれらについていちいち確認できる、ということです。
たとえば、
「IOCのバッハ会長は3月20日、日本の安倍首相と会談し、東京五輪を2年後倒しすることを要求し、安倍首相はこれを受け入れた。これは安倍首相の無責任さの象徴だといえるだろう。」
という文章があったとします。
しかし、首相官邸のフェイスブックを読みに行くと、この文章にはそもそもの基本的な事実において、首相官邸の発表といくつか異なっている点が含まれていることがすぐにわかります。たとえば:
- 「東京五輪の後倒しを提案した」人物と、「これを受け入れた」人物が、あべこべである。
- 安倍総理が提案したのは東京五輪の「2年後倒し」ではなく「1年後倒し」である。
といった具合です。
また、「安倍総理の無責任さの象徴」なのか、むしろ「安倍総理の実務能力と責任感の象徴」なのかについては、それこそ客観的な事実関係を踏まえ、その背景を含めて総合的に説明したうえで、「こうだ」という見方を読者に示して読者をいかに説得するかが、記者の力量そのものだと思うのです。
鈴置氏の論考で言及していただきました
さて、以前から当ウェブサイトで公言しているとおり、私自身は韓国観察者である鈴置高史氏の大ファンです。
その理由は簡単で、鈴置氏の議論には、基本的に「トレーサビリティ」があるからです。
もちろん、鈴置氏の議論のなかにも「トレーサビリティ」がないものはありますが(※というよりも、どんな論客であっても、大なり小なり、個人的な伝手を辿って得た情報というものはあるものです)、圧倒的多数の議論は「一次情報にまで遡ってその情報の妥当性を確認することができる」というものです。
こうした「議論の透明性」こそ、鈴置氏のファンが世の中にたくさんいるという理由でしょう。
ところで、『デイリー新潮』に昨日、待望の鈴置氏の最新論考が掲載されました。
新型肺炎発の韓国の通貨危機 米国の助けも不発で日本にスワップ要求…23年前のデジャブ(2020年3月24日付 デイリー新潮より)
じつは、鈴置論考を紹介するのが当ウェブサイトを運営するうえでの楽しみのひとつでもあります。そして、今回の鈴置論考についても、いつもながら、客観的事実を踏まえつつ、そこに鈴置氏の韓国観察者としての味付けがなされた、非常に秀逸な論考であり、説得力は抜群だと思います。
ただ、これを紹介しようと思って、ハタと気付きました。すでに多くの方々が気付いていらっしゃると思いますが、今回の鈴置論考では、当ウェブサイトの記事『韓銀、為替スワップを通貨スワップと意図的に誤記か?』を引用していただいているのです。
ということは、当ウェブサイトでこれを再び引用したとしたら、一種の「循環参照」のようになってしまうのではないかと思ってしまいました。
もちろん、鈴置氏らしく、当ウェブサイトの記事を丸ごと引用するのではなく、米FRBのウェブサイトの記載の整合性ともかなり慎重に検討しているため、当ウェブサイトの記事のくだりを含めて引用したとしても、現実には「循環参照」のようになることはないと思います。
しかし、第三者が読むと、やはり見た目「循環参照」に見えなくもないため、「議論のトレーサビリティ」を確保する観点からは、少なくとも当ウェブサイトについて引用していただいている部分については除外して言及する必要がありそうです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ただし、ひとつだけ自画自賛をさせていただくと、当ウェブサイトでは、できるだけ「一次情報」を引用しながら議論を展開するように工夫しているつもりです(必ずしもそれが徹底できていないこともありますが…)。そして、そのような議論のスタイルは、じつは一連の鈴置論考をマネしているのです。
その意味で、鈴置氏の論考については、その議論の中身だけでなく、議論のやりかた自体、非常に参考にさせていただいているというのは、ここだけの秘密なのです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
トレーサビリティ、仰る通りだと思います。主要メディアに既に信用がありませんからなおさら。彼らもファクトチェックとやらには目が向いているよう(ただしファクトの探求というよりは糊塗・でっちあげに血道を上げている気もしますが)ですので、個人的にはあと、
・支持政党や重視する政策など思想の明示
・ダブルスタンダード・ブーメランの自己検証
を重視してもらいたいです、メディアの種別問わずにですね。
同感です。
何事においてもトレーサビリティは大切な考え方だと思います。
以前、農産物のそれについて関わる機会があり、大変勉強になりました。
市民意識も高まってきていると思います。
牛なんかはトレーサビリティが大事です。
https://www.id.nlbc.go.jp/top.html?pc
上記のサイトから、肉の値札についてる個体識別番号を入れると、どこの誰に取り上げられて、どこの誰に育てられて、どこで死んだかわかります。
牛の肉と血統はかなり相関が強いのですが、トレーサビリティがない頃は、血統の詐称(交雑種なのに和牛とか)があったそうです。
見た目からもある程度は肉の質がわかるのですが、この牛でこの肉かよ、という案件があったそうです。
絶対アレ和牛じゃねーよ、というレベルです。
フェイクニュースも死ぬところまでトレースして、検証した方が、面白いかなと思います。(小並感)
製造業に従事している者ですが、トレサビリティは当たり前の考え方となっております。
現場の人に対してもトレサビリティの重要性を周知しております。
かなりの人がトレサビリティを意識しておりますので、昔のようにマスコミがいいように情報操作をすることが難しくなってきているのではと感じます。
平凡なサラリーマン 様
小生もかの国で製造業に従事しておりますが、トレーサビリティが全く分かっていません。ISO9001を取得しているにも関わらず、一次標準、二次標準の考え方が分かっていません。
例えば
韓国人:この赤外線温度計で測定したら130℃でした。
小 生:その温度計は何で校正したのですか?
韓国人:デジタル表示なので構成する必要はありません。
小 生:200℃まで測定可能な水銀温度計はありませんか?
韓国人:アナログなので不正確ですから使用しません。
と、意味不明な返答が返ってきました。
駄文にて失礼します。
どこぞのワイドショーの司会者が「PCR検査を増やせばいいってんもんじゃないんですね」と反省したとかがニュースになっていました。
反省したことがニュースになるのが、マスコミの現実を表していますw。
間違えることは恥じゃないけど、間違えたことを認めない精神性はどうしようもない。
コロナウィルスに今、ものすごい勢いでTry & Errorで対応していますが、Errorを責めるよりそれを認めないことの方が罪深いのです。
オメーのことだよ>中国
上昌広「(PCR検査数)95%断ってるんですよ。数字の根拠は確か蓮舫さんが出した数字です」
ソースは蓮舫氏。トレーサビリティは完璧(爆)
蓮舫(PCR検査数)95%断ってるんですよ。数字の根拠は確か上昌広さんが出した数字です」
↑こんな感じで国会で循環参照してくれたら答弁としてはより完璧ですね。
はじめまして 雑把 と、申します
いつも楽しく 新宿会計士様 のブログを読ませいただいております
個人的意見ではありますが
わたしにとって報道とは、”好奇心”だと思っております
さて、上昌広のコメント を読んで
わたしは、少々違う事を考えておりました
確かに、「ソースは 蓮舫 かよっ!」と、心の中でツッコみましたが
それと同時に、「PCR検査数を断られた 95% の人とは、何者だよ!」と
コトの真偽は、さておいて
わたしは、95%の人と、5%の人とは、何者なのか?を、報道から知りたいのです
もしかしたら、断られた95%の人は、”不安にかられた健康な人”だったかも、と
そして、当時を考えると検査を受けた5%は、”武漢帰りと接触のあった肺炎患者”、と
そう考えると、保険所は95%を「よく、断ってくれた」と、なり
正しい事(無差別に検査する方が感染者を多く炙り出して良い、と言う意見もアリですが)
になります
さすがに、”95%”は、マユツバですが
報道とは、そこまで掘り下げないと、読者も、そしてマスコミ自身も、自身の意見を持てないと
そこまで掘り下げるには、囚われない”取材”と”好奇心”が大事と、思っております
<<< マスコミよ 私の 好奇心を 満たしてクレ >>>
最後に
製造業SE様 には、少々批判的なコメントをしてしまった事をお詫びします m(__)m
確かに 「ソースは 蓮舫」は、笑っちゃいますよねでぇ
トレーサビリティというよりは検証可能性(Verifiability)だと思いますね。なんかWikpedia編集してたころ思い出しました。以前は韓国がわけのわからないウェブサイトをソースにして加筆するのに対抗する術がなかなかなくて。
トレーサビリティにはもう1つ、記事の出自を明らかにするという意味で、その記事を書いた人物の通名ではない本名、学歴、職歴、業績とともに過去3代以内で移民であったかを明らかにする必要があると思います。また新聞社や出版社に対する広告費、寄付金、株保有者の内訳も当然に。
その人物がどのような立場、思想、経歴でその意見を述べるに至ったのかをステルス状態にしたままでは読み手は大事な判断材料を得られないですし、「ペンは剣よりも強し」なのですから全容を明らかにさせなければならないと思います。ペンを武器として使用している側は必死で抵抗するでしょうが。
>トレーサビリティというよりは検証可能性(Verifiability)だと思いますね。なんかWikpedia編集してたころ思い出しました。以前は韓国がわけのわからないウェブサイトをソースにして加筆するのに対抗する術がなかなかなくて。
ブログ記事としては、検証可能性とまでいくと「エビデンスはあるのか!」的なところ一歩手前で、十分な検証ができなくとも推論の根拠や議論の前提としては、信用のできる一次情報をソースにすればいいだけだと思います。
ウィキペディアの致命的欠陥は、記述全てにソースを求めるとこ&ソースが「循環参照」「情報ロンダリング」しているようなゴミメディアでOKなところです。査読付き論文やプレスリリースなどに比べると、マスコミのニュースはSNSや2chと本質的には同じです。
一方で、マスコミのニュースのいいところは、Accessibilityにあると思います。多くの人がアクセスが容易であり、多くの人が目にしている可能性が高いというところにある。というわけで、新宿会計士さんが記事の冒頭でメディア報道を参照して、話題を開始するスタイルは非常にとっつきやすいです。さらにマスコミやその背後の何かが読者をどのように誘導(誤誘導)しようとしているかに言及して、ソレを一次情報でもって丁寧に検証していくのは大変よいと思います。
議論の展開に関係して、私は「フェルミ推定」的な手法をよく使います。全くわからない、もしくは情報が限られている状態で、大雑把な推論を丁寧におこなうための手法です。いままで遭遇したことのない事象や、現在進行系でデータが不十分な状況で役に立ちます。武漢肺炎/新型コロナ関係の記事のコメントでもよく使ってます。この手法のいいところは、数字がガバガバでも推論自体は数字を修正していけば、めったに推論自体は破綻せずに、情報がアップデートされれば事実にどんどん近づいていくところです。そして、もう一ついいところは、あきらかな間違えがあれば誰でも適切な数字に入れ替えて論破することが可能なことです。ようするに、検証可能でかつ修正可能ということです。
フェルミさんのこと知らないで普通に使っていて、余り受け入れられないこともあったのですが、手法に名前がついていて、それがビッグネームだったことから、「フェルミ推定」というワードだけで、簡単に受け入れられるようになりました。つまり、人間というものは理性的・知性的に振る舞っても、実際には権威に簡単に屈するということです。注意しましょう。
情報を発信する側のトレーサビリティという考え方は重要ですが、それはつまり我々情報を受けとる側の情報に対する分析力や判断力がますます求められる時代になるということでもあると考えられます。
そういう時代についてけるかなぁ…
私が本ブログを信頼する理由は、第一に会計学や金融学に関する深い考察と分かり易さにありますが、もう一つ、新宿会計士さまが、専門外の論点については憶測で記事にすることなく、その領域の専門家に意見を求めるという姿勢にあります。
私は医師・医学博士ですが、感染症は専門外です。これまで様々な記事を読みましたが、新型コロナウイルスの性質について最も深い考察をされたのは、伊江太さまだと思います。私は新型コロナウイルスの伝搬様式が接触感染が主であるという伊江太さまの考察に納得し、日本人の他者との接触を避ける生活習慣そのものが、新型コロナウイルスの指数関数的な感染拡大をこれからも抑制するであろうと考えております。
マスコミ・メディアの最大の問題点は、彼らが報道以外の全ての領域で素人であるにも関わらず、適切な専門家に意見を求めないで報道することであると考えます。インターネットが普及した現在では、見る価値のある報道番組など、殆どありません。
ブログの記事更新をまた楽しみにしております。
日本人はトレーサビリティとか客観的な証拠とか好きですよね。
客観的な証拠がないのであれば議論すべきではない、とまで考える人も多いです。
ですが、客観的な証拠をどれだけ必要とするかはケースバイケース、としておかないと議論の幅が狭まってしまいます。
客観的な証拠がないのであれば議論すべきではない、とする考え方は後手に回りがちです。
私はできる限りの根拠・証拠は提示しますが、客観的な証拠で全て説明できるような話は書かないようにしています。
客観的な証拠が存在するのであれば、必ず他の誰かが取り上げてくれるからです。
私はよく、慰安婦問題の火種は在日韓国人の嘘である、と主張するのですが、これには客観的で誰もがトレース可能な証拠は何も残っていません。
強制連行されて性奴隷にされる、というのは朝鮮で社会不安が高まる度に出回ったデマの一つだと、慰安婦が問題になる前の時期に在日朝鮮人のご老人達から聞かされました。
コロナ騒動の中で出回った「トイレットペーパーが無くなる」デマのようなものだと思います。
トイレットペーパーで尻が拭けなくなる程度の軽い話ではないので、デマかどうかは市民ネットワークによってある程度確認されていたようです。
もし本当なら、おっかなくて普通には生活できませんから・・・
ご老人特有の若者に対する昔話のように話してくれたのですが、その当時はどうでもいい話だと思って全然聞いていませんでした。
その後、強制連行されて性奴隷にされたと吹いて回っている馬鹿がいる、という笑い話になったのですが、後の展開は皆さんも知る通りです。
私の聞いた話と慰安婦問題が関連している確たる証拠はありませんが、慰安婦問題が散々検証された今となっては「他に何があるんだ」と考えています。あくまで私個人の主観ですが・・・
こんな無根拠な話は信じてはいけませんし、人に話してもいけません。
実際、誰も聞いちゃぁいません。
しかし、誰もが検証可能な根拠が残っていないからといって、このあたりの話を闇に葬ってもいいものとも思えません。
恐らく、朝鮮人・韓国人と縁のない日本人は聞いたこともない話だと思います。
そして、実体験をした人達、つまりこの話の一時ソースとなる人達は、ほとんど鬼籍に入っているはずです。
誰かが書かなければ途絶えてしまいます。
ですから、匿名の当てにならない話としてなら人に聞かせてもいいのではないか、と考えている次第です。
それに、公の場所に書けば、誰かが客観的でトレース可能な証拠を見つけてくれるかもしれません。
どんなかたちの証拠になるのか想像もできませんが・・・
もし、そんな証拠があるとすれば、在日韓国人がもっていると思います。
現在も帰化せずに残っている、あるいは帰化する意思もない在日韓国人は、かなり反日寄りに先鋭化しています。
特に若者達は顕著です。言っていることが矛盾だらけで意味不明で狂人と話しているかのようです。
反日思想が絡まない日常生活においては普通なので、本人達は気づいてもいないようですが…
現在の、反日寄りにかなり先鋭化した在日韓国人がそんなものを示してくれるとは思えませんが、誰もが納得できる確実な証拠、可能であれば政治家が扱えるような証拠を示してくれれば、在日韓国人と日本人のわだかまりも長期的には改善するかもしれません。
短期的にはトラブルが増えるでしょうが・・・
まぁ、変な証拠を出されたら、在日韓国人と日本人の対立は取り返しのつかない状況に陥る可能性もありますけどね。