北朝鮮の経済制裁は「物価」だけでは測定できない
『アジアプレス・ネットワーク』というメディアの日曜日の記事によると、北朝鮮で電力不足が深刻化しているそうです。北朝鮮の食糧不足、エネルギー不足は、冬場から春先にかけての風物詩のようなものでもありますが、それと同時に北朝鮮経済制裁との関連性についてもよく考察する必要があります。とくに、わが国では「北朝鮮向けの経済制裁は機能していないから制裁を緩和すべきだ」といった短絡的な議論が見られるからです。
物価水準安定は経済安定の証拠ではない!
数日前の『北朝鮮の瀬戸際外交は経済制裁がうまくいっている証拠』では、北朝鮮が
「ICBMを発射するぞ、発射するぞ、今度こそ本当に発射するぞ~!」
と叫び続けて絶対に発射しないことを「瀬戸際外交」と呼んだうえで、北朝鮮がこんな行為を続けることは経済制裁がある程度うまくいっている証拠だと報告しました。
ただ、この記事に対しては、
- 「結論から言うと、北朝鮮には制裁は効いていません。つまり商品流通が問題なく行われているかどうか、物価水準が高騰していないかどうかを観察すれば良い。北朝鮮自身が公表していなくても、アジアプレスが内部協力者を使って毎週調べています。これを見る限り、制裁がぜんぜん効いていないどころか、北朝鮮ウォンが強含みであることすら分かります。」
- 「というわけで、『制裁が効いていること』を前提に議論を組み立てるのは大きな陥穽に陥る危険性があると思います。むしろ、なぜ制裁が効かないのか。なぜ制裁が効かないのに北朝鮮はあのような態度を取るのかという観点から調べなおしたほうが、有益かと思います。」
という反論をいただきました。
このコメント主様から「北朝鮮には制裁が効いていない」という証拠として提示していただいたのが、アジアプレスの次のリンクです。
<北朝鮮>市場最新物価情報(アジアプレス・ネットワークより)
これによると、たしかに北朝鮮ではガソリン、軽油、コメ、トウモロコシ、外貨(人民元、米ドル)の価格が安定していることが確認できますが、このコメント主様からは「北朝鮮に対する制裁が効いていないという観点から調べ直せ」というアドバイスを頂いた格好です。
これを受けて、当ウェブサイトでは改めて、このコメント主様が「『物価水準』だけで『経済制裁は効いていない』と断定した点」が大きく誤っていることを、『「物価安定」は北朝鮮制裁「無効論」の証拠にならない』という記事で報告した次第です。
当たり前の話ですが、「北朝鮮で物価水準が安定している」という命題が正しかったとしても、それは「モノ不足が生じていない証拠」(つまり「経済制裁が効いていない証拠」)ではありません。なぜなら、このコメント主様が指摘した「物価水準」とは、北朝鮮ウォン(KPW)で測定したものだからです。
仮にモノ不足が生じていたとしても、北朝鮮ウォンの供給がそれ以上に絞られていたとしたら物価水準が安定するのは当たり前の話です。
仮にこのコメント主様が「経済制裁が効いていない」という根拠として北朝鮮国内の物価水準を持ち出すのであれば、「北朝鮮ウォン建ての取引量」が2017年12月の国連制裁決議の前後で顕著に落ち込んでいないことを示す責任がありますが、このコメント主様からはそのようなデータの提示はありませんでした。
電力不足が深刻化?
ただ、この『「物価安定」は北朝鮮制裁「無効論」の証拠にならない』を執筆したところ、さまざまな方から興味深い報道のリンクや鋭い仮説をいくつか教えていただきました。
そのひとつが、次の記事です。
<北朝鮮内部>また大停電 北部では「電気ゼロ」地域も 金正恩氏も「国の電力網破綻する」と不法使用統制と節電指示(2019.12.29付 アジアプレス・ネットワークより)
これは、先ほどのコメント主様が提示してくださった『アジアプレス・ネットワーク』に12月29日付で掲載された記事で、これによると、北朝鮮で電力供給が麻痺状態に陥っているのだそうです。以下、『アジアプレス・ネットワーク』の記事の記載です。
「北朝鮮は水力発電への依存度が約70%と高く、ダムが凍結する12月から電力供給が悪化するのは毎年のことだが、この数年は、供給がゼロの『絶電』地域が出るなど、深刻な状態が続いている。」
おそらくこの「水力発電施設」の多くは、1944年に完成した「水豊(すいほう)ダム」を筆頭とする、日本統治時代に朝鮮半島に作られたものではないかと思います(※余談ですが、日本統治が終了してから70年以上もの間、北朝鮮は日本の遺産にタダ乗りしてきた、ということでもあります)。
『アジアプレス・ネットワーク』は北朝鮮国内各所に協力者がいるらしく、たとえば金正日(きん・しょうじつ)の母である金正淑(きん・しょうしゅく)の生誕地として他都市に比べて優遇されているはずの咸鏡北道(かんきょうほくどう)会寧(かいねい)市では、
「12月初めまで1日に3~5時間程供給されていた電力が、22日頃から30分~1時間程度しかなく、日によっては1秒も来ない状態」
担っている層であり、また、両江道(りょうこうどう)恵山(けいざん)市でも
「現在、1日に3~4時間程度しか電力供給がない」
のだそうです。
完全に止める経済制裁は不可能
もちろん、北朝鮮では毎年のように冬季に電力不足が生じているという報道が出て来ますので、これをもって「経済制裁が効いている証拠」だと軽々に決めつけるのは適切ではないかもしれません。
実際、「石油や石油精製品の輸出を制限する」という経済制裁を巡っては、当初から懐疑論があったことも事実です。その典型例が、毎日新聞の元ソウル支局長だった澤田克己氏がちょうど2年前に執筆した次の記事です。
北朝鮮の年間石油輸入量は日本の2日分!制裁強化の効果は?(2017年12月28日付 WEDGE Infinityより)
澤田氏によれば、もともと北朝鮮のエネルギー源としては、石炭など自給できる燃料が多く、石油等の輸入量は少なかったそうで、実際に経済制裁が発動される以前の2016年時点においても、北朝鮮の石油・石油精製品の輸入量は、日本の輸入・生産量の2日分に過ぎなかったとしています。
また、北朝鮮向けの経済制裁の一環として、今月22日には北朝鮮出身労働者の本国への強制送還期限も到来しましたが、これについてもさまざまな「抜け道」があることは事実でしょう。
こうした「抜け道」は、ほかにもあるかもしれません。
たとえば、『北朝鮮の瀬戸際外交は経済制裁がうまくいっている証拠』でも紹介した、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の次の記事でも、「(とくに中国やロシアにおいて)送還が徹底されるかどうかは不透明だ」、などと述べられています。
どうなる? 北朝鮮の外貨収入源=出稼ぎ労働者の送還期限到来(2019.12.22 11:57付 聯合ニュース日本語版より)
しかし、「そんなことをやっても意味がない」などと思っていたとしても、そもそも論として国際的な経済制裁を100%完全に履行することなど不可能に近いという事実を忘れてはなりません。「ゼロか100か」ではなく、経済制裁によって北朝鮮経済を50%でも締め上げることができれば儲けものなのです。
「庶民と特権階級に分けよ」
さて、この北朝鮮経済制裁を考えるうえで、もうひとつ示唆に富んでいるのは、「北朝鮮が身分制社会である」という事実を、どう織り込んでいくか、という課題です。
これについては「だんな」様から頂いたこんなコメントが面白いと思います。
「北朝鮮国民は、支配層とそれ以外に区別され、それ以外の国民がどうなろうと、支配層は気にしないと思います。その為、経済制裁は、支配層が影響を受けるかどうかが、効果判定の基準になると思います。」
この視点は、意外と重要かもしれませんね。
要するに、金正恩(きん・しょうおん)体制を支えている人たち(平壌に居住するエリート層など)を手なずけるための贅沢品、嗜好品のたぐいが入って来なくなることが、意外とボディブローのように金正恩体制に効いてくる、という指摘です。
当ウェブサイトの場合は「数字」がキーワードであるため、こうした「数字では必ずしも適正に把握することができない情報」を取り上げるのがやや苦手なのですが、あえて歴史用語でいえば、「朝鮮国王」「両班」「一般庶民」という違いがあるのでしょうか。
支配階層である「両班」の「朝鮮国王」(=金正恩)に対する忠誠心がぐらついたら、金王朝が倒壊しかねない、という危機感ですね。もっとも、このあたりについては「数字で語る」ことが難しい論点であるため、当ウェブサイトとしては今後の研究課題のひとつといえそうです。
「制裁緩和論」がいちばんおかしい
さて、個人的にもっとも共感できたコメントは、次のようなものです。
- 「『制裁は効いてない論』の最もおかしいところは、何故か『だから制裁はやめよう』という結論に持っていくところだと思います。北が制裁されても豊かにやっていけているならそのまま放置すればよいでしょう。」
- 「『制裁は効果がないからすべきではない』というのは間違いなく北朝鮮側の人。じゃあどんな制裁ならいいの?と言えば『話し合いで解決すべきだ』という決まり文句。」
前者は「しきしま」というコメント主様、後者は匿名のコメント主様からいただいたものであり、ほかにも「経済制裁はこのまま継続し、様子を見るのが良いのではないか」といった指摘もありましたが、どれもそのとおりだと思います。
というのも、「北朝鮮に対する経済制裁はまったく効いていない」とする主張は、たいていの場合、「経済制裁には効果がないからやめるべきだ」、といった主張とセットになっているからです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
繰り返しになって恐縮ですが、北朝鮮には中国やロシア、韓国など、事実上の協力国がいて、これらの国々がこっそりと国連安保理制裁決議に違反して北朝鮮を陰に陽に支援しているという可能性は、かなり高いと思います。
このため、「経済制裁を導入しても、それが破られるのならば、やっても意味がない」とする主張に、一見すると騙されてしまうこともあるかもしれません。
しかし、「経済制裁破りをする者がいるがために、北朝鮮向け制裁が有名無実化している」と言いたいのであれば、その制裁破りをする者を罰する(いわゆる二次的制裁、あるいは「セカンダリー・サンクション」)という議論を持ち出すのが筋論でしょう。
実際、わが国でも北朝鮮制裁に違反した中国やロシアの個人、法人などに対する二次的制裁は行われているのですが(具体的には財務省『経済制裁措置及び対象者リスト』参照)、こうした二次的制裁をさらに拡大すべきである、などとする議論が必要ではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
ツイート @新宿会計士をフォロー
読者コメント一覧
※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。
やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。
※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。
※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。
当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
コメントを残す
【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
新宿会計士様
あくまでも、私個人の希望的観測ですが、
中国は米中貿易戦争でアメリカに主導権を握られ、ロシアは経済規模が縮小し青息吐息で両国とも近年中に北朝鮮に構う経済的余力が枯渇するのではないでしょうか。🐧
韓国に関しては、日米が二次的制裁に踏み切れるだけの証拠(例えば、消えた300tのフッ化水素の行方)を持っており、後は都合の良い時期に刑を執行するだけの状態かと考えています。🐧
この3カ国が北朝鮮援助の余力を完全に喪失してからが楽しみです。🐧
中朝露国境附近から釜山に掛けての三つ巴、四っ巴の紛争や、海洋勢力による海上封鎖もあると思います。🐧
ハゲ親父 様
投稿を拝見し、恐縮ですが教えていただきたいことがあり、お伺いします。
横流しの件です。当方も南鮮が犯人とは思っています。しかし日米ともにはっきり言わず、つまりテロ支援国家とはせずに、フッ酸の輸出を絞るだけ。と言う状態です。
都合の良い時期というのは、何を待っているのかわかりません。
もう一つ。この件南鮮が関知しないというのはあり得ませんが、突きつけられたら全てが終わるのにあの厚かましさは一体何なんでしょうか。
よろしくお願いします。
匿名希望様
あくまでも私個人の考えですが、
文在寅政権の反米政策とトランプ大統領による在韓米軍駐留経費5倍増要求により、韓国では左派だけでなく、右派にも朝韓間の国力差に由来する戦力差から(朝鮮半島の地形は戦車戦には不向きな山岳地帯が多く、軽歩兵による殺し合いになると予想します、山岳ゲリラ戦ではさほど戦力差は無いと考えています)在韓米軍不要論が広がってます。🐧
米国はあくまでも韓国側から同盟破棄を言わせると考えますが、その時期は米国主動で決まります。🐧
その為の条件は、
日米の都合は、在韓米軍及びその家族が韓国からの撤収が終わり、日本への入国査証要件が厳しくなり、査証無し渡航者が韓国に帰ったあとというのが第一の条件。🐧
第二に、ある程度の損切りはある物の日米の在韓企業が資産を金に換えて、韓国から撤収し終わった時。🐧
細かい条件はまだ沢山あると考えますが、この二つ条件がクリアされれば、半島有事は秒読みだと考えています。🐧
あと、彼等の厚かましさの原因は、
まず第一に彼等はホモ・サピエンスではなく(彼等自身が主張している事で、人食いの「黒い山葡萄猿人」の末裔だそうです)人類と価値観が共有する事が不可能な為。🐧
第二に彼等の歴史は「白村河の戦い」以降は中華帝国属国の非常に屈辱的な歴史(中華帝国との朝貢外交での貢物は女・売女・妾しかない、朝鮮の国名の由来は朝貢が鮮いという屈辱的な意味)しか持たず、実態は中華帝国の自治領であり独立国であったのでは無い事に由来し、中華より輸入した朱子学を歪め小中華思想という毒物に染まり、その為海の向こうにある中華文化圏に属しながらも独自の文化を持つ独立国日本が理解出来なかったのです。🐧
第三に彼等は学校で教えていない様ですが、日清戦争により大日本帝国が朝鮮国を大清帝国から独立させた(日清講和条約第一条)事実と、その貴重な独立をたった大韓帝国(朝鮮国の新しい国名)6年しか維持出来ず、大日本帝国に泣付いて併合(日韓併合条約、朝鮮人テロリストが併合反対派の重鎮・初代内閣総理大臣伊藤博文卿の暗殺までして大韓帝国側が望んだ)してもらったこと。🐧
第四に、併合期間中(35年間)ずっと赤字経営だった事、植民地・台湾は人食い人種の島だったが赤字経営はたった6年、その差は治水事業の前に朝鮮半島全土に広がる禿山の治山から建て直しを始めなくてはならず、文字もバングルを普及する事から始めなくてはならなかった。🐧
第五に、アメリカに日本から独立させてもらったこと(ポツダム宣言第八条)……………
まあ類人猿である事を踏まえても、こんな情け無い歴史が障気垂れ込める半島で、現在まで続いているので道理が解らぬ様になったのでしょう。🐧
因みに、考古学的に実証されているそうですが、今から約1万年前から五千年前までの期間、朝鮮半島は無人だったそうです。🐧
人類がアフリカで発生してから海も山脈も越え広がって行った歴史に逆行した、何かしら不浄・不吉・忌まわしい存在を感じますね。🐧
ハゲ親父様 詳しくご説明いただき、ありがとうございました。
横流しの件は、理解できました。人命とお金とあっては無理からぬことと思います。
そのときにははっきりと横流しの事実を公表してもらいたいものです。
南鮮側の厚かましさについて、以前教えてもらったことがあり、そのときも驚きましたが、今回もびくりです。それにしても知れば知るほど胸くそ悪くなりますね。アメリカ様のご決断が一日でも早くなりますように。
日本と違って,中国もロシアも自国内だけで必要なものをすべて作って供給できる国で,貿易をしなくても崩壊するような国ではありません。日本は貿易を止められたら,すぐ息の根が止まりますけど。中露とも,伊達に国連常任理事国をしてるわけじゃありません。経済制裁で,経済成長のスピードが鈍化しているのは事実ですが「青息吐息」というのは願望的観測だと思います。中国の場合は,国内での生産が多すぎるので,輸出先を確保しないといけないのです。別に輸出先は欧米でなくても,アジアやアフリカでも十分です。ロシアも,あの広大な国土には,石油をはじめ,いろいろな資源が豊富に埋まっています。
北朝鮮を海上封鎖しても,中朝国境で活発な貿易が行われています。あと,東シナ海は中国のテリトリーなので,米軍も軍事展開するのは難しい。北朝鮮を攻撃する場合も,日本海側からになると思います。ロシアの態度にもよりますが。
いつもありがとうございます。
今回の件は素人にはややわかりにくいのですが、たとえば、物価が10倍になったとして、通貨量が10分の1になれば、見てくれの物価は変わらない。と言うことなのでしょうか。この場合の北朝鮮ウォンの取引量はどう変化するのかと言うことがよくわかりません。
それはともかく、仰る通り抜け道を潰すべきです。特に南鮮の瀬取りでしょうね。
仮に経済制裁が効いていない。として、だから制裁は意味がない。やめようではなく、さらに厳しくすべきだ。と言うのが普通の考え方と思いますが、
物が100、通貨量が100の状態から、通貨量を増やせば、物の価値が上昇するので物の価格が騰がる(はず)というのが、今、日本などが行っている量的緩和。
新宿会計士様は、その逆のことを指摘されておられるのだろうと思います。
一時期、中国は、統計などの発表があてにならないので、政府が発表するGDP値などより、電力供給量を見た方が良い、といった主張がありましたが、北の場合も同様だろうと思います。
よって、電力供給ががそこまで悪化しているのであれば、制裁は効いている、と見るべきだろうと思いますね。
一般市民様
ありがとうございます。
やはり効いていると考えて良いということですね。そろそろ限界と言うことでしょうか。
限界か否かは、分かりませんね。
何しろ、100万単位で平民が餓死・凍死しても、限界ではない楽園ですから。
> 北朝鮮国民は、支配層とそれ以外に区別され、それ以外の国民がどうなろうと、支配層は気にしないと思います。
> その為、経済制裁は、支配層が影響を受けるかどうかが、効果判定の基準になると思います。」
民間密貿易の話をかなり書きましたが,その民間密貿易に関わっている人々は,一般国民より,特権支配層にいる人達が多いようです。金正恩に忠誠を尽くす意味ではなく,国家からの配給が少なすぎるので,持っている利権や役得を最大限利用して非正規の収入を得ようとする意味で。だから,金正恩氏が,そういう密貿易を取り締まろうとすると,国家の中枢部が危うくなる。
制裁緩和は誰も主張していないと思いますが,アメリカや日本が制裁強化を目指しても,中露韓など,勝手に裏で制裁を緩和してしまう国があるので,経済制裁に限界がある,という意味でしょう。裏の意味は,もう,軍事制裁しか手がないかも,という意味に解釈したほうがいいと思います。
社会主義国における物価の意味は前に沢山書いているので,そちらをご参照下さい。物価より配給量のほうを見ないといけないでしょうが。
なお,経済制裁は,特権階級にではなく,金正恩氏個人の財布に厳しく効いているようです。ですから,このまま経済制裁を続ければ金正恩体制が崩壊する可能性はありますが,次の政権も軍事政権で大差ないかも。軍部の解体をしないと意味がありません。
党中央委員会総会が、3日目に入っていると言う事ですのて、困っているんでしょう。
北朝鮮について私は、日本人が普通に考える、国としての機能を喪失していると思っています。
調べたところ、失敗国家、脆弱国家という考え方が、ありました。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/失敗国家
wikiによる失敗国家の定義は、
失敗国家(しっぱいこっか、英: Failed state)、破綻国家(はたんこっか)、或いは崩壊国家(ほうかいこっか)とは、権力の弱体化によって政府が国家の構造(主権国家体制)を制御できなくなり[1]、政府が果たすべき基本的な責務(例えば、①正常に作動する法体系の維持、及び②国民に対する電気・水・教育・病院といった公共サービスの提供等)を果たせなくなっていると考えられる国のことである[2]。
との事。
権力が弱体化しているとは、思いませんが、それ以外は良く当てはまるように思います。
脆弱国家ランキング なる物も有るようです。
国家の統治が脆弱化する要因となる12の指標(Indicators)をFFPが各10点満点の総計120点で採点し、点数が高い国ほど国家体制が「脆弱」(または「失敗」)であると評価する。12の指標は下記の通りであり、それぞれ「結束(力)」(Cohesion; C)、「経済」(Economic; E)、「政治」(Political; P)、「社会と分野横断」(Social and Crosscutting; S/X)のいずれかの分類に属する[15]。
因みに北朝鮮の順位は、26位のようです。
https://fragilestatesindex.org/country-data/
物価というのは、体温のようなものです。
特にアジアプレスの計っている物価は、生活必需「消費財」及びドル・元の、北ウォンに対する価格です。
その数値を悪化させないようにコントロールしつつ、実態経済だけが悪化しているという状況を主張されているようですが、どういう芸当を行えばそんな状況を実現できるのか、まずは記してください。
通貨を収縮させるためには、たとえば金利水準をどんどん引き上げるとか、徴税を強化するとか、そんなあたりが最初に思いつく点ですが、それに類する話が北朝鮮界隈から漏れて来ていますか?
前提さえ置けば、どんなヨタ話だってできるわけですよ。
引力が一時的に止まれば人間は空中浮遊できる、とか。
モノ不足が生じても、それを上回る通貨の収縮があるならば……、という前提部分を読んで、思わず失笑してしまったのだけど、その前提はどういうロジックなのか、キチンと書いてもらわないと困るんですよね。
それと、制裁が効いていない→制裁を解除すべし、という誤解が多いのですが、私は「制裁が効くまで徹底的な制裁を行うべし」論なので、付記しておきますね。
あれ?、だれも突っ込まないのかな?物価が経済制裁が効いてる証拠じゃないって散々論破されたのにね。変なの。
>物価というのは、体温のようなものです。
warm shockという概念がありましてな。
意味は調べてくださいw
りょうちん さま
>warm shockという概念がありましてな。
流石、本職のお言葉。
なるほど、そう考えるとなんかスッキリしちゃいます。
ふと気になって。
>モノ不足が生じても、それを上回る通貨の収縮があるならば……、という前提部分を読んで、思わず失笑してしまったのだけど、
それは貴殿の方が前提を無視して「物価だけで経済制裁が聞いていないと判断したこと」に対する批判の部分じゃね?
>前提さえ置けば、どんなヨタ話だってできるわけですよ。
> 引力が一時的に止まれば人間は空中浮遊できる、とか。
この場合与太話を書いているのは貴殿の方だと思う。
ここのブログ主の主張は「経済制裁が聞いているかどうかは物価だけで判断できなくて、物量を会わせてみないとわからないんだけど、このあとかいうコメント主から証拠が提示されていない」ってことじゃないかと。
多分記事を読んだ人は100人中99人がブログ主の方が説得力があると思っていると思うよ。コメントで判断する限りはね。
又、変な奴がいた。🐧
> その数値を悪化させないようにコントロールしつつ、実態経済だけが悪化しているという状況を主張されているようですが、どういう芸当を行えばそんな状況を実現できるのか、まずは記してください。
12/28 5:00 の記事本文と読者コメントを読んでますか?その「芸当」についていろいろな方々が、これが原因ではないか、という説を提案してますよ。読者コメントには経済に詳しい方がいらっしゃるのでよく読んで下さい。
>物価というのは、体温のようなものです。
患者さんの全身状態を把握する時、バイタルサインの一つとして体温をチェックしますが、それだけで判断しませんよ。意識、呼吸状態、身体所見、採血データ、画像診断、等々の情報を集めた上で判断します。例えば脳梗塞、心筋梗塞、急性腎不全は致死的な疾患であり、しばしば意識消失を起こす重篤な疾患なので直ちに治療が必要ですが、発症直後では体温はあまり上がらないものです。
物価だけ見て「結論から言いますと、経済制裁は効いてません」というのは、意識不明の重体に陥った人に体温だけを見て「大丈夫、何の問題もない」と言ってるのに等しいです。効果判定にはもっと多くの情報が必要です。
ただ、患者さんの状態にせよ、北朝鮮の経済状態にせよ、いくつか集まった情報を元に考えれば、「何の問題もないと断言できる状態ではないな。その前に取った処置の影響があるな」というのは何となくわかりませんか?
新宿会計士様が「経済制裁は効いてる」と述べているのもそんな所でしょう。
あと、どうせバイタルサインに例えるなら「物価は血圧や脈拍のようなものです」の方がましだった気がします。いずれもなんらかの疾病を抱えても異常が出ない事がありますし、コントロールできる範囲なら少し上昇しても問題ないでしょう?
> その数値を悪化させないようにコントロールしつつ、実態経済だけが悪化しているという状況を主張されている
12/28の記事や今回の記事に北朝鮮政府が価格を管理しているような記述はありません。実体経済の悪化は数値ではなく漏れ出て来る逸話に頼っているという限界はありますが、新宿会計士様はそのような主張をしてません。
> 通貨を収縮させるためには、たとえば金利水準をどんどん引き上げるとか、徴税を強化するとか、そんなあたりが最初に思いつく点ですが、それに類する話が北朝鮮界隈から漏れて来ていますか?
資本主義国ならそうするでしょう。しかし北朝鮮は社会主義国です。社会主義国でそれをやった国の話を聞いた事がありません。大体、北朝鮮のお手本であるソ連がそれをやってません。ソ連がやってない事は北朝鮮もできませんし、やった事ない話が北朝鮮界隈から漏れて来る訳がないでしょう。
そもそもアジアプレスが調査した物価は咸鏡北道や両江道など、辺境の地の闇価格のようです。闇市は北朝鮮政府は「存在しない」事になってるので、価格は市場任せになってます。通貨の収縮は北朝鮮政府が意図的にしているというよりは、自然にそうなった可能性が高いです。
> モノ不足が生じても、それを上回る通貨の収縮があるならば……、という前提部分を読んで、思わず失笑してしまったのだけど、その前提はどういうロジックなのか
ぁさんはアジアプレスの過去記事を数年前からちゃんと読み込んでますか?アジアプレスでは住民に勤労奉仕や物資供出を強制するニュースがしばしば出てきます。ちゃんとお金を出して買い取ればいいのに、ただ働きと供出です。それはなぜかわかりますか?
それは社会主義経済を取っている国は慢性的なカネ不足だからです。外貨も不足しており、友好国との貿易は、例えばソ連の石油と東ドイツのトラバンドのようにバーター取引、つまり物々交換で行われていました。
北朝鮮の闇市では北朝鮮ウォンだけでなく人民元も使われてます。なぜだかわかりますか?
取引の活性化に伴ってお金がますます必要になるのに北朝鮮ウォンが足りないのも原因です。だから最大貿易相手国の通貨たる人民元が利用されます。
という事は、北朝鮮で流通するお金の流れや経済規模は、中国との貿易で入ってくる人民元の総額に依存してしまうのです。そして経済制裁が始まり、中国との貿易に制限がかかると、人民元があまり入ってこなくなるので、物価は停滞する事になります。正確ではありませんが、「物価=カネの量 ÷ モノの量」と考えれば何となく理解できませんか?
>キチンと書いてもらわないと困るんですよね。
では、ぁさんがコメントで「経済制裁が効いてないこれだけの理由」のテーマで論じてはどうでしょう?背理法と言ってましたので、「経済制裁が効いているとしたらこれだけの矛盾がある。よって効いてない」というのを読者の皆様が納得できるよう論じてみては?
そもそも「経済制裁が効いてる」と考える新宿会計士様に「効いてないという前提で」論考するよう求めるのは無理があります。また、あなたが自分なりの論考をきちんと論じる事もせず、前回と今回の記事について反証を元に逐一反論してないくせに人に要求ばかりしているのは「極めて無礼でございます」。
何を根拠にしてアジアプレスの記事を正確と信じて疑わないのか謎ですけど、どうせなら市場価格調査以外も含めたアジアプレスの記事を十分に読み込み、フル活用して論じて見て下さい。ただ、現地記者の潜入報告を売りにしているアジアプレスの記者はマクロ的な視点を持つ記者がいないようなので、アジアプレスの記事だけで北朝鮮経済全体の実態と経済制裁の効果を論じるのは無理があると思われます。
会計士様は主張を裏付けるエビデンスを出していただければ良いというだけであって、それを無視してご自身のコメントにたいするご指摘を批判するのではなく素直にエビデンスを示していただければ良いと思うのですが・・・。
貴方様は普段お仕事をする際にはご自身の主観だけで相手を納得させておられるのでしょうか?そんなことは御座いませんよね?
更新ありがとうございます。
会計士さんの言う、以前にコメントされた方で【結論から言うと、北朝鮮には制裁は効いていません。つまり商品流通が問題なく行われているかどうか、物価水準が高騰していないかどうかを観察すれば良い】というのは、ちょっと制裁が効いてない理由としては違うのではないかと思います。私は制裁が効いていると思います。
商品流通が潤沢に行われているなら、皆痩せこけず、立派な体格になるんじゃないですか。体内に寄生虫などいません。南に脱出しなくてもいい。北の軍隊が露営で、食料は各自確保、と言われて農家から収穫物や鶏を収奪しなくてもいいはずです。
物価がどうのこうのと言っても、一般庶民に無い(全く行き渡らない)状態なら、高騰しようが無いと思いますが。平壌市はショーウィンドウ都市、世界からの訪問者に「見せる」だけの街です。
そこに住めるのは選ばれた労働党幹部、高級軍人、金日成の独立闘争(怪しいが)や金正日に繋がる功労のあった家族、、等。いわば100万人と言われる人々、そこにだけ食糧も住居も暖房も水も電気も車もバスも地下鉄も有れば良い。
地方都市や村落など、どうなっても構わない。また平壌市民でも「核心階層」でないと、十分に配給を受けれない。
国として人口が減れば減るほど、養うカネが減る訳で、金三代にとっては「産めよ増やせよ」なんて不要なんです。「電気が1日4〜5時間だけ点く」のは石油等が不足しているからでしょう。
北朝鮮への物資を運ぶルートとしては清津はじめ各港との貿易がありますが、只今制裁中なら中朝国境沿いの町でのヤミ物資、露朝国境沿いの同じくヤミ物資の行き来ぐらいでしょう。
あとは韓国との瀬取り。日本海上や東シナ海上で、積み渡しは可能です。昨年12月の海上自衛隊哨戒機レーダーロックオンでは、物だけでなく、ヒトの交換まであったかも知れません。
「なぜ制裁が効かないのか」と問われれば、抜け穴があるから。しかし外国への出稼ぎ労働者の退去で更に外貨は減るし、石炭の輸出もままならぬ、国内耕作地は、アホタレ三代のお陰で土地は痩せ、禿山にして治水灌漑も日本統治下の財産を食いつぶしました。瀬取りもやりにくいです。
韓国は「人道的支援」として 食糧や薬品供与を申し出てますが、北にすれば願ったり叶ったり。南に罵倒してますが、逆にそれだけ欲しいんだと、見るべきです。このまま、制裁は継続すべしですね。
日本陸軍と日本窒素(野口遵さん)が鴨緑江に戦前作った「水豊ダム」は、まだ北朝鮮が使っているのですよね。巨大な発電量を誇り、戦前の朝鮮半島北部の電力を賄え、重工業の基本となったと聞きました。
会計士さんがおっしゃる通り、日本統治が終了してからも、北朝鮮はダムや鉄道、インフラといった日本の遺産にタダ乗りしていますね。
北朝鮮の中国との国境の密貿易は、民間のみならず、軍も外貨獲得のために密貿易を行っていると聞きました。外交官も、ドルや外貨獲得のために海外で密輸やビジネスを行っていて、過去に、接受国に怒られて退去させられている外交官も多いと思います。
経済は専門外なのですが、北朝鮮は、自給自足経済と、社会主義経済(計画経済?)と、軍や民間による密貿易、ヤミ経済などがあり、うまく言えないのですが、日米欧のような資本主義経済とはちょっと違ったタイプの経済のような気がしております。
水豊ダムは、朝鮮戦争中、米軍が爆撃しましたが、びくともしなかったそうです。さすが日本が作ったものです。
戦後、漢江に韓国が新しい橋を架けましたが、すぐに落っこちてしまい、総督府時代の老人が「日本人が作った橋は頑丈で何十年たってもびくともしないのに、韓国が作ったものはすぐこわれる」と嘆いたそうです。韓国あるあるです。
北朝鮮も日本の作ったインフラにただ乗りですが、韓国も、日本が鉄道を作りましたし、高速道路も、地下鉄も、製鉄所(浦項)も、財閥も、みんな日本からの請求権協定とその後のODAによる援助と技術で、日本が作ったものにただ乗りするのは、南北ともに一緒です。
朝鮮戦争中李承晩は漢江の橋を爆破して逃げましたが、彼らは物は作れませんが、壊すのと、ただ乗りするのと、めちゃくちゃにすることは得意です。
たびたび失礼します。北朝鮮は、自給自足経済と、社会主義経済(計画経済?)と、軍や民間による密貿易、ヤミ経済などがあり、うまく言えないのですが、日米欧のような資本主義経済とはちょっと違うので、なかなか経済も体制も崩壊しないような気がしております。
経済制裁は効いているようですが、中韓ロがこっそり支援していたり、抜け道も多いです。
個人的には金王朝の体制が崩壊すると、核の拡散、内乱・戦争、テロ、難民が怖いので、経済制裁はしつつも、強化はしない、というのがいいのではと思っています。
Web主様の分析やコメントを寄せておられる方々にはいつも大変勉強させて頂いております。
既にどこかで出ていた情報かもしれませんが、私がメモを取っていた北朝鮮経済3層の話を共有させて頂きます。李相哲氏が今年5月に虎ノ門ニュースで発言されていたもので、最近公開された朴斗鎮氏との対談から引いた内容も註で入れました。少々長いですが、ご一読頂ければ幸いです。
引用ばかりでWeb掲載方針に合わない場合、削除頂いて構いません。
制裁効果が論点となる時、どこへの打撃を狙ったものか、北朝鮮通貨としてどれを挙げるかも重要なようです。
<以下、発言メモ>
北朝鮮の経済は、3つのLayerになっている。1st layer=大多数の国民に関係する人民経済は “市場いちば経済”“ジャンマダン”ともいう。
政府は貧しくて配給ができないから、自力で勝手にやれと放り出されている人たちの経済で(註:朴斗鎮氏によれば、1992年から98年までの間に配給制が全部なくなった。今、その年以降に生まれて、親が配給の恩恵にあずからずに必死に育てた“首領様への恩を知らず”の軍人たちが「若い血筋として中隊長は27歳以下にしろ」という命令の下に赴任しているため、忠誠心は相当に落ちていると)、自由化されてはいないが、黙認されている状態。これを縛ると暴動になる。北朝鮮ではこのジャンマダン(住民市場)経済が、政権や機関に自分たちの市場価格を要求するほど大きくなった。最近、北朝鮮が韓国の対北食糧支援を断ったことでも分かるが、ドル経済がすでに浸透している北朝鮮で住民らは、政府に対して「生存の哀願」ではなく、「家計の不満」をため込んでおり、金政権はこの不満に直面している。
その上2nd layerには軍の経済があり、その上3rd layerには金正恩の経済がある。
クウェート出稼ぎ労働者は月に5000ドルもらっている。そのうち1800ドルはパキスタンにある人材派遣会社に行く。労働者本人たちには240ドルしか残らない。残りは全部金正恩に上納される。彼はそれを使って2000人の政府高官たちに配給して忠誠心を引き立てて政府が成り立っている。
因みに国連が出した(北からもらった数字が元)食糧難の援助について、もしこれをもらったら、それは軍経済となる。軍人は基本的には自力更生、自分で食べ物着物など全てを調達しなければならない。その代わりに国の石炭や鉱物資源のビジネスを与えられているのだが、今回、ここをトランプたちが押さえている。(石炭の貿易に関与した船を抑えたのもその一つ)(ロシアに3万人以上の出稼ぎ労働者が居たが、18年年末までに2万人返している)
その視点に立つと、2016年前の国連の制裁決議は何の効果もなかった。しかし、2016年以降の制裁は石炭、石油、出稼ぎ労働者があるので軍経済や金正恩の経済を直撃。だから金正恩は今回、シンガポール(ハノイも)に出てきた。
以上です。
hhkbassさま
貴重な情報をありがとうございます。
クエートの賃金が、$5000だとすると、結構稼いでますね。
hhkbass様
詳しい情報をありがとうございます。
出稼ぎ労働者に月に5000ドルも稼がせといて240ドルしか残さず、2960ドルをピンハネとは酷すぎますね。15年くらい前のニュースで見た時は東欧のどこかの会社から出稼ぎ労働者へ支払う月18万円の給料を北朝鮮の銀行へ振り込ませ、そこから労働者の通帳へは10万円しか打ち込まれてない、という話でしたが、ここまで搾取してるとは思いませんでした。出稼ぎ労働者は金正恩の奴隷なのですね。逆に言えば、出稼ぎ労働者を送り返せば金正恩に打撃を与えられるのですね。
「だんな」様、「とある福岡市民」様、
とんでもございません。私に一次情報を調べることができたわけでもなく、いろいろある中で信頼するようになった専門家の公開情報をメモ取りしただけです。
「出稼ぎ労働者を送り返せば金正恩に打撃を与えられる」につきましては、今月22日に国連安保理が決めた本国送還期限となったようで、12月24日産経紙でも
*出稼ぎ労働者は2017年末の時点で、中露を中心に約10万人おり、年間5億ドル(約547億円)超を稼いだと推計。(註:先の3rd layer?)
*核・弾道ミサイル開発の資金源となる、外貨石炭や海産物の輸出(註:先の2nd layer?)だけでなく、出稼ぎ労働も制裁対象とした
*国連安全保障理事会はこの北朝鮮労働者の本国送還を2年前に全会一致(中露も賛成せざるを得なかった)で採択したが、12月22日にその期限を迎えても、最大の受け入れ先である中国とロシアの不履行が際立つ→明らかな体制擁護だ
という論旨を掲載しています。
過去の制裁と違って2nd 3rd layerを狙った経済制裁は、Web主様が「だんな」様からのコメントを受けて指摘されているように
「要するに、金正恩(きん・しょうおん)体制を支えている人たち(平壌に居住するエリート層など)を手なずけるための贅沢品、嗜好品のたぐいが入って来なくなることが、意外とボディブローのように金正恩体制に効いてくる」
ということなのかと想像しています。軍関係者が最も重要手なずけ先かもしれません。
金正恩がアメリカとの交渉期限を迂闊にも明日12月31日までと宣言してしまったのは、まさにこのボディーパンチが緩和されない中では今年いっぱいが限度!という悲鳴の表れと指摘する向きもあるようです。
hhkbassさま
北朝鮮の一次情報を提供出来る訳は、有りませんので、追加情報合わせて、ありがとうございます。
北朝鮮の内部情報は、アジアエクスプレスくらいしか出てこないんですよね。
金正恩にクーデターを起こす事が出来るのは、階層の高い人々に限られると思います。その人達に、体制への不満が出てくることを、金正恩は警戒するでしょう。全員粛正すると、居なくなっちゃいますからね。身分制度を上手く運用するんでしょうね。
過日のプライムニュースに出演されていた中国人の経済アナリストが中国経済について、国家(共産党)が管理しているものであり、実体経済とのひずみは、少数民族などのマイノリティが負うとユーモアたっぷりにおっしゃっていました。
彼は中国出身ではありますが、自国を非難する際にこのような皮肉で表現するので、私、好きですの。
自信はないのですが、北朝鮮の経済も同様では?(経済そのものが存在しないのかも。物々交換とか。笑)
要するに、その実態のひずみを命をもって埋めるのは、金王朝の臣民なのでしょう。
どなたかが、先におっしゃっていましたが、北朝鮮では金一族以外は人として認められないのかもしれませんね。
>北朝鮮は水力発電への依存度が約70%と高く・・・
この事実と、北朝鮮は、はげ山が多い(民衆が家庭用燃料にするために若木まで伐採する為か)という事実を組み合わせると、北朝鮮が電力不足に苦しむ原因の一つが想像できます。つまり、北朝鮮では、ダムが水を少しか貯められなくなっており、その結果、水力発電が難しくなっている可能性があります。何故なら、はげ山は森林に覆われた山地よりも多くの土砂を下流に流します。そして、ダムがこれらはげ山の下流にあるとダムは流れてきた土砂に埋まり貯水容量が減少します。ひどい場合には殆ど水を貯められなくなります。それを防ぐには、ダム湖底を絶えず浚渫する必要がありますが、重機も燃料も無い北朝鮮で、しかも山奥で、人力だけでそれをするのは困難なはずです。
ところで北朝鮮は、石油や天然ガスこそ産出しませんが、輸出できるほどの石炭があるそうです。なので、石炭火力発電すれば良いのではと思うかもしれません。しかし、水力発電に比べ火力発電は設備が複雑で、製作・運転・保守に比較的高度の技術を要します。多分、今の北朝鮮の技術レベルでは、自力での新規火力発電所建設は難しいのだと思います。ですから、北朝鮮の既存火力発電設備は、今の経済制裁下では保守も不十分で老朽化が加速、故障が多くなり、修理もままならず、次々と休止に追い込まれていくでしょう。仮にそうなったらどうするかと言えば、死活的に必要な場所(例えば、金委員長の執務場所・宮殿、ウラン濃縮工場など)にのみ、ディーゼル発電機を調達してきて、瀬取り下した燃料で発電するとかの弥縫策になるのでしょうか。
人は電力がなくとも生存可能です。しかし、いわゆる都市生活するのには必須です。ですから、電力が無くとも、地方の下層民はなんとかやっていけるでしょう。が、困るのは、都市生活者、即ち、支配層・富裕層です。この階層が不満を鬱積させれば金正恩体制も安泰とは言えないでしょう。
定量的ではありませんが、電力供給側面から考察するに、現在の経済制裁は、北朝鮮の電力供給網をジワジワ蝕みつつあり、ボディーブローのように効いていると考えられます。後何年でギブアップするかは言えませんが、核放棄させるためには、彼らが音を上げるまで追い込むしかないでしょう。そのためには、今ここで制裁を緩和する手はないと思います。
はぐれ鳥様
北朝鮮のハゲ山…
ワタシこの目でハゲ山を見ました。
好太王碑を見に行った時です。
中朝国境の中国側から、鴨緑江の確か集安と言う名前の町。
中国側の山は木が生えているけど、北朝鮮はハゲ山でした。
タナカ珈琲様
レス有難うございます。
まったく、はげ山は貧乏国の象徴です。このことで、北朝鮮の指導者は恥をさらしていることになりますが、多分、彼らには恥なんて概念ないんでしょうね。
話代りますが、好太王碑とは、一時期朝鮮人学者から、日本軍人による碑文の改ざん説の出ていたやつですね?もっとも今は、その改ざん説は完全否定されていますが。私も、興味がなくはないので、近ければ行ってみたい気もしますが、もう年で体力が無いから無理ですね。意欲・体力あるタナカ珈琲様が羨ましいです。(笑)
物価水準安定は北朝鮮が全身全霊で守っているでしょうね。
品物を大量に購入した人→次の日行方不明
品物を高く売った人→次の日に行方不明
これは証拠も何もない想像だけど、
北朝鮮が上記2者を放置するわけないだろと思う
北朝鮮経済に関する9つのショッキングな事実 | Business Insider Japan
https://www.businessinsider.jp/post-189733
より引用
『共産主義の北朝鮮には、国営経済と地下経済がある。』
国営経済・・・・・
中学生の時に読んだ司馬遼太郎の「峠」に、国家(この場合は幕藩体制)が音を成して崩壊する様を「土崩」と表現していました。🐧
それ以来は「ベルリンの壁」が崩壊した時も含め、この熟語を目にしてないのですが、来年辺り何処ぞの半島国家群が「土崩」するのでは。🐧
ハゲ親父 さま
河井継之助ですか。見事な生き方でした。薩長の交渉役が、もう少し有能な人物なら、長岡藩は無事だったのではないかと残念に思います。(私は、明治政府がどちらかというと嫌いです)
「土崩」は、記憶に残っておりませんでしたが、まさに半島向けの言葉ですね。期待して待っております。