本日の速報です。経産省は本日、韓国向けの輸出管理の一部を緩和したそうです。
本日の「速報」です。
いくつかのメディアの報道によると、経済産業省は本日、韓国向け輸出管理の一部を緩和したそうです。といっても、経産省のウェブサイトにはそのような情報はまだ掲載されていませんんどえ、ここでは、日経電子版の報道を引用しておきましょう。
韓国向け輸出管理を一部緩和 経産省、20日から(2019/12/20 19:39付 日本経済新聞電子版より)
日経によると、経産省は韓国向けの「輸出管理の厳格化措置」を「一部緩和」したとして、「レジスト(感光材)」について「特定包括許可と呼ぶ仕組みを使えるようにした」としています。
これについて日経は、「24日に(日韓)首脳会談を控えており」、「輸出管理を含めた両国関係の改善に注目が集まっていた」、などと述べています。なんだか「日韓首脳会談を前に日本側が韓国に譲歩した」とでも言いたげな記述ですね。
日経はまた、今回の措置については20日付で経産省がレジストを「特定包括制度の対象」とするという通達を出し、今後は、日本企業が継続的に取引している相手については許可の期間を長くすることにしたとしています。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、日経の記事はかなり不正確ですが、この報道が事実ならば、今回の経産省の措置は、輸出管理上のカテゴリーを「グループB」に置いたまま、特別一般包括許可の対象品目にレジストを加えた、という話に過ぎません(図表)。
図表 4つの輸出管理カテゴリー
グループ | 概要 | 具体的な内容 |
---|---|---|
グループA | 4つの国際的な輸出管理レジームに参加している日本以外の29ヵ国のうち、26ヵ国 | 4つのグループで唯一キャッチオール規制が適用されないほか、一般包括許可の対象 |
グループB | 4つの国際的な輸出管理レジームのいずれかに参加している国 | 一般包括許可が適用されず、特別一般包括許可か個別許可が適用される |
グループC | A、B、Dのいずれにも該当しない国 | グループBと比べ、特別一般包括許可の対象品目が少ない |
グループD | 懸念国11ヵ国(イラン、北朝鮮など) | 原則として、個別許可しか適用されない |
(【出所】輸出貿易管理令および経産省『リスト規制とキャッチオール規制の概要』などを参考に著者作成)
この点、以前から『総論 対韓輸出管理適正化と韓国の異常な反応のまとめ』で報告してきたとおり、そもそも日本政府が7月1日に発表した対韓輸出管理適正化措置自体、経済報復と呼ぶにはあまりにも弱すぎるものです。
というのも、韓国を「グループB」に設定したとしても、キャッチオール規制が適用され、一般包括許可が出されなくなるという点を除けば、主だった実害はないからです(もちろん、輸出管理上の扱いは少し面倒になりますが…)。
また、『数字で検証する、「対韓輸出規制が日本経済に打撃」説』などでも繰り返し報告したとおり、日本の輸出管理適正化措置のあとで、「元素及び化合物」を除けば、それ以外の品目について、「対韓輸出管理厳格化によって減少した」という事実はほとんど確認できません。
いずれにせよ、今回の措置については、日本政府が従前から述べてきた、
- 「これは輸出規制ではない」
- 「あくまでも単なる輸出管理の問題だ」
- 「健全な輸出実績の積み上げが大切だ」
といった説明とも完全に整合しています。
そもそも日本政府が今回の措置を経済報復として発動したものではないことは、その実効性からも明らかですが、こうした文脈に照らせば、今回の「緩和措置」についてもあくまでも事務的な判断によるものであり、日本政府・経産省が対韓輸出管理適正化措置を「経済報復」としていない証拠と見るべきでしょう。
View Comments (46)
いずれにしても、日本のマスゴミ報道の仕方、韓国側の主張に阿ったものだと思います、いつものように。
安倍政権はたまにこういうよく分からない事をする。
計算づくなのか、そうでないのかは分からない。
誰もが押すところだと思っているところで少し引いたりする。
不思議だ。
コメントを失礼致します。
小生も同じことを思いました。
国民が知らない何かの情報に反応しているのか、それともレジスト業界の経営改善なのか...
情報が少ないので判断に窮しておりますが、安易に団協したのではないと信じたいところです。
失礼致しました。
対韓輸出管理を緩和しちゃった。残念な予想通り。アベちゃん もう日和ったの?情けない・・。この調子では来年早々にはすべて元通りに戻るでしょう。管理厳格化が聞いてあきれる・・。
・・・・以上のように 一般国民は受け止めます。私も一般国民です。
このタイミングでの緩和は支持率を落とすことは政権側も分かっているはず。
内外メディアや支持層がどう反応するかも当然わかっているだろう。
なんせ自ら実施したパプコメで95%以上の賛同を得ているのだから。
それなのに、こういう事をしれっとする。
これで来年早々に、輸出管理緩和が連発するようならさすがに訳がわからない。
さらに、こういう時に政権の判断を追及する野党もいない。
野党供はこういう時に「なぜ緩和したのか、日和ったのか?」と追及すれば支持率を稼げるのに、絶対しない。
本当に骨の髄まで中韓に忖度する。
>いずれにせよ、今回の措置については、日本政府が従前から述べてきた、
>「これは輸出規制ではない」
>「あくまでも単なる輸出管理の問題だ」
>「健全な輸出実績の積み上げが大切だ」
>といった説明とも完全に整合しています。
それはその通りなのかもしれませんが、韓国に
「日本不買に音をあげた日本が折れた」
「桜で支持率を落とした安倍が外交的成果が欲しくて韓国に譲歩した」
と受け取られかねない誤ったメッセージを送ったことになりそうです。
補足です。
輸出管理なら今まで通り6ヶ月ごとの認可で別に問題ないはずです。
今わざわざ3年に延長する必要があるとは思えません。
政権の真の意図はわかりませんが、多くの人には「媚韓」と受け止められかねないと思います。
まさに「何故?」と言うのが私の気持ちです。
来週の首脳会談前というタイミングでこれを言う意味がいまいち読み解けませんが、会った後にやるよりは制裁でもないし、募集工とも関係ないよ、いい加減分かれとは言える気がします。しかしそこは韓国ですから分かるわけもないのですがね。
更新ありがとうございます。
韓国の聯合ニュースも「日本がレジスト(感光材)について措置を緩和したことについて、韓国の青瓦台高官は語った」と報道されてます。中、朝は定時に帰ったのか、後追い無いですが(笑)。
やはり「制裁ではない」という事を表したかったのか、でもタイミング的に日韓首脳会談直前で、隣国を喜ばす事になりましたね。また鬼の首を取ったようにはしゃぐ、挑発記事を書くでしょう。ま、アホタレはほっときましょう。
実際グループBのまんまで、特別一般包括許可の対象品目にレジストを加えただけですから、実害は無いと思いたいです。
逆に日本が半歩引いたと見るなら、会談は韓国が譲歩の番。徴用工判決について、もっとマシなネタ考えて来いッと言えると思います。
中韓は相手が引いたとみるや どんどん押してきます。
浮かれた文在寅大統領が安倍総理との会談で図に乗った言動をして進展無しとなり、「後頭部を殴られた!」と逆恨みする結果になるかも知れませんねw
それを狙って緩和したとしたら、なかなか「意地悪」ですねww
私もこれは意地の悪い措置だという気がします。
韓国側の管理が適正であれば輸出は許可されるだけのことで、当初からの経産省の主張に沿った措置であり、これを緩和と捉えるのは日韓の短絡的な大部分のマスコミと愚かな一部のネット民ぐらいなものかと思いますが、まあそれはともかく。
同じことをするにしても、日韓首脳会談まで待ては、会談の成果だと文大統領が国内的に吹聴できるであろうネタを、今の時点で公表してしまうというタイミング。経産省の、あるいは日本政府の、現韓国政府の手柄にはさせないという冷ややかな意思を感じます。
日本政府は文政権が国民の支持を失って早く倒れることを望んでいるのではないでしょうか。そしてそれは逆に保守政権になれば日韓関係が改善されるという、誤った目論見の表れでもあるとも言えます。
もったいないですよ安倍さん、こんなに日本に都合のいい政権を打倒しようなんて。文大統領には韓国の破滅へ続く坂道をずっと先導していただきたいと思っています、
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
日本マスゴミ村は、この記事を書くために、経産省のオフィスに施錠す
るな、と言っていたのではないかと、邪推してみました。
駄文にて失礼しました。
たまたま見た(元経産官僚の)細川昌彦氏のTwitterからの引用です。
>韓国への輸出管理で、三品目の一部について緩和。
>別に首脳会談のお土産するというようなものではない。
>以前に局長級対話を再開すると記者会見した時に、この方針は説明済み。
>淡々とこの方針通り対応しているだけ。
経産省は淡々と事務手続をこなしているだけのようです。
うーん 細川昌彦氏・・・。
どのような目論見でこんな微妙な時期にこのような措置を執ったのか、門外漢には到底真相は知りようがないのですが、もともと輸出管理強化3品目の中で真っ先に輸出許可を出したのがフォトレジスト。3品目の顔ぶれを見れば誰でも、すわ韓国の半導体産業つぶしが狙いかと勘ぐるところ。そういう脅しの役割はすでに十分果たしたからには、フォトレジストに関してはもうお役御免ということになったんじゃないでしょうか。禁輸措置(敢えてそう言いますが)の本命じゃないから、いずれ時期を見てこの物品は外そうと、経産省では初めから予定していたのかも知れませんね。あとフッ化ポリイミドも特定包括制度の対象に加われば、いよいよ残るのはフッ化水素。否が応でも、日本の真の狙いはその横流し防止の件だったのか!ということが明々白々になるわけですが、折しもイランのロウハニ大統領が来日。今回の措置はこれに合わせたのかなぁ、なんて考えると面白いのだが、いくら何でもフッ化ポリイミドまで特定包括制度の対象に加えて、オイ韓国、フッ化水素の件どう言い訳する、なんて露骨な圧力をかけることまでやるのは、さすがに武士の情けでできなかったのかな、なんて勝手に妄想を膨らませています。
気になって読んだ記事です。ATMの山勘・期待記事ではないので、根拠がありそうです。推測ですが、2019年7月1日から11月30日まで5カ月間、実働100日書類審査をしました。その結果、経済産業省担当局が第三国への横流しが疑われるのは、フッ化水素のみであったということで、残り2品目は一括審査に戻しても実害が生じない(横流しが疑われない)ということではなかろうかと思います。3品目個々の①純度、②同じく日本産業の国際的な独占状況、③同じく核兵器への転用用途(純度との関係)、④同じく核以外の兵器への転用用途(純度との関係)、⑤核兵器の世界的な生産動向(特に北朝鮮の発射状況)、⑥サムスン電子の工場移転等にともなう韓国への輸出量の予想量→本来ゼロになるはずなのにならない場合は横流しが疑われるのでわざと外した。以上ですが素材と転用可能性の関係がわかりません。ご教示いただければ幸いです。
そもそもこれは輸出規制ではない、今回の変更は緩和ではない、という意見がたとえ正論だとしても韓国にはそんなの関係ないんですよ
なぜ韓国側の輸出管理体制の改善が見られない(というか具体的な話し合いもしていない)段階で韓国から日本が輸出規制を緩和したor態度が軟化した、と見られるような変更をしたのか疑問です。