【読者投稿】GSOMIA[事実上の延長」の真否
当ウェブサイトでは「読者投稿」を常設化しており、読者の皆さまからの寄稿をお待ちしています(投稿要領等については『読者投稿募集につきまして(2019年10月31日版)』などをご参照ください)。さて、このたび、「狐の手のおじさん」と名乗る読者の方から、「GSOMIAは『事実上の延長』ではなく、『実際に延長』されたものである」とする、なかなか興味深い論考を頂戴しました。いったいどのようなことが記載されているのでしょうか。少し専門的な用語も出て来ますが、これについて読んでみましょう。
2019/11/24 13:15追記
記事本文の「外交条約に関するウィーン条約」に関するURLリンクを追加しております。
目次
GSOMIA延長について
『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』(いわゆる「日韓GSOMIA」)を巡る騒動については、ここ数日、当ウェブサイトでは何度も触れているとおりなので、いまさら「日韓GSOMIAとは何か」について説明する必要はないでしょう。
こうしたなか、今朝の『韓国の「GSOMIA瀬戸際外交」は日本の勝利だが…』や『さっそくGSOMIA問題を曲解報道する韓国メディア』で少し触れた論点が、「はたして日韓GSOMIAを終了すると通告し、それを撤回することは可能なのか」、とするものです。
そもそも日韓GSOMIAの破棄については、第21条第3項に、「基本的に毎年更新されるよ」、「でも更新しないんだったら、その年の協定終了日の90日前に書面で通知してね」、と書いてあります(正確な文言は以下のとおり)。
(参考)日韓GSOMIA第21条第3項
この協定は、一年間効力を有し、一方の締約国政府が他方の締約国政府に対しこの協定を終了させる意思を九十日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り、その効力は、毎年自動的に延長される。
ここで、そもそも「第21条第3項に従って90日前に書面で終了すると通知した」というときに、その通知を撤回することができるのかどうかという点については、日韓GSOMIAには明記されていないため、「法的に撤回はできるのか?」という点は、確かに疑問ではあります。
昨日の『【資料】GSOMIA等を巡る日韓両国政府の発表内容』で触れた、韓国大統領府の記者発表を再掲しておきましょう。
GSOMIA関連 金有根NSC事務局長ブリーフィング(2019-11-22付 韓国大統領府HPより【韓国語】)
これを機械翻訳したうえで日本語表現を整え、便宜上、番号を振ると、次のとおりです。
- ①韓日両国政府は最近の両国間の懸案を解決するために、それぞれ自国がとる措置を同時に発表することにしました。
- ②わが国の政府はいつでも韓日軍事秘密情報保護協定の効力を終了させることができるという前提の下に、2019年8月23日付の終了通知の効力を停止させることにし、日本政府はこれに対する理解を示しました。
- ③韓日間の輸出管理政策の対話が正常に進行されている間は、日本側の3個品目輸出規制に対するWTO提訴手続を停止させる事にしました。
弁護士の見解
こうしたなか、本日、「狐の手のおじさん」のハンドル名の読者様から、「読者投稿」として、1通のメールを頂きました。
本稿のタイトルは当ウェブサイトに合わせたものですが、オリジナルのメール上、「希望するタイトル案」には、
GSOMIAは延長された。「事実上の延長」ではない。
とあります。
また、「狐の手のおじさん」様、バックグラウンドとして「弁護士」とありますが、いったいどんなことが記載されているのでしょうか?
(※これ以降が狐の手のおじさん様からの投稿です。なお、文中の小見出し等については当ウェブサイトにて勝手に付しており、漢字仮名遣いや専門的な表現などについては勝手に修正しておりますので、ご了承ください。)
GSOMIA「事実上の」延長、は正しいのか?
11月22日午後6時、韓国大統領府の金有根国家安保室第2次長は「韓国政府はいつでもGSOMIAの効力を停止させることができるという前提で終了通告を停止する」旨発表したそうです。
このニュースを受けて、国内メディアでもネット上でも「GSOMIAが事実上延長された」といった受け止め方がされているようです。
わたしがこの報に接して最初に思ったのは、「そんなこと可能なのか?」でした。
少し前から、「GSOMIAの期限切れを延長する案」がうわさされていましたが、これについても「協定上可能なのか?」と疑問に思っておりましたので、一晩明けた今朝、少し調べてみることにしました。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
まず、GSOMIA第21条第3項は、
「この協定は、一年間効力を有し、一方の締約国政府が他方の締約国政府に対しこの協定を終了させる意思を九十日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り、その効力は、毎年自動的に延長される。」
と定めています。
韓国政府はこの規定に基づいて、8月23日に協定終了の意思を日本政府に伝えたわけです(ちなみに「日本政府に外交ルートを通じて書面で伝えた」ことを、法的には「通告」といいます)。
これについて、世間では「韓国が通告を撤回するかどうか」が話題になってきましたが、GSOMIAには第21条第3項に基づく通告を撤回できる旨の明文の規定はありません。
では、明文の規定がない場合、どう考えるのが良いでしょうか。
「条約法に関するウィーン条約」はどう規定しているか
そのヒントが、『条約法に関するウィーン条約』(※リンク①/リンク②)です(以下、本稿では「ウィーン条約」と呼ぶことにします)。さっそく、このウィーン条約を読んでみましょう。
まず、ウィーン条約の第65条には、こうあります。
「条約の終了(中略)を援用する場合には、(中略)他の当事国に通告しなければならない。」
次に、同第68条には、こうあります。
「第65条(中略)に規定する通告(中略)は、効果を生ずる前にいつでも撤回することができる。」
つまり、ウィーン条約上は、GSOMIAの終了にかかる通告も、「終了」という効力が発生するまではいつでも撤回できる、ことであり、この規定に従うならば、今回のGSOMIA終了通告も、本日になるまでの間であれば「通告の撤回」は可能でした。
※なお、GSOMIAは「協定」ではありますが、上記ウィーン条約第2条では
「『条約』とは、国の間において文書の形式により締結され、国際法によつて規律される国際的な合意(単一の文書によるものであるか関連する二以上の文書によるものであるかを問わず、また、名称のいかんを問わない。)をいう。」
と規定されていますので、日韓GSOMIAも「条約法に関するウィーン条約」第2条にいうところの「条約」にあたり、同条約第68条の適用があります。
「通告の効力発生の停止」って可能なの?
さて、以上の議論より、「通告の撤回」自体は可能だったといえます。
ただ、ここでもうひとつ、疑問が浮かびます。
韓国大統領府をよく読み返してみると、「通告の撤回」ではなく、「通告の効力発生の停止」とあります。そして、「通告の効力発生の停止」という規定自体、GSOMIAにもありませんし、先ほどのウィーン条約にも設けられていなません。
このことから、「通告の撤回」はウィーン条約上可能だからといって、今回、韓国が言っているような「通告の効力発生の停止」ができるかは別問題です。
というよりも、常識的に考えるならば、もしそんなことができるのだとすれば、条約に盛り込まれている条約の終了条件を無視して、「条約の終了時期を自由にコントロールすることができてしまう」ということになってしまうため、明らかにおかしな話です。
つまり、韓国がいう「通告の効力発生を停止する」という発表が、ウィーン条約にいうところの「通告の撤回」ではなかったとすれば、それは「通告の撤回」ではないため、GSOMIAの(期間満了による昨日経過時点での)終了は避けられなかった、という結論になりそうなものです。
また、このような理解が正しいとすれば、もし韓国政府の主張する「通告の効力発生の停止」ができるとすれば、「日韓がGSOMIAを改訂して、『期限を延長しないという通告の効力発生を停止することができる』とする条項をGSOMIAに盛り込んだ」場合です。
GSOMIA第21条第2項は「この協定は、両締約国政府の書面による同意によりいつでも改正することができる。」と定めていますから、もし、日韓両国政府が書面で同意していたのだとすれば、韓国の「通告の効力発生の停止」という発表は根拠のあるものとなります。
しかし、現実には、昨日の日韓両政府の発表を読んでみても、「GSOMIA改正を書面で同意した」などとするくだりはありません。もしそのような書面同意があったとすれば、そんな重大な内容が発表されないこと自体、不自然です。
となると、GSOMIAに「期限不延長通告の効力発生の停止」は盛り込まれていない、と考えるのが自然でしょう。
日米の反応から見えて来るもの
つまり、韓国政府の発表にある「通告の効力発生の停止」をウィーン条約上の「通告の撤回」ではないと解釈すれば、GSOMIAは昨日が徒過(※)により終了している、ということになりそうですが、そうであれば日米の反応があんな形になるはずがありません。
(※新宿会計士注:「徒過(とか)」とは、法律で期間中に行うものと定められた行為を、行わないまま期限を過ぎてしまうこと。)
このように見てくると、ことの真相は、
- 韓国はウィーン条約の規定に基づいて『8月23日になしたGSOMIAの不延長通告』を撤回した
- それにより、GSOMIAは1年間延長された
- したがって、「韓国がいつでもGSOMIAを終了させることができる」などということはない
- 韓国は「いつでもGSOMIAの効力を停止させることができることを前提とした」と発表した目的は、「無条件にGSOMIA終了を撤回して延長した」という批判を避けるため
- 日本は「それは勝手にやらせておけば良い」ということで、その点には何も触れていない
ということであろうかと思います。
日本としては、「「期限不延長通告の効力発生の停止」などではなく、「協定の原則通りの延長である」ことを明らかにしても良いわけですが、それをするということになれば韓国はGSOMIA延長を選択しない可能性が高いので、「それは発表しないよ」ということで合意したのでしょう。
そうだとすれば、その点で日本政府は韓国政府に貸しを作ったことになります(※といっても、そんな「貸し」、韓国の行動様式からすれば後になれば無視されるだけでしょうけど…)。
ちなみに、この「韓国政府には貸しを作ったとしても、あとになればどうせ無視される」という点を踏まえると、日本政府が「協定の原則通りの延長であることを発表しなかった」理由は、「韓国に『貸し』を作るため」ではなく、「WTOの提訴手続を中断させる材料に使った」というのが真相かもしれません。
もっとも、WTOの提訴手続が進行したところで日本にとっては大して困るわけでもないので、この推測は的外れかもしれませんが…。
結論
結論。GSOMIAは事実上などではなく、実際に延長されました。
(了)
なるほど。
以上が「狐の手のおじさん」様からの投稿です。
なるほど。以上の論考を拝読すれば、たしかに「GSOMIAは『事実上の延長だ』」とする報道は奇妙であり、法的に考えていけば「事実上の」ではなく、「実際の」延長だった、ということがよくわかります。
この手の少し難しい法的な見解だと、一般紙・一般誌に掲載されることは少ないと思うのですが、当ウェブサイトの読者様の場合だと、おそらくこの手の文章でも読んで下さる方は大勢いらっしゃると思います。
もちろん、条文の解釈などについては、あくまでも「狐の手のおじさん」様のご見解であって、当ウェブサイトとしての見解ではありません。あくまでも「読者の方からの投稿」という形で掲載したものに過ぎないという点についてはご了承ください。
いずれにせよ、専門のお立場から見解をご投稿くださるのは、本当にうれしい限りです。「狐の手のおじさん」様、本当にありがとうございました。
(なお、途中で文章の表現をマイルドにするなどの修正を加えているため、もし文意が変わってしまっている、という箇所があれば、読者コメント欄などでご指摘ください。)
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
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私は賃貸アパートの契約になぞらえる話を別記事にコメントしたのですが
https://shinjukuacc.com/20191123-03/comment-page-1/#comment-65903
ウィーン条約68条を根拠とすれば通告の撤回は可能だったのですね。韓国のやり方を無理筋として「日本政府はGSOMIA再締結を迫れ」という私の主張は間違っていました。残念。
「通告の効力発生の停止」といのは通用しないという説は常識に照らして納得しやすいものですが、相手が韓国では常識など何の役にも立たないでしょう。
新たな情報によれば破棄の延期は今年いっぱいまでだそうですから、韓国お得意のサラミ戦術のつもりなのでしょう。いつまでもドタバタに付き合うのは止めたいところですが、文在寅政権には長続きしてもらいたいし、急いで息の根を止めない方がいいのかもしれません。悩ましい所です。
阿野煮鱒様
本当ですか、今年一杯で本当にあの○属が、丸ごとアチラ側に行ってくれるのですか?🐧
嬉しや、めでたや
「もういくつ寝るとお正月
お正月には GSOMIA破棄されて
制裁発動して 遊びましょ
もういくつ寝ると お正月」
新宿会計士 様
条約法に関するウィーン条約 のリンクが
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S56-0581_1.pdf
のみとなっております。
第六十五条 の登場する文書は以下のリンクです。
(B-S56-0581_1.pdfは第三十六条まで)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S56-0581_2.pdf
ちょこ 様
ご指摘大変ありがとうございました。さっそく修正いたしました。
引き続きのご愛読・コメントを賜りますようお願い申し上げます。
まずは、狐の手のおじさん様に、情報提供を感謝します。
私は、論理展開に理解しやすく、納得出来ました。
条約が有効に締結された状態なので、また来年8月にならないと、破棄の通達も出来ないという風に理解しました。
韓国(一方)の好きな時に、破棄出来る条約が、有る訳はないと思いましたので、これで解決しました。
まあ、韓国は国際法無視の国家ですので、現実がどうなるかは韓国次第という事でしょう。
いずれにせよ、韓国は、アメリカの了解無くGSOMIAは、破棄出来ないのが、現実だから、変わらないのかな。
破棄の通達はいつでも出来ますよ。
「更新されたら1年は持続、破棄するなら更新の90日前に通達」
というルールなので、「来年破棄しますね」って今の時点で通告するのは自由ですから。
どんな条約でもいつでも一方的に破棄できるんですよ、ただそれは単に国際法違反なだけ。
勿
論、わが国も破棄できますが、(アメリカを敵にまわしたくないだけでなく)そもそも我が国はそんな恥知らずなことはしません。←いいかどうかは別ですが。
なるほど、指摘されなければずーーっと勘違いしたままだったと思います。
まさかそのような条文があるとは思いもしなかったです。
>つまり、韓国政府の発表にある「通告の効力発生の停止」をウィーン条約上の「通告の撤回」ではないと解釈すれば、GSOMIAは昨日が徒過(※)により終了している、ということになりそうですが、そうであれば日米の反応があんな形になるはずがありません。
読んでて此処が気になりました。
日韓基本条約における対日請求権を有する韓国民の扱いについて、条文ではなく交渉の議事録や韓国大統領の国会での国内向け演説で内容が確認出来ます。
で、韓国政府の主張では、現段階では通告の撤回ではないとの内容になるのでは?
議事録にて通告の撤回である事が確認出来ないと、通告の撤回ではないとの解釈に有利に働く気がします。
何というか、韓国は通告の撤回であるとの証拠を残さずに、日米に通告の撤回であると認識される事に成功した気がしますが、成功したところで通告の撤回ではないだなんて言い始めたらパーフェクトストーム2ndどころじゃないでしょうね。
某テレビ局の格付けチェック、ホント難しい、当たらない。
韓国の格付け、「写す価値なし」、への流れを期待していたが残念w。
米国の超法規的要求47億ドルもエゲツないが、どうやってかわすか
「そっくりさん」で残って見られる事は、愉しめそう。
韓国は嘘はついていません。
条約破棄であれば、日本もいつでも停止できます。
GSOMIAには違約条項、罰則規定もありません。
もちろん、国際社会の信用はドン底になりますし、レッドチームに所属が必須ですが。
北朝鮮と同じく、次は条約破棄するぞとの強がりでは?
日本政府もそれが分かった上で、突っ込まないだけなら、貸し借りにもなりません。
罰則ありの契約でも、その場しのぎ、倒産を前提に履行できない契約を結ぶ非常識な企業をいくつもみてきました。
「狐の手のおじさん」様
法学のスペシャリストとしての専門的な論考、誠にありがとうございます。
文大統領は、GSOMIAについて、ここまで拗れるとは思ってなかったのか。日本に破棄を申し付けたら、即、輸出緩和策を言って来ると思ってたのなら、今年に入ってからの日本の空気を読まなさ過ぎる。
側近も知日派も在日大使館も多少は分かってただろうに。文大統領の狂信的な親北ぶり、反日反米に押されたか。
浅学の身で変なこと聞きますが、韓国の法体系は、ほぼ日本のパクりでしょうか。
GSOMIAに「期限不延長通告の効力発生の停止」は盛り込まれていない、と考えるのが自然という事は、法的に考えていけば「事実上の」ではなく、「実際の」延長だった、ということが、なるほど分かります。
また韓国は詭弁を弄した訳ですね。
破棄を人質にとっても日本は動じないということを、さすがに韓国も学習したでしょうから、「いつでも破棄できる」という言い分は、国内向けの言い訳だともともと思っていました。やれるものならやればいい、米国の激怒は何割増しになるかな?
狐の手のおじさん様の解説は、その空手形の脅しさえ成り立たないことを明確にしていただき、非常に納得できるものです。ありがとうございます。ただし、韓国人がそれを認識できるかというと、非常に難しいと思わざるを得ません。何しろ日韓基本条約さえ今から解約できると考える人々ですので。
私には、この一連の韓国の行いを見聞するにつけ、自分で高い樹に登っておいて「いう事を聞かなければ枝を切るぞ」と脅迫する姿をいつも連想してしまいます。その枝は韓国自身の乗っている枝だというのに。日本は「危ないぞ~」「バカなことはやめろ~」と違う枝から声をかけていて、幹に居る米国が「樹を傷つけるんじゃない!」と怒っている、地面では中朝が何が落ちてくるか期待して待っている、そんな情景です。今回の破棄撤回は途中まで行った切断を止めただけ、枝は傷ついたまま・・・そして韓国はのたまう、「いつでも枝は切れる!」
米国はこの無駄騒ぎで掛けられた迷惑代を駐留費に上乗せしてもいいでしょう。
破棄を自分から言い出し、日本の呆れ・米国の怒り・国際的嘲笑を受け、今度は破棄撤回で、北鮮の不興・中国の失望・国際的哄笑を買い、どれだけ韓国のブランド力を落とせば気が済むのか、興味が尽きません。
>自分の乗ってる枝を切ろうとしてる···
実に解りやすい表現ですね!大半の日本人はそういう気持ちで見てるでしょう。某サイトにも書き込んだのですが、韓国のすることは、吉本新喜劇のギャグのように、さんざんやられておきながら「今日はこのぐらいにしといてやる!」
で、全員ずっこけ‼
いつもそんな感じですが、GSOMIA の今回の韓国の行動は特にそう思いました。次は一体何が飛び出すか···
狐の手のおじさん様
わかりやすい解説ありがとなのです ((*_ _))ペコリ
旧朝鮮半島労働者問題に対する輸出管理とこじつけ、Gソミアへ。
でも現金化したら、日本は対応するでしょうから、またGソミア。
文政権と今回、どんな約束をしても、結局Gソミアw。
イタチも怒るよ、なんども呼び出すな、てね。
狐の手のおじさん 様
明快な解説ありがとうございます。昨日の速報に接しての感想は全く同じでそんなことできるのか!? だったので大変腑に落ちました。 かの国がGSOMIA破棄するなら条約そのものの破棄しか無くなったと言う事ですね。文字通り米国への宣戦布告になるわけで”何でも人のせい”内政の文さんはまずやらないでしょうな…
それにしても週明けからのかの国の世論は注目ですね…現時点でも複数のニュース板のコメントがえげつないことに……
>GSOMIA終了の凍結
今度は「GSOMIAの条文守れ(凍結なんてないぞ)」って言わないといかんな。
いつも楽しく読まさせて頂いております。
今回のGSOMIAの件は???状態です。GSOMIA破棄→在韓米軍撤退→米韓同盟解消→中韓同盟締結→南北統一が文政権の目標で。今回 日本の輸出管理強化の件で難癖をつけGSOMIA破棄直前だったにも関わらず政策を180度変更したのですから。
ポンペオ国務長官と韓国の康京和外相が電話会談を行った事が原因だと言う声もあるみたいですが、たとえ経済制裁をチラつかされても、経済音痴の文政権では、今日明日ではピーンと来ないだろうし米国も露骨な経済制裁は出来ないだろうから、韓国経済を徐々に弱らす程度しか出来ないだろうから関係ないと思ってました。
文政権が「雷に打たれる」様な状態でないとあの方向転換は無いだろうと考えてみたところ、一つだけ見つかりました。他にもあるかも知れませんし、米国がそこまで情報を持っているかは判りません韓国政府をビビらせるのには充分でしょう。
それは、米国からの「我が国は『貴国の電力公社の国連安保違反行為が公社自体の判断で行っていた事の証拠は掴んでいる』GSOMIA破棄後はこの事を国連安保に上げるし無罪が証明されるまでドル口座は凍結する」と言われて午前中一杯掛けて検討した結果、今年中にベネズエラ以下に成るとの回答を受けての今回の対応かなと思いました。あくまで妄想です。
さすが法律の専門家です。素晴らしい!
でもジジイの固くなった頭ではついてゆけないので、要は韓国が「終了通知の効力を停止」をしている間にGSOMIAの更新期日がきて自動延長されたと理解しました。従って韓国が再度終了通知を有効とすることはできるが、その場合は来年の更新期日に対する終了通知にしかならないと言うことですね。
そう考えると韓国の「我々はいつでも破棄できる」と強がっているのもあながち嘘ではなく、「但し来年の終了日でね」との言葉を省略していることになります。
なかなかの知恵ですが、韓国内には但し書きの部分をひた隠しにして、国外に対しては虚勢を張って、何だか哀れになってきました。
なるほど、そういう条約があるんですね。確かに破棄を通告しといてそんな一方的に破棄の撤廃なんかできるんだろうかと疑問でした。
言われてみたら第一次大戦の時に各国が宣戦布告後に取り消しさせようと努力したけど結局戦争が始まったみたいな感じだったんで、それ以前にも慣習法であったけど、ウィーン条約65条で明文化されたみたいな感じですかね。
まあ短絡的な宣戦布告や強硬的な通告による緊張を、落ち着いて考えたらそこまでなかったと自省する機会の保障って概念でしょうかね。
突き付けられた方はたまったもんじゃないですが、そこら辺は国際法上で解決するんじゃなくて外交上解決しろってことでしょうか。そう考えると人類の叡智の一つですね。まあ今回は韓国に濫用された感じがしますが…普通にウィーン条約65条に基づいて前回の決定を撤廃すると言われればモヤモヤもないのに…
韓国の外相 カン・ギョンファがはっきりと述べています。
今回のGSOMIA破棄の停止は、”時間稼ぎ”だと。
何の時間稼ぎでしょうか?
まずは、経済情勢がガタガタで政権が持つかどうかわからない状況で、米国からの”しばき”には耐えられないとの判断があったと思います。しばきを逃れるための時間稼ぎかと・・。
そうしたうえで、当面、日本のホワイト国外しの撤回を求め続けるのでしょう。
しかし実のところは、米中の覇権闘争、貿易摩擦の行方を見定めようとしているのではないかと思います。
そのための時間稼ぎ。
そうやって、狡賢く生きてきた国でもあります、民度か低い分、始末に打たない。
ともかく韓国という国は、反日・貶日が国是。
GSOMIAで妥協したなどと言われており、このままでは国民の”情緒”や”恨”が絶対に許さないはずです。
なので、我が国が少しでも隙を見せれば、食らいついてくることでしょう。
皆様これまでご指摘のとおり、文在寅周辺は言うまでもなく、克日・用日派も要注意。
彼の国に対しては、決して心を許してはならず、最悪の状態も想定し、粛々と備えをすることが肝要だと考えます。
シンシアリーさんのところでは、アメリカは「更新」と見ているそうです。狐の手のおじさんが正しいとみるべきでしょう。日米はその見方ですが、韓国だけ別の事を考えているといういつものパターンでしょう。
法律論の話のエントリーで、スレチで恐縮ですが、
ムン君はアメリカに「お前潰すぞ」或いは「韓国潰すぞ」レベルの事を言われたんでしょうね
そうで無ければ、前日撤回などにはならないでしょう
昨今のアメリカ政府のつるべ撃ちの圧迫を見て、↓これを思い出しました
>2006年9月21日放送のCBS “60 Minutes” においてパキスタンのムシャラフ大統領は、2001年のアメリカによるアフガニスタン侵攻の際に協力しなければパキスタンを爆撃し「石器時代に戻す」とアーミテージから脅迫されたと告白した。アーミテージ自身は直後に「そのような表現は使っていないが、かなり強い言葉で要請したのは事実」とこれを認めている[3]。
これその通りなんですよね。延長の際に停止条項がないので延長したら1年は延長なんですけどね。
ただ、該当省庁の防衛省のぶら下がりコメントが出てないので、憶測になってしまい何ともいえませんね、、、
韓国の方では40日日本に猶予を与えたって感じの新聞が出てる様ですが、また40日とか勝手に期限設けて米国からパーフェクトストーム喰らう前振りなんですかね?
>40日後どころか三歩も持ちませんよ、朝鮮人の記憶(=朝鮮人の感情)は
さすがと言うか、解りやすく、かつ論理的な解説で納得しました。
ウィーン条約については勉強になりました。
が、破棄撤回を通知する文書は23日0時までに日本国政府に届いたのか?
という疑問が残ります。
カンちゃんがお使いで紙を届けに来たのかもですね。
撤回に関する条約に手段の記載はありませんので、当事者同士の認識の一致があれば手段は何でもよいことになります。
そして、今回双方でそれぞれ会見を行って撤回された認識を示してますので撤回は成立したと解釈するのが自然です。
専門の方の解釈をありがとうございます。
自分も、そもそも通告の停止なんてことできるのだろうか?と疑問に思っていたのでスッキリとしました。
「事実上の延期」などではなく、
ウィーン条約第68条で明文化された取り扱いに従い、通告の撤回を行いGSOMIAが自動延期された、という解釈になるのですね。
そして韓国側が言う「いつでも効力を停止できる」とはつまり「いつでも協定を破棄する」と同義なのですね。
おそらく「破棄」という強い言葉を再度使うことをボヤかすために通告の停止なんて曖昧な言葉を使い、
日米はもうそのあたり突っ込むのも面倒くさい(意味が無い)と放置しているんでしょうか。
しかし文大統領も弁護士なのですから、
文言の正確性には気を付けなくてはいけないはずでしょうに。
ありがとうございます。
面白い内容でした。
「事実上」って言葉は面白いなぁと思いました。
GSOMIA破棄を宣言してから今日まで、韓国は日本とGSOMIAに基づいて軍事情報を交換してました。
韓国が「事実上のGSOMIA破棄」をするならば、GSOMIA破棄のために90日前なんて面倒な手間をかけずに、「本日より、日本に情報を求めないし提供もしない」と韓国が宣言すれば良かったのでしょう。
韓国の瀬戸際外交としては、その方が日米にアピールできたのではないかと思いました。
ただし、そうすると実質的に、中国・北朝鮮に利することになってしまいますが、、、思えば、瀬戸際外交の尻尾は出ていましたね。
また、文在寅大統領としては、そこまでは出来なかったということなので、限界を見せてしまいましたね。
必然的に、北からは白眼視されるでしょうし、レイムダック近し、となるでしょう。
改めて思い返すと文在寅さんが就任されてから、日本に沢山に迷惑をかけてくれましたが、おかげ様で日本人の目を開かせてくれた、日韓関係の真の正常化に尽力してくださった功労者ですね。
狐の手のおじさん さま
感謝でございます。
漠然としたモヤモヤが霧散したような気分です。
とても勉強になりました
同時に
これが普通の国同士の話なら
どれほどよかったことか
問題を解決するつもりのない、
日本には何をやっても許されると
洗脳された国を相手にするには、
事実を積み重ねることや無視する
だけでは足りません
私の願いは米国との同盟を維持
しながらも、頼ることなく自立し
そして大陸からの驚異に毅然と
対応できる揺るがない国になる事
半島などはどうでもよくて、
もともと大国の都合で生まれた
悲惨なところ、早く焦土化し中国の
属国にもどればよいのです
GSOMIAの件もそうでしたが、
今は日本単独で相手に出来ないのが
くやしいですね
強くなるには、まずは日本国内の
獅子身中の虫どもを退治しないと
いけないと考えた週末でした
本論考については全面的に同意で、客観的に見ればそれ以外に解釈しようが無いよね、と思っていました。
そうなると、ご指摘の通り「いつでもGSOMIAの効力を停止させることができる」というのは根拠がないことになります。
当然、日本側はそれを指摘する事が可能ですが、日本側の観点で言えば指摘するメリットは現時点ではないのですよね。
指摘したら韓国はGSOMIAを終了させる方向に動くのは明らかなので。
一方、このような強弁を認めてしまえば韓国が図に乗るという懸念もありますので、認めることもしない。
なので「一切触れない」のがベストです。
そして、もしもこれを足掛かりにまた瀬戸際戦術を取り始めたら、その時に改めて「韓国側が勝手に言ったことでそのような条文は記述がなく同意もしていない」と言えば条約破りは韓国側だと畳みかけることができます。徴用工の件と同じ構図にできますね。
日本側の担当者もこれくらいは考えてると思います。
難しい国際法の紹介ありがとうございます。
ま
あ、こういう話を聞いてからの後知恵と言われてしまいますが、この件はネットの文面からはしごく単純に
文
大統領自身が通告したジーソミア破棄を惨めにも文大統領みずから破棄しただけ。
い
ろいろ訳の分からない言葉を発明しては連発して、文大統領が支持者の朝鮮人(漢字が読めない発音記号だけのハングル脳)を煙に巻き誤魔化してるだけ。
(日本に対してジーソミアを破棄すると書いた文書での)通告の期限を延期するとか延長するとか
は
破棄すると言ったが、アメリカにどやされた。ア
メリカが怖い、恐ろしい。このままじゃ殺される。だからあの破棄通告は今年ためじゃない、延長して一年後に破棄するという通告に変更した。
と
勝手に韓民国内で喚いてるだけ。
日米は『そんなことは知らない』
故
に一年後、また、自動更新です。えっ、一年後の南朝鮮ですか。三歩も持たない鶏にも劣る朝鮮人ですよ。
まあ、また破棄を言い出したとしても、その効力が発効するのは来年の11月ってことでしょうね。
今回の騒動はGSOMIA破棄するか破棄しないかの政治判断しかないはずで正にウィーン条約68条の「通告の撤回」に当たるのは小生も気が付いていました。
当然、GSOMIA下記通告の撤回をした以上自動更新がされるわけですが、韓国政府が強引に「いつでもGSOMIAの効力を停止させることができる」つまり条約文の改正要求を出して、日本側に合意を迫ったのでしょう。日本側としては「通告の撤回」以外の発表を拒絶したはずです。
この日本側の拒絶は当然で米国との意見調整もしない状況でGSOMIA条文弄れないのは当たり前でかつ合意した場合、米国が排除され純粋に日本Vs韓国の構図となってしまうからです。
故に「いつでもGSOMIAの効力を停止させることができる」に関しては「理解を示した」にとどまり「合意」したとはならなかったと考えます。
またWHOに関しては、紛争解決機関上級委員が12月で任期満了で現在の3名から1名のみとなります。
これは米国が紛争解決機関上級委員の後任人事を指名しない為であり12月でWHOの紛争解決機能は凍結状態となります。
故にWHOの見合わせは「いつでもGSOMIAの効力を停止させることができる」を発表する代わりに日本に譲ったとのバランス併せ以外には意味がありません。
纏めるとGSOMIAは「通告の撤回」により「事実上の延長」ではなく、破棄通告の撤回で延長が自動的に機能し「いつでもGSOMIAの効力を停止させることができる」に関しては「理解を示した」のであって「合意」ではない事から韓国としてはGSOMIA破棄を延長したスタンスで愚民が受け入れ易くした空文ではありますが、この空文は現在の状況を保存してますので、韓国がGSOMIA破棄したら米国が有無を言わず韓国を叩きつぶす事となります。即ち自縄自縛です。
以上駄文失礼しました。
3ヶ月で溶ける自殺用毒薬カプセルが、即効になろうが日本は構わないのでは?法的に、さらに毒性が増すということでしょうか?所詮韓国に国際法を説いてもブタに真珠
新宿会計士様、
狐の手のおじさんによる法律の解説ありがとうございます。このGSOMIA関連の法的説明も有益な情報ですが、K国はWTOへの提訴も中断と言っています。この点に関する法的解釈は如何なものなのでしょうか。勿論WTOには別途WTOのルールがあると思いますが、如何でしょうか?
韓国がWTOに日本の輸出適正化措置に関して提訴した案件は,WTOのWebサイトによればWTOの手続き上の二国間協議中のようです。
この協議に入ってから60日経っても解決に至らなかった場合にはパネル設置を要求でき,そうするとパネルによる審理に入ります。
韓国はまだパネル設置を要求していない段階のようですので,「手続を中断する」という意味は,「WTO手続としての二国間協議を中断し,パネル設置も要求せず,WTO手続外の日本との協議を行う」という意味でしょう。
韓国がWTOに提訴したのは「フッ素化ポリイミド、レジストポリマー、フッ化水素」に関する日本の措置についてですので,「WTO手続外での協議」の狙いはホワイト国除外措置も含めて協議しようと言うことだと思われます。
狐の手のおじさんさま
読者投稿ありがとうございました。
専門家のご意見、大変貴重でした。
これからも、よろしくお願いします。
狐の手のおじさん さま様へ
明快な解説ありがとうございました。目からウ◎コです。
>通告の撤回」ではないと解釈すれば、GSOMIAは昨日が徒過(※)により終了している、ということになりそうですが、そうであれば日米の反応があんな形になるはずがありません。
これについては穿った見方をしてみました。
通告の撤回では無いと知っているけど、失効しなかったと言うことにしている。で、必要な時に「既に失効してるんだよ」と言ってしまうことが出来る。
勿論通告の撤回とも解釈も出来るので、韓国からやっぱり延長しない(年末が期限?)と言ってきても「じゃ、来年の11月までね」と言える。
もはや延長したとしても、しなかったとしても、レッドチームに入った相手と実質的な情報交換なんてヤル気は無いのですから、どちらでも良いのです。
有名無実のままぶら提げて置けば、また独り相撲を取ってくれると思います。
こういう実証的な論考が出てくるところが、このサイトの良いところ。
実際のところ、現時点のGSOMIAの状態は「シュレーディンガーの猫」状態なんじゃないでしょうかw
実際にGSOMIAに従って機密情報を請求してみないと、生きているのかどうかが分からない。
月曜日の朝になれば、マスコミが官庁に有効なのかどうか問い合わせることができますが、この週末は日本側はだんまりを決め込むようです。
それどころか、GSOMIAについて日本が、韓中通貨スワップにおける中国のように沈黙をずっと守れれば大したものですが・・・。
狐の手のおじさんの読者投稿、今更ながら拝読させていただきました。
法律の専門家の方相手に気後れしてしまうのですが、一応法学部出の人間として気になる部分について、自分なりの考えを書いてみようと思います。
>韓国大統領府をよく読み返してみると、「通告の撤回」ではなく、「通告の効力発生の停止」とあります。そして、「通告の効力発生の停止」という規定自体、GSOMIAにもありませんし、先ほどのウィーン条約にも設けられていなません。
>このことから、「通告の撤回」はウィーン条約上可能だからといって、今回、韓国が言っているような「通告の効力発生の停止」ができるかは別問題です。
結論から言って、韓国の言う「日韓GSOMIA終了通告の効力停止」は可能だと考えます。
まず一般論として、国際法には「合意は拘束する」という大原則がありますが、特定の合意は一般法の効力に優越します。
法抵触の分野では「特別法は一般法を破る」と言われたりもしますね。
たとえば禁酒法の時代、海からの酒の密輸を防止したい米国は、本来なら一般国際法上の規範として公海上の船舶には旗国の排他的管轄権が及ぶところ、複数の外国と二国間条約を締結することで公海上の当該外国船舶に対する米国の一定の管轄権行使を可能にしています。
このように、合意あるいは特別法は一般法にない権利義務関係を持ち込めるわけです。(もちろん特別法をもってしても破れない一般国際法上の強行規範のような例外もありますが)
上の例を踏まえ日韓関係について見るなら、条約法条約は国連国際法委員会により不文の慣習法が成文化された法典化条約ですから一般法、それに対する日韓間の合意は特別法に相当します。
たとえ条約法条約に規定があってもなくても、日韓の合意があれば、その合意された内容は効力を持つことになります。
では合意はあったのか?
「菅官房長官、『政府として韓国に謝罪した事実はない』」(https://shinjukuacc.com/20191125-04/)という記事の菅官房長官(当時)の会見から、韓国による「日韓GSOMIA終了通告の効力停止」通告に対する日本政府の反応が見て取れます。
「わが国としては、本協定の安全保障上の重要性、緊急性にかんがみて、本年8月に韓国が行った協定の終了通告の効力の停止をされ、11月23日以降も本協定が効力を継続することについて、この段階で異議を唱えないこととしています」
少なくとも国際法上の扱いとしては、日本の黙示的な同意があったと見なされるでしょう。
ちなみに韓国側の主張では、「日韓GSOMIA終了通告の効力停止」通告は留保にあたるとのことで、なかなか驚かされます。
多数の国が参加して国際的な規範を創設するような立法条約では、条約の普遍性を確保するため、参加にあたってのハードルを下げる意味で、参加国に留保の権利を認めるのは一般的と言えます。
しかし二国間条約の場合、多国間条約に比べ意見のすり合わせが容易ですから、そこは事前交渉で詰めれば済む話であり、留保はあまり一般的とは言えません。(1894年の日米通商航海条約のように例がないわけではないですが)
また通常であれば、留保は条約に拘束される旨の意思表示を行う際に表明されるもので、条約の更新・延長に際してという点もあわせて考えると、韓国の主張はかなり非常識ではあります。
とはいえ、上で見たように、当事国の合意があれば一般法ではありえないことでも通るのが国際法の世界であって、現状日韓GSOMIAの延長方式について規定した第21条3項は、韓国の留保によって適用がない状態と考えられます。
実際そのことを示すかのように、一時期、日本側から韓国側に対して日韓GSOMIAの正常化の申し入れが行われていたと報じられていたのを記憶しています。
「そのうえで、現下の地域の安全保障環境を踏まえ、本協定が安定的に運用されることが重要であるとのわが国の考え方、ここは不変であります。こうした考え方に基づいて、韓国側とは今後も本協定の在り方等について、引き続き、意思疎通を図っていく考え方でありその旨は韓国側にも伝達を致しております」との菅官房長官(当時)の言葉とも合致するでしょう。
ただ、そもそも韓国が「日韓GSOMIAの終了」を政治カードに持ち出して米国の反発を招き、その圧力に屈した結果、苦し紛れの国内向けのポーズとして持ち出されたのが「日韓GSOMIA終了通告の効力停止」であって、韓国に終了通告の効力を復活させることなど出来ないのは明白ですから、日韓GSOMIA正常化についての報道もいつの間にか目にしなくなりましたけどね。
むしろ文政権から尹政権に交代したことで、韓国側が「日韓GSOMIAの正常化」を政治カードとして持ち出して来ているのが、なにやら質の悪い冗談のように思えます。