李洛淵氏とは、「ウソツキ」なのでしょうか。韓国側でやたらと期待が高まっている日韓首相会談が本日午前11時から行われるそうですが、ここにきて韓国側のメディアも、期待のトーンを大幅に下げに来たようです。いわば、韓国の「独り相撲」という格好ですね。ただ、その一方で、李洛淵首相は昨日、都内の大学生との交流会で「韓日関係は1965年国交正常化とその時に締結された請求権協定上にある」、「韓国も請求権協定を尊重して守ってきた。今後も守るだろう」などと述べたのだそうです。この発言が事実なのだとすれば、李洛淵氏というのは、本当に「ナチュラルにウソをつく人物」だといわざるを得ません。
「注目の」日韓首相会談、本当ですかね?
事前の報道だと、安倍晋三総理大臣は本日午前11時から李洛淵(り・らくえん)韓国首相との面談に臨み、あわせて文在寅(ぶん・ざいいん)大統領からの「親書」を受け取るのだそうです。
韓国首相 きょう安倍首相と面会=文大統領の親書伝達へ(2019.10.24 06:00付 聯合ニュース日本語版より)
そして、この日韓首相会談を巡っては、「史上最悪ともいわれる現在の日韓関係を打開するきっかけとなるかが注目される」、などとする記事も配信されているようです(※たとえば次の記事など)。
「史上最悪の日韓関係」は打開されるか!? 注目される本日の日韓首相会談(2019/ 10/24 9:33付 Yahoo!ニュースより)
ただ、個人的には今回の日韓首相会談で日韓関係の「打開」の端緒が掴めるとはまったく考えていません。
今朝の『韓国の研究院「輸出規制と韓日葛藤は日本の判定負け」』などでも報告しましたが、現在の日韓関係の膠着状況をもたらしたのは、ほぼ100%、韓国側の非合理かつ非友好的な行動であり、韓国が国際法や約束をきちんと守るという姿勢に転じない限り、「打開」はあり得ません。
いや、もう少し正確に申し上げるならば、究極的には
- ①韓国が国際法や約束をきちんと守る方向に舵を切ることで、日韓関係の破綻を避ける
- ②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することで、日韓関係の破綻を避ける
- ③韓国が国際法を破り続け、日本が原理原則を貫き続けることで、日韓関係が破綻する
という3つの選択肢しか残されていないと見るべきですが、残念ながら日本がこれ以上、原理原則を捻じ曲げるとなれば、日本国民の不満はそのまま安倍政権に向かうことは間違いなく、また、残念ながら、日本としてもこれ以上、韓国に対して譲歩する余地はありません。
だいいち、権限に乏しい「韓国首相」という地位から見ても、李洛淵氏自身の人格・能力面などから見ても、本日予定されている日韓「首相」会談で日韓関係の破綻を避けるための端緒が開かれるとは、とうてい思えないというのが実情なのです。
韓国メディアも「軌道修正」
ただ、ここにきて、韓国メディア側も「軌道修正」を図っているようです。
韓国メディア『中央日報』といえば、週末には「李洛淵首相が訪日し、文在寅大統領の親書を渡せば、それだけで韓日関係打開の端緒が掴める」、などとする記事を配信していました(たとえば『韓国メディア「首相訪日と親書外交で韓日関係打開?」』などが参考になると思います)。
しかし、同じ『中央日報』(日本語版)に今朝掲載されている記事を読むと、従来の「強気」がかなり修正されているようです。
【コラム】「日本の立場に変化なし」判断…大統領訪日あきらめ李洛淵首相派遣(1)(2019/10/24 07:47付 中央日報日本語版より)
【コラム】「日本の立場に変化なし」判断…大統領訪日あきらめ李洛淵首相派遣(2)(2019/10/24 07:47付 中央日報日本語版より)
コラムは前編、後編にわかれるなど、無駄に長いのですが、おそらく記事の要点は、日韓の水面下の交渉に詳しい「匿名の韓国政府関係者」による次の話です。
- 「現在の韓日間の争点は▼強制徴用判決の解決法▼日本の輸出規制▼GSOMIA(軍事情報包括保護協定)終了--の3つだ。李洛淵首相が明らかにした通り、日本は輸出規制を緩和して韓国はGSOMIA終了決定を撤回することによって、状況を7月以前の状態に戻した後、両国協議を通じて強制徴用判決問題を解決しようというのが韓国政府の立場だ。」
- 「反面、日本は強制徴用判決に対する解決法が先決課題とし、強硬立場から退くそぶりがない。この問題に関する限り、韓日は各自の原則的立場に変化はなく、融通性を発揮する余地もほとんどない。」
正直、こんな話など、べつに「水面下の交渉に詳しい政府関係者の事情」として報じるまでもなく、きちんと日本政府の対応をウォッチしていたとしたら、明らかでしょう(※余談ですが、「日本の輸出規制」とあるのは「日本の輸出管理適正化措置」の間違いです)。
ただ、中央日報自身がこれを認めたというのは、それなりの変化でしょう。中央日報はまた、次のようにも述べています。
「李洛淵訪日をめぐる期待値は韓国と日本の間で顕著な違いが感じられる。日本政府のある要人が最近韓国側の知人に『韓国はなぜこれほど首相訪日に期待をかけているのか理解できない』と話したところから双方の温度差を感じることができる。」
このことから、「日本がまったく折れる気配がないことから、中央日報としても『軌道修正』を図った」と見るべきなのかもしれません。もっとも、原理原則論からちょっと考えれば、日本がこれ以上韓国に対して無用な譲歩を行うべき立場にないことなど、すぐにわかりそうなものなのですが…。
李洛淵氏「一定程度の結果は出るだろう」
こうしたなか、同じ中央日報には今朝、李洛淵氏が安倍総理との会談を通じて、「一定程度の結果は出るだろう」、などと述べた、とする記事も掲載されています。
李洛淵首相、安倍首相ときょう会談 「一定程度の結果は出るだろう」(2019.10.24 08:28付 中央日報日本語版より)
これによると李洛淵氏は23日午後、「駐日韓国文化院」で記者団と会い、次のように述べたのだそうです。
「(今日)日本政界関係者に会い、今の韓日関係は1965年韓日請求権協定の上に立っているという点を明確にしながら、解釈の違いは以前もあり、また対話で解決したように今回もそのようにしようと話した」
もしこの下りが事実ならば、先ほどの①~③でいうところの「①韓国が国際法や約束をきちんと守る方向に舵を切ることで、日韓関係の破綻を避ける」という選択肢を韓国が取る、という可能性を(わずかばかりではあるものの)李洛淵氏自身が示した、ということです。
もっとも、韓国人が「解釈の違いを対話で解決しよう」と言って来るときは、たいていの場合、「日本が韓国に対して大幅な譲歩をすること」を意味しますし、日本側にも外務省などを中心に、「日本が韓国に対し譲歩すべきだ」といったとんでもない思想を持っている者が一定数存在しています。
その意味では、警戒すべきはむしろ日本国内の「反日勢力」なのかもしれませんね。
ナチュラルにウソをつく首相
もっとも、同じ中央日報の記事によれば、李洛淵氏は日本の「慶応大学生との行事」なるものにも参加し、
「韓日関係は1965年国交正常化とその時に締結された請求権協定上にある/日本がそうしたように、韓国も請求権協定を尊重して守ってきた。今後も守るだろう」
などと述べたのだそうです。
本当にナチュラルにウソをつく人物だと思います。
現在の日韓関係の膠着を招いたのは、ひとえに昨年、韓国で日韓請求権協定に違反した大法院判決が下されたからであり、また、日本が日韓請求権協定に従った外交的解決を呼びかけても、韓国がそれを一切合財無視した(『これからの日本は、「韓国ザマミロ」では済まされない』参照)からです。
よくもぬけぬけと、こういうウソを言い放つことができるものだと呆れます(※ちなみに日本に「慶応大学」なる大学は存在しません。おそらく「慶應義塾大学」と言いたかったのだと思います)。
また、中央日報によれば李洛淵氏の随行団関係者は、
「日本は韓国を『請求権協定を無視して国際法に違反している国』と規定して圧迫している/首相のメッセージはこのような構図を弱化させ、両国間の対話を強調しようとする趣旨」
と述べたのだそうですが、「韓国が請求権協定を無視し国際法に違反している」というのは紛れもない事実です。
本当にこんなことを言い放つ人物を信頼しろと言われても無理があります。
おそらくサプライズなし
いずれにせよ、当ウェブサイトとしては、本日の日韓首相会談は、安倍総理が文在寅氏の親書を受け取り、「日韓関係は厳しい局面が続いているが、引き続き対話を続けよう」などと述べてお終い、となると思います。
また、韓国側が目指しているとされる、「11月22日(日韓GSOMIAの破棄期限)までに日韓首脳会談を通じて事態の打開を図る」という希望についても、安倍総理としてはせいぜい「検討する」のヒトコトでお終いではないでしょうか。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
なお、個人的な事情で恐縮ですが、ちょうど本日11時以降、私自身が外出をするため、数時間はウェブサイトの更新ができません。もっとも、日韓首相会談に関連し、べつに更新するような話題など出てこないと思いますが…。
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残念ながら、李洛淵首相は、「嘘をついている」のでは無いと思います。
彼は「ホントに本気で「韓国も請求権協定を尊重して守ってきた」と思っているのではないかと。
歴史的事実や法的なことなど一切考慮する事なく、
「自分たちは正しい」と思っているのだと思います。
「法治国家」としての価値観を持たず、
さらには「自分たちに都合の悪い過去は抹消する」
差別では無く、事実として「そういう国民性なのだ」という前提で
話をする必要があるように思います。
(環境や教育的な問題だと思いますので、中にはまともな方も当然いるのでしょうが…)
> 残念ながら、李洛淵首相は、「嘘をついている」のでは無いと思います。
> 彼は「ホントに本気で「韓国も請求権協定を尊重して守ってきた」と思っているのではないかと。
李洛淵首相に限らず、韓国の「約束を守っている」という概念が、全く異なるのでしょう。
世界が韓国から孤立している。
例えば、先日の駐韓米大使公邸侵入事件でも、
朝鮮日報曰く、「警察官を制圧し米大使公邸の塀を越えても逮捕状棄却」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/10/23/2019102380037.html
これでも、韓国の基準では、ウィーン領事条約を遵守している事になっているのでしょう。
ひょっとして、韓国では、条約・協定の類は、相手国に守らせるものであって、自国は何の制約も受けない、則ち、財団とかは韓国の一存で何時でも解散できる、という定義なのかも知れません。
私も、そう思います。彼らは、自己中で、そうゆう民族です。
適当にあしらえば良い、と、言っても、やられたら、倍返しが必要です。
妥協なんて、とんでもない。相手みて、対応するべきです。!!
李洛淵首相の場合は嘘をつくと言うより、その程度の認識しか持てない程度の人物と解釈したほうが良いと思います。
しかし、韓国としてはどうしてもGSOMIAをカードにしたくてしょうがないみたいです。
あれだけ米国から怒られ、韓国軍から懇願されているのに、GSOMIA破棄がカードにならないなら最悪ですからね。
しかし、日本はGSOMIAをカードにしてはいけません。もし、GSOMIAについて何か語れば、すぐに言葉尻をとらえて大声で叫び始めます。
GSOMIには一切触れないように願いたいものです。どうせ、来月になれば韓国政府が日和る可能性十分にあります。
駄文にて失礼します。
韓国在住日本人さま
韓国が日和る可能性というのは、本当にGSOMIAが破棄された時の、アメリカの反応が怖いという事でしょうか?
だんな 様
なんだかんだ言っても、現在の韓国から米軍が引き上げることは、中国に飲み込まれることが確定します。韓国人は中国を嫌っている(見下している)人が結構いますので、それは耐えられないと思います。
韓国人はとにかく他国(特にアジアやアフリカ等)を差別します。それを会話の端々で聞くので、中国に取り込まれることなどもっての外です。
小生はGSOMIAの破棄取り消しではなく、米国に頼んで新たな協定を結ぶものと考えております(勿論、そのまま放置も十分にあります)。それまではGSOMIAをカード化させようと、必死で訴えてくると思われます。
ただ、韓国政府は小生が考えが及ばない(と言うか、小生を含めた日本人は韓国のことを深読みし過ぎ)ことをしますので、どうなるかはまだ分かりません。
最近は韓国人と政治の話しをしたくても、政治に興味のない人達しか飲み屋にはきません。別の情報源を探す必要がありそうです。
駄文にて失礼します。
韓国在住日本人さま
日本には、頭を下げれないので、アメリカに下げる手は、有りそうですね。
韓国人の外国人差別に関しては、良く聞きます。
韓国人は、中国や北朝鮮に飲み込まれると、思ってないんですね。
だんな 様
>韓国人は、中国や北朝鮮に飲み込まれると、思ってないんですね。
100%思っていません。なぜなら、北朝鮮よりも韓国は裕福なので、北の人民を低賃金労働者として見ています。従って、統一は韓国主導でなければなりません。
また、中国に関しては、本当に嫌っています。特に、朝鮮族はものすごく嫌われています。また、一般の韓国人は韓国の方が先進国であると信じているので、中国が韓国を飲み込むことなど想像すらしないでしょう。
駄文にて失礼します。
> 現在の韓国から米軍が引き上げることは、中国に飲み込まれることが確定します。
実現性は相当疑問ですが、トンデモナイ計画として、在韓米軍の北朝鮮移駐という案がある様です。その意味は、
1)北朝鮮の体制保障。
2)核査察団に安住の場を提供する。
3)北朝鮮が基地のリース料収入を得る。
無論その場合、米軍にリースした近傍を、北朝鮮が人民解放軍にリースするのではないかと思われますが。
韓半島に沢山米軍基地が要る訳ではないので、北側に大規模な基地が確保できれば、韓国内の基地は大幅に減らせるのではないでしょうか。
すみません、韓国には行った事無いので、情報は嫌韓情報ばかりです。彼らにも、万に一でも、
良い面が、あると思います。些細なことでも良いですから、レポートしてください。
韓国人の情報は、嘘の塊ですから、信用できません。私は、今まで、朝鮮人との関わりは、
数件しか有りませんが、腹綿が煮え来るような、事しか有りません。
多分、たまたま、何でしょうが、もう数十年前と、数年前の、話ですが?・・・
毎日新聞から、会談が始まった記事が出ました。
表題が「安倍首相が韓国ナンバー2の李首相と会談」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191024-00000023-mai-pol
皆さんのお話から、韓国ナンバー2ではない事が、分かってます。嘘をつくのは、韓国首相に限った話では、有りません。
今回の発言は、韓国は、日韓協定を守っているし、今後も守って行く。日韓両国で、日韓協定を解釈の違いが有るから、協議で解決しようとしているのでしょう。
日韓併合が、合法か違法かという話です。違法分の賠償金を支払えというロジックで、韓国政府の主張は、何も変わってないと思いますし、ずっと続くと思います。
>だいいち、権限に乏しい「韓国首相」という地位から見ても、李洛淵氏自身の人格・能力面などから見ても、本日予定されている日韓「首相」会談で日韓関係の破綻を避けるための端緒が開かれるとは、とうてい思えないというのが実情なのです。
何のための会談か判らない(笑)。韓国人の大好きな記念撮影?それとも、にらめっこ?いずれにしても、韓国側が要求したという20分も要りませんわよ。5分あれば済みますわ。
それにつけても、一個師団規模の報道陣とは。私、思わず、陛下の祝賀御列の儀(パレード)を害する者が来るのかと思ってしまいました(笑)。各国からの祝賀の中に、禍々しい国の気を運んでいるこの人物には、とっとと帰っていただきたいわ(怒)。そして、二度と来ないでいただきたいです。招かざる者、それが半島国家です。
あいさつから親書の手渡しで30秒、記念撮影で30秒で済むのでは?
たんたん様 ひっひどい。ひど過ぎる(笑)。久しぶりに言ってみました(笑)。
韓国:他の国でも、10分貰えているのに、韓国だけ1分なんて、いじめだ!差別だ!陰謀だ!
とか言いそう(笑)。面倒くさいので、一律10分。お時間なので、ご退室下さい。ということで。
ホワイトボードに歴史を書いて、
日本側、韓国側の主張を書いてYouTubeでライブで見たい。まあ、あちらの主張は矛盾しかなさそう。
まあ、無理なんですが。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
もしかしたら、韓国は「近い将来に、日本に負担を全額押し付ける」こ
と前提に、全て動いているのではないでしょうか。(もちろん、日本がそ
の負担を引き受けるかは別の問題です)
そのため、韓国の首相は、安倍総理に「負担してもらわなければ困る」
と、言いに来たのでしょう。
駄文にて失礼しました。
韓国の期待は、
おめでたい席だから日本はケンカをしないだろう、
だからなんらかの譲歩があるだろう、
という妄想だったと思います。
他国の祝い事を、自国の利益にしようとする考えが
卑しいと思います。
おでん様
韓国は、というか韓国人はまだ心情では日本帝国の2級国民のままなので、日本国になった日本にも同じように慶事に際してはおこぼれ、恩赦?を期待しているのだと思われます。
更新ありがとうございます。
日本の対応に変化無し、です。李洛淵首相は手ぶらで帰るか、帰れないなら仁川空港に着いたらクビを覚悟して下さい。
何も役に立たないクセに、邪魔なんだよ李氏は。ハイ、日本は会談という実績を残し、何ら成果が生まれない相手というのを満天下に示しました。無礼で嘘つきでタカリ屋で侮日の韓国、コレでおしまいだ。
GSOMIAもカードじゃないよ。継続か破棄だけ。徴用工判決と慰安婦財団勝手に破棄問題、海自哨戒機レーダー照射の件、世界の慰安婦像撤去の件、早くまとめて日本に報告しに来いッ!
半島では「守っている」と口先で言えば守ってることになるんだろう
そういう民族としか言いようがない
30年経って、補償と賠償は違う。だから、日本は賠償せよ。
普通なら、そこまで言うなら日本は受け入れないので、日韓基本条約の第三国を入れての話し合い、または韓国から国際司法裁判所に言えばいいのに、といつもおもいます。
でも呉善花さんの本を読んでわかりました。韓国は優秀な民族、日本はとても劣っている民族かつ発展したのは運がいいだけ、その日本が韓国を植民地にしたんだから、ずっと奉仕しなければならないそうです。
これが、ツートラックです。