以前から当ウェブサイトでは、「外交というものは難しくない」と申し上げてきました。なぜなら、国もしょせんは人の集合体なので、国と国とのお付き合いも「人間関係の延長」で理解すれば済む話だからです。これに加えて古今東西、ありとあらゆる国は「国益の最大化」をしなければならない、という共通点を持っています。これは、難しい言葉では「経済的利益と軍事的安全保障の両立」ですが、わかりやすい言葉でいえば「平和と繁栄」のことです。このような視点から、昨日の安倍総理の所信表明演説にのなかで、「地球儀を俯瞰する外交」を読み解いてみたいと思います。

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そもそも論の外交

国益とは何か、外交とは何か

最近になって、改めて考えているのが、そもそもの「国益」とは何か、「外交」とはなにか、という、概念的な話です。

といっても、べつになにも難しい話はありません。

国益とは、平たく言えば「平和と繁栄」のことであり、これは古今東西、ありとあらゆる国においてまったく変わりません。そして、外交もしょせんは国益を最大化する手段の1つに過ぎないのです。

ところが、意外な話ですが、この「外交とは国益を最大化する手段である」という点をわが国で最も理解していない人たちが、日本の外務省です。というのも、どうもわが国の外務省のなかには、外交とは「相手国と仲良くすることだ」と勘違いしている者も多数いるようなのです。

あえて実名を挙げることは避けますが、たとえば2015年7月、日本政府が明治期の産業革命施設の世界遺産登録を目指した際に、韓国から「強制労働が行われた施設である」などとするウソを吹っ掛けられるなど、猛烈な妨害を受けた事件がありました。

このときには外務省のユネスコ大使は「日本の産業革命資産の世界遺産登録」を優先するあまり、韓国が捏造した「強制連行」というありもしない与太話があたかも事実であるかのごとく認めてしまいましたが、これなどは「相手国に配慮する」という、外務省内の意味不明のカルチャーがなせる業ではないかと思います。

また、小泉純一郎元首相が首相在任中に北朝鮮を訪問した際、当時の独裁者で(2011年に死んだ)金正日が日本人拉致を認めたのですが、当時の外務省の審議官が一時帰国した日本人らを再び北朝鮮に戻せと主張した(らしい)と伝えられていることも、外務省という組織の問題を象徴しています。

ただ、最近だとインターネット環境が普及しつつあることで、外務省や新聞・テレビなどのオールドメディアに依存せずに情報を入手する人々が増えて来ました。

そして、有権者である私たち日本国民の間で、そもそも論としての「外交とは何か」に関する正確な理解がインターネットなどを通じて広まっていくことで、日本政府に対しても「正しい外交をやれ」という圧力として働くことは間違いありません。

ここで、当たり前の話ですが、重要な議論をまとめておきましょう。

  • 国益とは、平和と繁栄のことである。
  • 外交とは、国益の最大化の手段である。

人間関係の延長で理解するのが正解

かつて似たような話を掲載したことがあるような気がするのですが、外交といえば「国と国との付き合い」ですので、何か難しい世界ではないかと思う人も多いのではないかと思います。しかし、国もしょせんは人の集合体ですので、外交は人間関係の延長で理解すべきものです。

私たち一般人の場合も、人間関係は「ウマが合う人」(たとえば友人、共通の趣味仲間など)か、それとも「利害関係」(たとえば職場の上司・同僚・部下、取引先・顧客、学校の先生・学友など)のどちらかで構成されているはずです。

2種類の人間関係
  • ウマが合う人…たとえば友人、共通の趣味仲間など
  • 利害関係…たとえば職場の上司・同僚・部下、取引先・顧客、学校の先生・学友など

友人の場合だと、非常にリラックスして付き合うことができるはずですが、利害関係の場合だと、その相手と話をするときに、やはり多少なりとも緊張するのではないでしょうか。

国家の関係もこれとまったく同じであり、基本的には「価値を共有する相手国」か、「利益を共有する相手国」のどちらかしかありません。

たとえば、日本は自由・民主主義国ですが、中国は共産党一党独裁国家であり、日中両国については図表1にまとめたとおり、国としてはお互いにまったく価値を共有していません(というよりも、ことごとく対立しています)。

図表1 日中の体制の違い
区分日本中国
政治体制民主主義(多党体制)共産党一党独裁
経済体制自由主義・資本主義社会主義市場経済
人権基本的人権の尊重基本的人権の無視
法治法治主義(法による支配)人治主義(共産党幹部による支配)
軍に対する考え方平和主義軍国主義

(【出所】著者作成)

ただ、日本と中国はそれぞれお互いに貿易をしたり、投資をしたりして、経済的には「ウィン・ウィン」の関係を目指そうとしていますし、また、中国を常に軍事的・内政的に牽制しておかないと、工作員を送り込んで来て日本社会を弱体化させようとして来るかもしれません。

つまり、「経済的利益を最大化するため」、あるいは「軍事的利益を最大化するため(=少なくとも相手国に攻め込まれないようにするため)」などの観点からは、中国とは利害関係に基づいて、最低限のお付き合いをしていかなければならないのです。

2種類の外交関係
  • 価値を共有するかどうか→人間関係でいえば「ウマが合うかどうか」
  • 利益を共有するかどうか→人間関係でいえば「利害関係を持つかどうか」

外交とは常に騙し合い

古今東西、外交とは常に、相手国が「価値を共有する国かどうか」、「利益を共有する国かどうか」という2つの軸から判断していかなければならなりません。これを簡単に分類すると、図表2のような4象限に分解できるでしょう。

図表2 価値と利益の外交軸
区分価値を共有する価値を共有しない
利益を共有する①価値と利益をともに共有する②価値は共有しないが利益は共有する
利益を共有しない③利益は共有しないが価値は共有する④価値も利益も共有しない

(【出所】著者作成)

価値を共有していれば、「同じ価値を持つ国」と仲良くすること自体が国益につながりますし、相手が「価値を共有していない」にしても、その国と付き合うことによって国益を最大化することができるならば、相手国に応じた付き合い方を通じて国益を最大化しなければなりません。

図表2の象限のなかで、一番重要な相手国は①ですし、一番無害な相手国は③でしょう。また、④の相手国に関しては、せいぜい最悪の事態(たとえば、戦争)などに陥らないように最低限、コントロールして放置すれば良いと思うのですが、この4つのなかで問題となるのは②です。

②の相手先は、相手との共通の価値(民主主義、自由主義、法治主義など)がないため、そもそもうまく話が通じない可能性が高いということであり、また、国益を最大化するためには否が応でも付き合わなければならない相手だからです。

その際に気を付けなければならないのは、繰り返しですが、「外交とは国益の最大化手段である」、という命題です。

たとえば、中国は隙あらば日本を出し抜こうとして来る国ですし、日本がナヨナヨしていれば、あっという間に工作員を送り込んで来て日本社会を骨抜きにしてこようとするでしょうし、日本の重要な軍事拠点などには諜報員が多数入り込んでいると考えるべきでしょう。

ただ、これはべつに「中国が悪い」という意味で申し上げているのではありません。

国などというものは、しょせんは常に「仮想敵国の弱体化」のための工作をする存在なのであり、相手国から諜報員、工作員、スパイなどを送り込まれているという前提で賢く立ち回らなければならないものなのです。

もっと言えば、たとえば「日中友好」にしたって、交渉のテーブルに着いてにこやかに握手をしながら、テーブルの下では相手の足を思いっきり蹴っ飛ばすくらいのことをすべきであり、また、日本政府も習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席を失脚させるだけのスキャンダルの1つや2つを持っておくべきでしょう。

本来、外交をうまくやるためには、このあたりの点がうまく理解できていなければならないはずなのですが、歴代の日本政府は外交が驚くほど下手であり、改めて振り返ってみると、日本国民の1人として非常に忸怩たる思いがします。

たとえば、日本政府が昔から「日韓友好」を大切にしてきたことは事実ですが、「日韓友好」が前提条件になってしまえば、外務省にとっては「日韓の友好関係を壊さないこと」が至上命題になってしまいます。

実際、朝日新聞が捏造した、いわゆる「従軍慰安婦問題」という与太話についても、確たる証拠もなく、また、むしろ慰安婦問題自体が「捏造である」という証拠がいくらでもあるにも関わらず、現在、国際社会では慰安婦問題が「日本軍による戦時性奴隷の問題だ」として罷り通ってしまっています。

あるいは、(当時は人口20万人だった)南京で30万人を虐殺したとされる「南京大屠殺」(※日本語では「南京大虐殺」ですが、中国人は「南京大屠殺」と呼んでいます)についても、まるでそれが歴史的事実であるかのごとく扱われてしまっているのです。

日本が本当に外交上手を目指すのならば、せめて史実に基づいて、韓国の「ベトナム戦争当時のライダイハン問題」や中国の毛沢東時代の文化大革命などを題材に、もっと大々的に全世界で中韓を貶めて廻るくらいの狡猾さを身に着けなければならないのかもしれませんね。

(※もっとも、「日本は中韓と同じ土俵に立て」といわんばかりの提言をすれば、それに違和感を抱く日本国民が多いのもまた事実だと思いますが…。)

安倍演説に見る2軸外交

どの国がどの象限に該当しているのか

さて、ここで気になるのは、「どの国がどの象限に該当しているのか」、という認識です。

これについては私たち日本国民自身も有権者として常に考えていかなければならないものでもありますが、ここで1つ参考になるのが、昨日、安倍晋三総理大臣が臨時国会の冒頭で行った「所信表明演説」ではないでしょうか。

第二百回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説(令和元年10月4日付 首相官邸HPより)

この演説のなかで、外交に関する記述をそのまま抜き出しておきましょう。

地球儀を俯瞰(ふかん)する外交

日米同盟を基軸としながら、我が国は、英国、フランス、豪州、インドなど基本的な価値を共有する国々と手を携え、自由で開かれたインド太平洋を実現してまいります。

沖縄の基地負担軽減に引き続き取り組みます。普天間飛行場の全面返還に向けて、辺野古への移設を進めます。昨年度の牧港補給地区に続き、今年度末に予定されるキャンプ瑞慶覧の一部返還に向けて準備を進めます。沖縄の皆さんの心に寄り添いながら、一つひとつ、確実に結果を出してまいります。

現下の北朝鮮情勢については、米国と緊密に連携し、国際社会と協力しながら、国民の安全確保に万全を期します。何よりも重要な拉致問題の解決に向けて、私自身が、条件を付けずに、金正恩委員長と向き合う決意です。冷静な分析の上に、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動してまいります。

日中新時代を切り拓きます。来年の桜の咲く頃に、習近平国家主席を国賓としてお迎えし、首脳間の往来だけでなく、経済交流、青少年交流など、あらゆるレベルでの交流を拡大し、日中関係を新たな段階へ押し上げてまいります。

北方四島での共同経済活動が動き始めました。航空機によるお墓参りは三年連続で実現し、長門合意は着実に前進しています。領土問題を解決して、平和条約を締結する。一九五六年宣言を基礎として、交渉を次の次元へと進め、日露関係の大きな可能性を開花させてまいります。

韓国は、重要な隣国であります。国際法に基づき、国と国との約束を遵守することを求めたいと思います。

いかがでしょうか。

あえて図表2に示した4つの象限に当てはめていくならば、

  • ①価値と利益を共有する相手国…米国(※最も重要な相手国)、英、仏、豪、印など
  • ②価値は共有しないが利益を共有する相手国…中国、ロシア
  • ④価値も利益も共有しない相手国…韓国

と分類できるでしょう。

(※ちなみに余談ですが、「③利益は共有しないが価値を共有する相手国」については、あえて触れていないのだと思いますが、これは「あえて言及する必要がない」からでしょう)。

参考:安倍総理(令和元年10月4日)

(【出所】首相官邸HP)

また、北朝鮮については安倍総理にとっては「私自身が条件を付けずに金正恩委員長(※)と向き合う」と述べているため、北朝鮮とは「利益を共有する」とまでは言えないにせよ、「国益を最大化するためには付き合わなければならない相手だ」との認識を持っている証拠ではないでしょうか。

(※「金正恩委員長」とは、金正恩の北朝鮮における正式な肩書だそうです。)

本当にインドは「価値を共有」しているのか?

安倍演説を見るに、安倍総理の念頭には常に「自由で開かれたインド太平洋戦略」という大きなビジョンがあります。これは、欧州からインド、ASEANなどを経由して日本に至る「自由民主主義の繁栄の弧」があり、それを米豪などが裏付ける、という構想です。

ということは、明らかに中国とロシアを「封じ込めるべき相手」と見ている証拠であり、この点の見方は常に一貫していると考えて良いでしょう。

そして、ここでカギとなるのは、「世界最大の民主主義国」ともいわれるインドです。

実際、日本はインドをかなり重視しており、国際金融協力の世界では今年3月に、総額750億ドルとうい破格の規模の通貨スワップを締結したほどです(『日印通貨スワップ協定成立の意味と予想される某隣国の反応』参照)。

日印通貨スワップ協定成立の意味と予想される某隣国の反応

しかし、以前から違和感を抱いている人もいると思いますが、安倍総理(あるいはドナルド・J・トランプ米大統領)はしきりにインドという国に言及していますが、果たしてこのインドという国が、日本(や米国)と「基本的価値」を共有しているのかといえば、それは大いに疑問です。

インドは形式的には民主主義国ですが、実際には時代遅れで厳格なカースト制度に支配されており、また、日印間には、社会の土台をつくる遵法意識、倫理観、宗教観などにおいて、きわめて大きな違いが存在しています。

むしろ「漢字」という共通の文化を持っている日中の方が、日印よりも近い関係にあるのではないかと思ってしまいますし、また、いまから150年前に西欧文化を受け入れた日本にとっては、インドよりもロシアの方が行動様式として近いという部分があるようにも思えてなりません。

ただし、ここでいう「インドは価値と利益を共有する相手国だ」という安倍総理の説明は、あくまでも「方便」のようなものでしょう。

実際、インドと良好な関係を持っておけば、中国やロシアに対する牽制として有効です。しかも、インドはほどほどに日本から距離が離れているため、日印が関係を深めすぎることによって、インドから出稼ぎ労働者が大挙して日本に押し寄せてくる、という懸念はそれほど強くありません。

中国、ロシアをどう位置付けるか

その一方で、「封じ込められる相手国」である中国とロシアについては、「日中関係を新たな段階に押し上げる」だの、「ロシアとの共同経済活動」だのといった安倍総理のメッセージを読んでいると、若干不安になることもまた事実です。

ただ、「自由で開かれたインド太平洋」に中国とロシアが含まれていないという時点で、安倍演説では中露両国が①の象限ではなく、②の象限に入っていることは間違いないと考えてよく、この点については過度に不安視する必要はないのかもしれません。

それよりも、中国、ロシアとの関係は、いずれも「毒を以て毒を制する」という側面があります。

中国と(表面上は)仲良くやることによって、ロシアに対しては「日中関係が良好だ」と思わせることは、少なくとも牽制としては機能します。また、ロシアとの共同経済活動を進めれば、中国に対しては「日露関係が好転した」と映りますので、中国に対する牽制としてはピッタリなのです。

もちろん、日本は本気で、中国やロシアとの関係を深化させるべきではありません。ただ、日中露3ヵ国は、お互いに地域で存在感を示し合い、「お互い違う国である」という事実を認識しながら、お互いに牽制しつつもうまく共存していくしかないのです。

あるいは、もう少し本音をいえば、表面的には中国やロシアとほどほどに仲良くしつつも、水面下では相手国を衰弱させるような工作活動を行っても良いと思います。

とくに、中国東北3省と極東ロシアを比べれば、ロシア側は人口が極端に少なく、中国側は人口が極端に多いため、「浸透圧」の理論ではありませんが、沿岸州などに徐々に中国人が押し寄せ、中国人コミュニティが出来上がりつつあるとの話も聞きます。

今から100年後(あるいは下手をすると数十年後)には、もしかしたらロシアが極東シベリアの領土を中国に売却し、撤退するという話は、十分にあり得ます。

こうしたなか、日本が北方領土を含めた千島列島や樺太などでロシアとの共同経済活動を進めれば、これらの地域の中国化を防ぐだけでなく、むしろ日本化を進めることができる、というメリットもあります。

要するに、日露共同経済活動とは、今後100年後以内にロシアを千島・樺太などから追い出すとともに、中国を太平洋に進出させないための布石、という側面があるのかもしれません(考えすぎかもしれませんが…)。

つまり、安倍演説を「価値を共有しない中露両国とも表面上はうまくやっていきましょう」と読めば、その裏側にある、「中露両国の足をテーブルの下で思いっきり蹴飛ばす」という発想も見えて来るのです。

「国際法を守れ」の意味

さて、安倍演説のなかで韓国については、「重要な隣国」としつつも、「国際法を守れ」と注文を付けた格好となりました。

じつは、安倍総理は2012年12月に再登板して以来、施政方針演説や所信表明演説のなかで、韓国の位置付けを「ダウングレード」してきました(図表3)。

図表3 安倍総理の演説に見る日韓関係
発言日韓国の位置付け情報源
2013年2月28日自由・民主主義といった基本的価値と利益を共有する最も重要な隣国第183回国会における施政方針演説
2014年1月24日基本的な価値や利益を共有する、最も重要な隣国第186回国会における施政方針演説
2014年9月29日基本的な価値や利益を共有し、最も重要な隣国第187回国会における所信表明演説
2015年2月12日最も重要な隣国第189回国会における施政方針演説
2016年1月22日戦略的利益を共有する最も重要な隣国第190回国会における施政方針演説
2016年9月26日戦略的利益を共有する最も重要な隣国2016/09/26付 第192回国会における所信表明演説
2018年1月22日「両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で、新たな時代の協力関係を深化させる」第196回国会における施政方針演説
2018年10月24日「日韓、日米韓」の下りのみで言及第197回国会における所信表明演説
2019年10月4日韓国は重要な隣国であり、国際法に基づき、国と国との約束を遵守することを求めたい第二百回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説

(【出所】首相官邸ウェブサイトより著者作成)

意外な話ですが、安倍政権発足直後、安倍総理は韓国のことを「価値と利益を共有する最も重要な隣国」と表現していました。つまり、図表2でいうところの①の象限(米、豪、印、英、仏などと同じ象限)に位置付けていた格好ですね。

ただ、その後は朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領(当時)の日本に対する態度があまりにも悪かったことに加え、慰安婦問題や世界遺産登録問題など、日本に対する国際社会を舞台にした嫌がらせが目立ち始めたため、2015年2月の施政方針演説から「価値の共有」の修飾語が消滅。

さらに、朴政権が倒れて文在寅(ぶん・ざいいん)政権が発足し、同政権が2015年12月の「日韓慰安婦合意」を蒸し返そうとすると、「利益の共有」「重要な隣国」という文言すらなくなりました。

ちょうど1年前、2018年10月24日の所信表明演説では、安倍総理は韓国について「日韓、日米韓」の下りで言及するにとどまりました。

ところが、今年の演説では「重要な隣国」という修飾語が復活し、一見すると「格上げ」されたようにも思えますが、その直後に「国際法に基づき、国と国との約束を遵守せよ」と主張しています。

これは明らかに、「今後、韓国と外交関係を持つとしたら、韓国が国際法に基づいて国と国との約束を守ることが最低限の条件だ」と付きつけているのと同じであり、いわば、最後通牒に近いものといえるのかもしれません。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ただし、いますぐ日本がみずからの判断で日韓断交に踏み切ることは適切ではありません。なぜなら、日韓関係は結局のところ、米韓関係の従属変数のようなものであり、日本の国土を防衛するためには(つまり国益のためには)韓国との関係を今すぐ断つことはできないからです。

しかし、その一方で、米韓両国が米韓同盟消滅に向けた歩みを進めていることは事実であり、当然、米韓関係が薄まれば、日韓関係も同様に薄まることが想定されます。

いずれにせよ、価値も利益もいずれも共有しない相手国(つまり図表2でいう象限④の国)とは、関係が決定的に断絶しないように最低限の部分だけマネージしつつ、あとは丁寧に放置する、というのが今のところは正解なのでしょう。

※本文は以上です。

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  • 2020/06/30 17:00 【時事|経済全般
    「日豪などからの入国を容認」、EUの苦しい台所事情 (12コメント)
  • 2020/06/30 12:00 【時事|外交
    「日本は破廉恥水準が全世界最上位圏」=韓国政府高官 (79コメント)
  • 2020/06/30 11:00 【時事|韓国崩壊
    韓経「日本は脅しただけでアクションを取らなかった」 (28コメント)
  • 2020/06/30 08:00 【時事|韓国崩壊
    中央日報「破綻を避けるためには日韓両国が努力せよ」 (20コメント)
  • 2020/06/30 05:00 【RMB|金融
    「減税」が結果として中国に対する経済制裁となる理由 (28コメント)
  • 2020/06/29 15:00 【マスメディア論|時事
    共同通信「韓国の反発は必至」→本当に反発して来た (29コメント)
  • 2020/06/29 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/29(月) (104コメント)
  • 2020/06/29 11:00 【時事|韓国崩壊
    日本経済にとっての「韓国洗濯機」、今こそ買い替え時 (20コメント)
  • 2020/06/29 10:00 【時事|韓国崩壊
    中央日報「米、WTOでの紛争解決を支持」記事の真相 (7コメント)
  • 2020/06/29 08:00 【マスメディア論|時事
    「衰退産業」で振り返る、「武漢コロナの半年間」 (15コメント)
  • 2020/06/29 05:00 【日韓スワップ|韓国崩壊
    朝鮮日報の珍説「韓日スワップは日本に円安もたらす」 (35コメント)
  • 2020/06/28 16:00 【時事|韓国崩壊
    共同通信「日本がG7拡大に反対、韓国の反発は必至」 (31コメント)
  • 2020/06/28 12:00 【時事|韓国崩壊
    韓国メディア「韓日は最悪の事態避けるため知恵絞れ」 (37コメント)
  • 2020/06/28 09:00 【マスメディア論|時事
    民放各社こそ「NHKに初勝訴」を全面的に歓迎すべき (12コメント)
  • 2020/06/28 05:00 【マスメディア論
    NHKは日本に必要か~最新財務諸表分析から考察する (13コメント)
  • 2020/06/27 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/27(土) (121コメント)
  • 2020/06/27 09:00 【数字で読む日本経済|金融
    科学的アプローチで理解する、「国の借金論の間違い」 (43コメント)
  • 2020/06/27 05:00 【韓国崩壊
    金与正の瀬戸際外交による最大の成果は「韓国の掌握」 (30コメント)
  • 2020/06/26 16:30 【時事|金融
    米ドル為替スワップ、残高は2263億ドルにまで減少 (4コメント)
  • 2020/06/26 11:00 【時事|外交
    イージス・アショア配備中断、河野太郎氏が丁寧に説明 (41コメント)
  • 2020/06/26 08:00 【時事|韓国崩壊
    「蚊帳の外」にいたはずの日本に「逆ギレ」か?=韓国 (49コメント)
  • 2020/06/26 05:00 【金融
    いまこそ確かめたい、「財政再建=増税」論の大間違い (69コメント)
  • 2020/06/25 17:00 【数字で読む日本経済|金融
    【速報】家計が相変わらず一千兆円超の現金預金を保有 (18コメント)
  • 2020/06/25 12:15 【時事|金融
    韓国政府が外国為替平衡基金債券発行へ=韓国メディア (15コメント)
  • 2020/06/25 08:00 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    CMIMでなぜか「支援受ける気満々」=韓国メディア (7コメント)
  • 2020/06/25 05:00 【マスメディア論
    産経記者「共同通信は毒水を流すインフラ屋」と苦言か (25コメント)
  • 2020/06/24 12:30 【時事|韓国崩壊
    韓国が「輸出規制」と騒ぐこと自体、日本の脱韓を促進 (23コメント)
  • 2020/06/24 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/24(水) (98コメント)
  • 2020/06/24 10:30 【時事|外交|金融
    日本が香港の金融業を誘致:課題もあるが着眼点は秀逸 (15コメント)
  • 2020/06/24 08:00 【時事|経済全般
    「PCR検査を全国民に実施せよ」を数学的に論破する (53コメント)
  • 2020/06/24 05:00 【金融
    多国間通貨スワップ「CMIM」増額などは見送られた (12コメント)
  • 2020/06/23 16:30 【金融
    トルコが中国との通貨スワップを実行し人民元を引出す (14コメント)
  • 2020/06/23 11:11 【読者投稿
    【読者投稿】在韓日本人が写真で見る「現在のソウル」 (30コメント)
  • 2020/06/23 10:00 【時事|国内政治
    安倍総理は消費税と憲法争点に解散総選挙に打って出よ (23コメント)
  • 2020/06/23 08:00 【韓国崩壊
    意識だけ先進国?信頼を踏みにじる韓国が払う「対価」 (27コメント)
  • 2020/06/23 05:00 【時事|経済全般
    産経「日中往来制限の長期化により中国で不良品頻発」 (15コメント)
  • 2020/06/22 17:45 【時事|国内政治
    入管への抗議デモは筋違い 「出国の権利」を行使せよ (18コメント)
  • 2020/06/22 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/22(月) (81コメント)
  • 2020/06/22 11:45 【時事|韓国崩壊
    日韓関係「自然消滅」論を裏付ける韓国メディアの記事 (20コメント)
  • 2020/06/22 08:00 【マスメディア論|時事
    河井夫妻逮捕という「不祥事」なのに支持率が上昇の怪 (22コメント)
  • 2020/06/22 05:00 【韓国崩壊
    韓国メディア「日本の対韓制裁は殴るフリだけで効く」 (34コメント)
  • 2020/06/21 12:00 【経済全般
    「戻ってきてほしいトップは台湾」=訪日外国人観光客 (38コメント)
  • 2020/06/21 05:00 【韓国崩壊
    なぜ「日本は韓国に一本取られた」と勘違いするのか (65コメント)
  • 2020/06/20 15:00 【時事|韓国崩壊
    【補遺】韓国で国産化したフッ化水素は5Nに過ぎない (69コメント)
  • 2020/06/20 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/20(土) (78コメント)
  • 2020/06/20 09:00 【マスメディア論
    世論調査不正問題、むしろ焦点は「他社の対応」では? (27コメント)
  • 2020/06/20 05:00 【経済全般
    韓国メディア「日本の輸出規制で対日貿易赤字幅縮小」 (26コメント)
  • 2020/06/19 11:30 【時事|経済全般
    入国制限の緩和は4ヵ国からスタート 台湾・香港は? (24コメント)
  • 2020/06/19 09:00 【金融
    日欧韓で全体の8割占める=米FRBドル為替スワップ (8コメント)
  • 2020/06/19 08:00 【時事|韓国崩壊
    WTO提訴する韓国は「グループB」にすら値しない (19コメント)
  • 2020/06/19 06:00 【経済全般
    テレビ局「今すぐ事業をやめて解散した方が儲かる」? (17コメント)
  • 2020/06/19 05:00 【時事|韓国崩壊
    韓銀「韓米通貨スワップ延長は市場状況を見て決める」 (11コメント)
  • 2020/06/18 12:12 【時事|韓国崩壊
    運転席理論は幻想!この難局を韓国はどう乗り切るのか (55コメント)
  • 2020/06/18 11:00 【時事|国内政治
    「ネズミも逃げ出す泥の船」と化しつつある立憲民主党 (13コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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