韓国政府の基本的な外交は、「告げ口外交」、「瀬戸際外交」、「圧力外交」、「ウソツキ外交」であり、日韓間で何らかのトラブルが生じたときには、たいてい、これらの外交をミックスさせて日本を揺さぶってくるので注意が必要でしょう。こうしたなか、日本が韓国を輸出管理上のホワイト国から削除するなどの措置を講じたことに対し、韓国側からの攻撃が再び激化し始めました。手始めに欧州「告げ口」外交ツアーを開始したようです。
韓国の基本は「告げ口」「瀬戸際」「圧力」外交
日本政府が7月1日に『韓国向け輸出管理の運用の見直し』を発表した直後からの韓国政府の動きは、ある意味で非常に興味深いものです。というのも、韓国が自分の国の意見をゴリ押しする時に、どういう行動を取るのかという典型的な事例が表れているからです。
その大きなパターンは、だいたい3つあると思います。
- ①国際社会に対してロビー活動をして「日本の不当性」を強調する「告げ口外交」
- ②日本との協定や条約の破棄など不法行為をチラつかせる「瀬戸際外交」
- ③米国や中国のような「強い国」に媚を売り、日本に圧力を掛けさせる「圧力外交」
- ④あることないこと織り交ぜて日本を揺さぶる「ウソツキ外交」
韓国政府の7月中の動きは、だいたい①や③、④の活動が中心でした。
実際、韓国は7月24日のWTO一般理事会や7月下旬から8月初旬にかけてのASEAN地域フォーラム(ARF)、RCEP閣僚会合など、日韓関係とまったく関係のない場で、大々的に「告げ口外交」を繰り広げました。
また、韓国政府は7月中に相次いで高官を米国に派遣し、日本の措置の不当性を訴えるとともに、米国政府に仲裁を求るという「圧力外交」も併用したようです(※ただし、米国からの反応は冷たいものでしたが…)。
さらに、韓国政府は重要な点でさまざまなウソ、でまかせを述べます。たとえば、今回の「ホワイト国除外」騒動においても、7月12日に経産省が実施した事務的な説明会を巡り、勝手に「第1回目の韓日協議」と位置付けて発表しましたが、これもウソツキ外交です。
(※余談ですが、昨年12月20日のレーダー照射事件後の韓国政府による酷いウソも、韓国が「ウソツキ国家だ」という重要な証拠でしょう。)
瀬戸際外交に繰り出す韓国政府
ただ、こうした「国際社会で日本の名誉を貶める戦術」がうまくいかなかったからでしょうか、8月に入ってからは、また戦略を変えました。それが②の「瀬戸際外交」です。実際、韓国政府当局者の発言などを見ると、たとえば、
- 「韓国も日本をホワイト国から外してやる!」
- 「何なら韓日GSOMIA(※日韓包括軍事情報保護協定)破棄も検討してやる!」
- 「DRAMを日本に輸出規制することも検討してやる!」
といった具合に、日本を次々と揺さぶろうとしているのです。
たとえば、韓国政府が今週月曜日、「日本を輸出管理上の『ホワイト国』から除外する」と公表した件についても、基本的には日本を動揺させ、日本を交渉の場に引きずり出すことが目的と考えて差支えないでしょう。
実際、韓国政府側は、「日本をホワイト国から除外する措置は、日本政府が韓国をホワイト国から除外した措置への報復ではない」などと言っておきながら、「本当は日本の輸出管理について協議したい」というホンネがチラチラと見え隠れしています(『韓国が日本をホワイト国除外、ホンネは「協議したい」』参照)。
もっとも、これについては先ほどの『韓国が日本を「ホワイト国除外」、本当の敵はメディア?』でも触れたとおり、事実上、日本にとってはあまり実害がないと考えて良さそうです。
ただし、日韓GSOMIA破棄やDRAM禁輸はいずれも「禁じ手」であり、これをやった瞬間、韓国政府には「セルフ経済制裁」という巨大なブーメランが突き刺さります(『通貨安、DRAM輸出、GSOMIA破棄のコンボ』参照)。
結局、韓国政府は現在、手詰まりに陥りつつあるようです。
再び「告げ口外交」に
ところが、韓国政府は懲りもせず、再び「告げ口外交」を開始するようです。
韓国外交部、欧州に外交官を派遣して日本輸出規制の不当性を伝達(2019年08月14日11時42分付 中央日報日本語版より)
韓国メディア『中央日報』(日本語版)によれば、韓国外交部は14日までに、次官補や経済調整官などが、それぞれイタリア、ドイツ、フランス、英国に向けて出国したとしています。目的は「日本の輸出規制の不当性を伝達する」ためだとか。
中央日報は、
「彼らは各国で外交当局者に会って韓国大法院(最高裁)の強制徴用賠償判決に対する報復性で行われた日本の輸出統制強化措置が不当であることを強調する予定だ」
としたうえで、今回の外交官派遣の目的は今月下旬に開かれるG7サミットに先立ち「先制的に対応するため」、としています。
そういえば、こうした「告げ口外交」は、私たち日本国民にとっては見慣れたものですが、それと同時に油断できないものでもあります。
2015年6月、当時の日本政府が明治期の産業革命関連施設の世界遺産登録を狙っていたときも、中東呼吸器症候群(MERS)に苦しむ国内対策を放り出してまで、韓国政府はこれを阻止するために全力を注ぎました。
具体的には、「日本の世界遺産登録妨害」を目的に、当時の尹炳世(いん・へいせい)外交部長官(※外相に相当)らがユネスコ委員各国を回ってロビー活動を行ったのだそうです。
また、同じ2015年には、安倍晋三総理大臣が4月下旬にワシントンで上下両院合同演説を実施しましたが、それに先立って、当時の韓国の国会議長はそれを阻止するために、ワシントンでロビー活動を行った、という事件もありました。
なぜ韓国は、「外国の足を引っ張る」というマイナスの行動に全力を注ぐのか。
どうにも理解に苦しむ点です。
韓国は北朝鮮以下
ただ、数日前に北朝鮮が短距離弾道ミサイルを何度も発射したという話題を目にしたときに、ハッと気付いたのですが、これもしょせんは「米国政府の気を引くことで米国を交渉の場に引きずり出す」という意味では、じつはやっていることはまったく同じではないかと思います。
北朝鮮の場合は国連安保理制裁決議違反である短距離弾道ミサイルをわざと打ち上げてみせるということですが、韓国の場合は「日韓GSOMIA破棄」や「DRAM禁輸」などがこれに相当する、ということでしょう。
あまりきついことは言いたくないのですが、やはり、そんなことをやるから韓国は信頼できないのだと思います。「瀬戸際外交もやるしウソもつく」という意味では、世界の「ならず者国家」である北朝鮮と、やっていることがそっくりだからです。
北朝鮮は少なくともコソコソと「告げ口外交」をやらない分、韓国よりマシでしょう。その意味で、国際社会においてはいまや韓国がやっていることは北朝鮮以下ではないかと思う次第です(もちろん、「国として信頼できない」という意味では韓国も北朝鮮も同じですが…)。
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独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
韓国の文大統領自身はともかく、韓国外務省の実務者にとっては、国内
に(あるいは日本マスゴミ村に)ホワイト国除外撤回のために努力してい
ると見せているだけでは、ないでしょうか。(これで安倍総理がひるんで
撤回してくれたら、万々歳ということで)
蛇足ですが、文大統領にとっては、成功すれば「自分の手柄」、失敗す
れば「実務者の責任」ということでしょう。
駄文にて失礼しました。
更新ありがとうございます。
「今や韓国は北朝鮮以下」(爆笑)。確かに。言い得て妙です。日本の悪口を遠い国まで出張して触れ回る。それもG7のようなオマオラに縁のない大国中心に。
どうせ言いふらすなら中国やロシア、赤道ギニアや中央アフリカ、スーダン、エチオピアも入れてやれよ(笑)。
で、日本側の興味を引き、協議だ上から目線の交渉して、制裁ヤメロとか言い出す。日本が思案したら、「ウリが勝ったニダ」とバカ国民に喧伝する。もうミエミエなんだよ!その手は喰わん。
GSOMIAやDRAMに触れたら、巨大ブーメランだヨッ。進歩ないなあ(嘲笑)。150年前と同じか?
失礼ながら頭が悪いとしか思えん。ほぼ、精神的な病のある人だ。
しかし、外務省もそこらの欧州諸国には「南朝鮮人の話はデタラメです」と言っておいた方が良いね。
いつも楽しく?拝読致しております。
素人集団韓国、実態を察知した様で「DRAM禁輸」については腰砕けになってる旨の韓国報道があります。
日本政府も韓国に振り回されてお気の毒です。
>ただ、数日前に北朝鮮が短距離弾道ミサイルを何度も発射したという話題を目にしたときに、ハッと気付いたのですが、これもしょせんは「米国政府の気を引くことで米国を交渉の場に引きずり出す」という意味では、じつはやっていることはまったく同じではないかと思います。
仰る通り。
日本国民の皆さんは、韓国に対する評価が高過ぎます。
文在寅以前の政権も、対日行動に関しては、北朝鮮がするようなことを繰り返してきました。
たまたま文在寅政権で爆発しただけです。
文在寅以後の政権も、北朝鮮がするようなことを永遠に続けるでしょう。
そのつもりで対応せねばなりません。
文在寅政権が終われば何とかなる、という雰囲気をメディアに出させてはいけません。
本日の朝鮮日報の人気トップの記事です。一応今回も後半は省略して記述します
正直内容がグタグタで何を言いたいのか分かりません。ただ、韓国の宗教家というのは「こんなもんだ」ということが分かります。
金元鳳叙勲「今回は軍出身の報勲処長任命撤回せよ」
独立有功者·遺族青瓦台招請の昼食会 大統領府、公式立場なく「要求検討」
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2019/08/14/2019081400111.html
独立有功者·遺族青瓦台招請の昼食会 大統領府,公式立場なく「要求検討」
金元雄光復会長「日本を躾直せ」。咸世雄神父、克日抗争の文言を伝える
文在寅大統領が13日、大統領府で開いた独立有功者・遺族の午餐行事に出席した「朝鮮義烈団100周年記念事業推進委員会(推進委)」が軍出身の朴三得国家報勲処長内定者任命撤回を要求した。これと共に、政府レベルの「朝鮮義烈団100周年記念事業」推進および支援も要請した。彼らは儀烈団長で北朝鮮政権樹立に自発的に参加し、金日成政権要職を務めた金元鳳に対する「叙勲対国民署名運動」を企画した。大統領府はこれに対する公式の立場を明らかにしなかった。 青瓦台関係者は「彼らの要求事項が何なのか検討しなければならない」と述べた。
推進委:軍事政権時代のように、盧武鉉大統領と縁があるという理由で、軍出身関係者を任命するなら、朴勝椿元国家報勲処長の時と同じ軍中心の報勲政策時代に戻ることは火を見るより明らかだ。日本との貿易戦争によって第2の抗日独立精神が要求されている時に、雰囲気に逆らうのではないかと心配される。
金会長と咸神父らは報勲処長に予備役中将出身の朴三得内定者の代わりに、鄭雲鉉首相秘書室長(盧武鉉政府時代の2005~2007年の大統領所属の親日反民族行為真相究明委員会報道官兼事務局長) 青瓦台関係者は「要請に対する検討はまだない」と述べた。
金会長:過去数十年間、民族の利益を守る道徳的資格がない親日反民族勢力が権力を握り、日本と不平等な屈辱外交をしてきた。これからはこのように誤って慣らされた日本の癖を直さなければならない。
咸神父は「克日抗争」という文字が入った書を大統領府に送った。
金元雄会長は与党国会議員出身で、咸神父は左派寄りの宗教人だ。
文大統領:日本の経済報復に対する韓国の対応が感情的であってはならない(前日)。国民が韓国経済を揺さぶろうとする日本の経済報復に断固としており、両国民の友好関係を傷つけようとしない毅然として成熟した対応をしている。人と人、民族と民族、国と国の間の共存と共生、平和と繁栄という人類普遍の価値を忘れない。
以上ですが、言いたいことは活動家と宗教家が韓国の政治に口出しをしている。どちらも日本大嫌いというところでしょうか。
韓国の宗教家が如何に似非宗教家であるかが分かります。
神父が政府の人事に対して口出しするとは本当に呆れます。
いつかは韓国の宗教に対しても纏めてみたいです。
駄文にて失礼します。
お疲れ様です。
「宗教事情」に期待いたします!
韓国はシャーマニズムから逃れられない国。”恨”もそれと深く繋がっているように思われます。
韓国に渡来したキリスト教は、様々な邪教も生み、それらが国内外へ伝播していきました。
神父や牧師を名乗るものの、いかがわしい連中の如何に多いことか。
政財界等にも食い込んでいるようですが。
人質外交を忘れてませんか?北朝鮮は現在も、韓国も日韓基本条約を結ぶ時にやりましたね。
在韓邦人の不当逮捕や公海上での船舶拿捕など人質確保に乗り出せばいよいよでしょう。
日本の外務省が海外でナメクジ級の不甲斐なさを発揮するもんですから国民はドキドキハラハラと怒りと憤怒を無料で喰らわされるというのが問題点だとします。では対策を考えねばなりません。
今回のお題は「欧州」ですから、その点を鑑みます。
EUの泣き所は制御不能のトランプ氏対応です。
安倍氏が米国向けの発信を自ら出すことでしょう。
米国経由欧州行きの情報を発信すれば日本を軽視できません。外務省に任せられない現在ではこれは打っておきたい一手です。国内左派に気付かれなければさらに良い。
2020年の東京オリンピックへの正式な招待状が届いているはずなので、滝川クリステル嬢に出張していただくのが妙手ではないかと思います。フランスとドイツ、ベルギーなどがよろしい。
英国は外務大臣が渡英し、情報機関に以下を相談するのがお奨めです。つまり海外民間委託です。
「韓国のWeb情報操作がアジア人として情けなく、日本人として許せないレベルになっちまった。ついてはエリミネートなどのカウンターを考えたいんだが、まさか英公式情報機関には頼めない。こんなハナシを聞いてくれる企業か組織があったら紹介してくれ。金は国家機密費払い。英国にも調整量として毎回10%払う」
おまけ
文氏は優秀な保守的右派の有力官僚を遠ざけてくれてまして、今いる連中はボンクラばかりとなりました。つまり外交官はじめ欧州ツアーに行く面々もかなりのナイスな方々でしょう。
https://japanese.joins.com/article/833/247833.html
昨年末、まだ言語統制がなかったころの中央日報です。
今はこれより酷いので何もしなくても自滅するかも。
韓国を経済的に破綻させ息の根を止めましょう。
かっての日本は歴史上初めてのことをやりました。
日露戦争で有色人種である日本が世界最強のロシア
陸軍に打ち勝ち、連合艦隊が近代になって始めての
艦隊戦で完全勝利を収めました。
大東亜戦争の緒戦のマレー沖での非対称戦で、航空機が
戦艦を沈めるという歴史上初の戦術を取りました。
今回の日韓の"経済戦争"では武力を使わないで、韓国の
息の根を止めるべきです。ロシアは日本がどれくらい
本気か注目しています。大雑把に言って韓国とロシアの
経済的規模は同程度と見ることができない訳ではありません
ロシアとの武力戦はできません。ただし非対称の経済戦となれば
日本の国力からして、十分可能です。
第一次経済戦争は韓国。第二次経済戦争はロシア。そのためにも
今回は絶対ひるんではなりません。
素朴な疑問なのですが、元より韓国をホワイト国から除外しているEUの構成国に告げ口する意味はあるのでしょうか。
「日本に対して韓国は絶対正義」という彼らの「普遍的優位性」をアピールする、という目的には自分たちの国際的ポジションという視点自体ないえしょうねえ、だって正義なんですから。
説明される側が迷惑なだけすから、どうせなら金融危機に陥った時の援助を駄目もとで頼みでもした方がまだ国のためでしょうにね。
いわゆる『慰安婦』問題を世界に拡散していくそうです。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019081400406&g=int
プロパガンダ外交。
偽の慰安婦像を世界中に造りまくるのでしょうね。
日本国外務省はしっかりとその都度、粘り強く韓国がプロパガンダ外交を行う対象国や国際社会に事実を説明することを強く望みたい。