「あの国」のメディアが天皇陛下会見と緊密な日米関係を詳報

本日、ドナルド・J・トランプ米大統領が皇居を訪れ、令和初の国賓として、天皇陛下と会見しました。ただ、米メディアはワシントンポストなどを除けば、この話題に関心が低いらしいのですが、意外なことに、米国以外のメディアがこの話題を詳しく速報しています。報道姿勢を眺めると、「あの国」が日米関係の蜜月をどう眺めているのかという点が何となく浮かび上がってくる気がするのですが、やはり同じ島国かつ立憲君主国であるという事情もあるのでしょうか?

WSJがトランプ氏訪日を詳報

国賓として日本を訪問中のドナルド・J・トランプ米大統領が本日、天皇・皇后両陛下、皇太弟・同妃両殿下、安倍晋三総理大臣夫妻と皇居で面会したという話題は、先ほど、当ウェブサイトでは『天皇・皇后両陛下がトランプ大統領夫妻と面会』で速報的に紹介しました。

トランプ氏の訪日については米国のメディアも強い関心を持っているらしく、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は昨日付で、「ゴルフ、バーベキュー(※炉端焼きのこと)、そして刺激的なツイート」と題した記事を配信しているほどです。

Trump’s Japan Visit: Golf, Burgers and a Provocative Tweet(米国夏時間2019/05/26(日) 03:14付=日本時間2019/05/26(日) 16:14付 WSJより)

ひと昔前だと、米国のメディアが外国(しかも日本)のことを、ここまで大々的に報じるというのは異例だったように思えます。しかし、日米の連携が強化されている最近、WSJなどの米大手メディアに日本の話題が掲載されるのは、ごく普通のことです。

きちんと統計をとったわけではありませんが、アジア諸国で日本以外に頻繁に米メディアに登場する国といえば、最近だと「貿易戦争の相手国」である中国、「核・ミサイル開発」の北朝鮮とイランくらいではないでしょうか?

ただし、WSJらしく、単にトランプ氏が日本でゴルフや相撲を楽しんだだけでなく、今月の北朝鮮のミサイル発射を巡って「私はそれを悩んでいない」というツイートを発信し、共和党のジョニ・アーンスト上院議員(アイオワ選出)がその発言を批判した、という話題もしっかりと掲載しています。

※なお、本筋からは外れますが、おなじWSJに、ジョン・ボルトン大統領補佐官が北朝鮮のこの短距離ミサイル発射を「明白な国連制裁決議違反だ」と述べた、とする話題も紹介されていたのですが、こちらの話題についても機会を見て、是非、どこかで触れたいと思います。

Bolton Says North Korea Missile Tests Broke U.N. Ban(米国夏時間2019/05/25(土) 19:05付=日本時間2019/05/26(日) 08:05付 WSJより)

トランプ氏の天皇陛下との会見を詳報したのは…

ただ、本日の天皇陛下とトランプ大統領の会見を巡っては、ワシントンポスト(WP)が軽く触れていますが(下記記事参照)、少なくともWSJにはその話題は触れられていません。

The Latest: Trumps and emperor, empress, exchange gifts(米国夏時間2019/05/26(日) 23:29付=日本時間2019/05/27(月) 12:29付 WPより)

やはり、君主を持たない米国人は、日本における天皇陛下の重みをよく理解していないのか、と感じ、ふと気になって、「あの国のメディア」を除いてみると、なんと、英メディアのBBCが欧州議会選の話題を押しのけて、この話題をかなり詳しく報じていました。

Trump in Japan: US president meets Emperor Naruhito(2019/05/27付 BBCより)

BBCは「ドナルド・トランプ米国大統領が日本の徳仁天皇と会う初の外国のリーダーとなった」としたうえで、トランプ氏が天皇陛下と面会する前の時点で、このことを「大きな名誉(great honour※)だ」と述べていた、と報じています。

(※トランプ氏は米語の話者であるため、 “honour” の綴りは厳密には “honor” だと思うのですが、報じているのがBBCなので英国風に綴られているのだと思います。)

そのうえで、天皇陛下が上皇陛下の約200年ぶりの御譲位によって御即位されたという事実に言及したうえで、トランプ氏の日曜日の

“It’s over 200 years since something like this has happened.”

という発言を引用し、さらには皇居で栄誉礼を受けたという話題に言及しています。

日米のことを見ている余裕はあるのかな…?

もちろん、BBCのほかの記事を眺めると、テリーザ・メイ首相の辞任発表に関連する記事や、欧州議会選に関する記事など、国内や欧州連合(EU)に関する記事が主要な話題となっているのですが、トランプ氏の天皇陛下との会見に関する話題が、これらと並んでいる格好です。

先ほどの記事では、BBCはトランプ氏が安倍総理と一緒にゴルフを楽しんだという話題とともに、安倍総理が発したツイートを日本語のままで紹介。

さらに、昨日は安倍総理とトランプ大統領がいかに仲が良いかを示す、かなり長文の記事まで掲載しているほどです

Trump in Japan: Sumo, barbecue and an imperial audience(2019/05/26付 BBCより)

やはり、EUからの離脱(ブレグジット)もうまく行かず、自国の首相が辞任してしまうなどの政治的混乱の渦中にある英国にとって、同じ海洋同盟国である日本と米国の「蜜月」を眺める気持ちは微妙なのかもしれませんね。

ブレグジットが落ち着いたら、日英同盟と英国のTPP加入などの議論も現実味を帯びて来るでしょう(※ただし、英国民が本気でEU離脱を目指すのかどうかはよくわかりませんが…)。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

米国メディアですらあまり注目していない天皇陛下との会見を、ここまで大々的に速報したBBCは、島国で、左側通行で、立憲君主国で、大陸国家と常に対峙しているという共通点を日本に対して感じているのかもしれません。

ただし、私個人的には、日本と英国の最大の違いといえば、「対峙している大陸国家」が、少なくとも話が通じる相手かどうか、という点にあると感じているのは、ここだけの話です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 一国民 より:

    最後の2行、ここだけの話、まったくそのとおりだと思います。
    我が国の周辺国は欧州のような成熟民主主義国家ではないどころが、トンでも国家なので、対峙の仕方としては、相当な戦略性、注意深さと大胆さ等を持って臨むべきかと。

    1. 伊江太 より:

      一国民様

      たしかに言及されている最後の2行。この指摘は秀逸ですね。物事の価値判断からあるべき国家像まで、まるっきり異なった意見を持つ相手より「話が通じる」相手に囲まれてるってのは、日本から見れば英国は恵まれてることになるはずですから。一方で、「話が通じる」=「互いに共感し合える」ってことでもないわけで、長い交際の歴史の中で、ときに表だって争い、ときににこやかに談笑しながら水面下で足を蹴り合ってきたヨーロッパの国々が、それをずっとうちに秘めたまま統一国家を形成するなんて、うまくいくはずがないような気もするんですよね。その点では英国vsヨーロッパ諸国の関係と、日本vs東アジア諸国との緊張の間には、本質的にはそれほどの違いはないのかも知れないなとも考えています。移民問題がメインイシューみたいに言われてますが、根っこのところでは英国民の自意識、プライドがもうEUから様々に干渉されるのに耐えられなくなってた結果、もはやブレグジットへの流れが止まらなくなったという見方も出来るんじゃないでしょうか。

      <対峙の仕方としては、相当な戦略性、注意深さと大胆さ等を持って

      この辺のところは、日本より英国の方が遙かに経験豊富かつ老獪。本当にブレグジットまでいってしまうのかどうか、まだ未知数の部分は多いけれど、対峙する相手こそ違っても、英国に学ぶ点は多々あるように思います。

  2. 心配性のおばさん より:

    >英国民が本気でEU離脱を目指すのかどうかはよくわかりませんが…

    私にとって、EU離脱のイギリス国民投票結果は、衆愚政治という言葉とともに、日本国憲法改正の国民投票への警鐘となりました。
    イギリスのジャーナリストだったと思いますが、マイケル・ブーリン氏が情治主義の隣国の民主主義を論じて「民意が常に正しい道を選ぶとは限らない。」と評しています。
    この度、辞任されるメイ首相は元々EU残留派であったように、聞き及びます。EU離脱のイギリス国民投票の結果を受け、その離脱の傷が少しでも軽いように奔走されたお働きは他国のことながら感銘しております。
    次に立候補しているジョンソン候補は離脱派の急先鋒だったにもかかわらず、先回の国民投票の後は無責任にコソコソと逃げたのを覚えておりますよ。
    次期首相がどなたになるか判りませんが、離脱の方法によっては、イギリスは国家の信用を大きく傷つけ、国勢を大きく傾けると考えております。

    1. 団塊 より:

      イギリスの大陸(新たなドイツ帝国)からの離脱は大正解でしょう。
      ヨーロッパのどこの国とも相談なしに勝手にヨーロッパ外から200万人以上(←ドイツだけで)の貧民を呼び込み勝手にイギリスなどに100万人を押し付けたドイツの風下になどそうそういられませんよ。

    2. 門外漢 より:

      おばさんへ

      これは英国とドイツの戦争なんです。
      独はユーロという不完全国際通貨をネタに、仏以下各国を属国化して第三帝国=EUを成立させたのです。
      誇り高き英が黙っている訳は有りません。今まさにBattle of Britainが始まろうとしています。

      なので、どうしても英はEUを離脱すると私は思っています。

      1. 鞍馬天狗 より:

        門外漢さんへ

        >今まさにBattle of Britainが始まろうとしています
        その見方、正解かもね

        ポンドもハードカレンシーだし、
        日米英が、揃ってハードカレンシーな訳で、
        日米英以外にはMMTの適用が、難しいってのも不思議な符合

  3. jackie より:

    ○○天皇というのは諡号なので、ご存命中は使用すべきではありません。

    1. jackie より:

      間違えました、削除おねがいします

  4. 阿野煮鱒 より:

    たしかに、米国における日本への関心は変わりました。

    かつては日本の首相が訪米して首脳会談を開いても、米国のメディアは一切報道せず、記者会見でも、米国の記者達は大統領に日米関係とは無関係な内容を質問し、日本の首相には日本の記者からの質問のみ、その時間はコマーシャルに割り当て、米国の視聴者は日米首脳会談の記者会見であるとは気付かない、とかいう報道が普通でした。

    日本の努力の成果なのか、中国の台頭のへの警戒感なのか、EUの混乱のお陰なのか、Brexitの迷走のお陰なのか、理由は様々な複合的効果なのでしょうが、日本政府関係者におかれましては、この状況を上手く捉えて、日本の国際的地位のさらなる向上を目指してご尽力いただきたいと願います。

  5. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    英国は多くの英連邦の宗主国ですが、それらの諸国の王に対しては、英国最高の勲章であり、一般人では絶対いただけない「ガーター勲章」を授与されてます。また日本国天皇陛下にも授与されています。

    「ガーター勲章」にもランクがあるようで、日本国にはその中でも最高ランクを授けてます(多分)。今回徳仁天皇陛下になられたので、上皇陛下はご返却か儀典の時に付けない事になるでしょう。

    こういう事は、私的には優越感に浸るというか、アジアでは日本国天皇陛下のみ、世界の国王でもホントに僅かな方たちだけが、その栄誉に浴します。いやー日本人で良かった!アラブの石油成金は無理やで!

    しかし、英国は地勢的に恵まれてますよ(笑)。
    ドーバー海峡隔てても、ケッタイな国は東は露、南は某アフリカ土人国までありません。中東の難民とかも英国はやや遠い(笑)。周りはだいたいが話せば分かる国です。

    その点日本はハンデ重いよ。トップハンデ(爆笑)。スグ言いがかりつけて来る愚連隊とか、火遊びに夢中でビニール袋を被ってラリッてる若デブとか、永久政権を狙い政敵は毒入り餃子で謀殺する南京虫とか、日本が軒を貸して母屋を取られた露ケツとか、ロクな奴いません。

    英国が本当にEU脱退して、日英同盟やTPP等に参加するなら、ウェルカムだと思うな。

  6. 鞍馬天狗 より:

    イギリスの君主は、英国国教会の最高ガバナー
    でもあるプリーストキングだから、
    天皇陛下と類似点は多いかもね

    米国には、プリーストキングが居ない
    良くも悪くも、全責任が大統領に集約してる

    上手いこと機能してるんだから、
    キット、いいやり方なんだろうけど
    米国以外では、難しいんじゃなかろうか?

    米国を支える二大国が、似てるってのも不思議な話

    1. 心配性のおばさん より:

      鞍馬天狗様

      >全責任が大統領に集約してる
      >米国以外では、難しいんじゃなかろうか?

      そう思います。隣国を見ると特に。
      アメリカの大統領制がうまく機能しているのは、なぜかしら?ひょっとして、州知事制があるから?
      ダメ。判りません。どなたか、説をお持ちじゃないですか?

      1. 門外漢 より:

        おばさんへ

        全責任が大統領に集約してるのは某隣国も同じですよ。
        米および露・仏その他の国では機能するのに某隣国で機能しないとすれば、それは某隣国の人間がそれに値しないと言う事です。

        1. 鞍馬天狗 より:

          門外漢さんへ

          横からで、失礼します

          心配性のおばさん さんの御意見は、
          合衆国制度で、州知事に並列的な力
          が有るのが、その理由かもしれない
          とおっしゃている気がします

        2. 心配性のおばさん より:

          門外漢様、鞍馬天狗様

          全権力が大統領に集約する大統領制は、うまく機能すれば国家の動きを効率的にし、最大の国益をもたらします。
          でも、韓国やベネズエラのような場合は逆効果をもたらしている。
          門外漢様のおっしゃるように、それをうまく機能させないのは、民族性だとおっしゃる論者もみえます。韓国の悲劇だと。
          でも、アメリカ市民も決して優良な民族ばかりとは言えない。なにせ、多民族国家なのですから。
          鞍馬天狗様、ご指摘のように、私はそこになにか、たねや仕掛けのようなシステムがあるのではないかと、思いついたのです。
          だって、建国以来、国家崩壊に至らず、大統領制でここまできているのですよ。絶対、なにかありますよ。なにかはわかりませんけど(泣)。

        3. りょうちん より:

          文化人類学的には、隣国の大統領は王様ですよ。

          だから「王殺し」がやめられないw

        4. 鞍馬天狗 より:

          りょうちんさんへ

          やっぱ、
          核心を付くなぁ

      2. 鞍馬天狗 より:

        心配性のおばさん さんへ

        >そこになにか、たねや仕掛けのようなシステムがあるのではないかと、思いついたのです
        いつもながら、
        心配性のおばさん さんの直感は鋭い
        本当に、感心してしまいます
        御意見に同意します

        1. 心配性のおばさん より:

          鞍馬天狗様

          そのなにか。何なんでしょう。分かったら、教えて下さいな。ヒントでもいいの。

        2. 鞍馬天狗 より:

          心配性のおばさん さんへ

          >そのなにか。何なんでしょう。分かったら、教えて下さいな。ヒントでもいいの
          視点を変えるコトが必要だと思ってます

          不評なんで、
          出来れば、答えたくないんですけど、
          “なんだかんだときかれたらこたえてあげるがよのなさけ”
          池田清彦氏の”構造主義生物学””科学教の迷信”
          本川達雄氏の”ゾウの時間 ネズミの時間”
          福岡伸一氏の”生物と無生物のあいだ”
          を、オススメ(一冊なら構造主義生物学)するんですが、
          生物学的視点で、政治、経済、文化、社会を分析すると
          何故か、バカにしてるとか
          はぐらかしてると言われます

          気に入らない答えだと思いますが、
          真面目に答えてるツモリなんで、御了承下さい

          PS:
          三人寄れば虫の知恵
          虫捕る子だけが生き残る
          養老孟司、池田清彦、奥本大三郎共著
          なんてのもオススメ

          上記の全部に、拒否反応が出ても普通のことです
          養老孟司氏の”バカの壁”は、”生物学的視点の本”
          としては読みやすいので慣れるのに良いでしょう
          (あの本、温かみが欠ける学者馬鹿ジジイの
          斜め上の目線の本じゃないんです)

      3. 774- より:

        プロ倫とか。。。(ボソ

        1. 鞍馬天狗 より:

          774-さんへ

          >プロ倫とか。。。(ボソ
          ワロタ
          座布団一枚

          カルヴィニズムと掛けて、カニバリズムと解く
          その心は、
          どちらも、人を食った罰当たりでしょう

          ヴェーバーのカルヴァンの予定説より
          親鸞聖人の”いはんや悪人をや”のが、胸に落ちる

        2. 鞍馬天狗 より:

          774-さんへ

          ヴェーバーは、オランダ、イギリス、アメリカを
          検証対象にしてるけど、
          オランダも、イギリスも、立憲君主制だから
          最初の
          “米国には、プリーストキングが居ない”
          という命題を満たしていない

          米国のプロテスタントをカルヴァン派と呼べるのか?
          少なくとも、20世紀以降は違うんじゃないだろうか
          カソリック以外の全部としか呼べないんじゃなかろうか?

          必要条件を満たしているが、
          十分条件の”何故”に答えているとは言えない

      4. ラスタ より:

        心配性のおばさん様

        思い付きで書いてしまいますが、国のありかたが民主的であるかどうか、それと権力移譲のシステムが良かれ悪しかれ機能しているかどうかの違いのような気がします。
        大雑把にいえば、民主主義国家であるかどうか。

        言論を抑圧したり、クーデターや革命で大統領が代わったりする国は民主主義国家ではないのだから、大統領制が機能するはずもないのではないかと。

        それではロシアはなぜうまく行っているのか。
        そもそも民主主義にするつもりなどなく、大統領制をいいとこ取りして民主主義を骨抜きにすることに成功した独裁国家だからでは。
        (ロシア式の共和大統領制を民主主義国家と言えるだろうか。北朝鮮でさえ国名で民主主義を名乗っていますね。)

        つまり、うまく行っていない国は、民主主義を理解していない(否定するのも理解のうちでしょう)のに、体裁としての大統領制にしてしまったことが失敗。
        そのために、無軌道な民主主義は政権維持または奪取のためにポピュリズムを利用しつつ、都合の悪いことには独裁的に振る舞うことになり、やがて信用を失って転覆させられる。そして次の政権もまたそれを繰り返す。

        前提となる民主主義が成熟していないのに、大統領制というダイナミックな政治制度を採ってしまったことが失敗だったのではないか。

        とかなんとか考えたのですが、ひとつの考察としてどうでしょう。

      5. BlobFish より:

        心配性のおばさん様へ、

        結論を先に言ってしまうと、米国の政府が大体のところ上手く機能しているのは米国の上位2%の人材が途方もなく優秀で、民間・政府・教育機関で活躍しているから、問題が起こる都度、的確なリーダーシップを発揮して難関を乗り切る事が出来るのだと思います。

        偶にはジョージ・W・ブッシュのような失敗作も出してしまうのですがね。

        さて、米国の大統領制ですが、日本では余り知られていませんが、米国もそれなりの政権危機に直面してきた歴史があります。

        具体的には、在任中の大統領の不測の死、南北戦争前後での国家の分裂、大統領選挙における選挙人団の員数に対する4つの州の対立、ウォーターゲート事件での大統領の弾劾、クリントン大統領の弾劾未遂、等々ありまして、その都度憲法を弄ったり、関連法規を整備したりして的確な対応をとって来ました。

        さて、日本は色々な意味で世界に誇るべき国家ですが、特に一つの分野では米国に遠く及びません。

        それは司法と弁護士達に代表される法律体系とその構成人員の優秀さです(少なくとも上位1割強の)。

        米国の弁護士の資格は国家資格ではなく州ごとに規定されている資格で、司法試験の合格率も8割前後の州が多いので、弁護士の能力もそれこそピンからキリまであります。

        それでも、私の個人的な実体験と主観的な観察からすると米国のT14の法科大学院の教授とか連邦裁判所判事とか、合衆国司法省の人材を日本のそれと比較すると、ため息が出るぐらいの圧倒的力量差があります。

        まあ米国は開かれた社会で、世界から優秀な人間*も*集まって来ますので、頂点にいる人材が豊富なのは当然と言えば当然なのかも知れません。

        その代わり、社会の頂点と底辺とのギャップは大きいです。

        さて、日本への移民と言えば近隣の半島人が多数を占めているのを見ると気が滅入ります。

        1. 競争を通じ、優秀な人間が集まっているのもありますが、
          最も大きいのは、ルールを決めている側だからです。
          自由陣営はドル、石油(ドル決済)を握りルールを作り、決める側。
          ルールを作る側は、CO2排出権を決めるのが欧州などもです。
          日本はその作られた中での優秀なプレイヤー。
          ルールを作る側、家元制度の家元になる事が日本に必要な事。

          中国はかつて中華帝国でその立場にあった。
          だから、強引なやり方でもポジションを変えようとしています。

        2. 鞍馬天狗 より:

          二日市保養所さんへ

          >最も大きいのは、ルールを決めている側だからです
          正しいと思います

          米中関係は、
          同じグランドをサッカーと野球で取り合ってる様なもので、
          交代制が不可能で、他にグランドの代わりも無い以上は、
          ルールの折衷案とか、話合いでどうにかなる話では有りません
          仲裁を出来る存在もありませんし
          一方が専有するしかないのです、
          行くとまで、行くと思ってます

          PS:独逸はどうして、
          いつも、ヘゲモニーを取れないのでしょうか?

      6. 門外漢 より:

        おばさんへ
        鞍馬天狗のオッチャンへ

        国民はそのレベルに見合った政体しか持ち得ない(だったかな?)というのがありましたが、結局は民族性だと思いますね。
        この国のように、トップに象徴的天皇を戴いてその時々のナンバー2が政治実務を握るというのも、政体としては割合上手い方法だと思っています。
        米は建国以来大統領制ですが、おばさんやオッチャンが仰るように、連邦制で州からの牽制が効くのが良いのかもしれませんね。
        韓国はりょうちん様の御説の如く(専制)王制で、名前は違えど北も似たようなもので、それはそれで彼の半島の国に似合っていると言うべきなんでしょう。

  7. 名無Uさん より:

    ≫「対峙している大陸国家」が、少なくとも話が通じる相手かどうか、という点にあると感じているのは、ここだけの話です。

    日本には日本なりの悩みがあり、イギリスにはイギリスなりの悩みがあるのでしょう。
    イギリスも欧州諸国間と、まともに『話』が通じていたかどうかは疑問です。話が通じていたなら、欧州大陸に軍隊を送り、あれだけ多くの戦争を重ねる必要があったのでしょうか?
    特に、カトリック・プロテスタント間の不寛容ぶりは、話が通じるレベルではありませんでした。

    欧州大陸の国々が他の地域と比べて、どうして多くの国々によって細切れの状態になっているのでしょう?
    欧州大陸で強大国が台頭し、ある程度の勢力を有してくると、その勢力はドーバー海峡を渡ってイギリスを脅かして来るのですね。スペイン(フェリペ2世)しかり、フランス(ナポレオン)しかり、ドイツ(ヒトラー)しかり。
    その予防として、イギリスは『勢力均衡』を旗印に、常に欧州大陸に介入。その結果として、欧州大陸を細切れの国々のままにさせることが、イギリスの最大の国益でした。イギリスは海洋国家として精強でしたから、結果として欧州大陸に40ヶ国以上の国々を併存させることに成功しています。
    日本はと言えば、歴史的にその影響力を及ぼせる範囲はせいぜい朝鮮半島まで。明治維新時まで、歴代中華王朝の統一過程に対して、日本はまともに介入できていません。
    歴代王朝がシナ大陸を統一させても、統一王朝の性格はあくまでも陸軍国です。強大な海軍を整備して、日本を脅かす事例が少なかったのが幸いでした。(もちろん、元や清末などの例外はあります)
    日本が悩む歴史は、イギリスよりも少なかったと言えるでしょう。
    しかし、現在の中共は強大な海軍を整備過程ですから、長くイギリスを苦慮させてきた歴史が、今の日本に襲いかかっているとも考えられます。

  8. 生捨 より:

    トランプ大統領はこの後6月3日から3日間イギリスを国賓待遇で公式訪問。
    エリザベス女王とも謁見です。
    そういう理由もあるかもしれません。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

鞍馬天狗 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告