一部の報道によれば、外務省は27日に開かれた自民党のの外交関係合同会議の場で、「3月1日の独立節」に備え、韓国に渡航する日本人観光客に対して何らかの注意喚起を出すことにしたのだとか。ということは、注意喚起がその前日に出される、ということでしょうか。まったく国民を愚弄しているとしか思えません。
韓国に行くのは勝手ですが…
日韓関係の悪化が留まるところを知りません。
昨年秋口からの徴用工判決、慰安婦財団解散、レーダー照射、今年に入ってからは三権の長による天皇陛下侮辱、と、韓国側が相次いで日本を激怒させているからです。そして、各種世論調査によれば、韓国に対して厳しい姿勢を取ることに理解を示す日本国民は着実に増えているようです。
ただ、日本全体の世論が韓国に対して厳しくなっていることは事実かもしれませんが、それでも日本は全体主義国ではなく、言論も主義主張も自由な国ですから、中には好き好んで韓国に旅行に行きたがる、「韓国大好き」な人もいるでしょう。
そのこと自体は別にかまいません。
しかし、日本国民が海外に出掛けているときに、万が一、その国で騒擾などが発生した場合には、日本政府には海外で邦人の安全を確保する義務が生じます。
しかも、わが国には特定の国に対して渡航を「禁止」する法律はありません(外務省は、北朝鮮に対しては渡航「自粛」勧告を出していますが、これはあくまでも「自粛するように呼びかけている」だけのことであり、「禁止」はしていません)。
韓国に滞在するのは6~7万人?
では、万が一韓国で何らかの騒擾が発生した場合、影響を受ける日本人は、いったい何人いるのでしょうか?
これについては、「在留邦人」(つまり現地に住んでいる日本人で、「永住者」と「長期滞在者」から構成される)と「短期滞在者」(おもに観光客)に分けて考えるべきです。
まず、外務省の『海外在留邦人数調査統計』(P100)によると、直近(2017年10月1日時点)において韓国に在留する邦人は39,778人(うち永住者が8,906人、長期滞在者が27,821人)であり、在留邦人数で見れば、韓国滞在者は上から数えて10番目だそうです。意外と少ないですね。
- 1位:米国(426,206人)
- 2位:中国(124,162人)
- 3位:オーストラリア(97,223人)
- 4位:タイ(72,754人)
- 5位:カナダ(70,025人)
- 6位:英国(62,887人)
- 7位:ブラジル(52,426人)
- 8位:ドイツ(45,784人)
- 9位:フランス(42,712人)
- 10位:韓国(39,778人)
次に、短期滞在者については、だいたい2~3万人と考えられます。
というのも、韓国観光公社が公表する韓国入国者数に占める日本国籍保持者は毎月だいたい20~30万人(つまり1日7000~1万人ていど)ですが、観光旅行の平均日数が3日だったと仮定すれば、日本人旅行者数はざっくりと2~3万人と求められます。
つまり、韓国には常に日本人が6~7万人滞在していると考えられるのです。
遅すぎて意味のない注意喚起
以上を踏まえ、本日、少し気になる話題を発見しました。
外務省、「3.1節」控えて韓国渡航者に注意喚起(2019年2月27日15時17分付 WOW!KOREAより)
同サイトによると、外務省の当局者は27日に開かれた自民党の外交関連合同会議で、「3・1独立運動」100周年を控え、韓国を訪問する予定の日本人観光客らを対象とした注意喚起を促す予定だと述べたのだそうです。
「3月1日を控えてその前日の2月28日に注意喚起を出す」!
この対応、あまりにも遅すぎますし、行政官庁として、きわめて不誠実です。
外務省の皆さんに聞きたいのですが、「今日思い立って、明日、韓国に行く」、という人は、いったい何人いらっしゃるとお思いなのでしょうか?3月1日を控えて注意喚起を促すのがその前日の2月28日だ、というのでは、注意喚起としての意味はまったくありません。
この対応、あまりにも遅すぎますし、不誠実です。
だいたい、この6~7万人と思われる、韓国に滞在している日本人が、「外務省に注意喚起が出た」というだけの理由で旅行を取りやめたり、日本に帰って来たりするとも思えません。
“WOW!KOREA” の報道が仮に事実だったとしても、正直、外務省の措置に何らかの意味があるとも思えず、結局のところ、外務省としては「自民党にせっつかれたから、一応、注意喚起を出したよ」という、単なるアリバイ作りの一種と見るべきではないでしょうか。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ただし、この「ヒトの流れ」を巡っては、論じるべきポイントがいくつかあります。
そこで、『外為法第48条の研究:韓国に対するモノの流れの制限とは?』や『外為法第16条の研究:韓国に対するカネの流れの制限とは?』の「続編」的に、一両日中に、これらについて議論してみたいと思います。
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更新お疲れ様です
やんないよりは、マシ
変革を気長に待ちましょう
これですね。
前から言われていたのを、韓国になるべく不利益のないときにいうということをしたのかもしれません。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
確かに外務省の責任回避のためでしょう。しかし、逆に言うと「外務省
が責任を問われる事態が、韓国で起きる可能性がある」ということでしょ
う。(前日に、慌てて注意喚起を出すくらいですから)
駄文にて失礼しました。
行きたいなら行けばイイんじゃね?
その上で、渡航「自粛」勧告済みでも行くなら、日本国籍はく奪=何があっても助けない
それでいいんじゃね?
全ては自己管理、自己責任原則で。
今朝、このような記事がUPされていて、思わず眉をひそめました。「日本外務省は20日付でボリバル州一帯への渡航中止勧告を出している。」とのことでしたが、女性は知らなかったのでしょうか?
<女性邦人旅行者、立ち往生=国境閉鎖のベネズエラ 時事通信社>
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/女性邦人旅行者、立ち往生%EF%BC%9D国境閉鎖のベネズエラ/ar-BBU7Oya?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp
20日付で渡航中止勧告を出している。ってことだけど、女性はそれ以前に入国していたら?
>27日に開かれた自民党のの外交関係合同会議の場で、「3月1日の独立節」に備え、韓国に渡航する日本人観光客に対して何らかの注意喚起を出すことにしたのだとか。
渡航に関する注意喚起を前日に行うとしたら、それ以前に渡航して観光している邦人にどのようにその注意喚起は届くのかしら?自民党の外交関係合同会議ってどんなものか知らないけど、こういった渡航レベルって現場で判断したほうがいいものなんじゃないかしら。
現場(その国の公館)の判断のほうが、日本の政治家の会議より、適格ではないかしら。その仕事ぶり、大丈夫?外務省の皆さん、溜息しか出ないけど。情報収集もダメ。交渉力もダメ。こんな判断能力もダメ。では、あなたたちの存在意義ってなに?
もちろん、究極は渡航者の自己責任かもしれないけど。もう一度言いますね。外務省の皆さん、あなたたちの存在意義ってなに?
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C074.html
たびレジ 外務省海外安全情報配信サービス
こんなのあるそうです。
但し、このメールに似たものを使った詐欺もあるとか…
まったくもって
日本外務省ほどひどい役所は他にないのではないでしょうか。
他がいいとは言いませんが、限度というものがあるかと思います。
さすがは害務省と言われるだけのことはありますな。
故に其の疾きこと虱の如く、
其の徐かなること淋の如く、
横領すること火の如く、
知りがたきこと陰の如く、
働かざること山の如し
虱淋火山(しつりんかざん)でございます。
いつもタイムリーな問題提起をしていただき有り難うございます。
で、もし「韓国渡航者への注意喚起」が出されるのなら、アナウンス効果としても良いと思います、ここまで反日が盛り上がれば、不慮の事態も想定されますし、対韓国という意味でも。でも如何せん、会計士様の仰るとおり、3月1日の前日というのは、あまりにもタイミングを失しており、国民の安心安全の確保という観点からは、疑問ありと考えます。とは言え、高レベルでの判断が必要になるでしょうが、朝鮮民族の反日・積弊精算の流れはとても止められず、そのような状況の下では、遅かれ早かれ、邦人が何らかの被害を被る可能性十分ありと思われます。いずれにしてもどこかの時点で、現地在留の方々の静かなる撤退も含め、国から正式に注意喚起をすべきではないでしょうか。駄文で申し訳ありませんが。
遅すぎて無意味という事もないと思いますよ。
韓国内で発生する左派デモに近づくな、という注意喚起ですから。
これから行くひと、既に滞在してる人への呼びかけですよね。
たけさんへ
>遅すぎて無意味という事もないと思いますよ。
同感です
害務省は、岩倉具視以来の反日組織だと思ってますが
少しはマトモな人が出てきたんでしょう
役所が一旦だした勧告は、引っ込めるのにも
時間の掛かるのが普通ですから
このママ、オリンピックまで続けば、ボイコットも
有り得る嬉しい事態に発展すると思います
アノ国のコトだから、ムキになって
日本への渡航禁止を出してくるんじゃないかと思う
アタルと良いな、アタルかな~♪
>韓国を訪問する予定の日本人観光客らを対象とした注意喚起を促す予定だと述べたのだそうです。
注意喚起だから、交通標識の落石注意程度の効果は期待できる。
車を運転している時、落石注意の交通標識を見て、いつも、どうすればいいの? と思う反面心の準備だけはできるかなと、複雑な気持ちになります。
「今まさに落ちて来るかもしれないから注意しろよな」も含むんでしょうけど、この辺はそういう地盤だから「すでに路上に落ちてるかもしれない大きな石に注意して走行してね」の意味ですよね、それ。
まあ、民草がお役人の気持ちを忖度しても詮無いのですが、「あまり先々から注意喚起すると、かえって目立って反日感情を煽るかも」といった、「できるだけ刺激はさけて事なかれを祈る」小役人根性が匂いたちます。事が起きた時に「わたし言いましたよね」だけは担保しておきたいということなのでしょう。
イヌノフグリはネコヤナギの夢を見るか様
国土交通省道路局によると、この標識には「落ちてくる石」と「すでに道路上に落ちている石」の両方に対する注意喚起の意味があるといいます。
とはいえ、「落ちてくる石を避けながら運転しろ」と求めるのは非現実的ですし、「落石の可能性がわずかでもある場所は通行止め」とするのも、また非現実的でしょう。
「上を見ながら運転することはできないため、標識の細かい意味を考えるよりも、『落石注意』の標識を見たら、その地域全体に対する注意喚起ととらえて、注意しながら運転するよう自動車教習所では指導しているそうです。」
調べるんじゃなかった!