日米同盟軸にしたインド・太平洋戦略こそが、日本の活路だ
先ほど『日米防衛相会談から「日米韓3ヵ国連携」が消えた意味とは?』で紹介した、日米防衛相会談について、別の情報源もあったので紹介しておきたいと思います。産経ニュースは日本側が韓国による「レーダー照射事件」について米国に説明したと報じているほか、米国防総省(ペンタゴン)のホームページには岩屋防衛相の訪米が大きく取り上げられており、日米同盟に対する米国側の強い期待を感じ取ることができます。いずれにせよ私は、日本が将来、「日米同盟を軸とした重層的な価値同盟」の中核に入ることこそが、日本が未来に向けて平和と繁栄を享受していく方法だと考えているのです。
産経ニュース「日米韓3ヵ国協力」の不思議
岩屋毅防衛大臣が訪米し、シャナハン国防長官代行と会談をしたという話題については、先ほど、『日米防衛相会談から「日米韓3ヵ国連携」が消えた意味とは?』で触れました。
この話題を産経ニュースが取り上げていましたので紹介します。
岩屋防衛相がシャナハン国防長官代行と会談 レーダー照射問題も説明(2019.1.17 13:05付 産経ニュースより)
産経ニュースによると、両氏は日本政府が昨年12月に策定した新防衛計画大綱を踏まえ、日米同盟の強化を進める方針を確認したとされていますが、この点については防衛省の公式のホームページ上も公表されています。
ところが、防衛省の発表に含まれていない下りがありました。
それが、次のとおりです。
「日韓関係に関しては、岩屋氏が韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題について説明。両氏は、日米韓の安全保障協力が地域全体の安定に寄与するとの認識に立ち、今後も北朝鮮への対処などに向けて3カ国の協力を進めていくことで一致した。」
あれ?
産経ニュースは「岩屋氏が韓国による火器管制レーダー照射事件を取り上げた」、「両氏は日米韓の安全保障協力、3ヵ国の協力推進で一致」などと報じていますが、この下り、防衛省のホームページではまったく確認できません。
※2019/01/17 16:20追記
この下りについては、先ほど、防衛省のホームページに岩屋氏の記者会見が掲載されており、レーダー照射事件や日米韓3ヵ国連携について言及されていました。コメント欄で情報を寄せて下さった「通りすがり」様、大変ありがとうございました(ただし、あくまでも先ほどの文章は「その時点で調べた情報」をベースに執筆している者ですので、本文について修正することはいたしません)。
防衛省の公式ホームページ上、レーダー照射事件の下りについて触れていない理由については、何となく、「韓国を無駄に刺激することを防ぐため」なのかという気がしますが、それと同時に防衛省のホームページ上、「日米韓3ヵ国連携」という文言が存在しない点については、どうしても引っ掛かるのです。
ペンタゴンのプレス・リリース
一方、気になって米国防総省(ペンタゴン)のホームページを確認してみたところ、米国側では「韓国」( “ROK” または “South Korea” )という単語すら出ていません。
Readout of Acting Secretary of Defense Patrick M. Shanahan meeting with Defense Minister Takeshi Iwaya of Japan(2019/01/16付 ペンタゴンHPより)
ペンタゴンによれば、両者の対話の概要は、次のとおりです。
- During the meeting, the leaders reaffirmed the long-standing defense relationship as the cornerstone of regional security policy.(両者は会合を通じて、日米両国の長年に及ぶ同盟が地域安全保障政策にとっての土台であることを、あらためて確認した。)
- Secretary Shanahan acknowledged the key role Japan’s new National Defense Program Guidelines and Mid-Term Defense Program will play in strengthening the alliance.(シャナハン代行は日本の国家防衛計画ガイドラインと中期防衛プログラムが同盟の強化に寄与すると評価した。)
- They also discussed regional security issues and furthered discussions on U.S.-Japan defense cooperation topics, such as space, cyber, operational cooperation and information security. (両者は米日防衛協力に関し、たとえば宇宙、サイバー空間、作戦協力、情報安全などの分野での議論を深めた。)
- Secretary Shanahan noted that he looks forward to working closely with Minister Iwaya to strengthen the U.S.-Japan Alliance and to ensure peace and prosperity in the Indo-Pacific region and around the world.(シャナハン代行は岩屋防衛相との間で、インド・太平洋地域、そして全世界の平和と繁栄を目指した米日同盟強化に向けて今後も協力していきたいと述べた。)
両者の協議内容については、日本側のプレス・リリースにあった「米韓同盟」なる用語が、米国側のプレス・リリースでは確認できないものの、両国の報道発表内容には大きな違いはありません。
日米英加豪NZ+EU、台湾、インド…
いずれにせよ、先ほど紹介したわが国の防衛省のプレス・リリースと照らし合わせると、日米の防衛協力は新たな次元に達しつつあることは間違いありません。
よく勘違いしている人がいるのですが、米軍は確かに「世界最強の軍隊」かもしれませんが、米軍が出掛けて行けば、ありとあらゆる戦争に勝てる、というものでもありません。
最近、トランプ政権がシリアからの撤退を決断しましたし、トランプ政権は常々、「ありとあらゆるコストをかけてまで、全世界の『警察官』を務めるつもりはない」などと強調しています。世界の安全はどこか1つの国が守る、ということなど、土台無理な話なのです。
しかし、世界にはおそるべき野蛮な独裁国家が存在していますし、また、法を守らない国、人権を侵害する国、不公正な経済競争を仕掛けてくる国、核・大量破壊兵器を開発する国などもあります。やはり、丸腰でこれらの不法な国家群に立ち向かうことなど、不可能です。
だからこそ、「自由と民主主義を愛する諸国」が価値同盟を結び、これらの不法国家群を牽制することが、どうしても必要です。現状、日本は、アメリカ合衆国にとって、もっとも頼りになる同盟国ですが、これをさらに深化させていくことで、全世界の「自由と繁栄」をともに守っていくことができます。
それだけではありません。価値を同じくする諸国、たとえば英国やカナダ、オーストラリアやニュージーランド、さらには欧州連合(EU)や台湾、インドなどと防衛協力を進めることが、日本にとっては何よりも大切なことなのではないでしょうか?
日本国内には、「日本国憲法を守っていれば平和になる」と信じている人たちがいます。
もちろん、日本国憲法が掲げる「平和主義」は、理念としては素晴らしいものですが、それと同時に、北朝鮮による日本人拉致事件など、野蛮な相手国からの侵略行為、犯罪行為を野放しにすることを許して良い、という話にはなりません。
日本国憲法の改正が遅々として進まないことは、本当に困った話です。
しかし、日本政府・安倍政権が憲法の制約下にも関わらず、「現時点でできること」を粛々と実行していることについては、高く評価して良いのではないでしょうか?
いずれにせよ、日米同盟を軸にした「インド・太平洋戦略」こそが、これからの日本にとっての活路であることは、間違いないといえるでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
防衛省が公表したQAにレーダー照射問題が掲載されています。
http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2019/01/17a.html
Q:シャナハン長官代行との会談ですが、日米同盟に加えて、これまで対北朝鮮では、日米韓という枠組みで対処してきました。韓国とはここのところFCレーダーの照射の件であったり、徴用工の問題があったりと関係にきしみが目立ちますが、この点に関してシャナハン長官代行とはどのようなやり取りがあったのでしょうか。
A:日韓の防衛当局間で協議している問題についても説明をさせていただきました。
産経のソースは、これだと思いますが。。。
通りすがり 様
コメント大変ありがとうございます。このようなご指摘、大変助かります。
さっそく本文に追記を致しました。
今後ともご愛読ならびにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
アメリカの立場としては、「日本がレーダー問題で韓国を追い詰めるのは少し待て」ではないでしょうか。いま、アメリカは正直国外問題に構っている場合ではないと思います。国内のごたごたがある程度収まらない限り、面倒なことには手を出したくないのが本音でしょう。従って、アメリカは北朝鮮問題にある程度の目途がつくまで、取り合えず韓国をこのままに留めおこうと考えているのではないでしょうか。だから、日本に対してもう少し待てと圧力をかけたような気がします。
ただ、これが日本にとって吉と出るか凶とでるかは分かりません。何せ嘘と裏切りの国ですから、アメリカや中国には何もないのでしょうが日本は別です。小生はこのまま放置すればいずれ馬脚をさらすと踏んでいるのですが、この国はそれがどうしたと開き直るので厄介です。現政権も無能集団ですから日韓間の諸問題に対し何一つ有効な手段は出てこないでしょう。と言うか出す能力がないでしょう。そうこうしているうちに韓国経済が死亡する兆候が表れれば経済難民が日本に大量にやってきます。日本の田舎は空き家が多く、多少の不自由を我慢すればブローカーを介して韓国人が住み着くことも十分可能です。実際に日本の空き家に関し質問を何度か受けたことがあります。
今朝のニュースでソウルの住宅価格が1000~4000万円ほど下落したそうです。ソウルにウンマ(銀馬)アパートという物件があります。築40年のとても古いマンションなんですが、価格が1億8千万円(確か80㎡だったと思いますが、自信がありません)だったのが約2000万円ほど下落しました。このウンマアパートというのは韓国人のなかでは非常に人気が高く(進学に有利な高校の学区内というのが一番大きな理由です)、価格が落ちることはあり得ない、所謂韓国不動産神話の象徴のようなマンションです。
さてさて、今後どうなる事やら。と思いつつも、小生がこの国で暮らして気付いたのはこの国は結構しぶといです。韓国経済破城論など5年も前から囁かれていますが、いまだにどうにかこうにか保っています。不思議な国です。
駄文にて失礼します
中国や韓国が「崩壊する崩壊する」と言われてもう何年たつでしょう(笑)「今年だ」「来年はヤバい」と毎年同じような本が出版されます。中国の横暴や韓国の増長を、ただただ傍観しているだけしかない日本の庶民は、「今後こそか」「そろそろか」と期待と歓びを隠しきれずに本を手に取ります。残念ながら(笑)中国も韓国もしぶとい。それ以上にこの類の本を書く自称評論家と出版社がしぶとい。またそろそろ新刊が出るでしょう。たぶん来年も再来年も出ると思います。
憲法改正について言及していただきました。ありがとう。
安倍政権は、現実の際して、不備のある現行の憲法の中で、最大限の努力で、外交による防衛を行っている。
同感です。でも、このような防衛は、近代日本で安倍政権が初めて実現させました。政権を支える方々の資質もそうですが、安倍総理の意志があって実現したと思います。
安倍さんが任期を終えたらどうなるのでしょう。安倍さんの任期内に世界が安定する保証はないですよ。
大筋としては日本の方向性は良いほうに向かっていますが、
抱えている懸案も結構あり…
対韓国の様々な問題、
北核問題は進展せず、
北方領土問題も難航しそう、
ゴーンの問題も長引いてる、
尖閣防衛も。
国内もゴタつく事案が増えてきました。
問題が山積すると売国左派が襲い掛かってくるので、踏ん張ってほしいところです。
米国がレーダー照射で日本に韓国対応に抑制を要請した形跡が見えないね。連日、自民党部会では強硬論が出ているという報道があるが、あれは思わせぶりなのか。結論が出せない政治は選挙に影響するけどな。
更新ありがとうございます。
『海自 哨戒機火器管制システムレーダーロックオン事件』で、夕刊フジの18日付C版1面に『漁船は北朝鮮工作船か』と大きく取り上げてます(『か』は極小文字で。笑 実際は17日夕方発売)。
仕事帰りの駅前コンビニでチラ見しただけですが、やっぱりそうなのか、と驚きと共に肯定的に受け止めました。
夕刊フジだから、ニッカン ゲンダイより少しマシ程度と思いますが、小見出しは『日米諜報部確認』『北工作船と酷似』『何故SOSを韓国船だけが察知?』。
以前から囁かれている事だから、今更感はありますが、夕刊紙も売れるネタと思って、1面にぶつけて来たか(笑)。確かに救難信号を発したのが能登半島沖なら、韓国艦艇のみ傍受はありえない。日本漁船がウヨウヨしてるだろうし、貨物船、コンテナ船、海上保安庁、、やはり怪しいなんてもんじゃない。『犯罪確定』ですね。
しかし防衛庁も産経新聞も、岩屋氏シャナハン氏の防衛相会談を『日米韓の三か国で〜』という表現があるところを見ると、まだ必要以上に韓国を刺激したくないという事ですね。もうどっちでもええけど(笑)。
日本は、当然自分で国を護らねばならない。改憲による正規軍を持てるようにするのと、地球の半周をカバーできる程度の国益に繋がる友邦と、絆を強くするべきです。日米英仏豪NZ加台インド、、まだまだありますが、まずはこの枠組みで自由主義国の連合帯を作りましょう。 以上。
中国や北朝鮮問題に取り組んでいるアメリカですが、アメリカ1国で解決できる問題じゃないと思います。
北朝鮮問題は、中国、ロシアの同意を取り付け、国連決議で経済制裁を行っています。
中国との貿易戦争では、ファーウェイの幹部の逮捕により、国際的にそのスパイ活動を明るみにしました。
これらのやり方は、ブッシュ政権の中東戦争より、上手い。
しかし、この包囲網に穴があっては、全てが水泡に帰します。つまり、脇はしめなくてはならない。
この大きな穴は、中国ではなく、韓国です。レーザー照射事件の焦点は、やったやらないではなく、韓国海軍がなにをしていたかです。
アメリカも、もはや認識していると思いますが、この大切な局面で、この韓国の動きは、注視しなくてはなりません。
認識して備えなくてはなりません。韓国は同盟から外れました。
米韓同盟から実質外された韓国だが、名目上は同盟は続く。そうなるだろうと誰もが思っていることが厄介な話となっている。しかし背に腹は代えられない。地政学リスクは小さい方がいいからね。今できるベスト、ベターな韓国へのお仕置きは何があるかね。韓国はすでに警戒体制にあるだろうし、そうなったらどう対処するかを考えているだろう。すべては日本の責任としてなすり付ける偶発リスクだね。この時、日本の堪忍袋がどうなろうと知ったこっちゃないというのが韓国という国。要注意の時間帯に入ってきたかもね。
よく、南朝鮮は日本に対して米国の犬!
的な表現がありますなw
日本でもですがww
しかし、犬と言っても犬種は色々いるわけで、
「犬に見えた狼」だったらどうなんでしょうなぁw
味方には尻尾を振るが、敵には徹底的に息の根を止めに回るw
日本人にも問いたい。
日本人のポチは、
【チワワなのかドーベルマン又はオオカミ直系】
なのかと?ww