昨日『【速報】韓国外交部が「強制徴用賠償判決」に対する立場表明』でお伝えしたとおり、韓国外交部はウェブサイト上、10月30日の「徴用工判決」を巡る韓国政府としての立場を表明するページを設けました。もっとも、内容はすでに韓国政府が表明したコメントを再録しているだけであり、あまり目新しい情報はありません。ただし、李首相本人の発言の詳細が出ているので、これをじっくりと読み込んでみる価値はありそうです。
目次
中央日報による「タイトル詐欺」
昨日の夕方、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、こんな記事が掲載されました。
韓国外交部、「強制徴用賠償判決」に対する立場をホームページ掲載(2018年11月15日16時43分付 中央日報日本語版より)
記事のタイトルだけを読むと、「やっと韓国政府が10月30日の『徴用工判決』に対する態度を固めたのか」と勘違いしてしまいますが、それは早合点です。というのも、実際に韓国外交部(外務省に相当)のウェブサイトに掲載された文章は、すでに韓国政府が発表した内容と見受けられるものだからです。
昨日も紹介しましたが、私は『強制徴用大法院判決関連、国民政府の立場発表文(※原文韓国語)』と題する資料の和訳を作成しております(複数の翻訳エンジンなどを参考に解読し、日本語表現を整えたもの)。これを再掲しておきましょう。
強制徴用最高裁判決関連、国民政府の立場発表文
政府は、日本植民地時代に強制徴用被害者に関する司法の判断を尊重し、大法院の今日の判決に関連した事項を綿密に検討する。/これをもとに首相が関係省庁と民間の専門家などと一緒に諸要素を総合的に考慮し、政府の対応策を用意していくだろう。/政府は、強制徴用被害者らが経験した苦痛について残念考え、被害者の傷が早速、そして可能な限り治癒することができるように努力していくだろう。/政府は韓日両国の関係を未来志向的に発展させていくことを望む。/2018年10月30日
韓国司法の強制徴用判決に関する日本政府の態度について
日帝強制占領期間における韓国人強制徴用被害者に対する大韓民国大法院の判決をめぐり、日本政府の指導者が過激な発言を続けていることについて深く憂慮する。/日本政府の指導者の発言は妥当でもなく、賢明でもない。/司法府の判断は、政府間外交の事案ではない。司法府は、法的判断を専門とする機関であり、司法府の判断に政府が介入しないことは、民主主義の根幹である。日本政府の指導者たちも、それを知らないことはないだろう。/大韓民国大法院の判決は、1965年の日韓基本条約を否定したものではなく、その条約を認めながら、その土台の上で条約の適用範囲がどこまでなのかを判断したものである。判決文からは、それは明らかだ。/私はこの問題についてのコメントを最大限自制し、政府関連省庁と民間専門家の知恵を集めて対応策を用意しようと努力している。/日本政府の指導者たちが大韓民国司法府の判断に不満を言うことはできる。しかし、日本政府の指導者たちがこの問題を外交問題に発展させようとしているため、私もこの意見を言わざるを得なくなったことを遺憾に思う。/日本政府の指導者たちの賢明な対処を願う。韓国政府は、強制的に徴用被害者の傷を治癒することに最善を尽くすつもりだ。韓国政府は、韓日関係が未来志向的に発展することを望むという点を重ねて主張する。/2018. 11. 7 大韓民国国務総理 李洛淵
李首相のコメントの「逐語訳」
韓国首相の発言の全文を確認する意義
以上の内容を読んで明らかなとおり、韓国政府・外交部に掲載された文章は、「韓国政府が昨日になって、『徴用工判決』への対処を巡って新たな立場を示した」というものではありません。
あくまでも、以前からの韓国政府の対応を繰り返しただけのものです。
ただ、1つ意義があるとすれば、李洛淵(り・らくえん)首相の11月7日付のコメントの全文を、直接確かめることができた、という点です。というのも、李首相のコメントについては、報道関係者にショートメール形式で送り付けられたものだったからです。
この全文が韓国政府によって直接公表されたのは、私が知る限り、おそらく初めてではないでしょうか?そこで、ここでは私自身の訳文をベースに、李首相のコメントのなかから、私自身が気になった部分を抜き出してみましょう。
「過激な発言は妥当でもなく賢明でもない」
最初のポイントは、次の下りです。
「日本政府の指導者が過激な発言を続けていることについて深く憂慮する。日本政府の指導者の発言は妥当でもなく、賢明でもない。」
この発言は、すでに報じられているものと同じですが、李首相は批判しているのは、おそらく安倍総理、菅官房長官、河野外相などが発した、「国際法違反の判決だ」「100%、韓国側の責任で考えるべきことだ」などの一連の発言でしょう。
「過激な発言」と決めつけることで、あたかも日本政府が感情的に反発しているかのような風体を装っているのです(※『逃げ腰で反論を試みる韓国首相と冷ややかに突き放す日本政府』でも触れたとおり、この李首相のコメントにも関わらず、翌日、さっそく菅官房長官自身が韓国政府を改めて批判しています)。
司法府の独立と外交
次のポイントは、この下りです。
「司法府の判断は、政府間外交の事案ではない。司法府は、法的判断を専門とする機関であり、司法府の判断に政府が介入しないことは、民主主義の根幹である。日本政府の指導者たちも、それを知らないことはないだろう。」
この下りについては、正直、詭弁です。
三権分立の国では、一般に政府が「司法府の独立」に干渉してはならないことは事実ですが、今回の事例では、司法府自身が国際法に反する判決を下してしまったわけですから、この判決を外国に対して強制することは妥当ではありません。
韓国国内で司法府の判断を尊重したければ勝手にやれば済む話ですが、問題は「韓国国内」に留まらないわけですから、韓国政府、韓国国会などが適切に対処しなければなりません。具体的には、たとえば、「国内の判決を外国に対して及ぼさない立法措置」を取ることが必要でしょう。
つまり、本当に韓国が法治国家ならば、韓国国会は今回の判決を下した裁判官を弾劾するとともに、「(自称)元徴用工に対する損害賠償判決が出た場合は、すべて韓国政府が肩代わりする」といった具合に、「徴用工特例法」を策定する、といった対応が考えられます。
ま、どうせ韓国にそのような対処はできないと思いますが…。
もっとも意味不明な下り
さて、今回の韓国首相発言のなかで、もっとも意味不明なのは、次の下りでしょう。
「大韓民国大法院の判決は、1965年の日韓基本条約を否定したものではなく、その条約を認めながら、その土台の上で条約の適用範囲がどこまでなのかを判断したものである。判決文からは、それは明らかだ。」
あれ?条約の適用範囲を裁判所が一方的に決めて良いのですか?
本当にそう思っているのならば、まことに失礼ながら、韓国の大法院(最高裁に相当)の判事の皆さんも、李首相も、もう1度、国際法を基本から学び直すことを強くお勧めします。
条約の適用範囲は、日韓基本条約、日韓請求権協定に書かれている通りであり、それ以上でもそれ以下でもありません。それなのに、相手国の同意なく、一方的に裁判所が適用範囲を勝手に変更すること自体、国際法違反です。
「判決文からは、それは明らかだ」とおっしゃるのならば、国際司法裁判所(ICJ)でそう主張して頂ければ良いと思います。もっとも、そんな主張が認められるかどうかは存じ上げませんが…。
意訳「困っています」
そのうえで、李首相は次のように述べます。
「私はこの問題についてのコメントを最大限自制し、政府関連省庁と民間専門家の知恵を集めて対応策を用意しようと努力している」
いえいえ。
もし韓国がまともな国であれば、「対応策」は判決が出る前から準備しておくべきでしょう。それなのに、「対応策を用意しようと努力している」って、何ですか?呆れて物も言えません。
また、
「日本政府の指導者たちがこの問題を外交問題に発展させようとしている」
という下りは、典型的な「逆ギレ」でしょう。外交問題を作ったのは韓国の大法院であり、すべては韓国側の責任だからです。
さらに、
「日本政府の指導者たちの賢明な対処を願う」
という下りについては、意訳すれば、「いつものように韓国国民を納得させるための解決策を日本政府が日本政府の責任において考えてくれよ」、という意味であり、言いかえれば、「本当に困っている」というメッセージでしょう。もっとも、冷たいようですが、私などは「勝手に困っていれば良い」と思いますが…。
そして、
「韓国政府は、韓日関係が未来志向的に発展することを望むという点を重ねて主張する」
という下りについては、韓国政府こそが未来志向と反する動きにより、日韓関係の発展を全力で妨害してきたという実績を見る限りにおいては、たちの悪い、笑えない冗談にしか見えません。
日本政府の対処
国際法に則り、粛々と
以上、李首相のコメントをじっくりと眺めてみました。
私の印象を申し上げるならば、「妥当でもなく賢明でもない」のは、安倍総理、河野外相、菅長官ら日本政府要人の方ではなく、明らかに李首相や、この期に及んでいまだにダンマリを決め込む文在寅(ぶん・ざいいん)大統領の方だ、ということです。
何より、以前から何度か申し上げているとおり、私は現在の韓国政府に、事態を収拾する能力はないと思います。そして、おそらく韓国の最大の敗因は、「めちゃくちゃな判決であっても、いつものように日本政府が丸く収めるための解決策を考えてくれるに違いない」と思い込んでいた点にあるのでしょう。
いずれにせよ、韓国政府が無能だということは間違いありませんし、韓国という国が国際法、あるいは約束を守るという意思を持っていないことも明らかです。そうである以上、日本政府は粛々と、国際法に則って事態を処理すべきであって、韓国との二国間交渉で解決を図るべきではありません。
安倍総理と文大統領が「接触」も、対話は不明
さて、シンガポールで昨日、東アジアサミット(EAS)が開かれました。
これは、東南アジア諸国連合(ASEAN)10ヵ国に日中韓、さらにはインド、オーストラリア、ニュージーランド、米国、ロシアを加えた18ヵ国による会議ですが、次の産経ニュースにその様子がレポートされています。
安倍晋三首相、中国念頭に国際基準要求 「一帯一路」牽制(2018.11.15 20:12付 産経ニュースより)
これによると、
- 安倍総理は国際会議の合間などに文在寅大統領と2回接触した
- 同行筋によると、それぞれ「すれ違って握手をする程度」「あいさつ程度の立ち話」
- 元徴用工をめぐる韓国最高裁判決に関するやりとりはなかったとみられる
とされており、両首脳はまともに会話を交わさなかった可能性が高いです。
ただし、国際会議はまだまだしばらく続きます。果たして、文在寅氏がいつまで安倍総理から逃げ続けられるのでしょうか?
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昨夜の記事日時が2018/11/15 21:25でしたので、貴睡眠時間の少なさに憂慮しました。
くれぐれも健康第一で、ご無理なさらないようよろしくお願いします。
コメントさせて頂きます。
富士ゼロックスが、韓国仁川にある製造工場を閉鎖するというニュースが、NNAと朝日新聞デジタルで報道されました。
発表では、生産拠点の見直しとありますが、日本企業の韓国リスク回避だと思います。
この流れが続くのか。
続いたとしても、日本企業としては当然の流れであり、今はまだ自称徴用工裁判の勝利?に浮かれてるが、韓国は次第にその重大さに気づく事になるのでは?
中華人民共和国の様に、あからさまな手の平返しで日本を持ち上げるような芸当が出来るとも思えず、このまま韓国は滅びゆくのか。北朝鮮に吸収されるのか、中華人民共和国に吸収されるのか、はたまた違う結末を迎えるのか、今後の流れを注視していきたい。
< 更新ありがとうございます。
< やっぱり能無しの韓国政府、文大統領は妙案ナシですね。もっともヘンな内容を持って来て貰っても、困惑するが。半導体で大騒ぎ。これが他の材料まで飛び火したら、どうなる?
< きっと内部崩壊だ。日本企業はその時に危ない。先導するデモ隊、垢組はは暴れまくる。
ただいまのは
すみません。ただいまの上二つはめがねのおやじです。
異常国家だ。
本当に異常国家だ。
子供すぎる。
>>ひとつだけ。この件を取るに足らないと判断するのは甘いですね。むしろこちらのほうが厄介なので
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181115-00000612-san-kr
慰安婦の時とほぼ同じ手法、手口なので非公式であろうと早々に撤回させる等の対策が必要かと思われます。
日本政府は何を南朝鮮が言ってこようが、「条約を守れ・合意を履行しろ」
を言い続け、ICJにさっさと提訴すればいいw
逃げ続けるのならば、今後の経済含めた協定等は一切応じない。
フッ酸含め、戦略武器への転換可能部資材の輸出を許可しない。
別に日本は困らないww
鈴置さんの新作が出ています。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/111300205/
「言うだけ番長」文在寅の仮面を剥がせ
反日の先にあるのは米韓同盟の破壊だ
今回の主題は
慰安婦問題は、本当は日本の言い分の方が利があったのに北朝鮮対策で同盟を強化しなくてはいけない米国が干渉して、日本に不利な条件を飲ませて慰安婦合意を締結させた。
だけど韓国は何度でも日本を殴りたい上に積弊打倒の路線上、破棄したいが破棄できる根拠が見つからず棚上げ。
という流れがあったところに
そもそもの日韓基本条約は、「植民地支配への賠償金」などという国際慣例のないものを、米国が韓国を資本主義国家のショウケースにするために日本から金を出させようと締結させた。
韓国は本来的に支払い義務のあった個人賠償請求権まで入れて政府がもらえる金額を膨らませようと欲を張った。
慰安婦問題でも捏造・蒸し返しが可能だったんだから、同じように朝鮮労働者でもいけんじゃね。財団方式でも条約回避できるでしょ。→日本激おこ
しょ、しょうがないから棚上げにしてやるニダ・・・だから日本は少し黙ってて・・・←今回の声明
という状況ですね。
新宿会計士様
富士ゼロックスは戦犯企業に含まれていないので問題ないと思います。
しかし、戦犯企業に認定された社員の出国、企業の資産について心配です。
「韓国大勝利!遂に戦犯企業の富士ゼロックスを撤退に追い込む」
https://kaikai.ch/board/55089/
撤退はお祝いされているというw
もうね、こっちの足を踏んでおきながら
「足出すなよ。転んだらどうすんだ?」
と因縁つけてくるヤクザそのものですがな
「転ぶって、こういうこと?」
と足を払ってやるべきだね
これは韓国の人々全体に言えることですが、事前に準備するとか、予め備えておくとかなどのrisk managementはできません(最近は言い切ることにしました)。それは彼らにとって無駄なことなのです。日本が地震や台風など災害に対して備えるのをみて、韓国人は「いつ来るかも分からないのに大変だね」「韓国人は絶対にしない」と言います。確かに過剰反応かも知れませんが、小生はこのように災害に備えることは非常に有益だと思います。いくつもの備えを持つことで、例え想定以上の災害が起きたとしても、生き残る確率は高くなります。逆に言えば日本はそれだけ裕福で安全であるがゆえに、そのようなことが出来るのです(つまり、紛争地域や貧困国では天災に備える意味も財源もなことが多い)。これは、日本人が昔から培ってきた文化だと思います。ところがこの国は何か起こってから対処するのが殆どです。国も会社も一般人も全て同じです。
仕事をしていて思うことは、例えばあるspecに不都合が出た場合変更することがあります。日本人だとその変更が製品に対しどのような影響が出るかを徹底的に検証します(しない人もいましたが・・・)。こちらの会社はやりません。と言うか、日本人の持つロジックがないのです。ちょっと専門的になりますがCpk1.33を確保するために日本人がやることは、バラツキの原因を突き止め出来るだけ偏差をなくすことに努めます。韓国人はUCLやLCLを変更します。韓国ウォッチャーやミリオタ風に言えばK2戦車の要求性能が設定した「0→32 km/h加速が8秒以内」を満たすことが出来ず8.7秒となってしまっので10秒に引き下げることになったみたいな感じです。
さらに専門的になりますが、バカだなーと思ったのはtargetが0.03、範囲が±0.02でCpkを向上させよと品質からのお達しがあり、できないから範囲を±0.025にしたことがありました。一応、測定器の表示は小数点以下3桁ですが、最後の数値はあてになりません(Blank測定から分解能を確認したところ四捨五入で0.01でした)。こんなバカなことを平気でやるんです(±0.03にすると0も範囲に入るのでさすがにそれは出来なかったみたいです)。小生から言わせてもらえば、その工程にCpkを設定するだけ無駄だと思うんですが、それを説明する人もなく言われたままに改善に取り組んだそうで、どうやって誤魔化すかを必死に考えたみたいです。工程の内容をよく理解せず数値だけを押し付け、そこで数値が改善されたからとい言って喜ぶ品質も、測定機の性能を把握せず変な数値に設定変更をして改善したと報告する現場技術も小生から見るとすごい人たちです。
駄文にて失礼します
韓国在住日本人
私も、品質に関する仕事をしていますので、
韓国の分かりやすい例を挙げていただき、ありがとうございます。
日本でも、標準偏差の概念がなく、この手の仕事をしている人がいます。
いちいち説明するので、大変です。入学試験の偏差値から説明を始めます。
また、後半は、mmcの燃費の話とそっくりですね。
これからも、身近なお話を期待しています。
定年碁打ち 様
レス有難うございます。
お恥ずかしいながら、小生もこの手の統計処理をやり始めたのが40代です。小生は専門が化学で、そのような統計処理は非常に苦手な分野でした。それでも最小二乗法程度は使用していましたが、生産に関わる統計処理は大手企業と話をした際に自らの無知が恥ずかしくなり始めました。その時に改めてExcellの便利さを再確認した次第です。まだまだ勉強が足りません。
駄文にて失礼します
いつもわかりやすい解説ありがとうございます。会計氏さんのお話に加えて、在住さんのお話を拝見するのが毎日の楽しみになりました(笑)これからもよろしくお願いします。
とはいっても専門的すぎてこちとらにはさっぱりアレですがw「失業率が悪化して都合が悪いなら失業者の定義を変えればいい」「自前じゃ倒産するが政府の補助金で韓国の造船業は世界一」「チャートを不正操作すれば原爆小僧団でもビルボード1位」「顔が不自由なら物理的美顔術があるじゃないか、DNAは変わらないが」の類のことでしょうか?
李氏朝鮮では、懸命に働いて隠した白丁の蓄えを、両班が徹底的に探して根こそぎ横取りしてきたのだとか。どうせ働いて貯めても両班に奪われるくらいならいっそ働かない方がましだと開き直り、そんな経緯で朝鮮人は皆が皆怠け者になったのだという心温まる逸話があるそうですね。
匿名様
レス有難うございます。
仰る通りで、韓国の場合気に入らない数値が出る(もしくは出た)場合、その根拠や定義を変えたり、作為的にデータを抽出したりします。
サムスン電子の携帯電話が発売されるたびに、ものすごい販売量が発表されますが、あれは実際の販売量ではありません。あれは予約を含めた出荷量です。ですから、人気がない製品は販売店に在庫として山積みになります。そういう機種は次の製品が出ると直ぐにすごい勢いで価格が下がっていきます。
サムスン電子が赤字にならない理由もあります。サムスン電子が赤字になると、韓国の社会は大混乱となるので、サムスン電子の子会社に赤字を移します。ですから、サムスン電子が黒字でも、その下にあるサムスン電気やサムスンディスプレイは大赤字というのがよくあります。
また、韓国の会社は設備の減価償却をどのように計算しているのか不明です。ある人は計算していないと言ったり、ある人は1年以内といったりです。ひどい人は「設備償却って何ですか?」と話します。いずれも日本の感覚からするとあり得ないのですが、誰に聞いてもまともな答えが返ってきません。
こと、数値に関しては殆ど信用しないほうが良いですね。とはいえ、小生が実際に監査した数値ではないので本当なのかも知れませんが・・・。
駄文にて失礼します
韓国在住日本人様、いつも興味深い話をありがとうございます。
品質に関して言えば戦前は日本も似たような物だと思いますし、必ず一度は通る道なのでしょうね。とは言えどうにかしなくちゃいけないという認識はあったからこそメイド・イン・ジャパンとして名を挙げる事ができたのだと思っています。韓国の問題は品質云々というか危機感や問題意識が根本的にない事でしょうね。何をしても今日と変わらない明日が来ると信じているというか。行動によって結果が変化する事を知らないというか。
幸い日本の偉大な先人達は危機感を持っていました。だからこそデミング哲学という変化を受け入れ徹底しようとしたのだと思いますし、大きくなり危機感が遠く共有しづらくなったからこそ適当になってしまっているのだろうな、と思っています。(個人的にGHQの活動で評価しているのはデミング博士を日本に連れてきた事だけです。彼がいなければ戦後復興はなかったかも知れないレベルの偉人だと思っています)
年中行事のように起こる災害と付き合ってきた中で、備えないと自分が困る事が身にしみているのでしょうね。逆に言えば韓国は非常に安定していたという事でしょうか。予想外の事が起こらないと言い換えても良いでしょう。起こったとしても他人のせいにしておけばどうにかなる程度にしか起きない他人事という事なのでしょうね。隕石の直撃しないように気を付ける人はまずいない感じでしょうか?