日本を勘違いする韓国
昨日付の記事『新版「日韓関係のトータル・ソリューション」を考察する』を執筆していて気付いた点があります。それは、外交にせよ安全保障にせよ、さまざまな問題点を議論・考察していると、最後は必ず日本国内の問題にぶち当たる、という事実です。これについて、少しだけ補足しておきたいと思います。
日韓関係に透ける日本の問題点
木曜日に掲載した『新版「日韓関係のトータル・ソリューション」を考察する』は、どちらかといえば「日本の側から見て韓国とどう付き合うか」という、私なりの最新の議論です。「日本は韓国との関係をどう考えるべきか」という設問に対する私なりの答えは、「日韓関係を単独で考えるべきではない」、というものです。
この考え方を、ごく簡単に振り返っておきましょう。
まず、韓国との間では、「主権国家同士として、対等な形で価値と利益を共有し、友誼を結ぶ」という形での友好関係は成立しません。また、韓国が望む「日本が永遠に韓国に配慮し続ける形での友好関係」などは、健全な友好関係とはいえません。
ただ、だからといって「韓国と距離を置く」という選択肢も、本質的な解決にはなりません。また、現在の日本は軍事的に不完全な状態に置かれており、軍事的な裏付けもなしに、韓国との関係をいますぐ断ち切るということも不可能です。
このように考えていくならば、現在のような不健全な日韓関係の原因は、韓国との関係を清算することで解消することはできない、という事実を知る必要があります。むしろ、日本が国防すら禁じられていて、日本国内から日本を破壊しようとする勢力が跋扈するという状況こそ、改めなければなりません。
つまり、現在のような不健全な日韓関係(あるいは日中関係、日露関係、日朝関係など)はいずれも、欠陥憲法を中心とする戦後GHQ体制を放置し続けたことで生じている慢性病のようなものであり、やはり根本を治すことが必要なのです。
そして、この根本を治すまでの間は、現在のような不健全な日韓関係を続けざるを得ません。現在のところ、日本政府は韓国と「距離を置きつつ対話を続ける」という姿勢を取っていますが、やはり、どうしても限界はあります。早急な憲法改正が必要でしょう。
日本を誤解する韓国
反安倍デモを応援する韓国
一方、せっかく韓国のことに言及したのであれば、最新のニュースについても取り上げておく価値があります。私が気になった記事のうちの1つは、これです。
韓国また“愚行”…日本の『反安倍デモ』を応援 連日批判報道、ネットでは「安倍を監獄に」 松木國俊氏が現地ルポ(2018.4.12付 zakzakより)
産経系のウェブ・メディア『zakzak』に昨日掲載されたコラムによると、
- 韓国で、安倍晋三首相を批判するニュースが、連日のように報じられている
- 朴槿恵前大統領を引きずり下ろした「ろうそくデモ」に参加した韓国の若者らが、日本の「反安倍」勢力によるデモを応援しているとの報道もある
- 現在の韓国人がモリカケ問題に対し、高い関心を持っている
などと指摘されています。
記事を執筆したのは朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏です。そして、私はこのzakzakの記事以外にも、複数の情報源から似たような話題を目にしています。おそらく、リンク先の記事は、別に誇張ではないでしょう。
松木氏は現在の韓国国内の状況について、こう指摘します。
「テレビでは「断末魔の安倍政権」という論調のニュースが繰り返され、新聞では「反安倍デモ」を大々的に取り上げて、「日本の市民が、ついに『打倒安倍』に立ちあがった!」と興奮気味に報じていた。韓国にいると、まるで「日本で革命が起こったのか」と錯覚しそうだ。」
実際、日本国内では朝日新聞を初めとする捏造・偏向メディアが、安倍政権に対する「もりかけ波状攻撃」を仕掛けています。日本に駐在する韓国人特派員らが朝日新聞を熟読し、その結果、「安倍政権は不祥事ばかりで崩壊間近だ」と勘違いするのも無理はありません。
そして、韓国人特派員らが本国にも「もりかけ不祥事で安倍政権は崩壊間近だ」とする記事を配信し、韓国側の市民団体も勘違いして、「一緒に日本で革命を起こそう!」などと言い出したとしても、確かに不思議ではないのです。
中央日報の「勘違い」記事
韓国が国を挙げて、こうした「盛大な勘違い」をやらかしている可能性には注意が必要です。そして、その証拠は、実際に韓国側のメディアの報道からも確認することができます。
安倍首相、危機脱出のために文大統領にSOS…「単独訪日要請」(2018年04月13日13時03分付 中央日報日本語版より)
韓国メディア『中央日報』(日本語版)は本日、安倍晋三総理大臣が文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領に単独訪日を要請した理由について、「危機を脱出するために文在寅氏にSOSを求めた」とする珍解釈を掲載しています。
文在寅氏が韓国国内で、現在、非常に高い支持を集めていることは事実ですが、まさかこの人物にSOSを求めるほど安倍総理も落ちぶれてはいないでしょう。もしかして、中央日報には「『運転席』に座る指導者・文在寅」と、「もりかけ問題で瀕死の安倍晋三」という思い込みがあるのかもしれません。
(「運転席」については『理解に苦しむ韓国の「運転席」理論』をご参照ください。)
まぁ、こうした勘違い記事もたまには眺めて楽しむくらいでちょうど良いのかもしれませんが…(苦笑)。
韓国から見た日本
こうした中、最近の私が興味・関心を持っているテーマは、「朝鮮半島の6つのシナリオ」のアップデートに加え、「韓国から見た日本」です。
このうち「朝鮮半島の6つのシナリオ」の最新版については、『中朝首脳会談の思惑と「6つのシナリオ」』などで読めます。ただ、「韓国から見た日本の存在価値・利用価値」という論点については、当ウェブサイト、他ウェブサイトを問わず、日本全体としてやや論じ足りない部分でもあります。
来週以降は安倍総理の訪米など、話題は目白押しですが、なんとか時間を見つけて、このテーマについても考えて参りたいと思います。
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