時事評論:「ツートラック外交」の愚
最近、時事ネタを「夕刊」で取り上げる機会が増えているのですが、それでも取り上げ切れない状態が続いています。そこで、本日は朝から時事ネタを取り上げてみたいと思います。テーマは「韓国によるツートラック外交の愚」です。
時事ネタ激増、「夕刊」という苦肉の策
最近、話題が多すぎて、「朝刊」「夕刊」の2本建てでお送りすることが増えて来ました。
とくに、某国のメディアの報道などを読んでいると呆れてしまうことが多く、「夕刊」として、追加的な記事を配信することが多いのです(もっとも、「夕刊」は毎日配信するものではありませんが…)。
逆に、「朝刊」「夕刊」と分けることで、時事ネタはすべて「夕刊」の方に任せ、「朝刊」の方には私がじっくり議論したい話題を提供することができる、というメリットがあるのに気付きました。
そして、私個人の事情を申せば、昨年末に出版案件が落ち着き、少しだけですが、最近は時間に余裕が生じています。
そこで、当面は「時事ネタから離れ、テーマを深掘りする朝刊」と、「主に時事ネタを取り上げる夕刊」という、2本建ての配信を続けてみたいと考えています。
(もちろん、休刊することや、逆に3本目の記事を配信することがあるかもしれませんが…。)
愚かな「ツートラック外交」
ツートラック外交という素人発想
そう申し上げた矢先で恐縮ですが、本日は久しぶりに「夕刊ではない時事ネタ」です。
最近、韓国メディアを読んでいて、気になる言葉が頻繁に登場しています。
それは、「ツートラック外交」です。
これを私の言葉で説明するならば、「両国が対立点している問題と、現実的に協力しなければならない点を分けて考える」、という思考です。
たとえば、「日本に対するツートラック外交」とは、「日本に対して過去の歴史を謝罪するよう要求しつつも、韓国が直面する現実的な問題では日本の協力を引きだそうとする外交」、などに使われます。
日本に対するツートラック(two track)外交とは?
日本に対して過去の歴史を謝罪するよう要求しつつも、韓国が直面する現実的な問題では日本の協力を引きだそうとすること
この「ツートラック外交」という言葉が用いられるのは、日本との外交に限られません。
たとえば、中国に対しても、「高高度ミサイル防衛システム(THAAD)とそれ以外の懸案を分けて考える」、などに使われることがあります(中国に対するツートラック外交)。
しかし、「ツートラック外交」は、日本に対して用いられることの方が多いのも事実です。その原因といえば、なんといっても「歴史問題」、とくに「日韓慰安婦合意」に関するものです。
韓国政府は昨年12月、「日韓慰安婦合意に関する検証タスクフォース(TF)」の結果を公表。これを受けて、今年1月に文在寅(ぶん・ざいいん)大統領は、事実上、日本に対して追加措置を求める談話を発表しました(『慰安婦合意という「地雷」を踏んだ韓国大統領』参照)。
こうした文在寅氏の狙いについて、中央日報などは、「(慰安婦合意などの)過去の問題と現在の問題を分離する」という考えだと分析しています。
敢えて言葉を選ばずに申し上げるならば、この「ツートラック外交」とは、いかにも素人が考え付きそうな、愚かというほかない考え方です。
ただ、これについて論評する前に、まずは日韓両国政府の動きを確認しておきましょう。
慰安婦問題を事実上破棄した韓国政府
2015年12月28日、岸田文雄外相、尹炳世(いん・へいせい)外交部長官(いずれも当時)という日韓両国の外相が、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決で合意しました(いわゆる日韓慰安婦合意 ((私自身、『慰安婦合意という「地雷」を踏んだ韓国大統領』でも述べたとおり、この慰安婦合意にはさまざまな問題点があると思いますが、この点については本日は触れません。)) )。そして、日本政府はこの合意で定められた義務を、すべて履行しました。
ということは、少なくとも日韓両国政府間では、慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決しているということであり、ついでに申し上げるならば、韓国が義務を履行していないという状況だけが残っているのです。
文在寅氏の1月10日の談話をヒトコトで要約すれば、「慰安婦合意は破棄しないけれども守るつもりもない」という、まことに理解に苦しむ代物です。「合意を守るつもりがない」といえば、通常、「合意を破棄した」のとまったく同じことです。
韓国社会には「契約を履行しなくても破棄しなければ問題はない」という考え方でもあるのでしょうか?文在寅氏は弁護士出身だそうですが、このような発想の人物に弁護士が務まるとは、実に奇妙な国です。
それはともかく、韓国政府が慰安婦合意を守る気がないということは、ほぼ間違いないでしょう。
喉から手が出るほど欲しいBSA
では、具体的に韓国が日本との協力を必要としている場面とは、いったい何でしょうか?
真っ先に考えられるのは、日本から韓国に対する金融支援です。
最近、あまり話題に出てこなくなりましたが、韓国の通貨当局が常におそれているのは、韓国からの資本逃避(キャピタル・フライト)です。
今年、米国の「中央銀行」である連邦準備制度理事会(FRB)は、おそらく複数回の利上げを行うでしょう。そして、トランプ氏の減税政策により、米国の景気は拡大します。そして、米国の金利が上昇すれば、マクロ経済学の鉄則通り、世界の資金フローは米国に向かうことになるでしょう。
一方、韓国ウォンは、「NDF(ノンデリバラブル・フォワード)通貨」でもあります。これは、資本規制が厳しく、現物での決済が難しい通貨という意味で、国際的な資本市場では発展途上国通貨と同類と見られています。
このため、韓国の国際企業は、国際的なハード・カレンシー(おもに米ドル、補完的に日本円)でお金を借りるしかないのです。当然、米ドルの調達コストが上昇すれば、米ドルで外国からお金を借りている韓国にとっては、債務負担が重くなります。借換(ロールオーバー)ができなくなる事例だって否定できません。
そんな韓国にとって、「喉から手が出るほど欲しい」のは、日本との通貨スワップ協定(BSA)です。
BSAには米ドル建てのものと、日本円建てのものがあります。日本は2017年9月末時点で、実に142兆4,092億円もの外貨準備があり(その多くは米ドル建てとみられます)、韓国が欲しがる米ドルを、日本政府の外為特会が豊富に所持しているのです。
それだけではありません。
日本銀行が発行する日本円という通貨は、世界最強クラスの安全資産であるとともに、国際的に通用するハード・カレンシーでもあります。円を借りておけば、国際的な外為市場で、簡単に米ドルを調達することだってできます。
ツートラック外交は国際的に通用しない!
要するに、韓国は、慰安婦合意という自国にとって都合が悪いものを反故にしつつ、日本政府に対しては協力(たとえばBSA)を要求するという、まことに都合が良い考え方を持っているのです。
つまり、「ツートラック外交」とは、「韓国は日本に一方的に要求するが、日本から韓国への要求には一切応じない」という考え方です。
ツートラック外交の本質
韓国は日本に一方的に要求するが、日本から韓国への要求には一切応じないこと
相手に要求ばかりして、自分は相手の要求に応じない――。
こんな考え方が国際社会で通用しないことなど、子供でもわかります。
どうしてこんな簡単なことが、「弁護士出身」であるはずの文在寅氏にわからないのでしょうか?
もちろん、昨日『【夕刊】外交を政府任せにしない』で述べたとおり、日本の外交当局者には、「韓国政府が自国民と日本政府の板挟みで苦しんだりしないよう、韓国政府の立場を忖度(そんたく)してあげるべきだ」とする考え方がなかったわけではありません。つい近年まで、日本政府にこうした考え方が存在していたしていたことも事実ですが、これも日韓併合期を知っている世代が日韓ともに現役だったころの名残(なごり)でしょう。
しかし、私の理解が正しければ、現在の安倍政権が、こうしたツートラック外交を受け入れる可能性はありません。
2015年12月に日韓慰安婦合意が成立した当時、一部の報道によれば、安倍総理は周囲に「これすら守れないようだったら、韓国は国として終わる」と述べたそうですが、この合意は安倍政権にとっては自らの岩盤の支持層を敵に回すというリスクを冒してまで締結した、まさにギリギリの譲歩だったのです。
さらに、安倍総理が日韓慰安婦合意の破棄を容認した場合、韓国からいかなる見返りが得られるというのでしょうか?
むしろ文在寅氏は、「日本は御しやすし」とばかりに、どんどんと要求を加速させていくであろうことは、火を見るよりも明らかです。
韓国政府、危険な兆候
仮説①韓国政府の自信のあらわれ
以上、自然に考えて、文在寅氏が掲げる「ツートラック外交」が、最初から破綻していることは明白でしょう。
素人目に見てもおかしい「ツートラック外交」を、文在寅政権が自信満々に繰り広げているのには、何らかの理由があると考えるべきでしょう。
私は、その仮説を3つほど考えています。
その1つ目の仮説とは、「過度な自信」です。
それが明らかに感じ取れるようになったのは、何といっても1月9日に行われた南北高官級協議でしょう。
北朝鮮 平昌五輪への高官級代表団・選手など派遣提案=南北会談(2018/01/09 13:34付 聯合ニュース日本語版より)
北朝鮮、平昌五輪に参加=「非核化対話」で対立-軍事会談開催で合意・南北(2018/01/09-23:59付 時事通信より)
いくつかの報道によれば、南北双方の当局者は、平昌(へいしょう)冬季五輪での協力を巡って意見交換をしたほか、会議の場では南北離散家族の再開に向けた赤十字会談の開催やなども議題にあがりました。
余談ですが、その際に北朝鮮の当局者は、
「わが国が開発している核兵器やICBMは米国を狙ったもので、同族(である韓国)を狙ったものではない」
となどと言い放ちましたが、このような発言が飛び出した時点で、米国が激怒しているであろうことは想像に難くありません。
ただ、どうもこの南北会談を、韓国側が「成功だ」と思っているらしく、それどころか、「日本を除け者にしてやった」という勘違いまで飛び出しているようなのです。
こうした立場を取る識者の典型例は、日本経済新聞社編集委員の鈴置高史氏です。
同氏は昨日、大人気シリーズ『早読み深読み朝鮮半島』の最新版として、『「五輪外交で主導権を握った」と小躍りする韓国』という記事を執筆していますが、その中で鈴置氏は、
「韓国は「五輪休戦」を唱えることで、自分中心に世界が回り始めたと考えている」
と指摘します。
仮説②日本が全く動かないからこその焦り?
ただ、いつもはシャープな鈴置氏の見解に、私は今回、100%賛同しているわけではありません。
なぜならば、真逆の可能性だってあるからです。
私が考える2つ目の仮説とは、「慰安婦合意の事実上の追加措置要求」に対して、日本政府がそれこそ微動だにしなかったことで、韓国政府が焦っている、というものです。
韓国政府としては、文在寅氏が「ツートラック」を打ち出すことで、日本政府との間で大きな得点を挙げようとしたものの、それに失敗したことで、「何が何でも南北協議と平昌冬季五輪を成功させなければならない」という「焦り」を抱いている、という考え方です。
あるいは、仮説①と②を足して2で割ってみるのも興味深いでしょう。
韓国政府には「南北対話と平昌五輪を同時に成功させて、朝鮮半島問題での主役に躍り出たい」という野心があり、かつ、それに成功すれば、日本政府も焦りを感じて韓国に協力するに違いない、という、彼らなりの戦略(というよりも願望、あるいは浅知恵)です。
仮説③韓国政府は日本メディアの「虚報」を信じている?
この、「韓国政府が自信を持っている」という仮説、「焦りを感じている」という仮説は、いずれも正鵠を得ていると思います。
ただ、3つ目の仮説として、ここで日韓含めた大手メディアが報じないことを挙げたいと思います。
それは、「韓国政府が日本のマス・メディアの虚報を鵜呑みにしている可能性」です。
日本のマス・メディアによる虚報の中で、とくに酷いものとえば、「もりかけ問題」でしょう。これは、
「安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、個人的な友人が経営する学校法人に対し、法律を無視して不当な便宜を図っていた問題」
のことです。
しかし、既存のマス・メディア、あるいは野党側からは、待てど暮らせど、安倍総理が犯罪に関与していた決定的な証拠など出て来ません。
ありていに申し上げれば、私はこの問題の本質が、朝日新聞社を中心とするマス・メディアが、自分たちにとって都合が悪い安倍政権を倒閣しようとした、一種の報道犯罪だと考えています。
そして、マス・メディアが「もりかけ問題」を使って安倍政権を倒すことに成功したのでしょうか?
その答えは、すでに出ています。昨年10月22日の衆議院議員総選挙で、安倍政権を支える政権与党(自民党と公明党)があわせて3分の2の勢力を維持しました。
これがすべての答えです。
つまり、有権者が支持したのは、マス・メディアの虚報の方ではなく、安倍政権の方だったのです。
その意味で、私は昨年こそが、「マス・メディアが決定的に崩壊するきっかけとなった元年」だと考えているのです。
ただ、あくまでも私の主観ですが、どうも韓国メディアの報道を読んでいると、韓国国内では「安倍政権は私学スキャンダルで危機にある」と信じられている節があるのです。
そして、日本国内における「虚報」は枚挙にいとまがありません。
ここでは具体例を1つだけ挙げておきましょう。
開会式 安倍首相出席か否か 政府対応に苦慮(2018年1月16日 23時36分付 毎日新聞デジタル日本語版より)
毎日新聞デジタルは
「2月9日の韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式に安倍晋三首相が出席するかどうかを巡り、政府が対応に苦慮している。各国要人が集まる開会式への出席は2020年東京五輪・パラリンピックへの協力を呼びかける好機だが、韓国政府は慰安婦問題に関する日韓合意を批判し、日本国内では反発が広がる。首相は国会日程を理由に明言を避けているが、難しい判断を迫られている。」
と報じていますが、記事にはツッコミどころ満載です。
そもそも論として、2020年の東京五輪に韓国の協力は必要ありませんし、「空飛ぶ宰相」でもある安倍総理が、わざわざ韓国で首脳会談をする必要もありません。
ただ、韓国政府がこの毎日新聞の報道を読めば、「そうか、日本の官邸側も対応に苦慮しているのか!」などとシンプルに勘違いしてしまうかもしれません。
だからこそ、慰安婦合意を一方的に破棄しておきながら ((韓国政府側は「慰安婦合意は破棄していない。守らないだけだ」と述べていますが、国際常識に照らせば、これは事実上の「慰安婦合意の破棄」です。)) 、「平昌五輪への安倍総理の参加」をしつこく呼びかけているという仮説も説得力を持つのです。
カードでないものをカードだと勘違い
いずれにせよ、韓国政府が現在、妙に強気であることは間違いありません。
そうでなければ、日本に慰安婦合意破棄を突きつけながら、平昌五輪への参加を要求したり、日韓通貨スワップ再開の議論を持ち出したりする厚顔無恥さは説明が付きません。
あえて私が文在寅氏の気持ちを忖度(そんたく)して申し上げるならば、同氏は本来なら外交カードでも何でもないものを勝手に「外交カードだ」と決めつけて、日本に対して高飛車にさまざまなことを要求しているのかもしれません。
たとえば、韓国が北朝鮮と平昌五輪について協議したことは事実ですが、そのことと慰安婦合意破棄や安倍総理の平昌五輪参加はまったく関係ありません。
文在寅氏や韓国政府幹部のなかでは、「北朝鮮との対話」カードをチラつかせれば、日本も韓国に対して譲歩すると思い込んでいたのかもしれません。しかし、結果は昨日も『【夕刊】外交を政府任せにしない』で申し上げたとおり、河野太郎外相は康京和(こう・きょうわ)氏に対し、それこそ1ミリも譲歩しませんでした。
こうしたなか、私が懸念するのは、「なぜかまったく思い通り現実」にいらだちを感じた韓国政府が暴走することです。
いや、すでに韓国政府の暴走は始まっています。
先ほども示した1月9日付の時事通信の記事によれば、北朝鮮の高官は
「核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)などは米国を狙ったもので、同族を狙ってはいない。」
と発言。しかも、韓国政府の代表者は、こうした発言を諌めるわけでもなく北朝鮮当局者と議論を続け、次の4点で合意してしまいました。
- 北朝鮮が平昌冬季五輪に参加、成功へ協力
- 平昌五輪で実務会談開催
- 軍事的緊張緩和で軍事当局者会談開催
- 南北関係の問題、対話と交渉で解決
いわば、南北問題は北朝鮮と韓国が対話と交渉で解決してみせると韓国は宣言してしまったわけであり、こうなってしまえば、米国や日本にとっては「はい、そうですか。やれるものならやってみなさいよ。」としか反応できません。
もし日米両国政府の判断がまともならば、1月9日の南北協議以降、日米両国は、おそらく「日米韓3ヵ国連携」から韓国を外す決断ができたのではないかと思います。
注目は平昌五輪に注がれる
数少ないカードは「金正恩の平昌参加」
ところで、安倍総理は平昌五輪に出席するのでしょうか?
これについては、先ほど紹介した毎日の記事は論外として、いくつかのメディアは「出席を見送る方針を固めた」と報じていて、菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官は「国会日程などを見ながら慎重に検討を続けている」と言い続けています。
はたして、何が正しいのでしょうか?
あえて私の独断で申し上げるならば、日本政府が常識的な判断を下すならば、平昌五輪の開会式に安倍総理が出席する可能性は限りなくゼロに近いでしょう。
なぜなら、現在のように、韓国が勝手に北朝鮮と対話を打ち出して日米の連携を邪魔したり、慰安婦合意を反故にしようとしたりするような行動自体が、日本の国益を損ねるものでもありますし、また、安倍総理はわざわざ平昌に行かなくても、さまざまな国の首脳と話をすることができるからです。
ただ、文在寅氏が安倍総理に対し、外交カードを切る可能性が絶対にないわけではありません。それは、北朝鮮の独裁者・金正恩(きん・しょうおん)自身が、平昌の開会式に参加する場合です。
その場合、安倍総理、あるいはトランプ米大統領が金正恩と会うために訪韓するという可能性が、少しだけ出てきます。
そして、金正恩はこれを行うことにより、文在寅氏に対して多大な恩を売りつけることになり、そこから南北首脳会談、そして北朝鮮主導での南北統一まで視野に入りかねません。
それこそが、実は日本と世界にとっての最大のリスクシナリオでもあります。
二階幹事長の余計な仕事?
また、日本国内にも、変な動きが出ていることには注意が必要です。
【平昌五輪】「安倍晋三首相は隣国の開会式に出席したほうが良い」自民・公明両党幹事長、国会日程を調整(2018.1.17 11:13付 産経ニュースより)
産経ニュースによれば、自民党の二階俊博幹事長らは安倍総理が平昌五輪の開会式に参加できるよう、通常国会の審議日程について野党側と調整を進めるそうです。
これは非常に微妙な判断です。二階氏の行動に、何らかの意図があるのかどうかはわかりませんが、自然に考えると、これは「余計な仕事」です。
仮に、自民党と野党が審議日程を調整し、安倍総理が「平昌に行ける」ということになった場合に安倍総理に出席を見送れば、そのこと自体、韓国に対して「日本が慰安婦合意TFに対する制裁措置を発動した」と受け取られかねないからです。
それよりも、開会式の前日まで、「審議日程の都合で参加できない可能性がある」などと曖昧なままにしておくべきでしょう。
また、二階氏のこれまでの言動に照らすと、どうも同氏は「韓国は隣国だから、日本は無条件に韓国と仲良くすべきだ」という思想を持っているのではないかとの疑いも払拭できません。
仮にそうなのだとしたら、彼はまさに先ほど述べた「韓国に配慮してあげるタイプの政治家」の典型例であり、日本の国益のためにはさっさと引退して欲しいとすら思います。
ただし、自民党のことですから、二階氏の行動になにか裏があるのかもしれません。たとえば、日本の野党が安倍総理の足を引っ張ることを見越して、国会日程の調整を野党に持ちかけ、野党がごねて、結局安倍総理が平昌に参加できない、という状況を狙っているのだとしたら、これはかなりの高等戦術であり、二階氏は相当の策士です。
まぁ、そんな可能性はないと思いますが…(苦笑)。
韓国メディアの焦り
また、安倍総理の平昌参加の可否を巡り、韓国メディアの焦りも感じられます。
平昌五輪:中国は序列7位派遣、残る大物は安倍首相(2018/01/16 22:33付 朝鮮日報日本語版より)
文在寅氏が勝手に「外交カード」だと思っている平昌五輪ですが、韓国の周辺大国(中国、ロシア、米国、日本)は、そろいもそろって首脳を送り込まないという事態に陥り、韓国の焦りが見て取れます。
すでに米国はトランプ大統領がペンス副大統領を派遣すると発表していますが、中国は「序列7位」の韓正(かん・せい)政治局常務委員を派遣することにしたとしており、また、ロシアは国家ぐるみのドーピング問題により参加資格自体を失ったため、プーチン大統領が訪韓する可能性は消えました。
そこで、朝鮮日報は「残りの大物は安倍総理だ」と述べ、暗に安倍総理の参加に期待を寄せている格好です。
日本を軽く見ることが多い韓国メディアが安倍総理を「大物」と表現したこと自体が、韓国の焦りの証拠でしょう。
また、朝鮮日報の記事の末尾には、韓国政府関係者の話として、
「北京が次の五輪開催地となるため、閉会式に習主席が出席し、五輪旗を手渡す形を取るのも良い」
と、願望とも妄想ともつかない情報を掲載していますが、苦笑するしかありません。
いずれにせよ、韓国が満を持して推し進める「ツートラック外交」とやらの正体が、これで見えたと言っても過言ではないでしょう。
トランプ政権の機能不全?
米軍が昨年3月~4月、12月という、貴重な北朝鮮攻撃のチャンスを逃し、これから平昌五輪の期間に突入してしまうため、常識的に考えて、米国がここ1~2ヵ月の間、北朝鮮攻撃に踏み切ることは非常に難しくなります。
米国が北朝鮮による明らかな時間稼ぎを許したのは、やはり、トランプ政権が部分的に機能不全に陥っているためではないでしょうか?
いずれにせよ、これから平昌五輪、パラリンピックが終わるまでの2ヵ月弱、朝鮮半島情勢から目を離せない状況が続きそうです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
何時も読ませて貰ってます
仰る通り、朝鮮半島は米韓軍事演習一時停止、平壌?オリンピック会談で、勘違いムードの中舞い上がって居ます
此処から私の妄想が始まりました
米韓がやらないのなら、日米軍事演習をすれば良いのだと、更に英国にも加わって貰うと更に面白いかな~と
日本政府に、其処までの度胸はないかなで妄想は停止しました
いつも感じることなのですが、日本人の本音と建て前って海外からだと分かりにくいみたいですね。そして、韓国って良くも悪くも純情?で皮肉や建て前が全く理解出来てないってのが多い気がします。
経済と党内政治からすれば、韓国への合意違反への制裁は冬季五輪後から段階的に実施され、自民党総裁選後が本格化が妥当な所ですかね?
最後に日米韓各国の与野党批判が中央日報の記事に出てました。一見的を射ている様ですが、管理人さんご指摘の毎日新聞の記事の様に、自己都合の良い解釈でなんだか本記事が妙に納得出来ましたw
純情というか直情的で、ひねりもなく単純なだけでしょうね。
良く言えば裏表がないんでしょうけど、反面奥行きや陰影や深みに欠ける性格。
勘違いして独り相撲をよくする連中ですけど、たいていが指相撲程度。
まあ「隣り」にいるこちらとしてはげんなりさせられるわけですが。
< 毎日の更新ありがとうございます。
< 韓国が日本によく使う手、「ツートラック」はツートラックアプローチと言うそうです。元々は陸上競技のトラック2レーンを使う意味だったそうです(ご存知の方には今さら、ですが)。しかしこれが韓国の悪知恵に嵌ると「日本との合意は守らないが、、別途要求はするし、それに日本は応えねばならない」という大変、自己中の考えに置き換わります。文大統領や今の与党幹部には弁護士出身が多いが、皆「人権派」です。いわば労働組合側、親北・親中的ないわば民主主義的な思考をしない方ばかり。無論韓国でも弁護士は難関試験だろうが、長年その世界にどっぷり浸かって、モノゴトの普遍的な公平な見方ができなくなっていると思います。また安倍首相もツートラックなど容認したら、今の人気は急降下、次の参議院選では大敗間違いなし、私個人も応援止めます。
< それで韓国は「慰安婦合意の追加措置」を言ってきたその口で、できればもう一つ韓国が是非欲しいのが日本との通貨スワップ協定(BSA)。新宿会計士様によると、日本は外貨準備高(まともな国のもの)が142兆4092億円、対して韓国は公表3,000億ドルでしたっけ。でも実質500~1,000億ドル程度とか。米国のFRBが利上げしたら、韓国ウォンなど木端微塵、破綻まっしぐらですね。でも日本は絶対スワップはしない。大変これから見物です。
< 話変わりまして、平昌五輪、とうとうオリンピックではなく北南の2か国対抗戦になりました。北参加エサに飛びついたバ韓国はいいように操縦されている。北南合同行進、統一旗を持って入場、ユニフォームもせっかく作ったのにやり直し、アイスホッケー女子は統一チームを作る。実力上位の韓国選手が落とされ、北選手出場で揉めてます。選手の4年間の頑張りを裏切った韓国政府。これじゃ国民は政権に失望する。
< 米、中、露の大統領、主席が五輪開会式に出席しない中で、安倍首相の出席を求める声が出ています。自民党の二階俊博、公明党の井上義久両幹事長。「こういう時こそ安倍首相が参加するべきだ。日程を調整しなければいけない」ハア?オタクら何を言うてんの?菅官房長官はこれを受けて「国会の予算審議を第一に検討する」に留めました。二階氏らの発言が陽動作戦なら大したものです。『行くぞ行くぞ』と思わせといて、実際行かない。安倍首相は一度も「行く」とは言ってない。韓国はまたショックを受ける。これぐらいの作戦、してほしいのですが、まあ、無理でしょうね。最悪、団長は二階氏、次いで小池氏にしてはどうか。2020年東京五輪なので、下見にちょうどいい。忌憚なき意見を文氏から聞けばいい。ついでに京城の中央市場がどうなっているかも、視察して来い。以上です。
<失礼しました。
今日の楽韓でカンギョンファが日本がツートラックで合意したって勝手に言ってるってネタがあったが日本は、韓国から舐められてるよね。完全に。これって河野太郎ちゃんキレていいよね。