平昌の欺瞞:赤化統一に一歩近づいた韓国
昨日は慰安婦合意に関する報道が注目されましたが、それ以外にも今後の朝鮮半島情勢を占ううえで、重要な出来事がありました。それが「平昌の平和」という欺瞞です。
目次
韓国政府の決定とその影響
ゴールポストを動かした韓国政府
昨日、韓国政府・外交部の康京和(こう・きょうわ)長官は、2015年12月の「日韓慰安婦合意」について、「慰安婦問題の真の問題の解決にはならない」と述べ、日本政府の拠出金の取扱いを巡って日本側と協議するなどの方針を発表しました。
日韓メディアの報道をまとめれば、この方針は、だいたい次のような項目から構成されているそうです。
- 韓国政府は元慰安婦の名誉・尊厳の回復に向けて努力する
- (韓国政府が設立した)「和解・癒し財団」の基金10億円は韓国政府の予算を充当し、日本政府が拠出した10億円の基金を今後どうするかについては日本政府と協議する
- 2015年の慰安婦合意は被害者である当事者の意見を反映しておらず、慰安婦問題の真の解決にならない
- この慰安婦合意が日韓両国の公式合意だったという事実は否定できないため、韓国政府は日本政府に対して再交渉は求めないが、日本が慰安婦の名誉・尊厳の回復、心の癒しに向けた自発的な真の謝罪を行うなどの努力を継続することを期待する
- 韓国政府は歴史問題を解決するために努力するとともに、韓日両国間の未来志向の協力に向けて努力していく
これは慰安婦合意の破棄や再交渉ではありませんが、慰安婦合意に対する明らかな変更です。なぜなら、2015年12月の合意に基づき、日本政府が政府予算から10億円の基金を拠出した時点で、「最終的かつ不可逆的に」慰安婦問題は解決したからであり、4番目の項目にある「日本が自発的に慰安婦らの名誉と尊厳を回復する努力を継続する」といった下りは、明らかにこの合意に違反しているからです。
つまり、「またしても」韓国政府側が「ゴールポスト」を動かした格好になっています。
日本側は制裁を含ませる?
こうした康京和氏の記者発表に対し、わが国の河野太郎外務大臣は、即日、これに強く反発。「全く受け入れられない」と断じました。
韓国の日韓合意新方針 「全く受け入れられない」と河野太郎外相が猛反発、抗議 協議一切応じず(2018.1.9 20:14付 産経ニュースより)
<慰安婦合意に対する韓国の立場発表>日本外相「全く受け入れられない、直ちに抗議する」(2018年01月09日15時50分付 中央日報日本語版より)
産経ニュースや韓国メディア「中央日報」日本語版などによれば、河野外相は韓国政府による「新方針」に対し、「韓国側が日本側にさらなる措置を求めることは全く受け入れることができない」と記者団に対して断言。「直ちに抗議する」と述べました。
さらに、産経ニュースによれば、
- 河野外相はソウルの日本大使館前に設置された慰安婦像の撤去など、慰安婦合意の着実な履行を韓国政府に求める考えを示した
- 菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官は9日の記者会見で「合意を1ミリたりとも動かすことはない」と述べた
- 外務省幹部は「10億円を返金するとなれば合意の破棄だ」と発言した
などと述べています。
日本政府は現時点で韓国政府に何らかの制裁措置を発動した訳ではありません。
しかし、産経ニュースによれば、河野外相は康京和氏の「10億円を充当する」という発言の真意を確かめる意向を示したとのことですが、言いかえれば、その「真意」次第では、日本政府から韓国に対して、何らかの厳しい制裁もあり得る、ということでしょう。
北朝鮮の影を強く感じる
それはさておき、そもそもなぜ、韓国政府は日本政府側の再三の警告にもかかわらず、ゴールポストを動かすような真似をしたのでしょうか?
月並みに、「韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)政権が愚かだからだ」と評しても良いのですが、その背景には、間違いなく「ある国」の影がチラつきます。
それは、北朝鮮です。
私は、北朝鮮が国家の存続を賭けて、韓国を「膠着局面を打開するための材料」に使い始めていると考えます。そして、昨日の韓国政府の発表は、韓国という国自体の存続を、さらに危うくするものであることも、ほぼ間違いないでしょう。
いずれにせよ、本日以降、日本政府が韓国に対し、何らかの対抗措置を取るのかについても注目したいところです。
「6シナリオ」の確率修正
赤化統一の可能性が上がった
さて、当ウェブサイトの「人気コンテンツ」の1つが、「朝鮮半島の6つのシナリオ」シリーズです。
これは、私自身が提示している「朝鮮半島を待ち受ける未来」というシナリオであり、韓国が北朝鮮によって赤化統一されてしまう可能性や、中国の属国になってしまう可能性などを議論して来ました。
そして、韓国が中国の属国となる可能性が7割、北朝鮮に赤化統一される可能性が2割だと考えて来たのですが(詳しくは『韓国は7割の確率で中華属国化する』『朝鮮半島は2割の確率で赤化統一される』の2つの記事をご参照ください)、本日、その可能性を微妙に修正したいと思います。
さて、私が提示して来た「6つのシナリオ」とは、図表1のとおりです。
図表1 朝鮮半島の6つのシナリオと、実現可能性のアップデート
シナリオ名 | シナリオ概要 | 実現可能性 |
---|---|---|
①赤化統一 | 韓国(南朝鮮)が北朝鮮により赤化統一されてしまう | 20%→25% |
②韓国だけの中華属国化 | 韓国が中国の属国となるほかは、現状がほぼ維持される | 30% |
③クロス承認 | 韓国が中国の属国となり、北朝鮮を日米などが国家承認する | 10% |
④半島全体の中華属国化 | 南北朝鮮が統一され、そろって中国の属国となる | 10% |
⑤北朝鮮分割 | 北朝鮮をロシアと中国が分割占領し、韓国は中国の属国となる | 20% |
⑥現状維持 | 南北朝鮮はそのまま存続する | 10%→5% |
(【出所】著者作成)
ざっくりといえば、①が赤化統一、②~⑤が韓国の中華属国化、そして⑥が現状維持(米韓同盟維持など)です。
今回、私は①の可能性を20%から25%に引き上げるとともに、⑥の可能性を10%から5%に引き下げることにしました。その理由は、年明けから急速に「南北和解ムード」が醸成されているからです。
これにより、韓国が現在のまま存続する可能性(つまり「⑥現状維持」シナリオが実現する可能性)はますます下がり、韓国が韓国主導で北朝鮮に飲み込まれてしまう可能性(つまり「①赤化統一」の可能性)がますます上昇したといいえるでしょう。
北朝鮮が年明けから「対話モード」に舵を切った理由
昨日は「慰安婦合意」に関連した報道が相次ぎましたが、その裏で、非常に重要な出来事がありました。南北朝鮮の当局者が国境の街・板門店(はんもんてん)で、閣僚級会談を実施したのです。
北朝鮮 平昌五輪への高官級代表団・選手など派遣提案=南北会談(2018/01/09 13:34付 聯合ニュース日本語版より)
聯合ニュース(日本語版)を含めたいくつかの報道によれば、南北双方の当局者は、平昌(へいしょう)冬季五輪での協力を巡って意見交換をしたほか、南北離散家族の再開に向けた赤十字会談の開催も議題に上がったようです。
これらの報道から判断する限り、南北和解の機運は非常に高まっており、これに加えて北朝鮮は、韓国が「国威」をかけて開催する平昌五輪に参加することを確約した状況にあると考えてよいでしょう。
では、なぜ北朝鮮は、年明けから突如として「南朝鮮(=韓国)との対話モード」に舵を切ったのでしょうか?
その理由は簡単です。北朝鮮が追い込まれているからです。
北朝鮮は昨年、数回のミサイル発射と1回の核実験を実施しましたが、これに対して国連安保理決議で北朝鮮に対する石油の輸出が厳格に制限され、また、世界各地に派遣されている貴重な外貨獲得源である朝鮮人労働者についても、数年以内に追放されることが確定されています。
また、軍事面では、米軍が近い将来、日本海から北朝鮮に限定的な空爆を加える可能性も、依然として減っていません。
つまり、軍事、経済両面で追い込まれつつある北朝鮮が、自国に対する包囲網の中で、「最も弱い国」をターゲットに選んで、彼ら自身の国難打開の突破口にしようとしているのです。
いちおう、先ほど引用した聯合ニュースの報道によれば、南北会談の主要議題は平昌五輪だったそうです。しかし、北朝鮮は「平昌五輪期間中の平和」を口実にして時間稼ぎを行い、その間にミサイル技術を進化させるつもりであることは間違いありません。
あるいは、平昌五輪をきっかけに、「南北和解ムード」を演出し、それをテコにして、北朝鮮は韓国を併呑(へいどん)するなどの邪悪な野心を抱いているのかもしれません。
警戒ゼロの能天気な韓国メディア
こうした北朝鮮に対する韓国メディアの反応は、残念ながら「能天気」と表現するのが相応しいといえます。というのも、私がいくつかの韓国メディアの日本語版を読んだ限り、北朝鮮による「赤化統一」の野心に言及しているものは皆無だからです。
それどころか、次の「ハンギョレ新聞」の社説は、南北会談を「朝鮮半島平和の大きな転機にすべきだ」などと述べています。
[社説]南北高官級会談を朝鮮半島平和の大きな転機に(2018-01-09 07:07付 ハンギョレ新聞日本語版より)
私はこの社説を書いた方に聞きたいのですが、貴紙の主張する「朝鮮半島平和」とは、いったいどういう状況を示しているのでしょうか?
「朝鮮半島で南北戦争が絶対に発生しない状況」とは、端的にいえば、2つしかありません。
1つ目は、北朝鮮が消滅すること。
そして2つ目は、韓国が消滅することです。
もちろん、これだけではありません。朝鮮半島が北朝鮮主導で統一された場合、「統一朝鮮」が核武装しようとすれば、今度は遠慮なく、日米連合軍が「朝鮮討伐」を行うかもしれません。
あるいは、北朝鮮が中国やロシアに侵攻され、分割占領されたとした場合に、中国やロシアがさらに南侵してくることによって、戦争が発生する可能性もあります。
ただし、「同じ民族同士が戦争をする」という悲劇を避けるのであれば、南北朝鮮のいずれかが消滅するしかないのです。
とくに、一部の韓国メディアの主張を読んでいると、「消滅するのは北ではなく南の方だ」、という思想を持っているのではないか、と思しき論者もいます。
思わず、「貴国は大丈夫ですか?」と尋ねたくもなってしまうのです(もっとも、私は韓国人ではありませんから、韓国がどうなろうが、しょせんは他人事に過ぎませんが…)。
自己の価値を過大評価する韓国
ただ、こうした韓国メディアの「能天気さ」を見ていると、もうひとつ、気付く点があります。
それは、韓国が自国の価値を非常に高く評価している、という点です。
その証拠が、昨日も『慰安婦合意の「破棄」はしないが守らない』のなかで紹介した、ハンギョレ新聞の次の記事です。
「破棄・再交渉」言及せず「慰安婦合意」無力化する妙手は?(2018-01-09 09:12付 ハンギョレ新聞日本語版より)
この記事の末尾には、日本の外務省の局長が訪韓した理由について触れた箇所で、
「(日本政府は)これまで対北強硬路線を維持し、「北朝鮮と対話する時期ではない」と文在寅政権を圧迫してきただけに、日本政府も緊迫した情勢の変化に合わせて対北朝鮮政策を検討せざるを得なくなった。」
と述べています。
要するに、文在寅政権が北朝鮮との対話に「成功した」から、日本も慌てて北朝鮮政策の変更を検討せざるを得ない状況に追い込まれた、というニュアンスです。
これはもちろん、ハンギョレ新聞が出した、主観的な分析です。ただ、現在の韓国の政権が左派であるということを踏まえるならば、ハンギョレ新聞の主張は、韓国政府内の空気を、ある程度は反映していると考えて良いでしょう。
また、週初の日経ビジネスオンライン(NBO)に、日本経済新聞社の鈴置高史編集委員による大人気シリーズ『早読み深読み朝鮮半島』の最新レポートが掲載されています。
「五輪休戦」で金正恩の窮地を救う文在寅/「南北合作劇」に虚を突かれたトランプ(2018/01/08付 日経ビジネスオンラインより)
この中で鈴置編集委員は、一連の韓国の行動について、
「平昌五輪・パラリンピックの期間中、米韓軍事演習も実施されず、北朝鮮の妨害活動も核・ミサイル実験も行われない――つまり「五輪休戦」を韓国の手で実現することで外交の主導権を握る」
ことが目的であると指摘していますが、おそらくこの考え方も、韓国が自国の戦略的価値を過大評価していることのあらわれではないでしょうか?
北朝鮮攻撃そのものを整理する
北朝鮮攻撃の3類型
「北朝鮮に対する軍事攻撃はあり得るのか?」――。
この問いかけを巡っては、昨年から何度も何度も議論されていた点ですが、論者によってはその前提条件や戦争目的の議論がまちまちです。
さまざまな議論の中には、「米国はいますぐにでも北朝鮮に侵攻して、北朝鮮の体制を崩壊させるに違いない」、といった短絡的なものもあります。
私に言わせれば、これだと議論のお粗末さでは「朝鮮半島で絶対に戦争は起こらない」とする希望的観測と大差ありません。
仮に北朝鮮に対して何らかの軍事行動が行われるのなら、「戦争を行う主体」「戦争の時期」「戦争の目的」を議論しなければなりません。
もちろん、この中には、予想が非常に難しい部分もあります(とくに「戦争があるなら、それはいつになるのか?」という部分)。しかし、「戦争を行う主体」、「戦争の目的」については、自然に考えればおのずと見えてきます。
まず、「戦争を行う主体」の筆頭候補は、米国です。
なぜなら、米国は日米同盟、米韓同盟を通じて、日韓両国を防衛する義務を負っているからでもあり、また、北朝鮮が核・ミサイル開発を行えば、そのこと自体が米国の安全保障にも脅威を与えるからです。
ただ、北朝鮮を「攻撃」する可能性がある国は、実は、米国だけではありません。
周辺国の中でも、中国、ロシアという2つの軍事大国が、北朝鮮に対して介入してくる可能性があるからです。
さらには、「戦争を行う目的」も、一様ではありません。
古今東西、あらゆる戦争には目的が必要ですが、現在の危機も、要するに北朝鮮の核の脅威が取り除かれれば良いのだと考えるならば、別に金正恩(きん・しょうおん)自体の除去を目的に戦争を行う必要などありません。
ミサイル発射基地を特定し、そこをピンポイントで爆撃すれば済むのです。
したがって、私は北朝鮮に対する何らかの攻撃、介入が行われるとしたら、つぎの3つのパターンだと考えています(図表2)。
図表2 北朝鮮に対する軍事行動のパターン
類型 | 概要 | 作戦に関与する国 |
---|---|---|
①局所攻撃(サージカル・アタック) | 北朝鮮のミサイル基地などに限定して攻撃を加えること | 米国1ヵ国でも実施可能 |
②斬首作戦 | 金正恩の身柄を拘束、ないし殺害することを目的に、北朝鮮に攻撃を加えること | 米国だけでなく、少なくとも中国の、理想的にはロシアの協力が必要 |
③無血開城 | 金正恩体制を第三国(たとえばスイス)に亡命させ、北朝鮮の体制を変革する | 米中露3ヵ国の「談合」が必要 |
このうち「③無血開城」については、厳密には「攻撃」ではありません。しかし、「軍事力の裏付けを背景に北朝鮮の体制変革を迫ること」という意味では、これも軍事行動の1つです。
「斬首作戦」が難しい理由
それはさておき、私は以前から、仮に米国が北朝鮮を攻撃するにしても、それは金正恩体制の変革を伴うような「斬首作戦」を行う可能性は非常に低いと考えています。
その理由は簡単です。
中国とロシアの全面的な協力がなければ、北朝鮮を完全に崩壊させるような攻撃などできないからです。
たとえば、米国が本気で金正恩の身柄を拘束しようと思えば、イラクでサダム・フセインを、アフガニスタンでオサマ・ビンラディンを仕留めたときのように、戦争終結後も米軍の地上部隊が北朝鮮全土に展開し、しらみつぶしに北朝鮮の国土全体を捜索しなければなりません。
そうなれば、米国が嫌う、戦争の犠牲者をたくさん出すことにもなりかねません。
さらに、北朝鮮と約900kmに及ぶ国境を接する中国にとっては、金正恩体制が除去され、その後に米国の傀儡(かいらい)国家ができてしまうことは軍事的脅威でもあります。仮に米国が中国の了解なく北朝鮮に侵攻した場合、中国はかなりの確率で、北朝鮮情勢に介入して来るでしょう。
そこで、米中両国が協調して、中国人民解放軍が北側から北朝鮮を牽制し、米国が南側から北朝鮮に侵攻する、というパターンも考えられますが、その場合にはロシアが黙っていません。
極端な話、金正恩本人をウラジオストクあたりに避難させ、北朝鮮国内の塹壕に金正恩の影武者を置いておけば、それだけで米軍を混乱させることができてしまいます。
そして、米中露3ヵ国が「談合」できるのなら、わざわざ北朝鮮を攻撃する必要などありません。米中露3ヵ国が結託して、金正恩個人とその一族に対し、「平和裏に平壌(へいじょう)を退去するなら生命と財産を保障してやる」とでもいえば、金正恩らは喜んでスイスにでもどこにでも行くでしょう。
ということは、先ほどの図表2で挙げた3つの選択肢(①局所攻撃、②斬首作戦、③無血開城)、そして「④軍事攻撃が行われない」を確率が高い順で並べれば、
- ④軍事攻撃が行われない…50%
- ①局所攻撃…40%
- ③無血開城…7%
- ②斬首作戦…3%
といったところだと思います。
局所攻撃の長所と限界
ただし、「③無血開城」が実現するためには、米中露3ヵ国が「談合」する必要があります。
そして、「ロシア疑惑」が渦巻く現在の米国で、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と胸襟を開いて北朝鮮問題だけで話ができる状況にあるとも考えられません。
このように考えていけば、図表2で挙げた3つの選択肢のうち、一番可能性が高いのは「①局所攻撃」であろうと想定できるのです。
では、この局所攻撃には、どのような長所があるのでしょうか?
最大の長所は、米国(やその同盟国)が、単独で介入できる、という点にあります。
唯一の懸念材料は中国が情勢に介入して来ることですが、これについてはそれほど心配する必要はないのかもしれません。その根拠となるのが、すでに当ウェブサイトでも何度か紹介してきた、次の「往復書簡」です。
Reckless game over the Korean Peninsula runs risk of real war(2017/8/10 23:23:40付 環球時報英語版より)
We’re Holding Pyongyang to Account(米国時間2017/08/13(日) 17:37付=日本時間2017/08/14(月) 06:37付 WSJオンラインより)
前者は中国共産党の事実上の機関紙である環球時報(英語版)に掲載された社説で、後者は米国のティラーソン国務長官、マティス国防長官が連名で、ウォールストリートジャーナル(WSJ)に寄稿した記事です。
環球時報は、「北朝鮮が先制攻撃して米国がこれに反撃する」という形であれば、中国は中立を保つと明言。これに対してマティス、ティラーソン両長官は、米国の最終的な外交目的が「朝鮮半島の非核化」にあるのであり、北朝鮮の体制変革には「興味がない」と、はっきり断言しました(詳しいやり取りについては『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』をご参照ください)。
ということは、「北朝鮮が先に手を出してきた」という体裁を中国に納得させることができれば、米国が北朝鮮攻撃に踏み切っても、中国は局外中立を維持する、ということです。
ただ、この「局所攻撃」の場合には、金正恩個人を除去することはできませんし、北朝鮮の体制も高い確率で温存されます。
そして、金正恩個人がまだ若く、しかもかなりの個人資産を持っていると考えられることから、時期が来れば北朝鮮が核開発を再開することも目に見えているのです。
局所攻撃は「時間切れ」の可能性も高まった
さて、私は昨年、『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』という記事の中で、米軍が北朝鮮攻撃に踏み切るとしたら、この冬の間であろうと考えました。
そして、米軍関係者がクリスマス休暇に入る12月下旬の「新月」である12月18日こそが、北朝鮮に対する攻撃の「絶好のタイミング」だったのですが、米国はこの貴重なタイミングを逃しました。
もちろん、少なくとも3月までに「新月」となるタイミングは、あと3回あります。
3月までの「新月」のタイミング
- 2018年1月17日
- 2018年2月16日
- 2018年3月17日
しかし、1月17日を逃せば、2月中は平昌五輪のために攻撃が難しく、3月になれば北朝鮮も少しずつ暖かくなりはじめるため、熱でミサイル基地を感知するという米軍のレーダーの威力が鈍ります。
なにより、現在のトランプ政権の内部にも、北朝鮮に対し、戦争ではなくて「対話路線」を重視する意見があるとの報道も伝わってきます。
私が懸念するのは、結果的に「時間切れ」となり、米国がみすみす、北朝鮮の核開発を容認してしまうことです。そうなれば、冒頭の図表1でも示したとおり、韓国が北朝鮮主導で「赤化統一」されてしまう可能性もありますし、なにより、日本のすぐ近くに、核武装した国がもう1つ、出現してしまうからです。
日本自立の貴重なチャンス
仮に北朝鮮が核武装に踏み切り、韓国が中華属国化したり、北朝鮮と統一国家を形成したりした場合には、日本の安全保障はただちに強い脅威にさらされることになります。
ただ、私は米国が北朝鮮攻撃に踏み切る可能性自体、五分五分だと考えていますし、仮に米国が北朝鮮攻撃をしたところで、日本にとっての「狂気の核武装国家」というリスクが将来的に永遠に除去されるわけではありません。
だいいち、日本の仮想敵国でもある中国やロシアは核武装していて、その照準を日本に合わせているではないですか。
そう考えていけば、日本がいつまでも自国の安全保障という問題から目を背け続けることなど許されないことなど、当たり前の話です。
これも考え様ですが、わが国にとっては、安全と領土を守るために、自らの足で立ち、自らの頭で考える、貴重なチャンスだともいえるかもしれません。
その意味で、むしろ日本が本当に試される局面は、これから10年程度を掛けて本格的に到来すると考えるのが自然な発想なのです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
管理人さんにお願いなのですが、過去最高益と言われるサムスン電子の決算状況についてご説明お願い出来ませんでしょうか?
もはや日本の電機メーカーが束になっても適わない、世界的メーカーで有ることは十分に承知しています。一方で、公表されている利益・収支が国際会計収支として信頼性はどの程度あるのでしょうか?例えば、バブル期の日本の様な子会社への付け替え・在庫の利益加算などがネット状では報告されていますが本当なのでしょうか?
管理人さんが説明してくれている、金融面でのスワップ協定等を考える一因としてご教授頂ければ幸いです。仮に韓国が経済破綻したとしてもサムスン電子・sk・現代等の上位財閥は破産にはならないでしょうから問題ないとは思っているのですが、、、
お時間が有るときで構いませんのでよろしくお願いいたしますm(_ _”m)ペコリ
韓国人って北朝鮮と一緒になって中国人グループ化さしたいんでしょうね
お疲れ様です。
70年何も自分で決められない南と70年世界と対峙してきた北です、そもそも比較になりません、レベルがちがいますね。民族のアイデンティティも北にあり内心では南は北に対して引け目を感じているのではないかと思います。彼らの正義は、「朝鮮民族の正義は北にあり」ではないでしょうか。であれば赤化統一というドイツ統一の逆のパターンも十分考えられる思います。火種になっている核・ミサイルは南北朝鮮の宝です、手放すはずはありません、いかなる手を使っても完成、配備をすることでしょう。南は北の指図で身を挺して米国の攻撃を阻止して北に協力をする、最終的には在韓米軍の撤退を形はどうあれ実現し赤化統一へ進む道を取ると思います。中国は南に対して躾とご褒美で正しい属国にしていき半島を「以前、半島は中国のものだった」のあるべき姿にするのではないでしょうか。世界の勢力地図で東アジアの色が変わるという事です、さて色の変わる世界に対してその時、日本はどうする? そうですね、あれとあれとあれで・・・すいません、妄想でした。
更新ありがとうございます。
Tweetされいているように、南北軍事協議という話が出てきました。おそらく、慰安婦問題に関する文在寅の姿勢も、この流れと無関係ではないでしょう。北の核を認め、その北と手を組むという流れを想定して、文在寅は強気になっている可能性もあります。
吸収にせよ合邦にせよ、あの民族に限ってことが簡単にうまくいくわけはないし、過程ではおそらく国論が四分五裂して大混乱になるでしょう。東西ドイツ統一時ですら経済的に大変な状況だったのは周知のとおり。韓国の経済力で統一を楽に支えうるはずはなく、自分たちが窮乏することに黙って耐える国民性でもありません。結局内乱になるか、専制的な統制と粛清の嵐で抑え込むかのいずれかになるでしょう。
しかし、当面はそれよりも、北の核が温存されてしまう危険性が増したということに注目すべきですね。
青山繁晴氏によれば、南北対話の背後にはティラーソンの影がちらついているそうですが、もしそれが本当だとすれば、アメリカも(主流派ではないにせよ)この流れに一枚噛んでいることになります。日本が、北の核対応からはずされている危険性があるということです。
ここは、アメリカがどう動くかに注目すべきでしょう。
憲法問題で半歩踏み出すのにもすったもんだしているわが国の現状に、非常に歯がゆさを感じます。
< 毎日の更新ありがとうございます。
< 慰安婦合意実質破棄の韓国には、はらわたが煮えくりかえる思いですが、本日10日また、文大統領は「新年の辞」発言の中で「日韓の公式合意であることは間違いないが、間違ったことは完全に結び目はほどかなければならない」と述べました。また「日本は心から謝罪せよ」とも言い放っています。これは完全に国同士の合意不履行です。産経、日経だけでなく、毎日もこの発言を批判的に報道しており、日本の左派マスゴミも巻き込んでしまい、調子に乗って『やりすぎ』ました。
< 日本政府はこんな朝鮮人の常套手段に乗ってはいけない。とりあえず早期合意履行を求めつつ、そろそろ実弾装填、打て!をお願いしたいところ。会計士様の言われるゴールポストがこんにゃくなら、グチャグチャに潰して欲しい。
< 私は中期的には日本の正面敵国は中国と思いますが(戦争や争いが避けれるなら一番ですが)、今現在で一番まずいのは北、南の統一と思います。経済的に脆弱な北の面倒を南が耐えれるはずなどありませんが、そこを中華、露あたりがサポートすると生き延びる。また半島全体が属国か保護国になる。「ウリも核大国ニダ」と南は日本を恫喝し、ますます反日はエスカレート、米国は在韓米軍を既に撤去してるでしょうし、日本危うしです。また、年末から一気に北、南が融和ムードになったのは、金正恩の悪知恵ですね。万事休すの事態で、一発逆転をフラフラで一番弱い韓国を狙い撃ちし、愚民国だから、すぐひっかっかった。これも大統領が左傾の文だから。すぐ転ぶと思ったんでしょう。ヒラマサ五輪など、他国からみたら些細な事でも、成功の薔薇色を見たいのでしょうね。アホやのう~。
< 新宿会計士様の「実現可能性」を参考に、自分なりに考えてみますと、可能性は以下の通りです。考え浅はかな点、お許しください。
①赤化統一 30%
②韓国が中華属国 40%
③クロス承認 5%
④半島全体の属国化 10%
⑤北分割統治 10%
⑥現状維持 5%
< 北の狙いを分かっているのかどうか、もし統一されても僅かな経済的余力も統治もすべて、金に吸収される。いずれ文など一番邪魔で粛清される。分かってないなあ、韓国人は。さて、米軍による北攻撃は本気でやるのか、よく分かりませんが私も50%の確率であると信じてます。サージカルアタックでもやりそうです。取り敢えず、核開発の危機が遠のくから。場合によっては38度線あたり南にも誤爆があるかも(笑)。「あっゴメン」て。でも、そろそろ韓国に対し、強烈な打撃を日本政府は与えるべし、と確信しております。ナニがいいかな。楽しみ。
< 失礼いたしました。
韓国に対するビザの期間を短くするのは案外良いアイデアだ。日本が韓国に短期滞在ビザは15日にしますというと、韓国も報復で、じゃ日本人は3日ね、となるかもしれない。そうすると、韓国に滞在する日本人の数が減る。北朝鮮とアメリカがドンパチを始めて、日本人の避難が困難になるにしても数が少なければ少ないほど対応は楽だ。しかも日本政府が言うのではなく韓国側から言ってくれる。韓国から言ってくれば日本政府は「ま、仕方ないですな。」と受動的ですむ。これならアメリカを刺激することもない。韓国からは日本はゆっくりフェードアウトできる。