憲法改正をどう見ますか?

衆議院議員選挙の選挙戦が佳境に入ってきました。ここらで「憲法」についても少々、言及しておきたいと思います。

憲法について考えてみる

日本国憲法無効論とは?

「日本国憲法無効論」というものがあります。

これは、日本国憲法が「敗戦後GHQから押し付けられたものだから無効だ」とする考え方であり、保守派の論客の間でも支持する人が多い考え方でもあります。

一説によると、1899年にオランダ・ハーグで採択された「ハーグ陸戦条約」によれば、戦勝国が敗戦国の憲法改正を命令することは禁止されており、GHQの圧力下で行われた大日本帝国憲法の改正は、事実上の国際法違反だとする解釈もあります。

また、日本国憲法が米国による「押し付け」であるとする証拠は、他にもたくさんあります。その1つが、米国のバラク・オバマ前政権下で副大統領を務めたジョー・バイデンなる男による、「日本国憲法は米国が書いた」とする放言でしょう。

バイデン副大統領「日本国憲法、米が書いた」(2016年8月16日 17時39分付 毎日新聞デジタルより)

日本人の1人として、こうしたバイデン前副大統領の発言には腹が立つ限りです。

ただ、日本国憲法は、日本の再武装を防ぐ目的で、米国が起草したものであることはほぼ事実であると考えて良いでしょう。

たしかに、私たち日本という国の基本法である憲法が、外国により押し付けられたものであるということ自体、本当に恥ずかしい話ですし、情けない話です。そして、日本国憲法自体が国際法違反であるという解釈も存在する以上、「日本国憲法など無効だ!」と言い放ちたい気持ちも、よくわかります。

ただ、私はこの「日本国憲法無効論」には与しません。

日本国憲法自体、大日本帝国憲法下の適法な改正手続に基づいて成立しているわけであり、また、わが国の法体系は日本国憲法に整合するように作り込まれています。そして、日本は世界に冠たる法治国家であり、たとえ内閣総理大臣であったとしても、憲法と法律に違反することは許されていません。

私は、たとえ面倒くさかったとしても、日本国憲法をきちんと守り、憲法改正はあくまでも日本国憲法に従って行うべきだと考えています。

ただし、改憲論者の間でも、私のように「日本国憲法を適法に改正しよう」とする考え方だけでなく、「日本国憲法の無効を宣言し、改めて大日本帝国憲法を復活させよう」とする極論が存在していること事実です。私は、こうした極論こそ、盲目的な「護憲論」よりも有害だと考えています。

誰よりも無責任な憲法無効論

どうして私が「憲法無効論」を紹介したのかといえば、自称「保守派の論客」の間で、この手の憲法無効論を唱える人が存在するからです。

実名を挙げるのはやめておきますが、たとえば、「保守派の論客」として知られる某元衆議院議員が今年の夏、某作家との対談で「憲法無効論」に言及しています。この元衆議院議員は、

  • 「日本国憲法はGHQが作ったものであり、国際法違反だ」
  • 「(安倍総理は)もう日本国憲法は無効だと宣言すべきだ」

と述べました。

では、この方は、安倍総理が日本国憲法の無効を宣言したら(あるいは国会が憲法無効を決議したら)、何か変わるとでも思っていらっしゃるのでしょうか?

日本国憲法を無効にして大日本帝国憲法(あるいは大宝律令)でも復活させる気なのでしょうか?それをやったときに、日本国憲法下で成立した日本政府はどうなるのでしょうか?日米安保条約は?在日米軍は?自衛隊は?

全く理解できません。

内閣総理大臣を筆頭に、日本国政府に雇われている公務員は、全員、日本国憲法を遵守する義務を負っています。彼らが日本国憲法に背いた瞬間、彼らは国家公務員法違反となり、免職されなければなりません。

誤解を恐れずに申し上げれば、「日本国憲法はGHQによる押し付けだ」という点については、私も決して否定しません。そして、GHQに押し付けられたままの日本国憲法を、このまま放置しておいて良いはずなどありません。

しかし、日本国憲法を無効だと宣言したら解決するほど、現実は簡単なものではありません。

要するに、憲法無効宣言とは一種のクーデターですが、そこに民意があるとは限らないからです。

それとも「大日本帝国憲法復活論者」は、主権者は国民ではなく天皇だと言いたいのでしょうか?それでは、大日本帝国憲法を復活することが、今上天皇のお考えと整合しているのでしょうか?

正直、この手の無責任な「憲法無効論」に対しては、「いい加減なことを言うな」と申し上げたいと思います。

日本国憲法は欠陥だらけだが…

読み返してみれば、日本国憲法は本当に読み辛く、文章自体も悪文です。

また、憲法第9条第2項は、文章を素直に読むならば、「日本が外国から軍事力による侵略を受け、日本国民の生命と財産が危機に晒されたとしても、日本は武器を取って戦ってはならない」と命じている文章であり、明らかに日本国民の生命と財産を危機に晒しています。

左翼勢力は日本国憲法を「平和憲法」と呼んでいますが、私はむしろ、日本国憲法を「殺人憲法」と呼ぶべきだと考えています。

ただ、それでも私は、日本国憲法の全てを否定すべきだと思いません。というのも、日本国憲法には、西側諸国で普遍的な理念が多数、含まれているからです。

日本国憲法に定められているのは、徹底した民主主義と法治主義です。統治機構という面からみれば、

  • 国民が国会議員を選ぶ
  • 国会議員が法律を作る
  • 日本政府は法律に従って行政を行う
  • 国会議員から内閣総理大臣を選出する
  • 内閣は行政のトップを務める

という特徴があります。つまり、国民が選んだ政治家が日本のトップを務めるという構造です。

もちろん、これに司法(裁判所)が絡むとか、最高裁判事の国民審査が行われるとか、三権分立とか、そういった細かい配慮がなされていますが、大所でいえば、最高権力者は国民だ、ということです。

マス・メディアが国民の意見を歪めているとか、国民から選ばれたわけでもない官僚が大きな権力を握っているとか、そういった問題は存在しますが、これは日本国憲法の問題ではありません。日本国憲法の理念上は、国政選挙が全ての権力の源泉なのです。

これと同時に、官僚がどれだけ大きな権力を持っていたとしても、国会が決めた法律に逆らうことはできません。特に、刑罰や税金は法律によらなければ作ることができません。独裁者が自分の気分で人民を搾取したり、逮捕したりする中国や北朝鮮のようなことは、日本では絶対にできないのです。

私は、こうした日本の「法治主義」「民主主義」という体制については、大切にすべきだと思います。

もちろん、大日本帝国憲法下でも、天皇主権という制約下ではあったものの、法治主義、民主主義の精神はすでに根付いていました。しかし、日本国憲法は、それをさらに徹底させたものであり、その西神は大切にしなければならないと思います。

憲法改正を妨げている人たちとは?

ただし、私は日本国憲法をそのまま放置していて良いとは思いません。憲法の欠陥については改正すべきでしょう。

しかし、憲法改正を妨げている人たちが、日本で強大な権力を握っていることも事実です。

その最大の勢力は、新聞社とテレビ局―つまり、マス・メディアです。

今年5月の憲法記念日に寄せて、安倍晋三内閣総理大臣が自民党総裁として、改憲を呼びかけました。私の記憶だと、マス・メディアが「加計学園問題」を強調し始めたのは、その直後のことでした。

具体的には、朝日新聞社が前川喜平・前文科省事務次官の持ち込んだ怪文書を「安倍氏が総理大臣としての地位を使って友人が経営する学校法人に便宜を図ろうとした」とする印象操作を実施。これにテレビ局のワイドショーが飛びつく形で、連日、安倍総理を叩く報道を繰り返し、その結果、内閣支持率が急落したという事件です。

これに、今年3月頃まで野党が大騒ぎしてきた「森友学園問題」をあわせて、最近では「もり・かけ問題」と呼ばれています。

この「もり・かけ問題」は、民進党をはじめとする野党勢力と、マス・メディアがグルになり、一生懸命、安倍政権の足を引っ張るためだけに大騒ぎしたものです。しかし、事実からかけ離れた内容で政権の足を引っ張ったという意味で、日本の戦後左翼とマス・メディアは、事実上、死んだといえるでしょう。

ただし、この「もり・かけ問題」は、憲法改正とセットです。マス・メディアは憲法改正に対する最大の抵抗勢力であり、憲法を改正させまいとするマス・メディアが、全力で「報道テロ」を仕掛けたというのが、「もり・かけ問題」の本質と考えるべきでしょう。

その意味では、憲法改正を妨げている勢力の1つとは、まさにマス・メディアなのです。

選挙は佳境に

希望の党は改憲勢力なのか?

さて、衆議院議員総選挙の10月22日の投開票に向けた選挙戦が佳境に入ってきました。

今回の総選挙からは、定数が465議席に削減されています。ということは、3分の2は310議席です。安倍総理は2020年までの憲法改正を目標に掲げているようですが、この目標を考えるならば、改憲勢力は310議席を取ることが必要です。

先日、当ウェブサイトでも『民主主義について考えてみる』の末尾で紹介したとおり、新聞各社の報道によれば、今回の衆院選では自行両党が選挙戦を優勢に進めており、序盤情勢で見る限りは両党あわせて300議席を視野に入れているそうです。

しかし、自民党が連立を組む相手である公明党は、少なくとも「改憲勢力」ではありません。彼らは「加憲」なる概念を提唱していますが、おそらく、憲法第9条第2項の撤廃には否定的でしょう。

そのことを前提とする必要があります。

もちろん、安倍総理が提唱する「憲法第9条第3項」というものが、実質的に第9条第2項を無効にするだけのものであれば、私もその考え方を否定するものではありません。しかし、諸悪の源泉の1つである第9条第2項に切り込まない憲法改正には、有権者の1人として、私も失望してしまいます。

ただし、憲法第9条第2項の撤廃に賛同し得る「改憲勢力」は、自民党だけではありません。

日本維新の会や日本のこころを大切にする党のように、野党の中にも憲法改正に前向きな勢力はあるからです。

私はそれらの政党に期待したいと考えています。

ところで、保守派の論客の主張を見ていて、思わず首をかしげてしまう内容があります。それは、

希望の党は改憲勢力だ

とする主張です。

果たして、そうでしょうか?

希望の党自体、憲法改正を公約に掲げていることは事実です。ただ、希望の党の主張内容を見ると、「脱原発」というものが含まれています。小池氏自身、過去に「核武装」を主張していたことがある点を考えるならば、こうした政権公約には首をかしげざるを得ません。

もっといえば、私は希望の党の主張に対して、一貫性や実現可能性に疑念を感じるのです。

「希望の党は改憲勢力だ」と思って多くの有権者が希望の党の候補者に投票した。

しかし、希望の党の議員は当選後、改憲を政争の具にし、結局、改憲は実現しなかった。

これが私にとっての最大のリスクとして感じられるのです。

あなたたちは何をやってきたのですか?

当たり前の話ですが、日本は民主主義国家です。

国会議員は、ほかの誰かが選んでくれるわけではありません。私たち日本国民が、有権者として、国会議員を選ばなければならないのです。ということは、私たち日本国民には責任があるのです。

2009年8月、私たち有権者は、民主党に圧倒的な議席を与えました。その結果、日本は内政も外交もメチャクチャにされ、経済は低迷し、さらに東日本大震災では福島第一原発が菅直人によって爆破されました。ちなみにその時の枝野官房長官は、現在は立憲民主党の党首です。

要するに、変な人たちを議員に選んでしまえば、全ては日本国民に跳ね返ってくるのです。

そこで、私は自分たちの1票を行使するためには、その人が主張している内容だけでなく、その人の主張や行動の首尾一貫性についてもチェックすべきだと思います。

さて、希望の党からの立候補者は235人います。このうち「第1次公認」を受けた候補者は192人いますが、その110人が民進党出身者です。

民進党と希望の党の政権公約を読み比べてみると、スタンスが180度変わっている項目もあります。民進党から希望の党に乗り換えるために、政権公約を180度変えるような人たちを、あなたたち有権者は政治家として信頼できますか?

少なくとも私には無理です。

メディアに騙されないことが大事

選挙戦については、公職選挙法の制約があるため、当ウェブサイトでは選挙期間中、個別候補者について言及することはできるだけ控えたいと考えています。ただ、それと同時に、節操のない候補者を国会議員に送り込まないことを、積極的に呼びかけたいと思っています。

その意味で、インターネット時代を歓迎したいと思います。というのも、情報の発信者がマス・メディアだけではなくなっているからです。私のこのウェブサイトが100%、正しい主張をしているとは申し上げません。当ウェブサイトは私が個人で運営しているものであり、当然、意見も偏っていますし、調査不足、事実誤認も多々あるからです。

ただ、私が当ウェブサイトを運営している目的は、「読んで下さった方の知的好奇心を刺激すること」にあります。当ウェブサイトを含めたインターネット上の情報が、マス・メディアの「情報独占体制」を崩し、本当の意味で民主主義を日本国民の手に取り戻せるのであれば、私にとってもこれ以上ない幸いなのです。

本日のオマケ:選挙の本質とは?

さて、以前書きかけで放置していた短編原稿を発見したので、せっかくなので本日、紹介しておきたいと思います。

民主主義のプロセスとは「よりマシな政党を選ぶこと」

民主主義のプロセスとは、「よりマシな候補者」「よりマシな政党を選ぶこと」に尽きる―。これが私の持論です。

私が居住している東京都新宿区は、衆議院の選挙区でいうところの「東京1区」に該当し、今回も主要政党から公認を得た候補者が複数名、出馬しています。

ここで、仮に東京1区から出馬している候補者が、次の2つの政党しかなかったとします。

  • 立憲民主党、日本共産党

さて、この場合はどちらの候補者に投票するでしょうか?(※なお、この設例はあくまでも「仮定のもの」であり、現実に出馬している候補者とは異なっています。)

私は立憲民主党も日本共産党も両方嫌いです。しかし、この場合は、「投票したい候補者がいないから棄権する」、となるべきではありません。仮にこのような状況になった場合、私なら、立憲民主党の候補者に1票を投じます。

その理由は、なぜでしょうか?

それは、選挙とはそもそも、「よりマシな候補者を選ぶ行為」、「よりマシな政党を選ぶ行為」だからです。

私は立憲民主党、日本共産党のいずれにも、1議席たりとも得てほしくありません。しかし、私が棄権することにより、組織票に強い日本共産党が勝ってしまえば、日本がより悪くなるからです。

では、立候補している候補者の所属政党が、次の3政党だったら、どうでしょうか?

  • 公明党、立憲民主党、日本共産党

この場合も、私は公明党、立憲民主党、日本共産党の全ての政党が嫌いです。どの政党にも1議席たりとも議席を得て欲しくはありませんが、それでも、この3政党の中であれば、一番マシな公明党に貴重な1票を投じます。

「好きな政党」を選ぶ行為ではない!

つまり、選挙とは、自分の好きな政党を選ぶという行為ではありません。「一番マシだと思う候補者を選ぶ」行為なのです。

さきほどの例だと、私は「日本共産党にだけは絶対に投票しない」という態度で一貫しています。私を含めた選挙区全体の有権者が、「日本共産党だけは絶対に選ばない」と判断すれば、少なくとも日本共産党の候補者を選挙区から落選させることができます。

毎回、これを繰り返して行けば、そのうち、日本共産党は資金難に陥り、解党してしまうでしょう(本来ならば日本共産党は非合法化すべきですが、ここではその点は論じません)。

次に、共産党が滅んだあとには、公明党と立憲民主党が残りますが、もしかしたら東京1区から共産党が絶滅した影響で、もともと弱小政党だった保守政党(たとえば日本の心を大切にする党など)が少しだけ強くなり、東京1区に候補者を立てられるようになるかもしれません。

そうなれば、今度は保守政党、公明党、立憲民主党の戦いとなります。

このように、「より多くの人」が「よりマシ」だと思う政党が残り続け、それ以外の政党が排除されていくというのが、民主主義の健全な仕組みなのです。

当然、その過程においては、政権担当能力がなく、本来ならば政権を担ってはならないような人たちが、政権の座に就いてしまうこともあります。その典型例が、2009年8月の民主党政権でしょう。

2009年8月の総選挙とは、「もう自民党は飽きた」、「どうせ政治なんて誰がやったって同じ」「1度くらい民主党に政権を持たせてみよう」といった、マス・メディアの甘言に騙された有権者が、政権選択をミスした選挙だったと総括することができます。

その意味では、私は2009年8月からの3年3ヵ月間の民主党政権も、「国民が学習した」という意味では、有意義だったと考えています。

民主主義とは時間もコストも掛かる手続だ!

つまり、民主主義とは、本来ならば国会議員になってはならないような人物を誤って国会に送り出し、次の選挙では落選させる、といった「トライ・アンド・エラー」を繰り返す手続なのです。その過程では、当然、鳩山由紀夫のようなルーピーや、菅直人のようなテロリストもどきが内閣総理大臣に就任してしまうことだってありますし、その結果、米国との関係が悪化したり、中国との関係が悪化したり、原発が爆破されたりすることだってあるでしょう。

私の昔からの知り合いのなかにも、「民主主義なんてクソ喰らえ」とばかりに、民主主義を否定し、「いっそのこと天皇陛下のご親政を導入すべきだ」といった、とんでもない主張をする人がいます。鳩山由紀夫政権、菅直人政権などの失敗例を目の当たりにすれば、民主主義に対する不信感を植え付けられてしまう場合もあるでしょう。

しかし、それではダメなのです。

民主主義とは最悪の政治制度である。―民主主義以外のあらゆる政治制度を除けば―。

という格言がありますが、人間社会を支配するのは、王政でも独裁制でも共産主義でもなく、やはり民主主義制度であるべきなのです。

そして、ときとして有権者自身が痛い目を見ることも必要です。人間が失敗を繰り返しながら賢くなる生き物である以上、人間から構成される社会も、失敗を繰り返しながら進歩していくしかないのです。

現状では自民党が一番マシ

私自身が自民党に投票し続ける理由も、これと全く同じです。

何度も繰り返しで恐縮ですが、私は、自民党のことは嫌いです。しかし、今回の総選挙も含め、自分自身が選挙権を得てからの国政選挙では、一貫して自民党の候補者に1票を投じ続けて来ました。

(もっとも、ここだけの話、地方選では、自民党以外の候補者に投じたこともあります。たとえば、昨年の都知事選では、私は桜井誠氏という、自民党の公認候補以外の候補者に1票を投じています。)

私が自民党に投票する理由は、私自身がそうすることが「一番マシだ」と判断したからであり、誰かに命じられたわけでもなければ、誰かからお金を貰っている訳でもありません(というか、お金を貰えば犯罪です)。

ただ、私は「永遠の自民党支持者」ではありません。私自身が心から納得できる政党が出現し、その政党が東京1区で候補者を擁立すれば、私は喜んでその候補者に自分の1票を投じるでしょう。

つまり、私が自民党に投票し続けている理由とは、私が判断する限り、自民党が一番マシであるという点と、有権者が賢くなり、自民党よりも酷い政党が淘汰されれば、自然と自民党がレベルアップするか、自民党よりも上質な政党が出現することが期待できるからです。

当ウェブサイトの読者の皆様も、多くのケースは1票を投じる権利をお持ちだと思いますが、残り1週間、皆様なりによくお考えになり、是非、選挙の投票所に足をお運びください。読者の皆様が、「自分は共産党に投票する」とお考えでなのだとしても、その投票行動が、皆様なりに熟考された結果なのだとしたら、どうぞそれで投票なさってください。

皆様方の選挙権ですから、私が皆様に「指図」や「命令」する筋合いのものではありません。私は「考える材料」を提供しているだけに過ぎません。

ただし、1つだけお願いがあります。それは、有権者の方は、絶対に棄権しないでほしい、という点です。ご自身で判断されたのであれば、誰に投票してもご自身の責任です。しかし、投票もしないということは、現状を白紙委任したという意味であり、極論すれば、ご自身が日本国民としての義務を放棄した、ということです。投票をしない方には、どんな社会になろうが、文句をいう資格などありません。

当日忙しいという方は、期日前投票を利用することもできます。くれぐれも棄権だけは絶対にしないでください。

これが、私からの心よりのお願いです。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. 激辛大好き より:

    相も変わらずに寝ぼけたことを申します。
    「日本憲法が押し付けられたから無効」という論には、別のどのような憲法を考えているのか説明がない。対案があってこそ議論になるのですが、単に押し付けられたと言う理由だけで「憲法無効論」には同意できない。私が思うに、今の憲法は国民主権、自由・平和・平等の個人の権利を保障するなど優れている。しかし、日常の生活で使わない単語ばかりで非常に難解で、理解に苦しむ表現が多い。何よりも9条では軍事力を放棄すると書いてあり、これでは日本に自衛権がないことになる。この点については憲法を修正すべきです。
    私は安倍首相の「自衛隊を憲法に追記する」改正案に賛成です。本来ならアメリカ人の原稿を直訳したとまで言われる難解で日本語らしくない表現も改正してほしいが、全文を分かりやすい表現で一度に書き変えるのは困難だ。戦後日本国民は憲法を変えることに反対し続けており、一度も変更したことがない。その国民にも一番納得しやすいのが自衛隊の明記だと思う。公明党もこれには反対しない。北の脅威を国民は身近に感じており、国防に関心がある。この時期こそ憲法改正について議論して、国民の理解を深めて欲しい。
    ただ放送メディアでは憲法改正をタブー視している。10年以上前だったが、憲法記念日に関して関口宏が憲法の条文をお教のように唱えていた。いかに頭が空っぽでも現行憲法の良さと欠点ぐらい指摘もできないものかと呆れ、お教として唱えれば難しい表現も理解できるのかと感心したものです。憲法を礼賛するしか頭の無い人物が居座り続けるのだから、憲法改正などテレビでは発言できないのでしょう。
    共産党の国会議員がテレビで「自衛隊は殺人集団」と発言した。自衛隊がいつどこで誰を殺した事実もなしの暴言だ。また、関西では同様なことを書いたチラシを配布したこともある。共産党は自衛隊の存在そのものを認めようとしてない。自衛隊が災害救助、国際援助に果たした役割は大きいし、今後の北の脅威に対し前線に立って防衛できる能力を持っている。この自衛隊の存在を認めない共産党に、政党としての存在価値があるのかといつも疑問に思っている。
    立憲民主代表の枝野も自衛隊の存在価値を認めるのかはなはだ怪しい。彼は東日本大震災で官房長官として援助支援の指揮をとったが、自衛隊の活躍を認めた形跡はない。それどころか安保法案・秘密保護法など日本の防衛力強化につながる法案に反対をした。彼は護憲の立場をアピールしたことで当選してきた政治家だ。彼の目には自衛隊の救助活動が映らなかったとしか思えない。こんな現実を見ることができない人物を代表になるのだから、立憲民主の存在もまた意義はないように思う。
    国内の災害救助における自衛隊の活躍は目覚ましいし、オーム事件のようにテロ活動対策には自衛隊の組織力が物を言った。イラクのPKO活動においても自衛隊の現地での評価は高く、各国の派遣軍隊の中で現地住民から歓待を受けたのは自衛隊だけだった。近隣諸国の軍事組織には腐敗を指摘する声もあるが、自衛隊にはそんな指摘は少ない。自衛隊が国家公務員として高い意識を持ち、自制心を持ち訓練を重ねている証拠です。私は是非憲法に自衛隊を明記すべきと考える。

  2. とらじろう より:

    最近、一部の論客が「選ばない権利」とか言って選挙の棄権を暗にほのめかすような主張(屁理屈?)をしていますが、それでも

    >選挙とはそもそも、「よりマシな候補者を選ぶ行為」、「よりマシな政党を選ぶ行為」

    をし続ける必要があるんですよね。
    最悪の状況を生み出すのは「選択する行為」すら怠けて投票しない有権者なんですよ。

  3. ごけん より:

    きゅうじょうきょうはたん
    日本国憲法1947年5月3日施行➡竹島:1952年1月18日韓国李承晩大統領支配下宣言
    平和憲法?
    尖閣諸島某国支配下宣言待ちですか?

  4. 匿名 より:

    希望の党のサイトをどれだけみても党則や規約がありません。立法機関に関わる組織が法的統治によるものか人治によるものか不明です。また、愛知県の某選挙事務所問い合わせてもわからないとのことで、甚だデタラメな組織の可能性が高いですね。

  5. 埼玉県民 より:

    毎日拝読させていただいております。
    安倍首相の解散時のテレビインタビューで9条加憲の意義は自衛隊員やその家族に違憲の汚名をそそぐことだと言ったことに感銘を受けました。 今では阪神東北の二つの震災を経て、生命をかけた、まさに献身の働きを受け、国民は彼らに深い感謝と尊敬の念を持つに至りましたが、左翼全盛の時は、正しくヒドイ差別扱いを受け、パヨク教師から、人ごろしの子供とかイジメにあったと思います。 最も尊敬されるべき、親の仕事を誇りを持って話せない御姉弟に深いトラウマを刻んだのでは心配します。 辛坊治郎氏、上念司氏などは、安倍首相の言葉に、色々な感慨が湧き込み上げるものがあったと思います。 直接そのような差別体験の話しを聞いたことはありませんが、今でこそとか自衛隊は…とか言外ににじむものを感じます。野田元首相もそうではないかと思います。自衛隊に創価学会会員はいないのでしょうか? 自分らで言い出した加憲が、実現しそうになったらビビり出すのは最低です。

  6. ぎしん より:

     かの憲法の改正少しずつで構いません。
     改正のハードルは高すぎます。ここで失敗するようなら、次のチャンスは永遠に来ないかもしれない。
     議会の三分の二、国民投票の過半数ってのは何の冗談だろう。
     まずは一文でもよいから改正の実績を作らなければ。

     護憲、護憲を繰り返す左翼にはうんざりだ。

    1. tomibi より:

      ぎしん さん へ

       改正のハードル問題は難しい問題ですね。

      ハードルを低くすれば、    猫の目改憲  につながるし、
      ハードルが高いまんまだと   解釈改憲   ということになる。

       改憲自体には賛成なのですが、嫌な感じがするのは、
      下からの案が出て来ないこと。
       秩父~、女性同盟~とかという下で積極的に条文まで考えていた
      ときに比べると、何だか今は、丸投げ状態のような感じがします。

       発議されたら、進むのみ。
       それ以前に主体的な条文案が下から出てこないことに危機感を
      感じます。

       批判を恐れずに言えば、今回は9条改正に限定。改正条項も踏襲。
      国民全体で議論をして1期4年後or6年後に再改正が後々の禍根を
      残さない方法なのでは?と個人的には感じています。

       汚してばかりいてすみません。

  7. ぎしん より:

    tomibiさんへ

     憲法改正のハードルはもっと下げるべきだと思うのです。
     改憲派が議会の三分の二を超すのは特殊な状態です。
     野党が少し頑張れば、改憲が出来ない。

     昨今は護憲派がグダグタなせいで、改正が現実味を帯びてきましたが、今まではそうではなかった。
     むしろ、あの憲法は戦後一文字も変わらずにきた化け物です。
     チャンスはあまりありません。
     今回の選挙でも、立憲や希望、共産党がある程度議席を確保すれば、たちまち改正は遠のくでしょう。
     我が子には我々が主体となって作った憲法を見て欲しい。

     ただ、ハードルを下げすぎるのもまずいのは確かです。
     まかり間違って、とんでもないのが与党に躍進して、とんでもない憲法をこしらえる恐れもあります。
     個人的には安倍総理を保守と持ち上げるのも、何か違う気がします。あの方は良くも悪くも戦後日本の集大成なのでは?

     もどかしいですが、少しずつ一文ずつ変えて行くしかないのでしょう。
     

  8. きゃん’t⇔R より:

    いつも楽しみに拝読しております。
    私も会計士様と同じく東京1区です。
    昨日期日前投票を済ませて参りました。

    日本国が日本国憲法に立脚して成立している遍歴を
    冷静に捉え、時代に相応しい内容への改憲を建設的に
    議論するべきだと考えます。

    「少しでもマシな政党へ投票」有権者としては
    少し寂しい響きに感じますが、現実を見ると確かに
    そうなのかも知れませんね。国民の賢明な判断に期待して
    今回の衆院選を見守りたいと思います。

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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
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