【速報】米韓首脳会談は全く成果なし

本日の「速報」です。まだ多くのメディアは報じていないようですが、米韓首脳会談は大した成果がなく終了してしまった模様です。

ホワイトハウスの一見和やかな雰囲気と裏腹に…

米国時間の6月30日(金曜日)、ワシントンで米韓首脳会談が開かれました。

前日の夜にはドナルド・トランプ米大統領夫妻が文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領夫妻をホワイトハウスでもてなす晩餐会が開かれ、食事のメニューには韓国風の料理も出されたということですから、一見するとトランプ氏は文在寅夫妻を「歓迎」しているようにも見えました。

しかし、米韓首脳会談とそれに続く共同記者会見については、一見和やかでありながらも、期待されていた米韓間の様々な問題について解決したという「成果」は見られませんでした。

President Trump Welcomes President Moon to the White House(2017/06/30 18:09 ET付 ホワイトハウスHPより)

ホワイトハウスは会談の様子を次のように要約しています。

At their dinner on Thursday evening, President Trump congratulated President Moon on his electoral victory and thanked him for coming to the White House. Early Friday morning, Vice President Pence and President Moon laid a wreath at the Korean War Memorial to commemorate the American and Korean Veterans who lost their lives to preserve freedom in the Korean Peninsula. Later that morning, President Trump and President Moon met privately in the Oval Office. Afterwards, President Trump led an expanded bilateral meeting in the Cabinet room.

(仮訳)木曜日の晩餐会でトランプ大統領はモオン大統領に対し選挙で当選したことを祝うとともに、ホワイトハウスを訪れたことに謝意を示した。金曜日朝、モオン大統領はペンス副大統領とともに朝鮮戦争メモリアルに献花し、朝鮮半島の自由の為に尽くした両国の戦死者を弔った。午前中はその後、トランプ大統領とモオン大統領は大統領執務室(オーバル・オフィス)で私的に懇談。その後、トランプ大統領は閣議室(キャビネット・ルーム)に移動して二カ国間協議を行った。

President Trump and President Moon issued joint statements after the meetings, reaffirming the strong ties between America and South Korea.

(仮訳)トランプ大統領とモオン大統領は会合後に共同声明文を読み上げ、アメリカと南朝鮮の強いきずなを再確認した。

※英文では「文在寅(Bun Zai-In)」と人名が「モオン・ジャエ・イン」(Moon Jae-in)、「韓国」が「南朝鮮」(South Korea)と表記されているので、本稿でも特に断りがない限り、原文を引用する場合には、この英語表記をそのまま利用します。

一見すると和やかな会見です。「両国首脳は強いきずな(strong ties)を再確認した」などと表記されています。しかし、両首脳の発言を冷静に聞き返してみると、今回の共同会見では米韓双方が自分自身の立場を主張しただけであり、共同記者会見でも肝心の高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配備問題については全く触れられませんでした。

また、動画サイトで確認できる米韓首脳会談後の共同声明発表では、両首脳があらかじめ準備した原稿を読み上げるだけであり、記者の質問は一切受けていませんでした。しかも、肝心の記者の数はまばらであり、大勢の記者が詰めかけた安倍総理訪米時の共同記者会見と比べると、記者席には空席が目立つ状況です。つまり、今回の韓国大統領訪米に対し、米国メディアの関心は極めて薄く、冷淡であるともいえるかもしれません。

そのことは以下のワシントンポスト(WP)の記事にも

This Friday-before-a-holiday-weekend event had dozens of open seats.(週末である金曜日の午後という事情もあってか、記者席には数重もの空き席が目立った)

と記載されているほどです。

With South Korean president, Trump denounces ‘reckless and brutal’ regime in North Korea(2017/06/30 12:47 ET付 WPより)

あまり考えたくないのですが、トランプ氏は今回の文在寅大統領の訪米で、韓国を「見切った」のではないでしょうか?

おそらく今後、米国は北朝鮮攻撃に踏み切るかどうかについては、日本と協議することはあっても韓国と協議することはないでしょうし、また、THAAD配備が遅延すれば米韓同盟の存在自体が危うくなるという点についても、何も変わるところはないでしょう。

明日の予告:もう少し詳細に分析し、レポートします

この話題については、もう少し詳細に分析した上で、私自身の見解を加えたうえで、明日にでも当ウェブサイトに上梓したいと考えています。

どうかお楽しみに!

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    速報ありがとうございます。
    やはり、思っていた以上に火急を要する問題について、何ら進展はなかったんですね。前日まで、文大統領は労働寄りだ、北とは対話重視だ、日本は慰安婦に謝罪せよなんて言ってましたから、米国高官も匙投げていたんでしょう。FTAとかでトランプ大統領に責められてましたが、その程度で終わるはずがない。トランプ大統領との首脳の握手もたった4秒、安倍首相は19秒(長過ぎ?)で格段のもてなしの違いが分かります。しかし、もっとお灸を据えてほしかったな。あまりやると南鮮はふらふら外交で、すぐシナに寄り添うでしょうが。米国は、北を瞬殺する時、韓国には通知しない。ズブズブの中と北に密通するため。本当に阿呆な国です、馬韓国は。日本は縁切り、関知しない。110年前に戻って、またふりだしです。新宿会計士様の続報期待してます。

    1. ムル より:

      ただ問題も一つありましてもし韓国が完全に中国寄りになり自国経済の為に日本海側の韓国の港を租借とかやられると対馬海峡を超えて中国海軍が原潜を持って来ることが可能になるので注意だけはしないといけません。
      実際北朝鮮とトランプがチキンレースを始めた最初の頃に中国軍が北朝鮮国境に集結して北の日本海側の港を確保しようと動いて、それを止めるためにロシア軍が北朝鮮国境に出張って中国を牽制した事があるので注意だけはしましょう。

  2. 目黒のおやじシェフ より:

    新宿会計士さん、いつも記事楽しく拝読しています。ところで、Moon Jae-inのアメリカ英語での発音ですが、「モオン・ジャエ・イン」は正しくなく、ムーン・ジェイ・イン(múːn dʒéɪ iːn)とするのが正しいと思います。Pronouncewikiへの投稿でも、多くがムーン・ジェイ・インとなっております。

    http://www.pronouncekiwi.com/Moon%20Jae-in

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