【速報】唐突な長嶺大使帰任は北朝鮮情勢への備え?

先ほど、速報として各メディアが報じたところによると、約3か月にわたって韓国を離れていた長嶺安政駐韓大使と森本康敬釜山総領事が、明日・4日に韓国に帰任するそうです。

「唐突の」帰任の意味

駐韓大使ら帰任へ

本日夕方ごろ、複数のメディアは「岸田文雄外務大臣が外務省で記者団に対し、(日本に一時帰国中の)長嶺安政駐韓大使と森本康敬釜山総領事を明日、韓国に帰任させると述べた」と報じました。これが事実であれば、1月9日(月)以来、3か月弱にわたって続いた駐韓日本大使不在という状況は、ひと段落つくことになります。

どういう意味があるのか?

メディア報道によれば、岸田外相はこの措置について、「情報収集に一層力を入れ、十分備える必要がある」と述べたそうです。

考えてみれば、先週金曜日に朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領が逮捕され、5月9日(火)に予定される大統領選では、反日(反米)を掲げる候補者が大統領に選ばれる可能性が高まっていることなど、韓国の国内情勢は混迷を極めています。

ただ、私はこの岸田外相の「情報収集に力を入れる」という点には、説得力を一切感じません。なぜなら、朴大統領が罷免されたのは先月10日のことであり、「このタイミングで」駐韓大使らを帰任させる理由にはなっていないからです。

それどころか、「日韓慰安婦合意」の精神に反し、違法設置されたまま放置されている慰安婦像の撤去などを巡り、韓国に誤ったメッセージを与えかねません。その意味で、今回の決定を受けて、一番喜んでいるのは韓国政府でしょう。

ただ、安倍政権のことですから、そこまでのリスクを取ってでも大使らを帰任させるには、何か意味があるはずです。そこで、私の中では、とりあえず3つの仮説を立ててみました。

次期政権への牽制目的

5月9日に選出される次期大統領の最有力候補者は、現状では反日・親北派として知られる文在寅(ぶん・ざいいん)氏です。そして、今回の大使らの帰任には、次期政権への牽制の目的がある、という仮説です。すなわち、同氏が大統領に選出されることを見込み、このタイミングで大使を戻しておくことで、文氏に対し、「何か変なことをしたら、再び大使を引き上げるぞ」というメッセージを与える、という意味合いです。つまり、

「文在寅氏が大統領に選出されたのち、適切なタイミングで再び韓国政府に慰安婦像の撤去を突き付け、それが拒絶された場合に、再び大使らを引き上げる。」

と思わせるだけでも牽制になる、ということです。

ただ、この仮説だと、「なぜ朴前大統領が否認された3月10日のタイミングではなく、今なのか?」という説明としては、今一つ弱いように思えます。

外務省・媚韓派の巻き返し

次に、可能性は決して高くないものの、外務省内にいる「親韓派」(あるいは「媚韓派」)勢力が安倍政権側に対し「巻き返し」を行い、外務省の意見が通って大使帰任が実現した、という説も考えられます。

もしこれが事実ならば、とんでもない話です。ただ、安倍晋三総理・岸田文雄外相には、日本という国の名誉を売り渡すことになった、2015年12月28日の「日韓慰安婦合意」という「前科」があります。外務省との何らかのバーター取引に応じて、韓国に配慮したという可能性は否定できません。

しかし、盤石の支持率を誇る現在の安倍政権が、ともすれば保守派の支持率を落とすことになりかねない大使帰任措置を、おいそれと決断するとは思えません。やはり、この説も説得力は高くないでしょう。

米軍による北朝鮮攻撃に備える?

ただ、ここ数週間の朝鮮半島情勢を考える上で、もう一つ考慮しなければならない要因があります。それは「北朝鮮リスク」です。私が考え付いた中で、一番説得力がある仮説は、「ごく近い将来、朝鮮半島で大きな動乱が生じる可能性があり、それに備える」、というものです。

このように考えると、「このタイミング」にも、実は大きな説得力が出てきます。それは、今週(4月6日~7日)に行われる米中首脳会談です。おそらく、隠れた最大の議題は、北朝鮮問題でしょう。

北朝鮮は現在、少なくとも日本を射程に収めるミサイルの開発を済ませていると考えられ、原始的ながらも核兵器を搭載する能力を有しているかもしれません。そうなってくると、「北朝鮮リスク」は、従来考えられていたよりも遥かに高い、ということです。

折しも、「外交オンチ」だった米オバマ大統領が退任し、トランプ政権に交代したことで、米国が「力により北朝鮮の脅威を除去する」と決断する可能性が極めて高まりました。さらに、政権支持率が発足以来最低値に沈んでいるトランプ政権にとって、「強い大統領」を演じるには、北朝鮮攻撃は絶好の材料でもあります。

ただ、さすがの米国も、「米中戦争」は避けなければなりません。米中首脳会談の開催が急遽決定されたのは先月のことですが、背景にはトランプ政権の北朝鮮に対する強硬姿勢があると考えて良さそうです。

単純なものではないことは確か

いずれにせよ、今回の措置については、「韓国におもねる外務省に対し、安倍晋三(総理大臣)が折れた」、などといった単純なものではないことは間違いありません。もしかすると、安倍総理はトランプ政権から何らかの情報を掴んでいるのかもしれません。私は、自分自身の仮説の3番目が、一番可能性が高いシナリオだと考えています。

おそらく、今回の措置の意味は、早ければ4月7日には判明するのではないでしょうか?

2017/04/03 18:25 追記:菅官房長官記者会見と記者のレベルの低さについて

菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官は本日午後の記者会見で、この件について説明をしています。私の文責で取りまとめると、

  • 大使らの帰任は韓国内での政情不安や5月9日の大統領選の実施などの状況を受け、邦人保護など、諸般の事情を考慮して決定した
  • (慰安婦像の撤去が実現していない中での今回の帰任措置が)韓国政府に(慰安婦像を撤去しなくても良いとする)誤ったメッセージを与えるという懸念は当たらないと考えている
  • 日韓スワップ協定の再開などについては現状、考えていない
  • 今回の決定は安倍総理が様々な情報を収集したうえで判断を下したものである
  • 北朝鮮情勢に対処するうえでも日韓間の高いレベルでの情報交換が重要だと認識している

といったものです。正直、質問に立った朝日新聞や時事通信の記者のレベルの低さには呆れます。おそらく本日の会見で、菅官房長官はホンネを語っていないでしょう。

現在の朝鮮半島情勢は、北朝鮮を巡る米中の交渉次第では動乱が発生し、情勢次第では韓国という国が消滅してしまいかねないほどの状況にあります。いずれにせよ、朝鮮半島情勢からはしばらく目が離せない展開が続きそうです。

読者コメント一覧

  1. 黒猫のゴンタ より:

    官房長官のアナウンスの中の「邦人保護」「安倍総理が様々な情報を収集したうえで判断」「北朝鮮情勢に対処」といった文言は、おっしゃるように半島有事を想起させますね、
    6日からの米中首脳会談を前にしての、このタイミングでの大使の帰任と官房長官のコメント
    明らかにこれらは北に対するメッセージですよね
    日米の連携プレーだし、帰任する大使はそれこそメッセンジャーで駒

    そう簡単にチェックメイトできないでしょうから、北の次の一手はどうなりますでしょうか?

  2. 湘南波太郎 より:

    先だって、麻生副総理が北朝鮮情勢に関して「いま日本の新聞が書いているより深刻じゃないか」と述べていたのも、この動きに関連しているような気がします。

    日本の場合、北朝鮮からのミサイル以外にも、難民の流入に配慮しなければならないと思います。

  3. 待ったなし より:

    日本では全くといっていいほど報道されませんが、世界の注目が極東に集まっています。

    現在極東情勢は極めて不安定です。韓国は北朝鮮の情報戦に敗れ現在も迷走中、中国は景気の減退、日本では民進を中心とした反日公党が国会運営を妨害。その中で行われたミサイル実験、さらに核実験の可能性もでています。

    日本のメディアは何故か必死に隠していますが、トランプ大統領の「我々はあらゆる手段をテーブルに置いている」と「中国が協力しない場合は独自に行動を起こす可能性がある」の発言や、米大統領が支持率が下がると有事を起こしてきた歴史から、私はX dayが近いと考えています。時期としては韓国大統領選挙の5月9日か、北朝鮮がICBM完成する2年号かぬ、ここに来て、緊急の大使帰任はその信憑性を高めるものだと判断します。ロイター英語版には「有事の際の邦人救護の必要性から…」と明記されていますし、菅官房長官の発言にも、その内容がありました。マスコミはそれを伝えると、韓国への旅行者が減るためか、その発言はカットしました。悪い忖度ですね。どうも日本人の命については二の次らしい。ロウソクデモの時も渡航注意がでていたのに伝えなかったマスゴミですから。

    森友の一件でマスコミ・野党がどうしようもない嘘つきであることははっきりしました。太平洋戦争の時も煽って泥沼に突っ込ませたのはマスゴミです。今から日本国内に求められるのは冷静さです。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。なお、コメントに際しては当ウェブサイトのポリシーのページなどの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。