大統領の弾劾訴訟と韓国社会の破綻

本日、朴槿恵(ぼく・きんけい)韓国大統領に対する罷免の可否を巡る弾劾訴訟の判決が下されるそうです。韓国社会が崩壊すれば、私たち日本にとっても、押し寄せる大量の難民を水際で食い止めなければならないという、深刻な課題が発生します。そこで、本日は以前から提唱してきた「韓国社会を待つ3つのシナリオ」(赤化統一、中華属国化、軍事クーデター)をアップデートし、「5つのサブシナリオ」をまとめてみたいと思います。

ついに韓国社会の破綻か?

職務停止中の韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領に対する罷免の可否を巡る弾劾訴訟の判決が、本日、言い渡される見込みです。

朴槿恵氏弾劾審は10日に言い渡し 韓国憲法裁、罷免なら朴氏起訴も(2017.3.8 20:01付 産経ニュースより)

産経ニュースを含めた複数のメディアの報道によると、判決は3月10日(金)午前11時から言い渡されるそうです。

仮に朴大統領が罷免された場合、朝鮮半島全体に、大きな地殻変動が生じる可能性があります。ただ、朴大統領が罷免を免れたとしても、韓国社会の破綻が少し先に延びるだけの話です。

もちろん、韓国は隣国とはいえ、外国ですから、「破綻しようがどうしようが、私たち日本人にとってはどうでも良いことだ」という意見があることも承知しています。しかし、仮に韓国社会が破綻すれば、朝鮮半島から大量の難民が日本に押し寄せてくるのを、水際でどう防止するかという問題が生じてきます。その意味で、私たち日本人にとっても、この国が「どう破綻するか」をきちんと議論することは重要なのです。

そこで、本日は改めて、この韓国大統領弾劾訴訟の結論をベースに、この厄介な隣国がどこに向かおうとしているのかを考察してみたいと思います。

朴大統領罷免なら?

急速に左傾化する韓国社会

本日予定されている罷免の可否を巡る判決で、大統領が罷免された場合、直ちに韓国社会に激震が生じることは間違いありません。

産経ニュースが配信した共同通信のニュースによれば、そもそも現時点で、既に朴大統領の弾劾に賛成する世論が8割を占めています。

朴槿恵大統領弾劾に賛成8割弱、支持者結集も世論変化なく(2017.3.4 22:19付 産経ニュースより【共同通信配信】)

リンク先記事によると、「世論調査機関、韓国ギャラップが3日発表した結果では、弾劾賛成は77%を占め、反対の18%を圧倒した」としています。

韓国の裁判所が朴大統領に罷免を言い渡すためには、現在8人いる憲法裁の判事のうち6人が賛成しなければなりません。しかし、韓国の裁判官が法律よりも世論を重視していると疑わしい判決が相次いでいることから考えるならば、朴大統領が罷免される可能性は、現時点で極めて高いと考えられます。

そして、韓国の憲法の規定上、朴大統領が罷免された場合、60日以内、つまり5月9日までに大統領選が行われます。聯合ニュース(日本語版)によると、先月24日時点で、支持率トップは文在寅(ぶん・ざいいん)氏です。

韓国大統領選支持率 文在寅氏32%・安熙正氏21%(2017/02/24 10:59付 聯合ニュース日本語版より)

聯合ニュースの報道をまとめると、図表1のとおりです。

図表1 後任大統領候補者の支持率
候補者(敬称略)支持率所属等
文在寅(ぶん・ざいいん)32%最大野党「共に民主党」前代表
安熙正(あん・きせい)21%忠清南道知事・「共に民主党」所属
黄教安(こう・きょうあん)8%大統領権限代行首相
安哲秀(あん・てっしゅう)8%第2野党「国民の党」前代表
李在明(り・ざいみん)8%城南市長・「共に民主党」所属

現在、後任大統領候補として最有力視されている文在寅(ぶん・ざいいん)氏は、盧武鉉(ろ・ぶげん)政権時代に頭角を現した政治家です。そして、報道から判断する限り、文氏は極めて北朝鮮に親和的な政治家です。

また、図表1に列挙した政治家のうち、「保守系」と見られる候補者は、大統領権限代行を務めている黄教安(こう・きょうあん)首相のみであり、それ以外の候補者はいずれも左派系候補者であるとみてよいでしょう。

私が調べた限り、黄首相を除く候補者らの政治スタンスは、「親中」なのか「反米」なのか、あるいは北朝鮮に対する姿勢などを巡り、微妙な温度差はあるようです。しかし、少なくとも日本に対する姿勢は、いずれも「強硬な反日」です。

つまり、

  • 朴槿恵大統領の罷免に世論の8割が賛同している
  • 左派候補者4人が合計して56%もの支持を得ている

という事実を見る限り、韓国社会が急速に左傾化していることは間違いないでしょう。

文在寅氏の危険な発言

では、これらの候補者の中で、「最有力」とされる文在寅氏とは、いったいどのような人物なのでしょうか?これについて、過去の報道から、同氏の発言を集めてみました(図表2)。

図表2 文在寅氏の発言
分野発言内容抜粋情報源
中断されている開城(かいじょう)工業団地事業の再開について北朝鮮に市場経済を伝播し、北朝鮮に資本主義体制と自由民主主義体制の優越性を見せ、北朝鮮住民たちをわれわれの側に引き込み、そして有事の際には北朝鮮が中国に手を差し出すのではなくわれわれ大韓民国に手を差し出すよう大韓民国に依存するようにしなければならない2016年11月27日付・中央日報日本語版『<崔順実ゲート>文在寅前代表「開城工業団地閉鎖も崔順実の作品」
金剛山観光事業の再開について金剛山地域を租借したのも同然なのだから、損得を考えれば韓国の方が(北朝鮮より)何百倍、何千倍も利点がある朝鮮日報(ただしリンク切れ)
戦時統制権について可能な限り迅速に(韓国に)引き渡されるべきだ朝鮮日報(ただしリンク切れ)
高高度ミサイル防衛システム(THAAD)についてTHAAD配備が現実のものとなっても、政府は最善を尽くして中国を説得し、関係悪化を防がなければならない2016年8月10日付 東亜日報日本語版『文在寅氏、「THAADが現実のものとなっても…」微妙な変化
対日関係について(旧日本軍の)慰安婦問題をはじめ、過去の歴史問題に対する(解決)要求を継続していく一方、これを韓日外交関係の前提条件とせず、未来志向の発展は別のトラックとするツートラックでやっていく必要がある2017年2月24日付・レコードチャイナ『韓国次期大統領選、支持率でトップ走る文在寅氏、対日姿勢で発言を軌道修正、急速に支持伸ばす安熙正氏を意識?

これらの発言を総合する限り、文氏は次のような思想を持っていると考えられます。

  • 北朝鮮を支援する事業(金剛山観光や開城工業団地事業)を再開する
  • 米国から強く導入を求められていた高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配備については態度を明らかにしない
  • 戦時統制権を米国から取り戻す意思を持っている
  • 日本に対しては強硬姿勢を突きつける

つまり、仮に文氏が次期韓国大統領に就任した場合、まさに「あの盧武鉉政権」が再来することになりかねません。

性急なTHAAD配備と米中対立の加速

こうした「極左政権」が成立するリスクが高まっているためでしょうか、米軍の動きが加速しています。ロイターによると、米軍は韓国へのTHAAD配備を急いでおり、「早ければ4月にも稼働」させる見込みです。

米軍、韓国へのTHAAD配備開始を発表 4月にも稼働へ(2017年 03月 7日 15:47 JST付 ロイターより)

おそらく、米軍としても、朴大統領が罷免され、成立する次期政権がTHAAD合意を撤回することを、極端に警戒しているのでしょう。ということは、今後の国際情勢については、米軍によるTHAAD配備が完了するとともに、韓国に極左政権が出来上がってしまうという前提で議論した方がよさそうです。

赤化統一のリスク

米中間での綱引きは加速

後任大統領候補者である文在寅氏が、仮に朴大統領の後任に就任したとすれば、なにが発生するのでしょうか?

第一に考えられることは、中国と米国の「綱引き」が加速することです。

文大統領が選出されたからといって、短期的に見て、米韓関係が直ちに悪化するとは限りません。というのも、大統領選は遅くとも5月9日までに行われますが、在韓米軍へのTHAAD配備完了が間に合えば、米国としては直ちに米韓同盟を破棄する必要はなくなるからです。ただ、米国としては、せっかくTHAAD配備を完了させたとしても、5月以降に極端な反米・親北政権が成立してしまえば、その後の米韓軍事協力が進まなくなります。よって、長期的に見て、米韓同盟が衰退に向かうことは間違いありません。

一方、THAADを配備されてしまえば、中国にとっては完全に「メンツ」を潰される格好となります。当然、対韓外交の失地を取り戻すために、中国は韓国を取り込むための新たな外交戦を仕掛けることになるでしょう。場合によっては、朴槿恵政権が進めた「中国接近政策」が、さらに加速することにもなりかねません。

文在寅氏は「北朝鮮の手先」なのか?

文在寅政権が実現した場合、米韓関係や中韓関係よりも、さらに脅威なのが、北朝鮮との関係です。

これまでの文氏の発言からは、同氏が極めて北朝鮮に近い立場にあるのではないかとの疑義を抱かざるを得ません。

現在の北朝鮮は、独裁者・金正恩(きん・しょうおん)が強引に進めるミサイル・核開発を巡り、国際的な非難を浴びています。それだけではありません。先月は金正日(きん・しょうじつ)の長男でもある異母兄の金正男(きん・せいだん)を、マレーシアの空港でVXガスを使って殺害したとして、国際的にも孤立している状況にあります。

こうした状況に追い込まれている北朝鮮にとって、南側(北朝鮮から見て「南朝鮮」)で親北政権が誕生することは、まさに「渡りに船」でしょう。

「文大統領」は、おそらく、政権公約通り、北朝鮮に対する経済的支援を再開します。金剛山観光にしろ、開城工業団地にしろ、どちらも北朝鮮にとっては貴重な外貨の獲得源でもあります。北朝鮮は、これらの事業が再開された場合、間違いなくミサイル開発を加速させます。

国際社会がせっかく北朝鮮のミサイル開発を放棄させようと一致団結しているときに、韓国がこうした行動に出れば、国際社会から南北揃って孤立する可能性すらあります。

高麗連邦構想と太陽政策

北朝鮮はかつて、「高麗連邦構想」というものを提唱したことがあります。

簡単にいえば、南北それぞれが現在の体制を維持したまま、連邦国家を作るというものですが、言い換えれば、経済力も軍事力も韓国に劣る北朝鮮が、韓国と対等の立場で統一国家を作る、ということです。さらにいえば、事実上の「北朝鮮が主導する統一国家」であるともいえます。

一方、韓国でも金大中(きん・だいちゅう)、盧武鉉の両政権時代(1998年~2008年)に、「太陽政策」が進められました。理念としては、昔話の「北風と太陽」から採用したものだそうですが、この両政権の「太陽政策」がもたらしたものは、北の核武装であり、無法国家である北朝鮮を増長させるだけだったのです。

そして、文在寅政権が成立すれば、この「高麗連邦構想」と「太陽政策」が、セットになって復活するおそれがあります。もちろん、文政権誕生から、ただちに高麗連邦が誕生するというわけではありません。

しかし、各国からの経済制裁に苦しむ北朝鮮に、韓国が金剛山事業や開城工業団地事業などを通じて外貨を提供し、それにより北朝鮮経済が息を吹き返せば、北朝鮮は核開発を加速させることになるでしょう。

「衆愚政治国家」を落とすのはたやすい

私は、今回の朴槿恵大統領に対する弾劾決議案にしろ、文在寅氏の台頭にしろ、全ては北朝鮮による工作ではないかと思うのです。

というのも、今この瞬間、北朝鮮が韓国に戦争を仕掛けたところで、北朝鮮が韓国に勝つことなど不可能です。しかし、長期的に韓国社会を左傾化させたうえで、親北政権を成立させれば、韓国社会を内部から瓦解させることができます。

韓国は間違いなく民主主義国家ですが、その一方、民主主義国家においては、有権者のレベルが低ければ、愚民政府が誕生しかねません。現在の韓国は、まさに愚民政府が誕生し、北朝鮮による赤化統一が完成しそうになっているという証拠ではないかと思えるのです。

赤化統一シナリオを阻むもの

米軍による単独攻撃

こうした北朝鮮による「赤化統一」シナリオの実現を阻むのが、米軍による北朝鮮攻撃です。

先日の金正男殺害事件を見ても、北朝鮮はVXガスなどの化学兵器を保有していることは間違いありません。そして、米国が2003年に、対イラク開戦に踏み切った表面上の理由は、イラクがこれらの化学兵器を所持しているという理由だったことを思い出すと、米軍が北朝鮮を攻撃する可能性はゼロではありません。

さらに、北朝鮮はミサイルの照準を在日米軍基地に向けていると公言しています。

在日米軍基地が訓練標的だった 北朝鮮、「火星砲兵部隊」が「成功裏」に実施と報じる 金正恩氏立ち会い(2017.3.7 18:59付 産経ニュースより)

リンク先の産経ニュース記事にいう、「火星がどうのこうの」とかいう下りはどうでも良いのですが、重要な点は、弾道ミサイル発射実験が「在日米軍基地の攻撃」を目的としたものである、という点にあります。

実際、最近の北朝鮮のミサイル発射実験では、日本列島程度の距離であれば、それなりに命中精度も上昇しており、ミサイルが日本列島に着弾するリスクは日増しに高まっています。

そして、ミサイルに搭載するのは、なにも核兵器でなくても構いません。北朝鮮が大量に所持する有毒ガスや細菌兵器であっても、相手国の国民を殺傷する能力は十分にあるからです。

このため、米軍による北朝鮮への先制攻撃が行われる可能性は決して低くなく、そして、いったん米軍が北朝鮮を攻撃すれば、朝鮮半島の赤化統一は達成されません。

中華属国化

北朝鮮による赤化統一を阻むシナリオは、もう一つあります。それは、赤化統一する前に、韓国自身が「中華属国化」してしまうことです。

具体的には、韓国が軍事的にも経済的にも、完全に中国の傘の下に収まってしまうことです。実際、既に韓国は、GDPのかなりの部分を、中国に依存してしまっています(図表3)。

図表3 韓国と中国の関係(2014年データ)
項目金額(百万ドル)備考
名目GDP(①)1,410,383
輸出額(②)572,665②÷①=40.6%
うち対中輸出(③)145,328③÷②=25.4%、③÷①=10.3%
輸入額(④)525,514④÷①=37.3%
うち対中輸入(⑤)90,071⑤÷④=17.1%
対中貿易収支(⑥)55,257③-⑤

(【出所】総務省統計局『世界の統計2016』第3章、第9章より著者作成)

少し古いデータですが、2014年時点において、韓国の名目GDPは1.4兆ドル(①)であり、中国に対する輸出高は1453億ドル(③)です。つまり、名目GDPに占める対中輸出の割合(③÷①)は、10%前後に達している状況にあります。

昨日も『続・中国による「小出しの対韓制裁」の意味』でも触れたとおり、中国はTHAAD配備に猛反発しており、韓国に対して小出しの経済制裁で「いやがらせ」を仕掛けています。

THAAD配備自体はこのまま粛々と進んでしまうと思われますが、中国が韓国の経済を事実上、支配しているという事実は動きません。

中国としては、いまのうちに韓国に対して経済制裁を仕掛けておき、韓国で親北系の極左政権が成立するのを待って、それらを解除するという形であれば、韓国を簡単に「籠絡(ろうらく)」することができます。おそらく、中国としても外交上の猛烈な巻き返しを仕掛けていることでしょう。

親米・反中政権は長期的に持たない

米軍による北朝鮮攻撃が行われた場合、北朝鮮の体制が崩壊すれば、必然的に、韓国が北朝鮮を吸収することになるでしょう。そうなれば、しばらくは米韓軍事同盟を維持したままですが、韓国経済は北朝鮮の吸収統一に耐えられません。必然的に、中国が手を差し伸べることになるでしょう。

そうなれば、今のままでも高すぎる対中依存度が、ますます上昇します。さらに、韓国としては「北朝鮮」という脅威が除去されれば、もはや米韓軍事同盟を維持する必要性がなくなります。そうなれば、米韓同盟は早晩破綻を来し、中韓軍事同盟が成立し、韓国が中華属国化する確率が極めて高まります。

一方、「北爆」が回避され、北朝鮮が国家として存続し続ける場合であっても、米国との軍事同盟を維持したままで、中国との経済関係を強化するという現在の韓国の国家戦略が破綻を来すのは時間の問題でもあります。

このため、仮に韓国が「赤化統一」を免れたとしても、長期的には「中華属国化」を避けることは難しいというのが、私の見立てなのです。

クロス承認も!

ただ、北朝鮮が存続したままの状態で韓国が中国の「属国」となった場合、北朝鮮はどうなるのでしょうか?

これには二通りのシナリオがあると思います。

一つは、韓国が中国の承認を得て、北朝鮮を吸収統合するというものです。米軍が「北爆」して、その結果韓国が北朝鮮を統一するというシナリオと似ていますが、「後ろ盾」が中国か米国かという違いがあるくらいでしょう。

一方、自分でもあまり考えたくないのですが、「日米が北朝鮮を国家承認する」、というシナリオもあり得ます。朝鮮半島の南半分が中華属国化すれば、日米にとっても軍事的な脅威ですが、日米両国が韓国と断交するのと引き換えに、北朝鮮を国家承認し、同国が最低限生きながらえる程度の経済的援助を与える、というものです。

日本にとっては必ずしも悪いシナリオではありません。というのも、反日国家である韓国を自由・民主主義陣営から追放し、世界最貧国である北朝鮮を生きながらえさせて中国を牽制する、ということができるからです。

第三のシナリオ

戒厳令とクーデター

以上、朴大統領が罷免された場合の韓国がどうなるかについて議論して来ましたが、可能性としては、他にも残されています。それは、朴大統領の罷免が否決された場合です。

韓国が赤化統一、中華属国化のいずれも避けたいと思うのであれば、朴大統領の罷免が否決され、朴大統領が文在寅候補を「北朝鮮のスパイである」として、身柄を拘束するとともに、残りの任期で戒厳令を発動して憲政を停止し、独裁体制を敷くことが考えられます。

あるいは、朴大統領が罷免され、文在寅氏かそれに類する左派候補者が次期大統領に当選した場合でも、軍部がクーデターを起こして憲政を停止し、韓国社会の左傾化を強引に止める、ということが考えられます。

もっとも、このシナリオが実現する可能性は極端に低いと思いますが…。

シナリオまとめとアップデート

私は以前から、韓国には究極的に、「(1)赤化統一」、「(2)中華属国化」、「(3)軍事クーデター」のいずれかしか残されていないと申し上げてきました。

ここで、朴大統領の「進路」が見えて来たため、シナリオのアップデートを行っておきましょう。韓国を待つ将来として、私が「可能性が高い」と考えているのは、次の5つのシナリオです(図表3)。

図表3 韓国の5つのシナリオ
シナリオ具体的なシナリオ
(1)赤化統一親北派極左政権が成立し、北朝鮮との連合国家「高麗連邦」が成立する
(2)中華属国化①北爆と米国主導の南北統一米軍による北爆が行われ、韓国が北朝鮮を吸収するも、その後は米韓同盟が破棄され、統一朝鮮が中華属国化する
②中国主導の南北統一韓国が中華属国化したのを見届けてから、中国が北朝鮮の体制を崩壊させ、中国の後ろ盾で韓国が北朝鮮を統一する
③南北「クロス承認」韓国が中華属国化した場合に、日米が韓国と断交し、北朝鮮と国交を樹立する
(3)戒厳令・軍事クーデター韓国で戒厳令が発動され、憲政が停止される

そして、日本としては、どのシナリオが実現したとしても、決してあわてないよう、いまから国を挙げて準備をすることが必要です。特に、北朝鮮、あるいは南朝鮮から難民が押し寄せてくる可能性に備えることは、是非とも国会でも議論していただきたいところでもあります。

いずれにせよ、まずは本日11時の判決を待ちたいと思います。

 

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