混迷する韓国と日韓関係

現在、韓国社会は大いに揺れています。朴槿恵大統領が、怪しげな新興宗教にはまり、国家機密をその教祖らに漏らしていた疑いが生じているためです。韓国の報道によれば、首都の中心部では主催者発表で数万人が参加するデモが行われたとか、朴大統領の退陣を求める声が強いとか、そんな報道が流れていますが、任期をあと1年以上残して、ここまでの状況に陥ってしまうのも困りものです。

崔順実氏とは?

朝鮮半島情勢が急速に動き始めました。

韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領は、新興宗教団体の関係者である「崔順実(さい・じゅんじつ)」と名乗る女性に対し、政府の機密情報を漏洩(ろうえい)していたからです。

では、この「崔順実」と名乗る女性は何者なのでしょうか?この人物のことを調べていくと、朴大統領を巡る様々な「疑惑の点」が、線でつながることになるのです。各種報道をまとめておきましょう。

セウォル号沈没「事件」

最初のポイントは、2014年4月に発生した、あのセウォル号沈没「事件」です(私がこれを「事件」と呼ぶ理由については、『相次ぐ「韓国経済崩壊」論と商道徳』をご参照ください)。このセウォル号沈没「事件」発生直後に、朴槿恵大統領は7時間ほど所在が不明でした(いわゆる「空白の7時間」問題)。その時に朴大統領が「密会していた」と噂されていた男性が、朴氏が国会議員だった時代の元秘書でもある「鄭允会(てい・いんかい)」氏です。話題の崔順実氏は、この鄭允会氏の元妻である、ということです。

この「セウォル号事件」については先日も触れたとおり、現代の韓国の闇を象徴する事件です。また、産経新聞の加藤達也支局長(当時)が、「朴大統領がセウォル号事件発生時に男性と密会していた」とされる朝鮮日報の報道を引用した記事を執筆したところ、韓国の検察当局から「大統領に対する名誉棄損」という、意味不明の罪状で刑事告訴されたことがあります。「政治批判」を理由に「外国人ジャーナリスト」を「刑事訴追」したという意味でも異例ずくめの事件でした。

韓国の検察当局が、「政治批判を理由に外国人ジャーナリストを刑事訴追した理由」こそ、実は朴槿恵大統領自身のスキャンダルに繋がっていたからだ、と考えると、非常に筋が通ってくるのです。

「韓国のラスプーチン」新興宗教団体教祖の娘

この火中の崔順実氏の父親は、「大韓救国宣教団」なる新興宗教団体を設立した故・崔太敏(さい・たいびん)氏(1994年没)です。そして、どうやら朴槿恵氏はこの崔太敏氏とかなり親密な関係にあったようなのです。

事実かどうかは知りませんが、「ウィキリークス(WikiLeaks)」というウェブサイトに、2007年7月20日付で在韓米国大使館が発信ししたとされる「韓国の大統領選:依然として政治の渦中(原題 “ROK PRESIDENTIAL ELECTION: STILL THE POLITICS OF THE VORTEX”)」と題する記事が掲載されています。

この記事の中で、

「崔太敏(Choi Tae-min)は韓国のラスプーチンだ」

と記載されています。このウィキリークスの文書が本当に在韓米国大使館の発信したものであるならば、いわば、在韓米国大使館は、2007年の時点で朴槿恵氏が政敵から「韓国のラスプーチン(である崔太敏氏)との関係」の問題視していることを認識していた証拠でしょう。

ベールに包まれた崔順実氏

いずれにせよ、朴槿恵氏がこの崔順実氏とはかなり密接な関係にあることは間違いないでしょう。そして、問題点とは、朴槿恵氏が国家機密を含めて崔順実氏に機密情報を漏らしていた点にあります。ただ、崔順実氏自身が朴槿恵氏に対し、どのような「アドバイス」を行っていたのか、今一つ見えて来ません。

しかし、崔順実氏がどのような役割を果たして来たのかという真相究明もさることながら、韓国国内では、首都の中心部で「大統領下野を求める大規模集会」が発生しています。

<崔氏韓国国政壟断>ソウル都心で大規模集会…「朴槿恵大統領下野」求める(2016年10月30日09時29分付 中央日報日本語版より)

この国は、まさに「船長が存在しないセウォル号」のような状態になってきました。「司令塔なき韓国」というキーワードが出てきましたが、ただでさえレームダック化が激しかった朴槿恵(ぼく・きんけい)政権が、任期をあと1年以上残して、実質的にマヒ状態となりそうです。

スキャンダル発生後の日韓関係

ただ、朴槿恵政権が「反日」だったからといって、その朴槿恵政権が「マヒ状態」に陥れば日本にとって良いことかと言えば、物事はそう単純ではありません。これについては、韓国社会の一種の「病巣」と関わってきます。

韓国社会の「病巣」

インターネットの意見を見ていると、朴政権の「反日姿勢」も、朴大統領自身が陶酔している新興宗教の「教祖」の入れ知恵である、といった可能性もあるようです。行き過ぎた反日は韓国自身の首を絞めている状況ですが、だからといって「新興宗教のせい」にするという姿勢はいただけません。朴政権の反日姿勢は確かに問題ですが、ほかならぬ韓国国民自身が、こうした朴政権の猛烈な反日を支持していたことも事実だからです。

あれだけ反日をしておきながら、困ったときにだけ日韓スワップの締結を求めてくる。韓国政府に韓国国民の反発を抑える力がないから、「日韓双方にメリットがある」ことにしてくれ、と臆面もなく依頼してくる。この、「国を挙げた甘えの姿勢」こそが、韓国社会の病巣そのものでしょう。

日本がなければ最貧国

そもそも論として、韓国経済にとって一番重要な国は、日本です。

韓国は1965年の日韓基本条約締結時点まででみると、GDPも国民所得も、「世界の最貧国」レベルでした。しかし、日韓基本条約締結後に日本から巨額の有償・無償の経済支援が行われたことに加え、その後、日本企業が韓国に対して様々な技術・資本支援を行ったことを主因として、韓国経済は急速に発展。今やOECDに加盟し、「G20」の一角を占めるまでになりました。

ただ、同国の「サムスン」や「現代自動車」、「ポスコ」といった大企業は、いずれも日本からの技術・資本協力により、世界的な大企業にのし上がったものの、その後は日本企業と競合関係に入りました。特に、「サムスン」が日本人技術者を巨額の年俸で「釣り」、使い物にならなくなったらすぐに捨てる、という行動を繰り返してきたことは有名です。

私が「日本がなければ韓国は最貧国のままだったのではないか?」と考えるのには、きちんとした根拠があります。

  • 1965年までの韓国の経済状況は、世界の最貧国という状況だった
  • 現在の北朝鮮は、世界の最貧国状況にある
  • 太平洋戦争により国土を焼き尽くされた日本は、自力で奇跡の復興を遂げた

つまり、日本は「発展すべくして発展した国」であり、日本との国交がなくなれば、世界の最貧国水準にまで落ちるのが韓国や北朝鮮である。そのように考えると、全てきれいに辻褄が合うのです。言い換えれば、「韓国も北朝鮮も、日本の犠牲により発展する」、ということです。

日韓関係は日本にとってどういう意味が?

それでは、日韓関係は日本にとって、どういう意味があるのでしょうか?

地図を広げてみると分かりますが、四方を海に囲まれた日本にとって、朝鮮半島は数少ない「大陸との接点」の一つです。地政学的な用語でいえば「日本にとっての要衝」です。そして、その「大陸との接点」とは、日本にとって必ずしも「良い話」ばかりではありません。

日本が大陸と「軍事的脅威」を受けるとすれば、朝鮮半島から日本に攻め込む(あるいは逆に日本から朝鮮半島に攻め込む)という具合に、歴史的にも戦略的な要衝にあります。したがって、日本の敵対国が、朝鮮半島に強力な軍事拠点を建造すると、日本にとっても重大な脅威です。

江戸時代の日本は「鎖国政策」を続けていましたが、開国後はロシアの脅威を受け、日清戦争、日露戦争などを経て、日本は朝鮮半島を徐々に「保護国化」し、最終的には日韓併合に至りました。

しかし、戦後は朝鮮半島が38度線で南北に分断され、南半分は米国の実質的な保護国となり、北半分はソ連と中国の影響を受けて社会主義・独裁国家となりました。

戦後の日韓関係は、日韓両国が「米国の同盟国」という同じ立場で並列していたのですが、しかし、歴史上、朝鮮半島には強力な国家が成立したことはありません。その歴史の教訓は現在でも生きています。

韓国はいわば、「歴史問題を利用して日本に寄生する」ことで、弱小国でありながらも経済発展を遂げてきました。しかし、韓国が日本に「歴史問題を利用して謝罪を要求」し、日本がこれに安易に応じる関係は不健全です。

私は、日韓関係についてはそろそろ「清算」すべき局面が来ていると考えています。

安倍政権も外交を誤る

中国が南シナ海の軍事基地化を急ぎ、北朝鮮が自国民を飢えさせてまで核開発にいそしむ中、日本にとっては、短期的には韓国との関係を改善させることが有益であることは間違いありません。しかし、肝心の朴槿恵政権の「レームダック状態」が、予想よりも遥かに早い時点で発生してしまい、現在の韓国は、いわばコントロール不能状態です。

韓国をコントロール下に置くことを目的に、日本人の名誉を犠牲にしてまで締結した「日韓慰安婦合意」も、さっそく「無駄な合意」になりそうです。韓国のことですから、「慰安婦合意も新興宗教の教祖にそそのかされたものだ」などと主張して、合意を覆してくる可能性が高いからです。

いずれにせよ、安倍政権におかれては、朝鮮半島有事をにらみ、憲法第9条第2項の撤廃をはじめ、法制度の準備を急いでほしいと思います。そして、私たち日本国民にとっても、冷戦時代の思考から脱却することが求められている局面であることに間違いはないでしょう。

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