内閣支持率下げ止まり…支持率で自民党に勝てない野党
当ウェブサイトで「定点観測」している6つの世論調査について、2024年1月分の内閣支持率が出そろいました。結論からいえば、内閣支持率は低迷しているとはいえ、下げ止まったと暫定的に結論付けて良いでしょう。ただ、いわゆる「青木率」は依然として軒並み50%を超えており、しかも現在の選挙制度的に見て、次回選挙で自民党が政権を失うまでに惨敗するというシナリオは考え辛いところです。
内閣支持率をどこまで信じるか
いちおう、定点観測を続けている以上、触れないわけにはいかない話題のひとつが内閣支持率です。
ただし、当ウェブサイトを通じて過去に何度となく指摘してきたとおり、内閣支持率というものは、「藪医者による健康診断」のようなものであって、それを盲信すべきものではありません。
そもそも内閣支持率調査自体、質問の順序や聞き方次第で結果に影響が出て来ることもあると考えられますし、『回答者が高齢者に極端に偏るNHK世論調査=内部資料』でも指摘したとおり、一部の調査では回答している年齢層に大きな偏りが生じていることもあります。
そういえば、メディアではなく政府が実施している世論調査でも、一定の年齢層が全体の傾向に大きな影響を与えることがあります。
たとえば、『世論調査での韓国への親近感上昇を牽引したのは高齢者』でも取り上げたとおり、『外交に関する世論調査』では韓国に対する親近感が大きく改善したことが(一部では)話題となりましたが、これも統計上、対韓世論の好転を主導したのは70歳以上の層だったことが明らかとなっています。
このように考えていくと、やはり世論調査というものは、「絶対的に正確なものではない」という前提条件を置いてお付き合いすべきものであることは間違いなさそうです。
最新版・内閣支持率一覧
さて、当ウェブサイトでは6つの世論調査(読売新聞、朝日新聞、時事通信、共同通信の4社、および産経・FNN、日経・テレ東の2つの共同世論調査)に基づく内閣支持率をこれまで「定点観測」してきました。
今月分については日経・テレ東のものが本日までに公表されているため、ここで、1月分の世論調査一覧をアップデートしておきます(図表1)。
図表1 内閣支持率(2024年1月)
メディアと調査日 | 支持率(前回比) | 不支持率(前回比) |
共同通信(1/13~14) | 27.3%(+5.0) | 57.5%(▲7.9) |
時事通信(1/12~15) | 18.6%(+1.5) | 54.0%(▲4.2) |
読売新聞(1/19~21) | 24.0%(▲1.0) | 61.0%(▲2.0) |
朝日新聞(1/20~21) | 23.0%(±0) | 66.0%(±0) |
産経・FNN(1/20~21) | 27.6%(+5.1) | 66.4%(▲5.5) |
日経・テレ東(1/26~28) | 27.0%(+1.0) | 66.0%(▲2.0) |
(【出所】各社報道)
これによると、日経・テレ東の合同世論調査(1月26~28日実施)では内閣支持率が前月比1ポイント上昇して27%、不支持率は2ポイント下がって66%となり、支持率は10%台の時事通信のものを除けばすべて20%台で、読売新聞のものを除けば、支持率はすべて前月比でプラスに転じています。
一方、不支持率は共同通信と事実通信のものをのぞけばいずれも60%台で、朝日新聞のものを除けばすべて前月比でマイナスに転じており、このことから、内閣支持率の状況は芳しくないものの、とりあえず支持率自体は下げ止まったと考えて良いでしょう。
政党支持率では自民党一強が続く
その一方で、政党支持率については、どうでしょうか(図表2)。
図表2 政党支持率(2024年1月)
メディアと調査日 | 自由民主党 | 立憲民主党 | 日本維新の会 |
共同通信(1/13~14) | 33.3%(+7.3) | 8.1%(▲1.2) | 8.8%(▲3.2) |
時事通信(1/12~15) | 14.6%(▲3.7) | 3.5%(▲0.9) | 3.8%(+0.6) |
読売新聞(1/19~21) | 25.0%(▲3.0) | 5.0%(±0) | 5.0%(±0) |
産経・FNN(1/20~21) | 27.1%(▲0.2) | 5.7%(▲1.9) | 6.6%(▲1.3) |
日経・テレ東(1/26~28) | 31.0%(+1.0) | 8.0%(▲1.0) | 7.0%(▲5.0) |
(【出所】各社報道)
自民党に対する支持率は調査によりバラバラであり、とりわけ時事通信に関していえば、14.6%と、「1960年6月の調査開始以降で、野党だった期間を除き最低」だったのだそうですが、そのわりに最大野党・立憲民主党、第2野党の日本維新の会の2党の支持率を足しても、自民党の支持率に及びません。
時事通信以外の調査に関しては、自民党の支持率はもう少し高く、また、どの調査でも最大野党である立憲民主党が、支持率で自民党にまったく及ばないのは興味深いところです。
自民党といえば「政治とカネの問題」、「派閥解消」などが話題となっていて、一部メディア、あるいは一部インフルエンサーは「自民党の金権政治」を舌鋒鋭く非難しているのですが、それでも自民党政権に批判的なはずのメディアの調査でさえ、自民党が圧倒的な支持率を誇っている、というわけです。
いや、厳密にいえば、現在の日本は「自民党」対「無党派」の争い、といったところですが、いずれにせよ自民党が圧倒的に優位という状況はあまり変わりません。
青木率は時事通信調査を除きおおむね50%前後以上
また、いわゆる「青木率」――故・青木幹雄元参議院議員が提唱した、「内閣支持率と政党支持率の合計が50%を割り込んだら内閣が危険水域入りする」とする経験則――に照らすと、時事通信が33.2%と非常に低く、読売新聞も49%と50%を割り込んでいますが、それ以外についてはおおむね50%を超えています。
青木率(2024年1月、判明するもののみ)
- 共同通信…60.6%
- 時事通信…33.2%
- 読売新聞…49%
- 産経・FNN…54.7%
- 日経・テレ東…58%
(【出所】各社報道)
それに、青木氏自身、政治家人生の前半は、衆議院議員総選挙が中選挙区主体だった時代を過ごしていますが、現在は小選挙区・比例代表並立制であり、いわば、最大政党が最も多くの議席を獲得しやすい選挙制度です。
事実、2021年の総選挙の例でいえば、自民党は小選挙区で全体の48.08%しか票を獲得していないのに、議席は全体の64.71%を占有しました。これに対し、立憲民主党は小選挙区で全体の29.96%の票を獲得しているのに、獲得した議席は19.72%に過ぎませんでした。
立憲民主党に対する支持率が(調査するメディアにもよりますが)全体的に前回の選挙時と比べてさらに低迷しているフシがあることを見ると、「自民党を政権から放逐する」どころか、下手をすると日本維新の会に最大野党の地位を奪われることを心配しなければならなくなる可能性があります。
維新が最大野党に…なるのか?
ただし、維新が次の選挙で立民に代わって最大野党になるのかといえば、現時点においてはそこも微妙です。
日本維新の会の最大の課題は、「小選挙区で勝てる候補」が大阪府などに集中していることであり、小選挙区で当選する候補者が全国各地に広がるかどうか、また、小選挙区で2位になれる候補をどこまで増やせるか、という問題でもあります。
やはり、最大野党である立憲民主党に、一日の長があります。
いずれにせよ、岸田首相が解散総選挙を行うべきタイミングを逸して来たことを考慮すれば、次回総選挙で自民党が一部の小選挙区に加え、とりわけ比例代表で議席を減らす可能性があることは間違いありませんが、だからといって自民党が政権を失うかどうかは微妙、といったところではないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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まさか半ば冗談で言っていた、死なば諸共内閣が現実になるとは思ってなかったので、政局がどうなるか注視しております。
尚、未だ自民党支持に復帰してない小生ですが、繰り返しになりますが、上川外務大臣が総理総裁候補になるなら、応援のため自民支持に戻る予定です。
ところで麻生のオヤジの上川さんに対するあの発言はなんなんですかね。貶してるのか、ヨイショしてるのか。まあ、外務大臣という物凄く重要なポストをそつなくどころか、歴代外務大臣にも不可能な有能ぶりなのを指摘されてたので(麻生氏自身も外務大臣経験者ということを忘れてはいけません。)なのに、そのわりになぜか全く目立ってなく、マスコミも総スルーでしたので、敢えて炎上で注目させてみたと、とりあえず好意的に解釈しておきましょう。
>一方、不支持率は共同通信と事実通信のものをのぞけばいずれも60%台で、
時事通信がいかにも事実を伝えているかのようなミスリードを誘うのはやめてクレメンス
日本の政党支持率とかけて、健康志向の人と解きます。
その心はどちらも無党派 (無糖派) が多いでしょう。
ナイスです
無党派だから甘くない。議員にも TV にも新聞にも。
砂糖は保存料としての効果もありますからね。
世の中に無糖派が蔓延するとデスマフィンが再び顕現することになりかねません。
新聞 TV など存続限界産業には決してマネできない救済、すなわちダジャレこそがコメント欄を救う、というお告げが聞こえた気がします。
自民党に政治と金の問題を解決することはできない。
歴代の総理がこぞって悪習を継承させてきた。派閥を解消しても何年か先にまた同じ結果になる。
自民党の政治家は、金儲けにしか過ぎない。
へっぽこ立憲でも、田舎の維新でもいいから、自民党をつぶさないといけない。
但し、総理大臣になろうとするときは、然るべき能力のある人物でないとできない。例えば菅義偉氏ぐらいかな。
>へっぽこ立憲でも、田舎の維新でもいいから、自民党をつぶさないといけない
日本にとって害悪でしかない立憲は潰れた方がよほど国益に叶うんですけど。
民主党時代からカネにまつわる疑惑がいっぱいあったのにマスゴミは全てスルー。与党以上にカネに汚い野党に自民潰しが出来ると本気で思ってるの?
世論調査ネタでは毎回書いているので恐縮ですが、また書きます。
aa.日本では大手メディアの世論調査はあてにならない。
(実績として当たってない)
(例:前回の総選挙での事前予測&出口調査&開票結果)
根拠なく願望を報じているに近い。
bb.故に世論調査を肴にして論じることに殆ど意味はない。
(前回総選挙で全滅的に予測&分析を外した総括と再発防止をしてから)
cc.私見
なんにも無い平穏な時期にジワジワ支持率を上げておいて、なんらかのスキャンダルが準備できたところで記事に合わせて支持率をガクっと下げる。
第二弾・第三弾に合わせてガクガク下げる。
(まるで世間が記事に呼応しているかのように!)
でも支持率をゼロ以下にはできませんから、支持率を使う反政府キャンペーンは、いつかは終わります。
(野党&マスコミによるこれまでのスキャンダル追求が、毎回尻切れトンボになる理由)
こんな子供騙しなのに、クソ真面目に聞いてる読者視聴者の方が居てるから、いつまでたっても大手メディアがやめないのだと思いますよ。
野党はあれほど大言壮語してたのだから、次の国会でもモリカケサクラを継続して追求すればよいはず。
そんなことした事ないですからね。
同様に、パーティー券問題も次の国会で継続追求するのか?
たぶんしないでしょうね。実績からすると。
心情的にリベラルには頑張ってほしいのですが、今の野党やメディアのアホさを見ていると、情けないですな。
>どの調査でも最大野党である立憲民主党が、支持率で自民党にまったく及ばない
立憲民主党の現状は、支持率がどう転んだって、これ以上は墜ちようのない「”無敵” の党」。
そして党勢をアンチの受け皿から”ウソチの受け皿?”へと貶めた歴代党首は「”無適” の人」。
・・なんでしょうね。きっと。
これだけメディア総動員で自民党が叩かれているのに、立共の支持率はうんともすんとも
① 立憲が有権者(国民)に相手にされていない。自民は嫌いでも立憲は論外というのが世論
② ネット・SNSが完全に浸透し、有権者がメディアの煽動に耐性を持った。これが2009年当時なら反応はまた違ったんでしょうね。まあ当時はリーマンショックからの対応失敗での円高不況で麻生政権への怨嗟が深く、今の景気状態と違いますが
③ ①と重なりますが、立共支持層のボリュームゾーンの団塊左翼が高齢化し、新規の支持層がほとんど居ない為、得票数が減った。また維新・国民の成長により、反自民や無党派層の投票先が立憲からそっちに移った
こういうところでしょうか。最近で言うと、「東アジア反日武装戦線」無差別テロ殺人犯の桐島の惨めな最期が象徴的です。戦後左翼の敗北、終焉の象徴だ
戦後左翼は選挙で勝てないので先鋭化、我が物顔に暴動を頻発し、最後には上記や連合赤軍、日本赤軍の様に無差別テロ集団化
世間の支持を全く失い、自民政権主導による高度成長により国民生活は向上し、政治の季節は終わり万年野党化しました
更に左翼は冷戦が終わろうが、中国の膨張主義や北朝鮮の核保有など国際情勢が抜本的に変わろうと、現実主義を取り込めず何の成熟もなくいつまで経っても9条念仏
中年以下の層からは立共はアホの象徴でしょう。新規支持者が無いから勢力は縮小の一途
戦後左翼にも役割はあったと思いますよ。戦前の亡国に至った、日本の軍国主義、精神主義、権力構造への暴露と批判です
しかしその役割はせいぜい安保紛争で学生等が好き勝手に暴れ、更にテロ集団化し、化けの皮が剝がれた1970年頃で終わってるでしょう
未だに半世紀以上何の成長も無く同じ念仏を唱えてる左翼はゾンビもゾンビです
ゾンビ左翼には日本社会に対する何のプラス面も無く、害しか無い。さっさと成仏、退場して欲しいですね
岸田地滑り圧勝で更なる韓国融和加速しそうなんですよねえ・・・憂鬱