「時事通信で支持率が過去最低に」…これをどう読むか
「内閣支持率は過去最低」、「もはや危険水域」!こうセンセーショナルに叫びたくなる気持ちはわかります。時事通信の今月の調査によると、岸田文雄内閣に対する支持率は前月より下がって26.3%と「過去最低」を更新し、3ヵ月連続で「危険水域」とされる2割台を記録したのだそうです。ただ、データを読むうえでは、少し慎重であるべきです。今回の時事通信の調査だけをもって、岸田内閣が崩壊直前にある、などと決めつけるのはいかがなものかと思います。
目次
内閣支持率は先月、ほぼ下げ止まっている
当ウェブサイトとしては、各メディアが実施する世論調査に基づく内閣支持率は、「藪医者による健康診断」のようなものだと考えています。いちおう、統計的な調査であるため、頭から「どうせ正しくない」などと頭から否定すべきではないものの、それに全幅の信頼を置くべきものでもないからです。
こうしたなか、先月の内閣改造で、現在の岸田文雄内閣に対する支持率がどうなったのかについては、いちおう、客観的に評価しておく必要はあります。
図表は、当ウェブサイトで「定点観測」している6つの調査(時事、共同、読売新聞、朝日新聞の4社のものと、産経・FNN、日経・テレ東の2つの合同世論調査)について、2023年9月時点における内閣支持率・不支持率と前月比を一覧にしたものです。
図表 内閣支持率(2023年9月)
メディアと調査日 | 支持率(前回比) | 不支持率(前回比) |
時事通信(9/8~11) | 28.0%(+1.4) | 44.0%(▲3.4) |
日経・テレ東(9/13~14) | 42.0%(±0) | 51.0%(+1.0) |
共同通信(9/13~14) | 39.8%(+6.2) | 39.7%(▲10.3) |
読売新聞(9/13~14) | 35.0%(±0) | 50.0%(±0) |
産経・FNN(9/16~17) | 38.9%(▲2.6) | 56.1%(+2.6) |
朝日新聞(9/16~17) | 37.0%(+4.0) | 53.0%(▲1.0) |
(【出所】各社報道をもとに著者作成)
これによると、共同通信のものを除けば相変わらず不支持率が高止まりしており、とくに4社の調査で半数以上が岸田内閣を「不支持」と答えていることがわかります。ただ、これに対して支持率については産経・FNNのものを除いてすべて前月比横ばいか小幅プラスになっていることも確認できます。
調査実施時期が9月8日から11日だった時事通信のものを除けば、どの調査も内閣改造の概要が判明した13日以降に行われているため、内閣改造によって支持率がほぼ下げ止まった、という仮説は成り立ちそうです(ただし一部調査では8月時点ですでに支持率はプラスに転じています)。
青木率は50%を割り込む状況ではない
こうした状況に照らすなら、岸田首相が国民に不人気であることはどうやら間違いないにせよ、岸田内閣が危機的状況といえるかは微妙です。
とりわけ、故・青木幹雄元自民党参議院幹事長が提唱したとされる「青木率」――、つまり「内閣支持率と第1党に対する政党支持率が50%を割り込めば内閣は退陣に追い込まれる」とする経験則に照らしても、岸田内閣は危機的状況とは限りません。主要メディアの調査でも青木率は軒並み50%を超えています。
というよりも、内閣支持率自体、20%台に沈んでいるのは、いまのところは時事通信のものに限られています。
それに時事通信の調査では内閣支持率が低めに出る、という特徴もありますので(※著者私見)、支持率調査「だけ」を見るならば、現状、岸田内閣がただちに退陣に追い込まれる状況にはないと考えて良いでしょう。
時事通信の調査では「過去最低に」
こうしたなかで、今月も内閣支持率が公表されました。本稿で紹介するのは時事通信のものです。
内閣支持26.3%、過去最低に 改造「評価せず」45% 時事世論調査
―――2023/10/12 17:04付 Yahoo!ニュースより【時事通信配信】
時事通信によると今月6日から9日にかけて実施した内閣支持率調査では、内閣支持率が前月比▲1.7ポイントの26.3%、不支持率が前月比+2.3ポイントの46.3%だったそうです。支持率と不支持率の差はちょうど20ポイントでした。
ちなみに記事タイトルにもあるとおり、この支持率は岸田内閣発足以来、時事通信によるものとしては過去最低で、「政権維持の危険水域とされる20%台」を記録するのは3ヵ月連続とのことです。
もう岸田政権はお終いなのでしょうか。
「岸田政権が終わってほしい」、などと期待している人は、今回の時事通信の調査結果を「岸田内閣の終わりの始まり」、などと思うかもしれませんが、残念ながら、話はそう単純ではありません。
そもそも論として、時事通信の内閣支持率調査はもともと低めに出るという特徴があるのに加え、時事通信以外のメディアによる先月時点の調査だと、支持率はむしろ、おおむね下げ止まりの傾向が見られるからです。
自民党に対する政党支持率は他党を圧倒
これに加えて時事通信の記事の続きに記載されているとおり、政党支持率は自民党が圧倒的に高い状況です。
時事通信調査による政党支持率(2023年10月)
- 自民…21.0%(▲1.0)
- 維新…*3.9%(▲0.4)
- 立民…*3.1%(+0.1)
- 公明…*3.1%(▲0.7)
- 共産…*1.7%
- 国民…*1.4%
- れ新…*1.1%
- 社民…*0.3%
- 参政…*0.2%
この点、時事通信の調査だと、青木率は47.3%と、50%の水準を割り込んではいます。
ただ、自民党以外で最も支持率が高い日本維新の会にしても3.9%で、自民党の5分の1以下です。というよりも、ここに記載されている自民党以外の全政党の支持率を足し上げても14.8%で、自民党の21.0%には及びません。
自民党が政権を失う可能性がどこまであるのか
もちろん、政党支持率は各政党の議席予想とは必ずしも関係するものではありません。
立憲民主党は政党支持率では低いにせよ、(野党選挙協力の進展次第ではありますが)小選挙区では強い地盤を有しているケースも多く、各地の小選挙区における議席を積み上げていけば、支持率で逆転されている日本維新の会を上回る議席を獲得する可能性は相応に高いです。
それに、「今すぐ解散・総選挙をやれば、自民党の獲得議席は220に留まり惨敗となる」とする予測もあるようですが(『単なる引締め?「総選挙で自民過半数割れ」報道の実情』等参照)、もしそのシナリオが実現しても、(公明党が連立に応じてくれれば)自民党は政権を維持することができます。
岸田文雄首相が自民党総裁選前に解散総選挙に踏み切り、自民党が議席を減らしたにせよ下野せず、政権を維持することに成功すれば、来年9月の「岸田再選シナリオ」も視野に入ってきます。
(※なお、個人的には、「自民党の獲得議席が220に留まる」とする情報自体、選挙情勢分析上はかなり雑な予測だとは思いますが、この点については本稿では触れません。)
もちろん、今後の他メディアの調査で支持率がどうなるか、といった論点に加え、補正予算の内容など、今後の内閣の動き次第では、岸田内閣に対する国民の失望が広がり、選挙で惨敗、という可能性はゼロではありません。
ただ、岸田内閣の行方を見通すうえでは、今回の時事通信の調査結果だけを判断材料にするには不十分であることは間違いないといえるでしょう。
判断は是々非々で!
余談ですが、当ウェブサイトとして、岸田文雄首相を無条件に「素晴らしい首相だ」と絶賛するつもりはありませんが(むしろ稚拙すぎる対韓外交などには深く失望しているクチです)、それでも政策については是々非々で、良いものは良い、悪いものは悪いと評価する態度が重要ではないかと思います。
岸田首相が交代し、他の政権(たとえば高市早苗「総理」)が誕生したとしても、それが自民党政権である限りは、現在の方向性が大きく変わることはありません。自民党は一種の「集団指導体制」の政党でもあるからです。
それに、現在の自民党政権に対して不満を抱く人が多いのだとしても、現実に日本維新の会や立憲民主党などが自民党に代わって今すぐ組閣し政権を担い得るのかどうかについては、まったくの別問題でもあります。
このように考えていくと、この世の中は、「自民党にお灸を据えたら良くなる」というほどに単純な代物ではないことだけは間違いないといえるでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
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26.3%の支持率はまだまだ下がる。高市早苗の二回の演説に対しての「中国を刺激しないか」の情けない発言が加味されてない。それと野党のボンクラぶりが政党支持率が高いことがある。自民党は議席を減らすことはあっても政権から滑り落ちることはないだろう。全く持って民主党の暗黒の3年3ヶ月は罪が重い。自民党が強烈に支持率を回復するのには、思いきって高市早苗氏を担いで支えるしかないのではないか。魑魅魍魎の世界。スキャンダルが持ち上がらないことを祈る。
選挙に統一教会問題が絡んでくると、どの党にどれだけ影響を与えるか今ははっきりしない。故に岸田内閣として選挙に打って出ることはなかなかできないし、野党は攻撃の材料としてくると思われる。
自民党は、当分支持率を下げていくのはやむを得ない。支持率を上げるために今以上成果を出していかないと、政権は持たない。
返信ありがとうございます。オレが思うには統一協会は全政党に食い込んでいたとおもいます。自民党がめだっちゃいるけど。なにせ議員という生き物は当選のためなら節操もヘチマもないからな。じつはさ、井上義行なんか携帯電話の番号も、持っていたんだけどあんな奴とは知らんかった。もう支持はしない。
昨日テレビを見ていたらBS放送大学でたまたま世論調査のことをやっていて「生存者バイアス」という聞きなれない言葉が出てきた。
無作為に電話をかけても昼間働いている人は電話に出られない。家にいる人でも女性などはみなれない電話番号からの電話には出たがらない。結果アンケートに答えているのは定年退職して家にいる高齢の男性だけということになりかねない。こういうのを「生存者バイアス」と呼ぶのだそうだ。
>生存者バイアス
今回の調査方法は、
「調査は全国18歳以上の2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は58.8%。」
ということで、生存者バイアスは余り掛かっていないと見ていいのでしょうか?
又、朝日・読売など、それぞれの新聞社の読者層の傾向に応じた結果が出て来るのは、それぞれの新聞社が、自社の購読者を調査対象としているからでしょうか?
所で、「生存者バイアス」には、「優勝者バイアス」「成功者バイアス」みたいなものもあるように思います。
成功事例の成功因子と思われるものを、その通りにやればいいんだ、みたいに思い込んでしまうようなことです。
営業で、成功者が1日100件回ったから成功できたなんてことを言えば、兎に角1日100件回れなんていうノルマを課す会社が出て来る、これがブラック企業の始まりになったりします。
「生存者」の中身や条件などを良く吟味しないといけないですね。
>結果アンケートに答えているのは定年退職して家にいる高齢の男性だけということになりかねない。
「爺(ジジ)通信」ですね・・。
・・・・・
支持か不支持かを問う2択の合計値が80%に満たない調査なんて、”どちらかと言えば”の回答を恣意的に処理してる感が否めないんですよね。
自民党の議席が減る(or大敗する恐れ)でないとずっと岸田政権が信任されてしまいますから、自民党が支え続けると言うならそれこそお灸するしかないと今回は思っております。
頃合いのええモグサが見当たらんのが困りモンでんなぁ
ヘンなん燃したら家屋敷全焼させよるし
「お灸をすえる」なんて安易に言うのはどうかと思いますよ。
何せ14年前はそれで大火事になったんですから。
岸田政権が嫌と言ったところで、他の人や政党になったらマシになるとは思えない。
岸田総理って、普通に英語話せて、サミットで存在感アピール出来てる。ロシアとウクライナの情勢から端を発して世界情勢が混乱しまくって、各国の物価値上がりが半端ない中で、庶民が愚痴る程度にしか影響を抑え込んでる。
これ、総理としては結構マシな方です。
そんなの、普通の国民が要求する最低限レベルの仕事で、出来て当たり前とか思うかも知れませんが。
そんなものすら全然届かない政権が、平成時代に何回繰り返されたことかと。
政権が一年以上続く。しかも、それだけ続いても支持率が20%越えているなんて、そういう時代に比べればまだまだ平穏そのものです。
その経験から言っていますが。案外と、いないものだと思いますよ? 岸田総理レベルでも、仕事をこなせるだけの力を持っている人って。
なので、お灸だとか言って岸田総理を降ろしたところで、岸田総理の方がまだマシだった。降ろした意味なんて全然無かったと言いたくなる未来を迎えてしまうリスクの方が高いと思います。
次の衆議院選挙の注目点は、自民党がどれだけ議席を減らすのか、維新がどれだけ議席を増やすのか、という点だけでしょうかね。
岸田首相に代わる有力な候補は見当たりませんし、自民党が議席を減らしても政権交代するほどでは無いでしょう。
岸田政権が支持率を落としても、それが政局になりそうにもありませんので、この調子ですと、来年まで選挙は無さそうです。
安倍派に有望な人材が居ないのが原因でしょうね。
9月の一覧を見ても、時事通信の調査結果だけ他と大きく開きがあるのが気になる。
何でここまで差が出てくるのか謎だ。
時事通信の調査方法は個別面談方式、と本記事の最後に書いています。面談者がニュートラルなら問題ありませんが、誘導的なヒアリングをしている可能性があります。後、回答者の年齢層も出して欲しいですね。同じようなことを安芸高田市長が地元紙に言ってましたが、ほとんど高齢者かもしれません。時事通信の味付けが加わってるかもしれません。
しかしこれだけ自民公明に逆風が吹いているのに最大野党の大人しいこと。普通は政権奪回だ!とばかりに活発に発信するだろうに、音沙汰なし。ようやく聞こえてきたかと思ったら、減税しません!ドヤッ!
第2野党はロシアの味方疑惑。第3野党は今のところ是々非々らしいが、対決型を望む勢力もいる。
安倍首相亡き後、ここまで政治が劣化するとは思ってもいませんでした。岸田氏が改心する事は無いので、安倍派に覚醒する事を期待したい。
個人的には、大手メディアの内閣支持率世論調査の数字は、作られてるように思われます。
(肌感覚と合わないから)
なんにもニュースがないときにジワジワ上げておいて、何か攻撃材料が見つかって紙面のキャンペーンが始まったら、ネタの展開に応じて下げて下げて下げまくる。
日本庭園にシシオドシというアイテムがありますが、あんな感じ。
狭いコップの中では大嵐なのかもわかりませんが、これまでの支持率上下と実際の選挙結果とに、さして強い相関はないかと。
前回の総選挙なんか典型的でした。
投票日20時を過ぎて選挙速報タイムに入って、日付が変わるあたりまで、
「野党圧勝」
のテロップとコメントだらけ。
夜が明けてテレビをつけたらなんと
「自民党絶対安定多数確保」
大手メディアは脳みそもボケてるけど、アンテナも感度ゼロなのだと、まざまざと見せつけておりました。
東スポの方がバラつきが少ないだけ報道機関として「使える」ように思います。
(偏りは補正すれば補助的には使えるから)
外交はアメリカの言いなり、韓国との関係改善は後退
内政はガソリン補助したくらいで、あとは将来の希望・展望を示さないで増税しただけ
これだけ酷いのに
よくまぁこれだけ支持率が高いのがむしろ不思議
米国盲従や韓国平頭で利益を得たりLGBTの人たちが指示し続けてるんでしょうな。