摩天楼の重みで沈むニューヨーク
「沈んじゃうならもっと高い建物を建てれば良いじゃない」
ニューヨーク自体が建物の重みで沈んでいるとしたら…!?米国の地質学者らのグループがこのほど公表した報告で、ニューヨークは摩天楼の重さで毎年平均して1~2ミリほど沈降しているというのです。ただ、これに対し、「沈んじゃうならもっと高いビルを建てればいいんじゃない?」など、大変心無い反応も寄せられているのだそうです。
ニューヨーク全体が沈んでいるのだそうです。
ニューヨークが「高層ビル群の重さ」で沈み始めていると判明!https://t.co/4zqcl7w3JI
米URIはニューヨークに乱立する100万棟以上の建物の総重量を算出。その結果、建物の重みで年間1〜2ミリの地盤沈下を起こしていることが判明しました。地質の弱い場所はより速い割合で沈下しているという。 pic.twitter.com/0eqnOlyYQZ
— ナゾロジー@科学ニュースメディア (@NazologyInfo) May 19, 2023
『ナゾロジー』というウェブサイトに金曜日に掲載された『ニューヨークが「高層ビル群の重さ」で沈み始めていると判明!』という記事がそれですが、同記事が引用しているのは次の記事です。
New York City Could Be Sinking Under The Weight of Its Skyscrapers
――― 2023/05/17付 science alertより
New York City building weight contributing to subsidence drop of 1–2 millimeters per year
―――2023/05/17付 PHYS ORGより
これらの “science alert” や “PHYS ORG” によると、米国地質調査所の地質学者トム・パーソンズ氏はロードアイランド大学の3人の海洋学者らと共同で、ニューヨークが摩天楼の重みで全体的に沈んでいることを、衛星データなどから解明したのだそうです。
これらの記事によると、都市そのものの重みで地盤沈下が発生する現象についてはほとんど研究が進んでいないようですが、ニューヨーク市に関しては年間1~2ミリメートルの割合で沈下している、というのです。
年間1~2ミリと言われると、あまり大したことがない問題だと思うかもしれませんが、年間1ミリということは、10年間で1センチです。しかも、これはあくまでも平均値ですので、地点によってはもっと大きく沈み込むこともあるかもしれません。
ちなみにこれらの記事によれば、パーソンズ氏らの研究ではニューヨーク市にある100万棟以上の建物の累積質量は7640億㎏であるとしつつ、年を100㎡のグリッドに分割し、重力がもたらすそれらの質量の下向きの圧力を計算した、としています。
しかも、あくまでも今回の試算は建物の重量のみに基づいて行われたものであり、道路や橋、鉄道(地下鉄など)の重量は含まれていません。
ちなみに沈降している都市はニューヨークだけではなく、たとえばインドネシアの首都・ジャカルタに関しては地下水の採取などにより、地点によっては年間、なんと11㎝ずつ沈下しているのだそうであり、「2050年までに水没する可能性がある」(science alert)というのです。
なかなかに恐ろしい話ですが、こんな話を聞くと、ネット上ではこんな心無い反応があるようです。
- 「沈んじゃうならもっと高いビルを建てれば良いじゃない」。
- 「空中要塞を作ろう!」
- 「いっそのこと海中都市にしちゃえば良いのでは?」
- 「2階が1階になるだけの話さ」
- 「すべてのビルに風船を付けよう!」
…。
「沈んじゃうならもっと高いビル建てればいいじゃない」
— &NAME (@andidentifier) May 19, 2023
全てのビルに風船をつけよう pic.twitter.com/1FlT8XXla9
— 革命家ドフゴン (@dof_gon) May 19, 2023
— ネオジム (@NeodymiumP) May 19, 2023
ちなみに東京の場合、一説によると、地下に大量の水が含まれており、その上にプカプカ浮いているのだそうです(本当でしょうか?)。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
ツイート @新宿会計士をフォロー
読者コメント一覧
※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。
やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。
※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。
※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。
当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
コメントを残す
【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
東京全体がどうなっているかは分かりませんが、東京駅なんかは地下ホームが地下水の浮力で浮かびそうになっていて、アンカーを打ち込んで地盤に必死にしがみついている状況、って言いますね。
関東在住の鉄道系ユーチューバーには鉄板のネタですね。横須賀線・総武線快速のホームのほうがヤバイらしいです。
東京駅が水没する!地下ホームが抱える爆弾級の問題がヤバいwww – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wnIeF2OgZhI
検索すると、ほかにも解説した動画が山ほど出てきます。
詳しい方がいれば教えてください。
限られた面積のなかで、多くの建物を建てようとしたら、高層化するしかなく、そうなれば、いつか地盤が限界を向かえるということでしょうか。それを避けるためには、オンラインで分散するか、(どの国にも属さない)公海の海上(または海中)に、浮遊移動都市をつくるしかないということでしょうか。(確か、国に税金を納めないように、公海上に本社を置こう、という発想があったはず)
空中都市 008 を想起しました。
ググって画像検索させて数多くの結果に満足を得ました。今や文章力を備えた生成 AI が既存職業を脅かしつつあることを考えると感慨深いです。
「詳しい方」でもなんでもありませんが。
マンハッタン島はひとつの強固な岩であるため高層建築を建てるのに向いている、と聞いたことがあります。それが事実なら普通の軟質な地盤であればひとつひとつのビルがてんでに埋まっていくのではないのかな、などと想像します。
引きこもり中年様
アイソスタシーというヤツでしょうね。
「ネコは液体か?」じゃないが、固い地面も、流体的性質ももってるようで、
陸地というのは、軽い大陸地殻が重いマントルの上に浮かんでると見ることが出来るそう。重いものを載せると、船の喫水が下がるように沈み、荷を下ろすと浮力で元に戻る。
スカンジナビア半島は氷河期には二千㍍の厚さの氷床を載せて、その重みで沈んでいたのが、氷が溶けた後は隆起を続けて、未だに年間1,2㎝の速さで、元の釣り合いに戻りつつあるんだそうです。
二千㍍もの氷床の重さに比べれば、摩天楼の総重量なんて、知れたものでしょうから、この先、と言っても何百、何千年先でしょうが、何㍍も沈まぬ先に、マントルの浮力と釣り合いが取れて、沈下は止まるんじゃないでしょうか?
東京の方が深刻
原因は地下水の汲み上げが定説です
環境省 令和3年版
https://www.env.go.jp/water/jiban/directory/13tokyo/kantouminami/index.html
うるせえよ
東京の方が〜とか、な
食料自給率も、ガラパゴスカロリーベース論信じてそうな人だなww
ずいぶん知性がある方のようですね
どちらの保育園を卒園ですか www
そんな差別的なあなたはIQなんぼ?
低学歴ならとにかく見下そうとするの、左翼と一緒だなww
ここまで噛み合わない回答にワロタ
マンハッタンの開発はそもそも岩盤の上を選んで始められたと聞いた覚えがあります。東京というか江戸はというと、元が平地どころか湿地ですしね。岩盤すら沈み込ませるのを驚くべきか、沈下とお付き合いを続ける東京に驚くべきかという感じですが、それぞれがその場所の問題を把握して対処を考えているというのは良いことですね。
ちなみに参考資料
KOEI 令和2年版
https://sangokushi-fun.com/sangokushi14/bushou-14/data1410987/
地盤の沈下は、昔から何処にでもある事です。その原因も様々のようです。ニューヨークが沈下しているという学者のレポートもそんな報告の一つでしょう。
所で、ビルや家などの基礎杭ですが、先端支持杭と摩擦杭とがあるそうです。先端支持杭は、固い岩盤まで杭を到達させるもの、摩擦杭は、土と杭の摩擦力で建物の重量を支えるもの、だそうです。
マンションが傾く事件がありましたが、杭が岩盤まで到達していなかった部分があったからです。
東京は、地表から岩盤まで1,000m位あるから、そんな所まで杭は打ち込めないから、東京の建物は土に浮いているようなものだという話を聞いた事があります。タワマンは、どうなっているのか?知りませんが。
ニューヨークのビル群もどうなっているのか?もし杭が岩盤まで届いているのであれば、地盤沈下の原因は、ビル群の重量が原因では無いでしょう。ビル群と地盤の間に隙間が生じることになります。
ネットで調べたら、タワマンは岩盤まで杭を打っているようです。湾岸などの埋立地にタワマンが多く建っていますから。地盤の固い所では、杭を打たないベタ基礎もあるらしいです。以前、隣の空き地にタワマンを建設していましたが、基礎の杭打ちに1か月程掛けて、次に地下階を造るのに1ヶ月、それから地上階を作り始めたら速かったです。地上階は、鉄骨の組み上げですから、鉄骨を、組み上げたら壁面パネルの貼り付けで構造は出来上がり。あれよあれよという間に60階まで出来ました。
私は土木工学を専攻して卒業したのですが「沈んじゃうならもっと高いビルを建てれば良いじゃない」なんて、愚かな発言としか思えないですね。
一応、真面目に回答します。
土は、土粒子と間隙で構成されており、間隙には水と空気が入り込んでいます。
このような土、特に平野部にあるような堆積物(含水率の高い粘土等)は「圧密沈下」といって、上載荷重をかけると間隙にいる水分が逃げるため、沈下を引き起こします。
土木構造物ならば、例えば「プレロード」といって構築する構造物より重い上載荷重を仮設の盛土などであらかじめかけておき、圧密沈下を促進させるか、あるいは柱状改良などの地盤改良を施すかしています。
また杭を打って支持層に到達できるのであれば「支持杭」で支えることもできるし、杭を打って周辺地盤の摩擦力で支える「摩擦杭」という手もありますね。
ただアメリカの場合だと、高層ビルを建てた歴史も古いから、現在の基準から外れる「既存不適格」のようなケースもあるのかもしれませんね。
ナゾロジーは索引としては面白いんですけど理屈の説明は軽めなんですよね。
ニューヨークが水没するなら、ヴェネチアみたいにビル間を船で移動すりゃいいんじゃないですかね。ついでに排水用の風車も作ってみたり。
観光客にもウケがよくていいかもですよ。(笑)
年間1mmの地盤沈下なら100年で10cm程度なんで人類時間では十分な時間がありますね。
記事にも書いてますけど気候の変化による海面の上下もあります。
今ある地面は永遠に存在するはずだ、と思って必死に現状維持の努力をするもよしですが、人間の努力も限界があるんで最後は自然のあるがままを受け入れざるを得ないときが必ず来ると思いますけどね。
受け入れる前に人類がいなくなる可能性もありますけど。
銀河鉄道999の 「底なし都市」 を思い出した。
銀河鉄道999 第99話 四次元エレベーター – 東映アニメーション 作品ラインナップ
https://lineup.toei-anim.co.jp/ja/tv/999/episode/99/
>『底なし都市』は、ビルが地上と地下に極限まで伸びたところ。そこでホテルにチェックインした鉄郎とメーテル。だが、 ホテルのエレベーターは何故か 「使わない方がいい」 らしい。
銀河鉄道999の停車駅 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E9%89%84%E9%81%93999%E3%81%AE%E5%81%9C%E8%BB%8A%E9%A7%85
>底なし都市
>多くのビルが建っているが、そのいずれも最下階が見えないところからこの名がある。999号が停車したステーションホテルも同様であり、鉄郎はボーイの忠告を無視してエレベーターに乗り、四次元空間に迷いこんでしまう。
2016年の記事ですが、首都の北京市は、10年間で80センチ沈下とあります。
地下水がなくなり、飲料水が確保できなくなれば都市を放棄をでしょうが
中国を見ると地盤沈下などは、そんなに深刻な問題ではなさそうですね。
https://jp.reuters.com/article/idJP00093300_20160803_00420160803
「ニューヨークのマンハッタン島が沈みつつある」と言っても「何に対して沈んでいるか」を特定しないと意味のない議論になってしまうでしょう。
直近の氷河期の2万年前、ニューヨークのマンハッタン島は1㎞以上の厚さの氷に覆われていたそうです。 恐らくそれの重さは高層ビルよりも重かったと思います。
https://www.newyorknature.us/ice-age-new-york/
が、件の氷河期の2万年前では「海面水位」が現在よりも100m低かったし(水は陸の上を「氷河」として覆っていりしたから)、昨今は現在進行形で極地方の氷が溶けているので地球全体で平均海面水位は上昇中ですしね。
さらに、この大地である地殻も所詮は地球のマントルという長い時間軸で見れば液体状の物質の上にプカプカ浮いている船のようなモノですので、重量のある荷物を積み過ぎれば沈むのも道理でしょう。
1~2mm/年沈下? ウン億年もすれば海の底であった所がヒマラヤ山脈のてっぺんになるのだから、それを信じて頑張りましょう。何を頑張ればよいのか分かりませんが、少なくとも生きている間に海の底になることはなさそうです。
人から聞いた都市伝説。
関東大震災から100年が経ったけれども未だに起きないのは、東京のビルの重みで地盤が抑えられているから。
信じるか信じないかはあなた次第w
実際、関西国際空港の沈降対策がジャッキアップでしたね。
日本のゼネコンにメガフロート技術で施工してもらって再開発しましょう