ノーベル賞受賞者は沖縄科学技術大学院大学の客員教授
昨日発表された今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者・スバンテ・ペーボ教授は、ネアンデルタール人など「絶滅したヒト科の生物」のゲノム解読などを通じ、現生人類の進化に関する非常に重要な功績をあげたとされています。また、このペーボ教授は日本の沖縄科学技術大学院大学(OIST)の客員教授だそうですが、OISTといえば2019年6月に財務省から「高コスト体質」と批判された大学でもあります。
目次
ノーベル生理学・医学賞にペーボ教授
昨日は2022年のノーベル賞の皮切りとなるノーベル生理学・医学賞に、「絶滅したヒトのゲノムおよび人類の進化」に関する発見という業績をあげた、独マックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ(Svante Pääbo)教授に授与されました。
ノーベル財団の公式ウェブサイトに掲載されたプレス・リリースを紹介しましょう。
Press release: The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2022
―――2022/10/3付 ノーベル財団HPより
リンク先の記事、「知的好奇心」という観点からは、大変に興味深いものです。文章の書き出しを意訳すると、こんな具合です。
「我々はどこから来たのか、そして以前の人々とどのような関係があるのか。私たちホモ・サピエンスは、他のヒト科の動物と何が違うのか――。人類は常にその起源に関心を抱いてきた」。
ノーベル財団によると、ペーボ教授は現生人類の絶滅種であるネアンデルタール人のゲノム解読を成し遂げ、これまでに存在が知られていなかったヒト科の動物「デニソワ(Denisova)人」を発見。約7万年前にアフリカから移住してきたホモ・サピエンスに、これらと共通の遺伝子が受け継がれていることを突き止めたのだそうです。
私たちはどこから来たのか――進化の歴史
この研究の意義は、生理学的分野(たとえば「感染症に対する免疫系の反応に対する影響」など)とも密接に関連するほか、現存するヒトと絶滅したヒトを区別する遺伝子の違いを明らかにしたという意味では、「古生物学」というまったく新しい学問分野を切り開いた格好だ、というのがノーベル財団の説明です。
ちなみに、「私たちはどこから来たのか」と題した一節も、大変興味深いものです。
- 人類の最も近い親類であるネアンデルタール人はアフリカ以外の地域で進化し、約40万年前から3万年前にかけ、欧州・西アジアに居住していたが、絶滅してしまった
- 約7万年前、ホモ・サピエンスの集団がアフリカから中東を経て全世界に広がっていったが、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人はユーラシア大陸において数万年にわたり共存してきた
こうした点を踏まえるならば、なぜネアンデルタール人が絶滅したのか、そのネアンデルタール人と現在の人類にはどのような関係があるのか――については、興味が尽きないところです。
ただ、絶滅したネアンデルタール人のゲノム情報の解読は、一見すると不可能にも見えます。なぜなら、「DNAは時間とともに科学的に変化し、短い断片に分解されてしまい、何千年も経過すればDNAは微量しか残らないし、残ったDNAも細菌や現代人のDNAで汚染されてしまう」からです。
これについてペーボ教授は、1990年にミュンヘン大学に採用されて以来、新任教授として古代DNAに関する研究をつづけ、ネアンデルタール人のミトコンドリアから採取したDNAの断片を何千と集めるという手法で、4万年前の骨の一部からミトコンドリアDNA配列を入手することに成功した、というのです。
「このような手法で、私たちは初めて絶滅した親族のDNA配列を入手することができたのである。現代の人類やチンパンジーと比較した結果、ネアンデルタール人は遺伝的に異なることが証明された」。
DNA解析のための新しい技術を開発
ただし、小さなミトコンドリアゲノムの解析で得られる情報は限られているため、ペーボ教授はライプチヒにマックス・プランク研究所を設立し、古代人の骨からDNAを分離して分析する方法を着実に改良し、DNAの塩基配列を効率的に決定するための新しい技術を開発。
2010年には最初のネアンデルタール人ゲノム配列の発表に成功し、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの共通祖先が約80年前に存在したことを突き止めたのだそうです。
こうした流れで南シベリアのデニソワ洞窟で採取された指の骨から、今まで存在が知られていなかったデニソワ人の存在が発見されたほか、各地のネアンデルタール人と現代人の関係の研究が進んだところ、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが数千年間共存し、交配していたことが判明。
すなわち、ホモ・サピエンスがアフリカから移動してきた時代、ユーラシア大陸には少なくとも2種類の絶滅したヒト科の動物(ユーラシア大陸西部のネアンデルタール人、東部のデニソワ人)が生息しており、ホモ・サピエンスがアフリカ大陸からユーラシア大陸に移動し、ネアンデルタール人、デニソワ人とも交配した、というのです。
何とも興味深い話ですね。
OISTの客員教授
さて、この話題に関連し、ノーベル財団のウェブサイトにあるもうひとつの重要な記述がこれです。
Svante Pääbo was born 1955 in Stockholm, Sweden. He defended his PhD thesis in 1986 at Uppsala University and was a postdoctoral fellow at University of Zürich, Switzerland and later at University of California, Berkeley, USA. He became Professor at the University of Munich, Germany in 1990. In 1999 he founded the Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology in Leipzig, Germany where he is still active. He also holds a position as adjunct Professor at Okinawa Institute of Science and Technology, Japan.(下線部は引用者による加工)
沖縄科学技術大学院大学(OIST)という名前が出てきますが、 “adjunct professor” はこの場合、「客員教授」という意味でしょう。ちなみにOISTの日本語版ウェブサイトにはペーボ氏の肩書は「教授(アドジャンクト)」と記載されています。
このOISTと聞くと、どうしてもこんな記事を思い出してしまいます。
東大抜いて日本1位、世界9位のOISTは「高コスト」? 財務省指摘に大学側は成果強調
―――2019年9月13日 11:13付 琉球新報DIGITALより
今から3年前に琉球新報に掲載された記事によれば、財務省が同年6月に公表した予算執行調査でOISTを「高コスト構造」と指摘したことに関し、内閣府で開かれたOISTの諸課題を議論する検討会で、OIST側が反論したのだそうです。
「高コスト」批判の財務省に対するOISTの論理的反論
OISTの言い分は、こうです。
「(他と比べて)高コスト体質だから、それを改めなさいという結論に一気になっている。(コストがかかっても研究水準を高める)政策的な判断、価値判断が見られない」。
まさに、これに尽きるのではないでしょうか。財務省といえば、景気悪化時に消費税等の税率を引き上げる、という、ある種「どうしようもない」利権官庁のようなものですが、単純に「増税は善」、「財政支出は悪」という意識で凝り固まっているようにも見受けられるからです。
ちなみに琉球新報によると、OIST側は「世界最高水準の教育・研究拠点を目指すOISTと他大学を比較することに疑念を呈し」、高コスト構造の抜本的な見直しを求められたことについても次のように反論したのだそうです。
- 設立から8年という短期間で卓越した研究成果を上げている
- 質の高い論文の割合を調べた英科学誌ネイチャーの調査で、東大を抜いて日本1位、世界で9位になった
- 経費効率は世界の競争相手と同等だ
このあたり、当ウェブサイトでは普段から、文部科学省が霞が関の天下り先維持のため、いわゆる「F欄」と呼ばれる大量の私立大学の設立認可を出しているのではないかとの仮説を提示してきました。
「私学振興助成法」に基づき、私立大学に対しては、教育経費の最大半額が国費から補助されるため、大学を設立すること自体が一種の利権と化している可能性があるのです。
また、私立学校のなかには、定員を維持するために、中国などからの留学生を強引にかき集めて入学させているような事例も見受けられるのですが、正直、文科省やF欄大学の雇用などの利権を守るために文教予算を食い潰すというのは、国家戦略として適切なのか、冷静に考えてみる必要はないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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ペーボ教授のなしとげたことは、一見すると、考古学分野の業績に見えます。これまでこのような分野でのノーベル賞受賞は無かったのではないでしょうか?ただその手法がDNA分析という緻密なもので、我々現生人類の医療などにも応用可能だということでの受賞なのでしょう。考古学ファンでもある自分にとっては嬉しい限りです。
非常に広い意味では考古学分野に(も)属する研究業績と言えないことはありませんが,普通の意味での考古学の成果ではありませんね.
寧ろ,生物の進化学に関する業績と言うのが適切でしょう.我々の社会にとって最も重要なホモ・サピエンスという生物種の進化に関する極めて重要な疑問について答えた業績だということです.あるいは(文化論的とか言語学的とかでなく)生物学的に見た人類に関する人類学,つまりは(文化人類学との対立項としての)自然科学的な人類学の業績ですね.
言い方を変えると,現在のホモ・サピエンスの遺伝子の由来についてホモ属に属する他の種との交配の有無や交配があったとすれば一度だけだったか否かという重大な疑問に答えた研究だということです.
2位じゃダメなんです。の証拠ですね。
国民側から見ると「財務省は経済理論に沿っていないし、どうしようもねぇな」というのは間違いなくあると思う一方で、官僚と普段接する機会が多い人間からすると「財務省、ちょっとかわいそう」というのもある気がしています。
(元々、私が議員会館で働いたり、教養区分合格後に「財務省の所轄分野面白いな」と思いOBOG訪問をしていた手前、人情が入っているといわれればそれまでですが。)
まず、官庁一般として、官僚による立法案の作成から施行まで国会を通す必要性や事前根回しなどでラグが大きすぎることが挙げられる(だから、消費税増税の時も最悪な時期に法律の施行になった。)と考えています。
さらに、財務省自身も法学部出身者の限界を感じてはいるものの、他省庁と比較しても上意下達方式が強く、また局ごとのカラーもあるのでエリートコースとして名高い主計局→主計局→…/主税局→主税局→…(特に主税局はその専門性から一回居付くと長い人が多いです。)の法学部率が変わらない限りはどうしようもないって感じかと思います。(財務省のキャリア組は全員修士留学しますが、経済とか統計を選ぶ方もいる一方で、法学部卒で法学系を選ぶ方も多いですから、経済音痴は治らないのではないかと。)個人的な体感では、国際局とか行くと風通しが若干良い感じがしますが、どうなんでしょうって感じです。
あと文科省については、研究側と官庁側での意思疎通がうまくいっていない可能性があるかと。
研究側から文科省に科研費申請をする際に「研究の学術的意義」を書いたりしても、文科省側では専門家ではないので理解できず、結果として科研費が下りないみたいな事例はたくさんあると考えています。文科省側としては、そういう申請は素人にも分かりやすく、あとで国会追及されても大丈夫な背景を書いておいてほしいと思っているのではないかと。
また科研費申請審査の補助をしている研究員はたいてい理研出身者や教授陣が多いらしいですが、基礎研究メインの人は少ないと聞きます(これは噂程度ですが。)。
理系分野は「研究費をたくさん持っている研究者が偉いみたいな風潮」が無きにしも非ずで、政府が貧すれば基礎分野は死んでいく運命にあるのかもしれません。
>他省庁と比較しても上意下達方式が強く・・・
以前、いくつかのお役所と仕事をしたことがありますが、上記に関連して財務省は上意下達もさることながら、その役所としての意思徹底ぶりにまるで軍隊みたいだと思ったことがあります。上の方から末端の人まで言うことに全くブレがない(同じことをきいても細かいところまでブレがない)上意下達・意思徹底ぶりになんだかすごいところだなと思ったことがあります。今はどうなのか知りませんが。しかしこれと逆の役所が厚労省・・・おいおい大丈夫か?と思いました。不祥事とは言わないまでも厚労省に係るなんだかミスが多いとか動きが遅いとかいった類の報道があったりすると、今でも「無理もないな」と思ったりします(苦笑)。全ての役所と付き合いがあったわけではないので個人的な意見です。
欧州某国駐在 様
コメントありがとうございます。
就職活動をする中で、やはり今でも軍隊らしいところはあると感じました。一言一句に意味を持たせており、ここまで発言、言葉に注意しているのは、財務省、日本銀行、外務省ぐらいと思っています。
財務省は予算を精査する関係上、体力勝負の仕事でもあるので、武道経験者や体育会出身者を好む傾向があり、結果として「上司のお言葉を覆すなど考えられない」や「先輩の酒を断るなど言語道断」といった風潮が生まれているように推測します。(OBOGから「昔は内定後に『どれだけ酒が飲めるか?』なんて質問項目もあったんだよ~」という笑い話を伺ったことがあります。本当にそのような質問項目があったかはわかりませんが…。あってもおかしくないような雰囲気ではあります。)よく言えば、古典的な国士型官僚(?)が多いです。
厚労省は先輩方を見ていると財務省ほど志望動機が一致していないので、(そしてたまに「なんかわからないけど、この子面白そう!」という理由で採用するとも聞くので、)そういった入省時の背景も絡んで、意思統一が難しいのかもしれないです。
報道によればペーボ氏がOIST客員教授に就任してから日本を訪れたのは講演のための1度だけ。
OISTの質の高い論文数の順位はネイチャー誌が研究所の規模で調整したもの(規模の大きな研究所(生数字では上位にランクされる大学など)の調整後の順位が下がるのは、多くの学生に対応して助教、准教授、教授からなる教官組織が充実している=研究者としてのキャリアの浅い教官の比率が高くなるからか)。
研究教育機関に「高コスト体質」とは、意味不明。論理性が成り立ってないです。
私学助成金制度の意味が、今分かりました。今まで、何故この制度があるのか分かりませんでした。
いつか、日本の教育制度も、根本的に構築し直す必要がありますが、これが出来る高レベルな人がいるか?が問題です。
投入するリソースとアウトプットの関係は当然に評価対象になりますね、原資は税金ですから。
>投入するリソースとアウトプットの関係は当然に評価対象
上記については、表層的にはだれも異論ないと思います。
しかし、評価の実態を考えると悩ましい世界だと思います。
評価軸、尺度、評価スパン(時間軸)どれ一つとってもツッコミどっころ満載。
まあ、大発見でも大発明でもない凡庸な研究成果を”一山幾ら”で評価するものしかない。
そういう指標で評価すると高コスト体質と言うことになるのでしょうが、
それは単に予算を削るための難癖ぐらいにしか研究者は誰も受け取らないのではないかと思います。
返信の匿名様へ、元コメの匿名より
通常の意味は、そうですね。
ただ、OISTは、日本1位、世界で9伊の実績を上げているということなので、高レベルの実績を上げるには、高い費用(コスト)が掛かる、ということは、費用と実績には、比例関係にあるようです。
これは、普通に見て、正当で道理に適っているように思えます。
こういう場合、一聞、コストを掛け過ぎだ、と非難めいて聞こえる、「高コスト構造」という言葉は、使わないように思います。
コストもかかるけれど、その分、ちゃんと高い実績出しているね。
やはり、実績を出すには、お金(コスト)が掛かるんだね、というのが、当を得た言い方であるように思います。
「高コスト構造」と言う言葉から連想することは、
1.実績を横に置いて、コストだけを見て、高コスト構造と言って非難している。
2.高い実績は認めるが、コストを掛け過ぎだ。もっと、コストを掛けなくてもやれるだろう。つまり、実績を上げるのに、無駄が多い、金の使い方が下手か、何か変な金の使い方してるんじゃないか?と非難している。
という、2つの意味に取れてしまいます。
では、どうしたらいいんですか?と財務省に訊きたくなります。
一番困るのは、大学とか研究機関とは名ばかりで、少ない予算に託けて、何も実績を出さない所ではないでしょうか?
例え少額とは言っても、何も実績が無いとなれば、その予算(税金)は、全額無駄になっている訳ですから。
ペーポ教授の研究も、最初は道楽扱いされていたそうです。ということは、「今日のイグノーベル賞、明日のノーベル賞」ということでしょうか。
蛇足ですが、そのうち、日本将来性を見極める能力を測るテストが行われる気がします。(どうやって、テストで調べるのかは分かりませんが)
マックス・プランク研究所って、昔からあるよねって思ったら、マックス・プランク進化人類学研究所は1999年設立なんですね。なるほど。ってか、ノーベル財団はきちんとそう書いてくれよ。adjunct professorは非常勤教授ですね。客員教授はvisited professorって書かれるのが普通かと。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの共通祖先は約80年前じゃなくて約80万年前ですね。科学系のネタだとこういうところが気になって仕方ない自分です。
デニソワ人遺伝子ってメラネシア人の赤い縮れ毛の遺伝子でしたっけ。
上の匿名さんもおっしゃっていますが、私も「あれ?」って思って調べた口です。マックスプランク研究所って80個くらいあるんですね。
ホモ・サピエンスとネアンデルタール人、デニソワ人の遺伝子を比較すると、もう一つの未知の人類がいると説明がつきやすいと言う話を聞いたことがあります。
と思って改めて同じことを述べた記事を見つけました。
デニソワ人に見つかった未知の絶滅人類の痕跡
https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v11/n2/%E3%83%87%E3%83%8B%E3%82%BD%E3%83%AF%E4%BA%BA%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%9C%AA%E7%9F%A5%E3%81%AE%E7%B5%B6%E6%BB%85%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%AE%E7%97%95%E8%B7%A1/51085
>進化遺伝学者Mark Thomasは、「私たちはロード・オブ・ザ・リングのような世界を目にしています。
20年前くらいだったと思いますが、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの両方の特徴を備えた子供の化石が発見されたニュースを見たときの衝撃を思い出しました。
違う人類が近くにいる世界で、どんな社会が形成されていたのか、とてもロマンを感じたものです。
小説書けるよなぁと思いましたが、文才が無かったので諦めました。
ああ、フローレス人の位置づけってそういうものだったんですね。
フローレス人がミッシングリンクだとは確認されていなかったと思いますが、身長が低いので「ホビット」と呼ばれているらしいですね。
ノーベル財団が、誰に賞を与えようとも自由なので、とやかく言うことではないのですが。
ただ、ちょっと物足りないなあ、と思いました。
ネアンデルタール人やデニソワ人と、共生していた時期があった、ということまで、解明しました、と。
しかし、知りたいのは、何故、ホモ・サピエンスが生き残り、どころか、文明を築くまでになったのか?
その辺りの説明が付くようであれば、画期的な研究と言えるように思えます。
そして、頭脳・知能は発達したけれど、戦争というこんな無意味な残酷なことをやるのは、どの辺りでDNAの構造がおかしくなったからなのか?とかが、解明できていたら、最上級のノーベル賞でしょう。