銀行の「一斉格下げ」はロシアの連鎖デフォルト意識か
格付業者のフィッチは15日、ロシアの31の銀行を一斉に格下げしました。格下げ理由は「非友好国」への外貨建て債務をルーブルで支払うことを容認する大統領令などに加え、ロシア政府が銀行業務に介入するリスクを勘案したため、などとしています。いよいよロシアの「連鎖デフォルト」リスクが視野に入ってきたのかもしれません。
ロシアのデフォルト議論が本格化し始めたようです。
『ロシア財相「外貨準備の半分凍結:利払はルーブルで」』でも紹介したとおり、ロシアのアントン・シルアノフ財務相は同国の外貨準備6400億ドルのうち、およそ3000億ドルが凍結されたと明らかにしたうえで、外貨建ての国債等の元利払いをルーブルで行うこともあると繰り返し述べています。
こうしたなか、ロシア政府は本日、2本の外債に対する1.17億ドル相当の利払を控えているそうですが、この外債を巡って、「利払いが行えないのではないか」、「ルーブルで利払をするつもりではないか」、といった観測も濃厚です。
Russia says it may have to service FX debt in roubles due to sanctions
―――2022/03/14 21:59 GMT+9付 ロイターより
個人的には、外貨準備のうち、ロシアが制限なく使用できるであろう部分(たとえば人民元)を米ドルに両替し、今回の利払を乗り切る、という可能性はあると考えているのですが、それにしても元利払いは本日のもので終了、というわけではありません。次から次へとさまざまな外債の利払期限が到来します。
また、信用不安が生じているのは、ロシア国債だけではありません。ロシア国債がデフォルト状態に陥ったあかつきには、政府系の企業、大手銀行などが相次いで「連鎖破綻」するという可能性もあります。
こうしたなか、ちょっと気になる話題がありました。
Fitch Downgrades Russian Banks Following Sovereign Downgrade
―――2022/03/15付 フィッチHPより
格付業者のひとつであるフィッチ・レーティングスは現地時間3月15日付で、ロシアの銀行31社に対する「長期外貨発行者デフォルトレーティング」を「B」から「CC」に、「短期外債発行者デフォルトレーティング」を「B」から「C」に、それぞれ格下げしたと発表しました。
格下げ理由はロシア政府による「非友好国」に対する外貨建て債務のルーブルでの支払いを認めた大統領令(『ロシア「非友好国リスト」は金融制裁が効いている証拠』等参照)に加え、ロシア政府が銀行の外貨業務・預金などに介入するリスクなどを勘案したものだ、としています。
いずれにせよ、いよいよロシアの「連鎖デフォルト」リスクが視野に入ってきたのかもしれません。
もっとも、例の「非友好国リスト」自体、ロシアとしては「外貨建て債務を踏み倒す」という宣言のようなものでもあります。その意味では、ロシアの政府、企業による外債の事実上の踏み倒しは、ロシアを巡る金融の混乱の幕開けに過ぎないのかもしれませんが…。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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「自社の儲けが減るのは嫌(ウクライナ侵略など自分には無関係)」という皮算用で、制裁に難色を示している日本企業も
ロシアの非友好国リスト宣言を見て、「どうせロシア国内の資産は接収されそうだから、早いうちに撤退」という流れになりそう
欧米企業はどこも、昨年の段階でこの事態を予想して撤退準備を始めていたのに、国際感覚皆無な日本企業は行動が遅いですね
社債の格付けは国の格付を上回ることはないという原則があったように記憶している。
それを銀行にも当てはめたのかな。
♪現金いっぱい一度や二度のデフォルトなんかじゃ挫けない
でもプーチ之助さんルーブルは君んちくらいしか使えないよ?