韓国外交が状況によって振り回されるのは自業自得
「自業自得」という言葉をかみしめることがあるとしたら、それは自分自身の首尾一貫しない態度が自分自身の現在の苦境を招いたときでしょう。今朝方の『「日米韓」が消え、「日米豪印」が発生する日は近い?』では、日本が首尾一貫して「普遍的価値」同盟にコミットし続けていることが日本の外交的立場を強化しているとする仮説を提示しましたが、「逆もまた真なり」、です。
大事なのは普遍的価値観に基づき社会をきちんと運営すること
今朝方の『「日米韓」が消え、「日米豪印」が発生する日は近い?』では、当ウェブサイトとしての希望的観測も交えつつ、本日開催される第2回日米豪印外相会談が、「クアッド」と呼ばれる国際協力の枠組みを方向付けるのではないか、と議論させていただきました。
要するに、「自由、民主主義、法の支配(法治主義)、人権尊重」などの普遍的な価値観を重視する国家の同盟に向けた期待感、というわけですね。
もっとも、個人的には、米国や豪州はともかく、インドが日本と価値観を完全に共有しているのかどうかと言われれば、そこは疑問に感じます。なぜなら、インド社会にはいまだに「カースト」などの前近代的な仕組みが残っている、などと聞くからです。
また、この「クアッド」の内側に来る東南アジア諸国連合(ASEAN)にしても、ベトナムやラオスのように社会主義ないし共産主義の政党の支配が続く国もありますし、インドネシアのように国際的な約束を反故にしてしまうような国もあります。
その意味では、「日本の方向性を外国に決めてもらうこと」ではなく、むしろ重要なことは私たち日本国民自身が自由・民主主義・法治主義・人権尊重などの社会をはぐくみ、運営していくことで、これらの国々に「普遍的価値観に基づく社会はこんなに素晴らしい」というモデルを見せることではないでしょうか。
そのような観点からは、私たちは自主独立の気概を持ちつつ、普遍的価値観に基づくアイデンティティをしっかりと持つことが何よりも重要なのだと思う次第です。
インチキ外交と普遍的価値観は両立しない!
ところでこんな「アイデンティティ」という難しい言葉を唐突に出したのには、理由があります。
日本が普遍的価値観を前面に押し出した外交をやり始めたとたん、「アイデンティティ・クライシス」に陥った国があるからです。
それは、いままでさんざん、「インチキ外交」によって利益を得て来た国です。
当ウェブサイトが「インチキ外交」と呼ぶパターンをまとめ、分類したものが、次の「5つのインチキ外交」です。
「5つのインチキ外交」
- ①ウソツキ外交…あることないこと織り交ぜて相手国を揺さぶる外交
- ②告げ口外交…国際社会に対してロビー活動を行い、相手国を貶める外交
- ③瀬戸際外交…協定・条約の破棄、ミサイル発射、資産売却などの不法行為をチラつかせる外交
- ④コウモリ外交…主要国間でどっちつかずの態度を取り、それぞれの国に良い顔をする外交
- ⑤食い逃げ外交…先に権利だけ行使して義務を果たさない外交、あるいはドロボー外交
いかがでしょうか。
この①~⑤、どれを見ても、相手国を愚弄する外交であるとともに、長い目で見たら、数十年、数百年という単位で、その国自身の地位を貶める外交でもあります。
これらの外交を好む国の典型例は、北朝鮮でしょう。たとえば、「①ウソツキ外交」は「日本人拉致事件は完全に解決済みだ」、「③瀬戸際外交」は「ミサイルを発射スルスル詐欺」、「⑤食い逃げ外交」は「段階的非核化」、といったところです。
いまや、まともな国・政府であれば、その北朝鮮を国として信頼するというケースは稀でしょう。
どっちつかずは国を滅ぼす
こうしたなか、「5つのインチキ外交」のなかで、とくに「④コウモリ外交」、あるいは「二股外交」と呼ばれるものは、たんに相手国の信頼をなくすだけでなく、極めて危険な行為です。なぜなら、対立する2つの陣営に対してこの外交を取ることで、双方から敵対国認定される可能性があるからです。
こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝、こんな記事が掲載されていました。
韓国は米中対決の消耗品? ポンペオ氏が来なければ王氏も来ない
米国のマイク・ポンペオ国務長官が訪韓を取り止めたことに続き、中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長も10月の訪韓計画を保留にしたことが5日、確認された。<<…続きを読む>>
―――2020.10.06 06:43付 中央日報日本語版より
当ウェブサイトとしては、このマイク・ポンペオ米国務長官の訪韓取りやめについては、今朝、「東京で開かれるクアッド会議の優先順位が高いから、他の2ヵ国の訪問をキャンセルしてでも日本だけを訪れることにした、というのが実情に近いのではないか」、と申し上げました。
ただし、ポンペオ氏の目には韓国の優先順位が低く映っている、という点に関してはそのとおりでしょう。
この点、中央日報によると、中国の王毅(おう・き)外相は10月の訪韓について、駐韓中国大使館関係者に質問したところ、
「王毅部長の訪韓は確定したものではなかったので取り止めと表現するのは適切ではないように思う」
と述べたのだそうです。
この言い方だと、「最初から決まっていない」という表現ですね。
そういえば、当ウェブサイトでも『日本企業は不公正で予測不能な市場から今すぐ撤収せよ』で「王毅氏が10月上旬に訪日を予定している」とする時事通信の報道を紹介しましたが、これ自体、後日、茂木外相らが否定しています(『菅外交は米豪印・アジアを重視、中国軽視、韓国無視?』等参照)
これらを合わせて考えるならば、王毅氏はポンペオ長官の動きに合わせて、実際に日本と韓国を訪問しようとしたものの、日本政府からは拒絶され、やむなく韓国のみを訪問しようとしたものの、ポンペオ氏が韓国訪問をキャンセルしたため、王毅氏も訪韓をキャンセルした、というストーリーが成り立ちそうですね。
いずれにせよ、このポンペオ氏、王毅氏の訪韓キャンセルという流れは、韓国が「わざわざ訪問するだけの重要性がない」と米中両国から判断されたという見方も成り立ちます。
あくまでも当ウェブサイトの勝手な主観的意見ですが、当初、ポンペオ氏が訪韓する目的は、韓国に対して「中国と取るのか、普遍的価値を取るのか」という踏み絵を迫る目的もあったのではないかと思います。
しかし、大統領のコロナ感染という非常事態にあって、ポンペオ長官が不要不急の外国訪問を控えなければならなくなった際、韓国は「不要不急の訪問国」とみなされたのだとしても不思議はありません。なぜなら米国にとって、韓国は普遍的価値にコミットしてくれる国ではないからです。
この事情は、中国にとってもまったく同じです。
王毅氏がコロナ禍のさなか、外国を訪問しようとする最大の動機は、韓国こそが「普遍的価値同盟」のウィークリンクだと知っているからであり、米国の要人訪問に合わせて訪問することで、このウィークリンクを牽制しようとする狙いがあるからでしょう。
中央日報「韓国外交が状況によって振り回される」
これについて中央日報は、「ある外交消息筋」の話として、こう述べます。
「ポンペオ長官の訪韓や王毅外交部長の相次ぐ訪韓は、両国の対決に同盟を結集し、これをけん制することに焦点が合わされていた。初めから韓半島(朝鮮半島)状況とは関連性はあまりなかった」
おそらくこの見方が正しいのでしょう。そのうえで、中央日報は
「結果的に米中外交トップの相次ぐ訪韓の取り止め事態で、韓国外交は状況によって振り回される米中対決の消耗品に転落したという批判が出ている」
と、韓国政府を批判するかのような文章を掲載しているのですが、これも逆ギレの類いでしょう。
「韓国外交が状況によって振り回される」のは、韓国政府のこれまでの首尾一貫しない態度の累積がもたらしたものであり、そうした韓国政府の首尾一貫しない態度を支持してきたのも中央日報を含めた韓国メディアであり、韓国の有権者自身です。
その意味では、今日の韓国の現状は、「自業自得」のひとことに尽きるのではないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
>韓国外交は・・・・米中対決の消耗品に転落・・・
「消耗品」というより「刺身のツマ」でしょうね。ちなみに辞書には、「刺身のツマ」とは「特に必要のないものの喩え」とあります。
金魚のフンもしくは捨て駒ともいいますかね。
捨て駒なら役に立ちますが、邪魔駒にはならないで欲しいです。
更新ありがとうございます。
韓国は「インチキ外交」「騙し屋外交」クライシスですね。やる事なす事すべて最悪パターンでブーメランが返って来る!(爆笑)
ポンペオ長官「大統領の健康面もあるし、プラス2日は空けれない。日本だけにしよっと。馴染みも多いし、悩むこと一切無いわ。文の奴に合わずに済むな」
王毅外交担当国務委員「ポンペオ長官が来ないなら、韓国なんぞ行く必要ナシ。日本には行くかどうか考える」ではないかと。
こんな時、二股はツライのぉ〜。どちらからも万全の信頼貰って無いから、スグ切られる。中央日報が言う通り、『消耗品』(使い捨て)なんだよ。日本は韓国をそうは思ってない。『嘘つき、クズは要らない』の。消耗品でもないし、まるで関知しない。
心配なのはアメリカよりも中国の方が韓国の事をよく知っているって事です。
朝鮮戦争の時も中国軍は各国陣営の中で必ず韓国陣営を攻めてきました。そしていつもその作戦は成功し連合国側の陣営を総崩れにしました。
Kの法則を侮る事なかれ!
ただでさえヤバイ国際環境・ヤバイ立場なのだから、米中どちらからも相手にされないのは韓国にとってラッキーと喜ばないといけません。対立組織全面衝突待った無しの鉄火場に引き据えられ、「オラどっちにつくんじゃワレェ!」と問い詰められ指詰められの状況にならなかっただけ良かったじゃないですか。まぁ、今のところは、ですがね…。
>「オラどっちにつくんじゃワレェ!」と問い詰められ指詰められの状況に
三不やGSOMIAで、すでにそういう状況になっているのに、韓国だけは気がついていない(ふりをしている?)ともいえます。そういう世界ならすでに何本か指はなくなってます。詰問される回数が1回減っただけでもラッキーなのは間違いないですが。タイマンでやられるのより多国間協議でやられる方が韓国的にヤバいので、そういうときは徹底的に逃げるでしょうから、逃げ道を塞いでおかないといけませんね。
ケロお様
おっしゃる通り、既に「どっちにつくんじゃ!」ではなく「もうネタは割れてんだよ…」段階かもしれません。指ではなく、靴の問題で、「バケツのコンクリ履いて、海まで散歩に行こうか?」ということになる…のでしょうか。
韓国外交は、内政の延長の乞食外交だと言えるでしょう。何も貰えない相手と話すことは、意味が無いんですね。
今回もポンペオ国務長官が来れば、米朝対話の再開をして貰いたいし、王毅外相が来れば、習近平主席に来韓して欲しいという話が、韓国にとって重要な話で、クワッド云々の話をされるのは、得する事が無いので、嫌なんだと思います。
ポンペオ氏も王毅氏も、韓国に何かをあげる為に訪韓しようと考えている訳では無いでしょう。
韓国(朝鮮)以外の国の外交は、「ギブアンドテイク」で成り立っていますから、韓国が嘘つきで、付き合うメリットが分かれば、何処の国ともぎくしゃくするんだと思います。
本記事で引用されている中央日報の元記事には、もっと呆れる話が書いてありました。
https://japanese.joins.com/JArticle/270858?servcode=A00§code=A30
–引用はじめ
ポンペオ氏の訪韓で金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長とサプライズ会合のような「オクトーバーサプライズ」に対する期待は、韓国の一部の希望事項にすぎなかった
–引用終わり
そんな期待しとったんかい!!
北の翁主様だってそんな話には乗らんだろうに。どこまでも自分(だけ)に都合の良い妄想を逞しくする民族なんだなぁと、改めて痛感しました。
龍さま
してたんです。
思いもつかない斜め上。
乞食外交。
バカめ、と言ってやれ
ロイターから
日韓が8日から往来再開、ビジネス目的の長短期滞在者
https://news.yahoo.co.jp/articles/52b039a363fb185e2a935206551dfb3410abd00e
最悪なニュースだと思いますが、間違い無い様です。
ビザでどう制限するかに、掛かって来ました。
コウモリ外交やるんなら双方からあまり価値がない鶏肋だと思われるようにしとかないと危ないから、韓国外交的には今の状況は歓迎すべきではないですかね。影で北とイチャイチャしてればいいのだわ。
ジェインはご機嫌ななめ
キムとイチャイチャ してるところを 見られちゃったーわ♪
「誰か私に意地悪してるんじゃない?」は、韓国に嵌まりますね。
ジェインが自分の妄想を歌ってるだけだと思うと背筋が寒くなりますね。
アメリカは「本気で中国潰すモード」に入ったようですが、それに気づかずまだ「中国!中国!バランス外交!」なんて言っている韓国はかなりヤバい気がします。
歴史的経緯はあるんでしょうが、なぜそこまで中国を恐れるのか今一つ理解しかねるところもあります。
どうせどこかの属国としてしか生きられないなら完全にアメリカの子分になったほうが、中国の顔色見てビクビクしているより楽だと思うのですが。
しきしま様
>中国の顔色見てビクビクしているより楽だと思うのですが。
朝鮮は歴史的に他に従属してきたため、自分で考え自主的行動をとり責任を負うという過程を学習していないものと推測しています。にもかかわらず分不相応な独立国として存在し、非常に不安な状態に置かれています。そのため強圧的に命令する上位者を社会的・心理的に必要とするのだと思います。
隷属し、かつ責任を転嫁する対象として、やはり馴染みの中国の方が座りがよい、という事なのでしょう。米国は民主主義を標榜しているため、自主を尊重する建前を崩せません。提案→合意というプロセスを必要とし、それが自決能力の未成熟な韓国にはストレスなのだと思います。中国は命令し、韓国は受領するのみです。考える必要はありません。文句だけ言っていればよいのです。いつも不平をこぼしながら自主的行動は起こさず、辞めることもない社畜のようなものです。
自転車の修理ばかりしている 様
>いつも不平をこぼしながら自主的行動は起こさず、辞めることもない社畜のようなものです。
まったくもって同感です。
で、ちゃんと仕事するならまだしも、サボってばかり。
中国関係ないですが、自動車の生産ラインでスマホでサッカーの試合見ながら仕事している、という話を聞いたときは開いた口が閉じませんでした。
かつて聞いたアメリカンジョーク
「月曜日に作られた車は買うな。休み疲れでミスが多い。金曜日に作られた車は買うな。休みの予定で気もそぞろだ」
>スマホでサッカーの試合見ながら仕事している
ひらめいた!つまりサッカーの試合のない日に製造された車を買えばまだマシということ!
「えーコレ録画だしー?」「あ、これストリーミング」
ダメだったー!
自転車の修理ばかりしている さん
>いつも不平をこぼしながら自主的行動は起こさず、辞めることもない社畜のようなものです。
社畜ではなく特定野党議員を連想しました。
韓国は?と思ったけど、韓国はマジキチメンヘラリスカブスだから不平をこぼした後はリスカするかテロするかって気がしますね。
彼の国がやっているのは外交ではありません、国内の人気取りです。
外国に行って国民(しかも支持者)しか見ておらず相手国を見ていません。
そのため、いきあたりばったりになるのです。
中国は従属国に対して飴(結局毒入りだけど)と鞭を使い分けるという印象ですが、韓国に対しては…なんというか、本当に一切、無駄な飴はやらないんですね。鞭は些細な事にも速攻なのですが。おそらく一番正しい”使い方”なのでしょうね。
相次ぐ訪韓の未達は・・
両国によるマーキング合戦の終焉なのか?
終わりの始まりを告げるシグナルなのか?
*二重スパイの末路は消されるのみです。
国際法無視外交
逆ギレ瀬戸際外交 まだまだありそうですね。
けしからんという気持ちの琴線に触れると溢れ出す葛藤が抑えられない、国民情緒を優先してるのが背景なのでしょう。
それにしても、日本がイージスアショアを日本海側にずらっと配備したら、脅威に感じて、葛藤が沸き出しますよね。