老人医療3割化に手を付けられるか=高市政権の試金石
高市早苗総理が就任してからもうすぐ1週間が経ちます。この1週間、当ウェブサイトではマスコミに関する話題がいささか多かったのですが、当ウェブサイトで最近、精力的に取り上げて来た「税社保高過ぎ問題」を、決して忘れているわけではありません。いや、むしろこれからが本番です。こうしたなかで、本稿では改めて健康保険の2つの問題を取り上げるとともに、読売新聞が日曜日に報じた「後期高齢者3割負担」について考えておきたいと思います。
目次
マスコミ問題に焦点が当たった
イチ押し記事のテーマは「税社保高すぎ問題」
当ウェブサイトでは、少し前からウェブサイトのトップページに『イチ押し記事一覧』というものを常時掲載するようにしています。
最近のイチ押し記事(現時点)
これらの「イチ押し記事」は、現在の日本で税金や社会保険料の負担があまりにも重すぎること、そしてとくに高額納税者ほど、異常に高い公租公課を負担させられたことに対する見返りが少なすぎることを説明するために執筆したものです。
さて、これら「イチ押し記事」については、「これから随時入れ替えていくよ」、と宣言していますが、それは同じ論点についても重ねて記述していくと、より表現がブラッシュアップされ、わかりやすくなるからであり、著者自身もどんどんと更新していくつもりでした。
とりわけこれらを執筆した時点では、自民党の党内では旧宏池会・財務省支配が続き、増税路線を継続する可能性が高く、だからこそ当ウェブサイトもネット側から「増税ファシスト」に対抗し得るための理論武装を整え、きたる選挙に備え、一時的に「減税サイト」に衣替えする覚悟もあったのです。
高市氏が選ばれたことで生じた番狂わせ
ところが、これらについては、最近はあまり更新ができていません。
なぜなのかといえば、①著者自身が怠惰だから、というのが最も大きな理由ですが(笑)、それだけではありません。やはり最も大きな理由は、②著者の想定に反し、石破茂首相(当時)の後任に小泉進次郎農水相(当時)ではなく、高市早苗氏が選ばれたからです。
今だから明かしますが、著者としては、これらのイチ押し記事を執筆していた時点で、石破氏の次の首相には小泉氏が選ばれる可能性が非常に高いと踏んでいました。自民党は2024年9月の総裁選の時点で、石破茂氏という「最悪の禁忌肢」をわざわざ選んだくらいですから、同じミスを繰り返すと予想したのです。
しかし、こうした個人的予想に反し、現実には高市早苗氏が総裁に選ばれ、その後は公明党の連立離脱などのサプライズもあったものの、自維連立が成立し、しかも衆院側では1回目の投票であっさりと高市氏が総理に選ばれたのです(『北条政子さん以来約八百年ぶり「女性行政トップ」誕生』等参照)。
高市氏が自民党総裁に選ばれたことについては、まさに自民党が崩壊のすんでのところで踏みとどまった格好であり(『高市総裁誕生…とりあえず首の皮一枚つながった自民党』等参照)、正直、自民党政権がこれから信頼を回復するのはなかなかに大変です。
しかも高市総理は自民党の党内基盤も弱く、いかにして「オール自民」として総力を結集していけるかが大変大きな課題だといえます。
この1週間はマスコミネタばかり!
ただ、それと同時に高市内閣発足からの1週間弱で、早くもさまざまな動きが生じていることは事実です。
当ウェブサイトは基本的に「減税専門サイト」ではありませんので、当然、ウェブ評論的に興味深い話題が出てくればそちらを優先して取り上げていくしかありませんし、実際、自民党と政府が高市総理により大きく変化するなかで、これらに関連する話題を優先していたのも、ある意味で当然のことでもあるのです。
とりわけこの1週間前後に限定していえば、新聞、テレビを中心としたマスコミ・マスメディアに関する話題が多かったと思います。思いつくままに列挙しても、次の通り、マスコミについて取り上げた話題は少なくとも7つありますが、ほぼ毎日、何らかのマスコミネタを取り上げてきた計算です。
- 『ネットの一次情報でメディアも監視される側に転落する』(2025/10/19 05:00)
- 『「支持率下げてやる」発言を業界はどう考えているのか』(2025/10/20 12:00)
- 『公共の電波で「あるまじき発言」…一線を越えたテレビ』(2025/10/22 12:00)
- 『ネット社会はスポンサーの見解を問うのもひとつの手段』(2025/10/23 12:00)
- 『テレビ放送の非常識な暴言…最大の責任は総務省にある』(2025/10/24 12:00)
- 『問題番組打切り…総務省とテレビ業界は責任逃れられず』(2025/10/25 05:00)
- 『マスコミ腐敗権力を駆逐するのは「徹底した情報公開」』(2025/10/26 05:00)
ただ、だからといって当ウェブサイトでは、「税金高すぎ・給付低すぎ問題」を忘れたわけではありませんし、高市総理が約束したガソリン減税や「年収の壁」引上げ、さらには自維連立の条件として日本維新の会が提唱している社会保険料改革については、実現できなければ高市内閣が志半ばで倒れる原因となり得ます。
高市総理はおそらく、憲法改正や国防力強化、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」実現、さらには経済安全保障や食料安全保障、日本人拉致問題解決など、外交・安全保障分野に高い関心を持っているのではないかと思います(著者私見ですが)。
マスコミ問題はとても重要
もちろん、これらの分野は極めて重要であり、決しておろそかにしてはならないし、優先順位としても非常に高いことは間違いありません。
しかし、当ウェブサイトとして注文を付けさせていただくならば、改憲を含めた課題と同程度以上に優先順位が高いのは、やはり経済問題です。
とりわけ財務官僚を筆頭に、官僚という「国民から選ばれたわけでもない存在」が跳梁跋扈し、マスコミや特定野党議員らと結託して一種の腐敗利権を形成していることを踏まえると、これらの国内的な病巣を放置するわけにはいきません。
その意味で、くどいようですが、やはり自民党は「首の皮一枚つながった」だけの状況にあり、ここから国民の信頼を回復しなければなりません。
もっとも、本件については悲観ばかりしているべきでもないことも事実です。
『「自民党ダイレクト」本格始動で腐敗利権崩壊が加速へ』などでも指摘したとおり、現在の自民党や日本政府・各省庁は、インターネットを最大限活用し、要人記者会見などをリアルタイムかつ正確・詳細に発信し始めているからです。
このことは、新聞、テレビを中心とするオールドメディアの存在意義を薄めます。
私たち国民は、自民党広報や首相官邸などのアカウントをフォローしていれば、オールドメディアを経由しなくても必要な情報が過不足なく手に入る時代を迎えた格好です。
そして、腐敗利権というものは一角が崩れるだけで総崩れとなりますので、減税を阻んでいた世論(正確にいえば本物の世論ではなく、官製の世論)がオールドメディアの社会的影響力とともに撲滅され、役所とメディア抜きで世論が形成されます(『OSINT時代の世論形成は「役所とマスコミ抜き」で』等参照)。
高市政権が官庁やマスコミに日和って財政再建路線を歩む、といった可能性もゼロではないにせよ、高市総理自身が聡明で記憶力も高い有能な政治家であることを信じ、少なくとも著者個人としては、「サナエノミクス」を当面見守ってみたいと思う次第です。
現在の健康保険制度の問題点
健康保険の高額療養費問題
さて、冒頭でも触れた「イチ押し記事」に関連するコンテンツが、今月に入って以降、極端に減少した理由はおわかりいただけたかと思います。
ただ、税社保取り過ぎ問題についてまったく無視していたわけではありません。
その典型例が、17日付の『健康保険制度のバグを巡りネットで議論が沸騰する時代』でも触れた「高額療養費問題」です。高額療養費とは大病を患ったときなどに医療費の一部を返してもらえるという制度なのですが、所得が高い人ほど、この高額療養費の自己負担限度額が高いのです(図表1)。
図表1 高額療養費制度
| 区分 | 標準報酬月額 | 自己負担限度額 |
| 区分ア | 83万円~ | 252,600円~ |
| 区分イ | 53万円~79万円 | 167,400円~ |
| 区分ウ | 28万円~50万円 | 80,100円~ |
| 区分エ | ~26万円 | 57,600円 |
| 区分オ | 低所得者 | 35,400円 |
(【出所】全国健康保険協会ウェブサイト『高額な診療が見込まれるとき(マイナ保険証または限度額適用認定証)』を参考に作成。なお、正確な条件は同サイト参照)
標準報酬月額とは、その人の平均的な月給のようなものです(厳密には「月給」ではありませんが、ここでは簡便に「月給のようなものだ」と考えておいて良いでしょう)。
ここで「区分ア」と「区分イ」に注目してみてください。
毎月の医療費の自己負担限度額、それぞれ「区分ア」だと約25万円以上、「区分イ」だと約16.7万円以上です。これが意味するところは、大病を患うなどして大量の治療費を負担したときに、この「区分ア」や「区分イ」に該当する人は自己負担の限度額がとても高い、ということです。
いちおう正確にいえば、「区分ア」「区分イ」の場合は常に毎月25万円・16.7万円以上になるわけではなく、1年のうち3ヵ月分、この25万円の状態が続いたときには、4ヵ月目からは治療費負担が少し軽減されるという仕組みもあります(いわゆる「多数該当」、ただし条件あり)。
「高額納税者は大病を患ったら治療を諦めろ」
しかし、給料が上がって月給が83万円以上になったら、いざ病気になったときに補償が薄くなるというのは、本当にメチャクチャな制度といわざるを得ません。
たとえば「年収1000万円」≒「月給83.4万円、ボーナスなし」という人の事例で考えてみるとわかりますが、この人が40歳以上で介護保険の加入が義務付けられていた場合、手取りは年間で約728万円前後です(図表2、なお正確な金額は健康保険組合などにより異なる)。
図表2 人件費と年収と手取りの関係(40歳以上・年収1000万円の場合)
年間の手取りが728万円ということは、単純計算すると毎月の手取りが約60万円前後、ということです。
年収1000万円なのに毎月の手取りが60万円というのも驚きますが、それだけではありません。
仮にこの人(男性とします)に奥様と2人のお子さんがいらっしゃった場合は、(居住地や資産状況などにもよりますが)生活はなかなかにカツカツです。とくにお子さんの教育におカネがかかる時期で、かつ、住まいも賃貸だった場合などは、手取り60万円だと貯金も難しいかもしれません。
とりわけ民主党政権時代に年少扶養控除が廃止され、また、児童手当についても彼らが約束した「毎月26,000円」はただの1度も支払われたことがありませんし、昨年9月までは児童手当に所得制限も設けられていました。
子供が何人いても年少扶養控除がゼロとなるうえに就学支援などの各種給付は所得制限で対象外。保育園に子供を預けていれば住民税の額に応じて保育料が跳ね上がるという仕組みです(安倍総理のころに始まった幼児教育無償化で3歳児クラス以降は無償とされていますが…)。
こうした状況で、一家の大黒柱が癌を患い、入院して高度な治療を受けることになると、毎月最大で25万円を超える自己負担が発生することとなり、生活が成り立たなくなってしまうことだって考えられます。
そうなるといっそのこと、高額納税者は治療を諦め、遺族が生命保険金を貰う方が楽だ、というケースだってあるでしょう。
これって例の「遊園地問題」そのものでは?
しかし、その一方で図表1の「区分エ」と「区分オ」を見てみてください。自己負担限度額はそれぞれ57,600円~と35,400円~です。これが意味するところは、低所得者や住民税非課税世帯などは、毎月数万円で高度な最新医療を受け放題、ということです。
これに対し、健康保険料は標準報酬月額に比例しますので(※いちおう上限はありますが)、いわば、保険料が高い人ほど補償が低く、保険料が低い人ほど補償が高いという、極めておかしな逆転現象が生じているのです。
この状態をたとえたものが、冒頭の「イチ押し記事」のひとつである『クラスみんなで遊園地…「傾斜配分」が行き過ぎたら?』に出てきた、「所得が高い人ほど迫害されるクラス旅行」です。
- クラス50人みんなで遊園地に出かけることにした。標準的なプランだと入園料が1万円、プライオリティパスが1万円、合計2万円とする。
- 高所得家庭の子弟10人はひとり4万円負担させられ、低所得家庭の子弟10人はひとり1万円の負担で済む。
- 高所得家庭の子弟10人は入場券しかもらえず、園内ではプライオリティパスが支給されず、すべてのアトラクションで待たされる。
- 低所得家庭の子弟10人は入場券に加えてプライオリティパスを2万円分支給され、すべてのアトラクションで優先的に乗りたい放題。
高額療養費制度は、この「クソ旅行」と同じです。
つまり、このクラス旅行で高所得家庭の子弟は4万円負担させられているのに、園内では1万円のワンデーパスしか支給されず、低所得家庭はたった1万円の負担で1万円のワンデーパスに加えてアトラクションに優先的に乗れるパスを2万円分も支給されるのです。
低い額しか負担していない人が高いサービスを受けられる。
高い額を負担した人が低いサービスしか受けられない。
これは結局、「応能負担」と「所得制限」のコンボで、こんなおかしな状態ができてしまっている、というわけです。
もうひとつの論点は「高齢者9割引医療」
健康保険制度がおかしい、という論点は、ほかにもあります。
『数字で見る「現役の犠牲で成り立つ高齢者9割引医療」』でも取り上げましたが、現在の後期高齢者(75歳以上)が加入する後期高齢者医療制度では、基本的に加入者の7割ほどの人が、医療を9割引(窓口負担1割)で受けられるのです。
1杯1,000円のラーメンを100円で食べられる、といったたとえがわかりやすいかもしれません。
本来ならば1,000円のラーメン、たった100円であり、トッピングも贅沢に載せまくって2,000円になったとしても、それでも自己負担額はたったの200円です。食べ残しても200円払えばそれでOKです。
ただ、もちろん本当に100円で1,000円のサービスを受けているわけではありません。現実には後期高齢者医療制度は現役層が加入する健保組合から「後期高齢者支援金」などのかたちでおカネが吸い取られているのです。
たとえば、厚生労働省が公表しているいくつかの資料をつなぎ合わせると、後期高齢者医療費は2023年度で18.8兆円(おそらく直近では20兆円台でしょうか?)ですが、現役層が4割弱を、国庫や地方自治体などの公金が45%程度を負担している、という構図にあります(図表3)。
図表3 後期高齢者医療費総額とそのおもな負担割合(2023年度)
| 項目 | 内訳 | 負担割合 |
| 後期高齢者医療費総額 | 18.8兆円 | 100.00% |
| 高齢者の自己負担額 | 1兆8800億円 | 10.00% |
| 高齢者からの保険料収入 | 1兆5456億円 | 8.22% |
| 現役層などからの仕送り | 7兆1059億円 | 37.80% |
| 国庫支出金(税金など) | 5兆6861億円 | 30.25% |
| 都道府県支出金 | 1兆4850億円 | 7.90% |
| 市町村負担金 | 1兆3854億円 | 7.37% |
(【出所】「医療費総額」は『令和5年度 医療費の動向』P1の「医療保険適用」、「高齢者の自己負担額」はそれに10%を乗じたもの、それ以外の項目は厚生労働省・2025年8月25日付『後期高齢者医療広域連合の収支状況』から転載)
つまり、現役層から保険料や税金などの名目で集められた巨額の資金は、たとえば後期高齢者医療を支えるために浪費されている、というわけです。
少なくとも3割化が必要だが…?
では、どう変えるべきか
いずれにせよ、保険と名乗っていながら保険の体をなしていないのが社会保険制度なのであり、そのなかでも健康保険は高額療養費問題、老人医療費9割引問題など、さまざまな課題を抱えている、というわけです。
これについて当ウェブサイトでは、前者に関していえば「補償に差をつけるなら負担は同一にすべき」、「負担に差をつけるなら補償は同一にすべき」と考えています。すなわち少なくとも高額療養費区分ア~エはすべて廃止して区分オに統一するか、または健康保険料は所得に関わらず一律にするか、そのどちらかが必要です。
また、後者に関していえば、最終的には「生年別保険組合制度」を設置し、現在のような職域単位の組合制度を廃止し、同じ年に生まれた人が単一の組合に所属するという仕組みに変えて行くべきと考えているのです。
①高額療養費制度はこう変えるべき
補償に差をつけるなら負担は同一にする
負担に差をつけるなら補償は同一にする
②後期高齢者医療制度はこう変えるべき
職域単位の組合制度は廃止する
組合は生年別に結成し給付は組合内で完結させる
ただ、上記のうち①のうち、「同一負担」についてはこれだけでは実現が難しいため、②とセットで「生年別組合制度」を実現させるのが望ましいと思います。当然、これにはかなりの時間がかかるでしょう。
現実的には一律3割化が必要
このため、②についてはあくまでも理想論であり、現実的には、いったん後期高齢者全員の自己負担割合を3割以上に引き上げることから始めるべきです。
自己負担割合3割といえば現役層と同じであり、しかも高齢層の受診が多いことを勘案すれば、医療費の抜本的な抑制にはつながりませんが、ただ、野放図な医療費の膨張にはある程度の歯止めをかけることができます。自己負担額が増えれば気軽な受診が減る可能性があるからです。
「1杯1,000円のラーメンを100円で食べられる」という状態が300円に増えることになれば、「お腹はすいていないけれども100円のラーメンを食べよう」、「食べきれなかったら残そう」、という動機は減らせます。
また、「トッピングを載せまくって2,000円にある」というケースは自己負担額が600円に増えますので、「食べられもしないのにトッピングを贅沢に載せまくる」というインセンティブは低下します(もっとも、いうて600円ですので、やはり無駄にトッピングを載せまくって残すという輩は完全に排除できませんが)。
したがって、「高齢者医療費3割以上負担化」で野放図な医療費膨張にまず歯止めをかけ、時間を稼ぎ、その間に持続可能な健康保険制度の設計を政治主導で議論すべきなのです。
高市政権でこれができるのかどうか。
さっそく出て来た3割化への動きに注目
自維連立政権で「社保下げ」を主張してきた維新が連立入りしたこと、また、公明党が連立から離脱したことで、これがどう変わるかが注目点のひとつですが、さっそくこんな話題が出てきています。
高齢者の医療費負担、「3割」対象者拡大へ議論本格化…年内に方向性まとめる方針
―――2025/10/26 09:19付 Yahoo!ニュースより【読売新聞オンライン配信】
読売新聞が26日に配信した記事によると、自維連立合意書に明記された「年齢によらない真に公平な応能負担」に基づき、厚労省が年末までに、70歳以上(つまり前期高齢者の一部と後期高齢者)の医療費の3割負担化の方向性をまとめるのだそうです。
くどいようですが、著者自身は老人医療費の3割負担化だけだと「税社保高すぎ問題」の抜本的解決になっていないと考えているわけですが(とくに賦課方式の問題点は解決していないからです)、さはさりながら、やらないよりもやった方が良いに決まっています。
つまり3割負担化は現役層が加入する保険組合の保険財政の悪化抑制だけでなく、これを原資にした高額療養費制度の改正にも道を開くものでもありますし、さらには現役層の医療保険料を引き下げることを可能にするかもしれません。さらにはコストのわりに価値が低い医療の受診抑制効果が期待されるのです。
なかなかのスピード感です。
このスピード感、岸田、石破両政権下では考えられなかったものでもあります。
いずれにせよ、今回は社会保険料のなかの健康保険料に関する話題ですが、ほかにも消費税の引き下げや軽減税率拡大、ガソリン暫定税率の廃止、所得・住民税の基礎控除大幅引き上げなど、いくつもの論点が待ち構えています。
高市内閣については現時点で楽観視すべきではないにせよ、まずはどのような方向性を打ち出してくるかについては注目に値することは間違いないといえるでしょう。
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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ここに投稿されている人たちは 言葉の端々から大胆に推測すると 既に3割負担の人が多いので賛成のコメントが多いかな。当たるも八卦当たらぬも八卦。
肌感覚としては、老人で負担増加を本気でイヤがってる人は居ません。
ほら大変。
こんなに大変。
どうする?どうする?
と恫喝みたいに訊かれたら「困る」と言ってるだけ、みたいな。
医師会&医療業界ですよ。
タカリの寄生虫は。
不要とは言いませんが、免疫系が増大して宿主を殺すのは立派に病気ですわ。
車の任意保険みたいに、高率補助がほしいから高目の掛け金を払う!という選択肢はあってもよいとは思いますが。
基本的に、病気は罹った奴が悪い。
日頃から節制している人がバカみたいですからね。
アンラッキーなケースは、高額上限で救済すれば必要十分かな。
(そういう支出が破綻の主要因ではないでしょうから)
まー全世代3割負担がとりあえずの線引きドコロっすわナ
低所得者対応はソノ後の段階で検討構築すべきトコで
ただ、コレは生活保護制度もそうだけンど治安含めた社会防衛基構の一端でもアルカラ変革も迅速が拙速にならんよーにせなみんなモノポリー辞めてGTAに移ってまうかもしれんでヨ
知らんけど
医療費全般を考えると、病院の赤字決算が大きすぎる。その内訳は設備投資や高額治療薬にかかる雇用を患者に押し付けている。それを健康保険に請求するために医療費に歯止めがかかっていない。
これを健康保険が対応するために保険料が高騰している。
健康保険料が令和2年度1.51%,3年度1.95%,4年度3.99%,5年度7.34%,6年度11.97%になっており年々上げ幅が増加している。
特に令和5年度からは物価上昇率を上回っており家計負担が増大している。
特定の患者に膨大に請求しており、高齢者3割負担をしてもこの構図は変わらない。
これは、特定の患者について考えるより、国・病院・製薬会社に安価に医療提供する方法を考えないといけない。
素人の考えですが、
「治療すればするほど儲かる」
から、どんどん医療費が増大する訳でしてね。
「治療すればするほど損する」
ような仕組みをつくればよいはずですよね。
たとえば業界への医療費補助は年間10兆円まで!と決めてしまえば、それを超えたら自腹赤字ですから、
治療不要の人は門前払いに。
投薬は余らないように必要最小限度に。
ロビーが老人の社交場にならないようにジャストインタイム式に。
設備投資も必要最小限度に。
そういうインセンティブが作用するようになりますわな。
フィットネスジムなんかも「予防医療」と見做すなら、保険適用でイイかも。
とにかく「あんたらもう少し頭使えよ」と思いますなあ。
高市早苗の引用みたいですが、
頑張ったお医者さんには儲けてもらう。
頑張ってないお医者さんはそれなりに。
そういう業界になればいいですね。
DPCという制度があります。病名が決まると医療保険から出る金額が確定。どんなに良い医療行為をしても医療保険から出る金額が定額なので、患者がとっとと退院するように仕向ける制度です。既に実施されています。