人的往来で見る日中関係の「実態」:中国こそ努力せよ
中国政府は日本人に対する短期滞在ビザの免除措置を復活しておらず、このことを含め、日本企業は不満を覚えているようです。在中日本企業の組織「中国日本商会」が昨日までに公表した『中国経済と日本企業 2024年白書』には、現状の中国政府の課題などが列挙されているのですが、これは日本企業の要望というよりは通牒と位置付けるべきものです。なぜなら、健全な日中関係でより大きな利益を受けるのは、むしろ中国の側だからです。逆に、日本にとってはそこまで無理して中国との関係を維持する必要があるものでしょうか?
目次
日中関係は重要?重要でない?
日本にとって、中国との関係は重要なのか、そうではないのか。
なんとも漠然としていてなかなかに、一言で答えるのが難しい問いかけです。
敢えて一般的な「模範解答」を示すなら、「『現時点では』、日本にとって中国との関係は重要であるといえるが、今後どうなるかについては中国次第」、といったところではないかと思います。
ただ、せっかくそのような問いかけを行うのであれば、経済的な関係に焦点を当て、「数値で」把握してみるというのは有益な試みです。
その際、誰でも比較的簡単に手に入れることができるデータといえば、「ヒト、モノ、カネの往来」でしょう。
といっても、中国は(自称)世界2番目の経済大国ですが、そのわりに、いくつかの基礎統計については公表されておらず、たとえば「中国を訪れた外国人旅行者の人数」などに関するデータを手に入れることはできません。
厳密には、2016年2月分までは公表されていたようなのですが、それ以降のデータに関しては公表されていないため、たとえば「中国から日本にやってきた旅行者」の数はわかりますが、その逆、すなわち「日本から中国に渡航した旅行者」の数については、公式統計からはわかりません。
こうした制約はあるのですが、ただ、幸いなことに、日本政府の側などがさまざまな統計データを公表しているため、これらをもとに、「日本にとっての日中関係の重要性」については、ある程度論じることが可能なのです。
人的往来から見た日中関係
本稿では「人的往来」に焦点を当ててみた
以上の前提条件を踏まえた上で、本論です。
普段、当ウェブサイトでは、貿易や金融などの関係を論じることが多いのですが、本稿では「ヒト、モノ、カネ」の往来のうち、とりあえず「ヒト」に焦点を絞って、日中双方の人的往来状況を少し深掘りしてみたいと思います。まず、人的往来のサマリーは、図表1のとおりです。
図表1 日中双方の人的往来
比較項目 | 具体的な数値 | 全体の割合 |
訪日中国人(2024年1月~5月) | 2,407,076人 | 訪日外国人全体(14,641,483人)の16.44% |
訪中日本人 | データなし | 不明 |
中国に在住する日本人(2023年10月) | 101,786人 | 在外日本人全体(1,293,565人)の7.87% |
日本に在住する中国人(2023年12月) | 821,838人 | 在留外国人全体(3,410,992人)の24.09% |
(【出所】日本政府観光局、外務省、法務省)
まず、短期的な往来に関していえば、中国から日本にやってきた旅行者(観光客など)は、2024年1月から5月までの累計で、約241万人で、これは、訪日外国人全体(約1464万人)のだいたい16%強に相当します(順位でいえば韓国人に続き2位です)。
よって、少なくともインバウンド(訪日外国人)観光客という観点からは、日本にとって中国は大事な相手先だ、ということができなくはありません(もっとも、インバウンドは「多ければ多いほど良い」というほどに単純なものではありませんが…)。
その一方で、中国を訪れた日本人短期旅行者の人数については、よくわかりませんが、これはのちほど本稿後半で触れる、もうひとつの主題でもあります。
日本人の中国在住者データから見えるもの
続いて長期滞在の人数です。
外務省のデータによると、中国に長期在留する日本人は、昨年10月時点で101,786人で、これは米国(414,615人)に続き2番目に多い国ですが、それと同時に、3位の豪州との差は1,956人に過ぎません(図表2)。
図表2 日本人の海外在留者(2023年10月時点)
国・地域 | 在留者合計 | 割合 |
1位:米国 | 414,615 | 32.05% |
2位:中国 | 101,786 | 7.87% |
3位:豪州 | 99,830 | 7.72% |
4位:カナダ | 75,112 | 5.81% |
5位:タイ | 72,308 | 5.59% |
6位:英国 | 64,970 | 5.02% |
7位:ブラジル | 46,902 | 3.63% |
8位:韓国 | 42,547 | 3.29% |
9位:ドイツ | 42,079 | 3.25% |
10位:フランス | 36,204 | 2.80% |
その他 | 297,212 | 22.98% |
合計 | 1,293,565 | 100.00% |
(【出所】外務省『海外在留邦人数調査統計』をもとに作成。「在留者合計」とは「永住者」と「長期滞在者」の合計)
永住者は在留者全体の5%に過ぎない
ちなみに中国に在留する日本人は101,786人となっていますが、これらの101,786人は、いったいどういう目的で中国に滞在しているのでしょうか?
ここでもうひとつ興味深いのが、「永住者」と「長期在留者」の内訳です。
じつは、日本人の中国在留者については、「長期滞在者」が96,420人と全体の約95%を占めているのですが、これに対し、「永住者」は5,366人と全体の5%ほどに過ぎません。
すなわち、在中日本人のうち9割超は、「好きで中国に住んでいる」のではなく、「なんらかの理由」で中国に居住している―――たとえば、「仕事で中国に赴任している」など―――人である(=いずれは日本に帰国する人である)、ということを示唆しています。
これに対し、たとえば豪州の場合、在留邦人99,830人のうち、「長期滞在者」は36,775人、「永住者」は63,055人で、全体の6割超が「永住者」、すなわち豪州が好きで移り住んでいる人たちであろうと想像することができます。
実際、図表2を「在留者合計」ではなく「永住者合計」に書き換えてみると、図表3のとおり、中国は10位圏から落ちてしまいます。
図表3 日本人の海外永住者(2023年10月時点)
国・地域 | 永住者合計 | 割合 |
1位:米国 | 228,178 | 39.70% |
2位:豪州 | 63,055 | 10.97% |
3位:カナダ | 51,950 | 9.04% |
4位:ブラジル | 42,748 | 7.44% |
5位:英国 | 28,952 | 5.04% |
6位:ドイツ | 18,263 | 3.18% |
7位:韓国 | 16,236 | 2.82% |
8位:フランス | 15,232 | 2.65% |
9位:ニュージーランド | 12,164 | 2.12% |
10位:アルゼンチン | 10,530 | 1.83% |
その他 | 87,419 | 15.21% |
合計 | 574,727 | 100.00% |
※14位:中国 | 5,366 | 0.93% |
(【出所】外務省『海外在留邦人数調査統計』をもとに作成)
中国人の日本在留状況
人的往来でもうひとつ興味深いのは、日本に滞在している中国人が、82万人以上に達しているという事実です。中国に滞在している日本人は10万人少々に過ぎないわけですから、中国に滞在する日本人の8倍の中国人が、日本に滞在している、というわけです。
もちろん、日中双方の人口で考えたら、日本の10倍以上の人口がいる中国から多くの人が日本にやって来ているということ自体、一見するとあまり不自然ではないような気もします。
しかし、2023年12月時点で日本に在留する外国人のトップは中国人であり(以下、ベトナム、韓国、フィリピンと続きます)、やはり多くの中国人が日本にやって来たがっているという仮説が成り立つのです(図表4)。
図表4 外国人の日本在留者数(2023年12月時点)
国・地域 | 総数 | 割合 |
1位:中国 | 821,838 | 24.09% |
2位:ベトナム | 565,026 | 16.56% |
3位:韓国 | 410,156 | 12.02% |
4位:フィリピン | 322,046 | 9.44% |
5位:ブラジル | 211,840 | 6.21% |
6位:ネパール | 176,336 | 5.17% |
7位:インドネシア | 149,101 | 4.37% |
8位:ミャンマー | 86,546 | 2.54% |
9位:台湾 | 64,663 | 1.90% |
10位:米国 | 63,408 | 1.86% |
その他 | 540,032 | 15.83% |
総数 | 3,410,992 | 100.00% |
(【出所】法務省『在留外国人統計(旧登録外国人統計)』をもとに作成)
永住者が33万人を超える
ちなみに図表4の「総数」を、在留資格のひとつである「永住者」に書き換えてみると、図表5のとおり、やはり永住者ベースでも中国人がトップであることがわかります。
図表5 外国人の永住者数(2023年12月時点)
国・地域 | 永住者 | 割合 |
1位:中国 | 330,810 | 37.10% |
2位:フィリピン | 139,534 | 15.65% |
3位:ブラジル | 115,287 | 12.93% |
4位:韓国 | 75,675 | 8.49% |
5位:ペルー | 33,151 | 3.72% |
6位:台湾 | 25,016 | 2.81% |
7位:ベトナム | 24,505 | 2.75% |
8位:タイ | 21,738 | 2.44% |
9位:米国 | 19,856 | 2.23% |
10位:インド | 8,754 | 0.98% |
その他 | 97,243 | 10.91% |
総数 | 891,569 | 100.00% |
(【出所】法務省『在留外国人統計(旧登録外国人統計)』をもとに作成)
余談ですが、図表4の「総数」を「特別永住者」に置き換えてみると、圧倒的なトップは韓国、続いて「朝鮮」(※「北朝鮮」ではありません)が続きますが(図表6)、それと同時にこの「特別永住者」資格を持つ人は年々減少しています。おそらくあと10年前後で、この資格保持者数は10万人を切るのではないでしょうか。
図表6 外国人の特別永住者数(2023年12月時点)
国・地域 | 特別永住者 | 割合 |
1位:韓国 | 253,879 | 90.28% |
2位:朝鮮 | 23,828 | 8.47% |
3位:台湾 | 1,045 | 0.37% |
4位:米国 | 870 | 0.31% |
5位:中国 | 672 | 0.24% |
6位:オセアニア | 204 | 0.07% |
7位:オーストラリア | 164 | 0.06% |
8位:カナダ | 128 | 0.05% |
9位:フランス | 103 | 0.04% |
10位:英国 | 95 | 0.03% |
その他 | 230 | 0.08% |
総数 | 281,218 | 100.00% |
(【出所】法務省『在留外国人統計(旧登録外国人統計)』をもとに作成)
人的関係から見た日中関係と日本企業の不満
日中の人的往来・まとめ
図表6の余談はさておき、図表1から図表5までの数値でわかることといえば、こんなことでしょう。
- 日本にやってきた中国人は、2024年1月から5月までの累計で2,407,076人であり、これは韓国人に次いで2番目に多く、訪日外国人全体(14,641,483人)の16.44%を占めている。
- 中国に在住する日本人は2023年10月で101,786人であり、これは在外日本人全体(1,293,565人)の7.87%を占め、米国に続いて多いが、その反面、「永住者」に絞れば5,366人に過ぎず、これは海外永住日本人全体(574,727人)のたった0.93%に過ぎない。
- 日本に在住する中国人は2023年12月時点で821,838人であり、これは在留外国人全体(3,410,992人)の24.09%にも達している。また、このうち永住者は330,810人で、日本に永住する外国人全体(891,569人)の37.10%にも達している。
- 長期在留者で見ると、中国に在住する日本人は101,786人であるのに対し、日本に在住する中国人は821,838人で、およそ8倍に達している。永住者に至っては中国に永住する日本人は5,366人に過ぎないのに対し、日本に永住する中国人は330,810人で、60倍以上に達している。
…。
なかなかに、興味深い実態が浮かびました。
「中国を訪れた日本人旅行者」の人数についてはよくわかりませんが、少なくとも人的関係「だけ」で見れば、日中関係は中国の方がより熱心に日本との関係を必要としているのです。
中国に在住する日本人101,786人のうち、中国に永住した日本人は5,366人に過ぎず、残りの日本人96,420人は、おそらくは日本企業の関係者でしょうか、いずれにせよ「時期が来れば日本に戻る人たち」であろうと推定されるのです。
仮に―――あくまでも「仮に」、ですが―――、日中の経済的関係が将来においてさらに縮小し、多くの日本企業が中国から撤退するような事態になれば、5,000人あまりの永住者を別とすれば、大部分の日本人は、日本に帰国してしまうのではないでしょうか。
中国こそ日中関係改善に努力せよ
極論すれば、万が一にも「日中断交」という事態が生じたとしても、中国に在住する日本人の多くは「腰掛け」(?)のようなものですから、さっさと家財道具を処分して帰ってくれば良い、という言い方もできるかもしれません(満州引き揚げの苦労が、日本人のDNAにも刻み込まれているのでしょうか?)。
しかし、逆に、日本に居住する821,838人の中国人のうち、永住者は少なくとも330,810人であり(ほかにも「留学」が134,651 人、「技術・人文知識・国際業務」が92,141人、などとなっています)、このことから、日本に居住している中国人の多くは自発的に日本にやって来ている、という可能性が浮かぶのです。
自然に考えたら、中国共産党が支配する空間よりも、自由で民主的、法の支配が尊重されている日本の方が、人間が生活する環境としては、遥かに優れています。
ちなみに米NGO「フリーダムハウス」の調査によると、「2024年グローバル・フリーダム」評点で日本は100点満点中96点(※G7でも97点だったカナダに続き2番目に高い評点)を獲得したのに対し、中国は100点満点中、9点でした。
「100点満点中90点」、ではありません。
「100点満点中9点」、です。
それは仕方がない話かもしれません。
いずれにせよ、「人的往来」という観点からは、日中関係が良好であることで恩恵を受ける人が多いのは、日本人よりも中国人です(本稿では触れていませんが、「貿易関係」、「金融関係」に関しても、同じことがいえます)。
ということは、中国こそ、日本との関係改善に努力した方が良いのではないでしょうか。
中國日本商会「白書」が面白い
こうしたなかで、本稿でもうひとつ取り上げておきたいのが、中国に進出している日本企業でつくる『中国日本商会』という組織が10日までに公表した『中国経済と日本企業 2024年白書』と題する、234ページの大作資料です。
この「白書」の冒頭にある『2024年建議の訴求点』というページに書かれている内容が、現在の日中関係、あるいは中国政府の外国企業に対するスタンスを象徴しています。少し長いですが、全文を紹介してみたいと思います。
<全体コンセプト>
公平性と予見性・透明性の向上によるビジネス機会の確保
<建議の三要素>
1.公平な競争
秩序ある競争が行われる市場体系の建設のため、公平競争の阻害となっている各種制度の見直し、政府調達や標準の策定等における国内企業と外資企業への公平な待遇、知的財産権制度のいっそうの改革を要望する。
2.対外開放
経済のグローバル化に適応するため、製造・サービス業分野での外資参入制限のいっそうの開放、グローバルスタンダードのさらなる採用を要望する。
3.行政の予見性・透明性向上と円滑化
法治政府・サービス型政府の建設のため、行政手続の簡素化・迅速化、許認可・認証の大幅な廃止を要望する。併せて、制度の運用・解釈の統一や制度変更の際の十分な準備期間の確保を要望する。
<本年の重点分野>
1.「人的交流に関する問題」
中国政府は外国人の訪中の利便性向上に向けて一連の新政策を打ち出しており、ビザ免除措置の対象国を拡大している。他方で、日本については依然として事前にビザの手続を行わないと基本的には中国への入国ができず、日中間の往来や円滑にビジネスを推進するうえでの障害となっている。
国家移民管理局や外交部等の機関が一日も早く、日本人の15日以内のビザ免除措置を再開することを強く要望する。
2.「データの越境・管理に関する問題」
個人情報をはじめとした情報・データの越境移転に関しては、2024 年 3 月に公布・施行された「越境データフローの促進・規範化規定」などにより関連法規の整備が進んでいるが、依然として定義の曖昧さや前例がないことから、ユーザーである企業にとって手続等に不透明な点も多い。その運用に際しては、事前ガイダンスの提供や関係政府部門間の調整・連携を図るよう求めるとともに、外資企業が差別的に扱われないよう内外無差別の原則が貫徹されることを要望する。また、こうした観点から、今後データの分類・等級付けに関する規定の策定に当たっては、外資企業を含む産業界の意見を十分に聴取・勘案するよう要望する。
3.「政府調達に関する問題」
外資系企業の政府調達への平等な参加については、2023 年 8 月に公布された国務院の「外商投資環境のさらなる最適化による外商投資誘致の強化に関する意見」にて、外資系企業が法に基づいて政府調達活動に参加することを保障することが言及されている。また、2023 年 11 月には商務部より「中国企業と外資系企業間の不合理で差別的な待遇の整理要請に関する書簡」が、2023 年 12月には財政部弁公庁より「政府調達の透明性と調達効率のさらなる向上関連事項に関する通知」が発表された。これら政策について、『外商投資法』および『外商投資法実施条例』に規定された内資外資平等の原則を徹底的に貫徹し、政府調達と公共事業入札募集などの活動において、外商投資企業の製品とサービスが排除されることのない、内資企業、外資企業が平等に市場競争に参加できる環境が確立されることを要望する。
…。
日本企業が考える中国の問題点
裏を返せば、日本企業は現在の中国には「公平性、予見性、透明性」がなく、ビジネス機会が阻害されていると考えている、ということです。
また、先ほどはデータで「中国を訪れた日本人の正確な人数」を知ることができない、という点を指摘しましたが、今回の白書によると、こんな記述が確認できます。
「2019年以前、中国における日本からのインバウンド市場は、年間の訪中旅行者数が延べ400万人以上という優れた業績を上げていた」(同P366)。
訪中日本人が年間400万人を超えていたというのは意外ですが、これが現在はどうなっているのでしょうか。
白書はこう指摘します。
「現在に至るまで、訪中日本人旅行者に対するビザ免除措置はまだ再開されていない。日本からの訪中ツアーもまだ組むことができないため、日本人旅行者の訪中旅行の取り扱いを主な業務としている中国大手旅行会社には、結果的に営業を再開できないところもある。中には受け入れ対応にかかわるチームの解散に至るケースもあり、関連産業であるホテル、飲食、ショッピングなどのビジネスチェーンが切断されているという現実的問題は早急な解決が必要である」。
はて?
ビザ免除措置を復活させないというのは中国政府の判断であり、私たち日本人としては、それを尊重するより方法はないのではないでしょうか?
正直、中国が日本人に対するビザ免除措置を復活させなければ、日本人観光客の訪中需要は戻りませんが、問題は、それだけではありません。
日本人を含めた外国人が中国滞在中、いきなり拘束されたり、出国できなかったりするなどの事案も相次いでいますし、先日は日本人母子に対する暴漢による切り付け事件も発生しています(『中国人が靖国や日本人に加害:日中関係はどうなるのか』等参照)。
たんにビザを免除すれば日中関係が良くなるというレベルでは、もはやありません。
また、本稿で見てきたとおり、少なくとも日中往来に関していえば、それが寸断されて困るのは日本ではなく、むしろ中国の側です。
もちろん、日本人に対するビザ免除措置が復活しないなどの状況で、日本企業にとっても、従業員を中国に短期出張で派遣するのが難しいなどの実害が生じているわけですが、長い目で見たら、日本はそこまで無理をしてまで中国との関係を維持する、という選択肢を取る必要もないのです。
この点、貿易関係では、日本にとって中国の存在は依然として重要かもしれませんが、サプライチェーンの脱中国化が少しずつ進めば、その相対的な重要性は低下していくでしょうし、現在の日本であれば、「脱中国」は(短期的には難しいものの)中・長期的には決して不可能ではありません。
その意味では、中国日本商会の今年の白書は、「中国に対する要望」というよりも、「ニッポン株式会社から中国政府に対する通牒」のようなものだと考えた方が正確かもしれません。
そして、どうせ中国政府のことですから、(もしかしたらビザ免除措置くらいならば復活する可能性もありますが)その他の要望については無視するでしょうから、やはり、今後の日中関係においては、日本が中国との関係を少しずつ清算する方向に動くのが自然で合理的な判断ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
ツイート @新宿会計士をフォロー
読者コメント一覧
※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。
やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。
※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。
※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。
当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
コメントを残す
【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
中国ののど、韓国の舌。読者が判断する新聞の正体とはこういうものです。
>そして、どうせ中国政府のことですから、(もしかしたらビザ免除措置くらいならば復活する可能性もありますが)その他の要望については無視するでしょうから、
靖国神社落書き事件 中国外務省 日本側に公正な捜査を要求
2024年7月10日 21時23分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240710/k10014508081000.html
>中国外務省の林剣報道官は10日の会見で記者から指名手配された2人について、日本側の捜査に協力するか問われましたが、回答しませんでした。
指名手配犯について、そんな中国政府が協力するかどうか。
公正な捜査については「おまゆう」ですね。
>外国にいる中国国民が現地の法律や規則を順守し、理性的に訴えを表現するよう改めて注意喚起する
中国政府がしていない事を人民にしろと言ってる感じ。
言ってる人がしてなければしなくても良い類いではないけど、政府も人民もお互いに出来ない事を言ってるのを分かってるんだろなって。
給料が支払われない,収入が半減した,というのは誰しも大変困ることで,そういう人の割合が激増すると,治安も悪くなり,社会不安が増大します。一部の銀行では,預金も思うように引き出せないそうです。そのせいか,ショッピングモールも閑古鳥が鳴いた状態らしいです。それが,現在の中国の状況でしょう。富裕層でも国外に逃げ出したい人が多いようです。日本は格好の避難先でしょう。ビザなし渡航を認めたら,不法滞在者の増加は目に見えています。日中関係改善以前に,習近平氏は自分が失脚したり暗殺されたりしないように,そちらの心配で手一杯でしょう。それでも「中国製は安い」という経済的魅力はなくなりません。
新宿会計士様の文書が,平和な通常状態を前提とした議論だったので,少しびっくりしました。
>新宿会計士様の文書が,平和な通常状態を前提とした議論だったので,少しびっくりしました。
流石にそれは読解力が低過ぎません?
本文の
>この点、貿易関係では、日本にとって中国の存在は依然として重要かもしれませんが、サプライチェーンの脱中国化が少しずつ進めば、その相対的な重要性は低下していくでしょうし、現在の日本であれば、「脱中国」は(短期的には難しいものの)中・長期的には決して不可能ではありません。
の下りとか、絶対読めてないでしょう。
本文のどこをどう読んだらブログ主の議論が
>平和な通常状態を前提とした議論だった
と読めるのでしょうか?
批判するのは勝手ですが(こないだの金融機関の対外与信の議論で他のコメンテーターからめちゃくちゃに論破されてませんでしたっけ?)、相手が書いてないことで批判するのは無礼です。
批判するなら最低限、相手の文章を正しく読むのが礼儀だと思いますよ?
>批判するなら最低限、相手の文章を正しく読むのが礼儀だと思いますよ?
これは、批判、というレベルの話ですか?単に、感じ方程度の事でしょう。
>これは、批判、というレベルの話ですか?単に、感じ方程度の事でしょう。
まぁ、元のコメント主が他人の文章を碌に読んでないことだけは間違い無さそうですけどね。あなたももう少し読解力をつけましょうね。
>新宿会計士様の文書が,平和な通常状態を前提とした議論だったので,少しびっくりしました。
???
平和な通常状態って一体なんだろう
>平和な通常状態って一体なんだろう
コメントの
>>新宿会計士様の文書が,平和な通常状態を前提とした議論だったので,少しびっくりしました。
という最後の一文の前に、縷々書かれている内容では無い状態、つまり、混乱が生じておらず、まあ一定の安寧秩序がある状態のこと。
この程度の読解力は、義務教育の間に習得しておきましょう。
>新宿会計士様の文書が,平和な通常状態を前提とした議論だったので,少しびっくりしました。
ブログ本文のどこをどう読んだらそう読めるの?って話なんだが…。
義務教育からやり直した方が良いのはあなたの方です。
>この程度の読解力は、義務教育の間に習得しておきましょう。
そういう低レベルなコメントの応酬は他所でやってくれませんか?安易に「義務教育」を持ち出すあなたこそ「義務教育」レベル以下ですよ?
目くじら立てて、レスするほどのことでは無い、という事です。こんな所にレスしないで、義務教育を十二分に習得された知性知能を、もっと内容のある意見の表明に役立てください。以上。
54.***.187.**様、あるいは54.***.241.**様
当ウェブサイトでは不用意に侮辱的な用語を用いて相手を攻撃する行為を許容しません。これ以上、他人を侮辱するコメントは控えて下さい。
いつもこの時間に出没している昨日の匿名氏でしょう。
https://shinjukuacc.com/20240709-02/#comment-323224
自称「本質がわかる」匿名氏。
自分が攻撃されたときの反論ポイントのズレ方から、建設的な指摘の意図はなく、自己顕示欲の満足などの自分のためにマウント取ってるだけでしょう。
「この程度の読解力」「義務教育」「子供のような」「青臭い」「中身がない」などの具体性に欠けた無意味な罵倒語をわざわざ込めるのもそれを示すものでしょう。
(多分、自分自身が普段言われてることを書いてると思います)
意図がそうなので、反論が来れば論点ずらしてああ言えばこう言うだけで、意味ある議論は成立しないと思います。
コメント欄が荒れるだけなのでやめてほしいんですけどね。そんなこと気にしちゃいないようです。
被ってしまいました。
ブログ主さんが警告されるなら書かないつもりでした。
過度に侮辱的なコメント主を放置してしまい申し訳ありませんでした。
ウェブ主自身は読者コメントの全てを追いかけているわけではありませんが、発見次第、対処します。
今後、問題コメントを発見されれば、info@shinjukuacc.com までご通報くださると幸いです。
内容を見て判断します。
引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
毎度、ばかばかしいお話を。
中国:「中国の生産年齢人口を増やすために、他国を占領して、若者を中国に連行しよう」
これって、笑い話ですよね。
蛇足ですが、中国は生産年齢人口を増やすために、移民を募るでしょうか。
既に中国には、アフリカの黒人がかなり入り込んでいるらしい
近年は減少傾向にあるようです。
色あせるチャイニーズ・ドリーム<1> 中国を離れるアフリカ出身者,CNNニュース
https://www.cnn.co.jp/world/35087545.html
日本の愛国者もそうですが、中国の愛国者も移民受け入れには消極的のようです。
>中国こそ日中関係改善に努力せよ
閉鎖社会における最重要事項は、内政的に威厳を示すこと。
「外部への示威行動に勝る国益」は存在しないのでしょうね。
・・・・・
手当り次第に噛みついて体面を整えるのって、
政治家RR(あ~る、あ~る)ですね・・。
↑
えっ?
数が足りないって??
何の・・???
R4「私はLです」
すみません、パクりました。
余談です(デスノート・ルールより抜粋)
*顔を思い浮かべて4回名前*を書き間違えられた人間に対し、以後デスノートは効かなくなる。*(本名のこと)
・・・・・
色んな通名もリスク管理の一環なのかもですね。
⊂⌒~⊃。Д。)⊃
そんな、デスノート・ルール、ありました?
それは兎も角、今のネット時代、本名を名乗ることは、ネット検索でいろいろ調べられて厄介なことになりかねない。
ネットが、デスノートになりかねない。
と、こんな所まで考えてしまうくらいに、カズさんのコメントやレスは、奥が深いなあ!
彼女が生まれ持った本名は存じないのですが、
中身は「ごめんな”サイトゥ謝れん方”」ですね。
(他意はありません。事実です。)
・・・・・
*匿名様は解釈名人ですね。
あ、そういうことですか。m(__)m
ここ見ただけではわかりませんでした・・・
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88
https://deathnote.fandom.com/ja/wiki/DEATH_NOTE
↑こちらを参照しました。
https://www.weblio.jp/wkpja/content/DEATH+NOTE_%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB
↑名前を書かれたシールを貼ることなどは効果を持たず、ノート(=投票用紙?)に直接書かなければならない。・・との記述も。
>特別永住者」資格を持つ人は年々減少しています。おそらくあと10年前後で、この資格保持者数は10万人を切るのではないでしょうか。
ネットで調べると特別永住者の子は特別永住者に該当すると書いてあった。
そんなに減るかなぁ。
とっとと断交しましょう
中国が日本をどのように見ているかを考えてみました。
第一条
日本は、中国の格下であり中国国民発展の手段であつて、この地位は、主権の存する中国共産党の総意に基く。
第二条
日本の地位は、世襲のものであつて、中国共産党の定めるところにより、これを継承する。
第三条
日本の国事に関するすべての行為には、中国共産党の助言と承認を必要とし、日本が、その責任を負ふ。
中国共産党は「世襲」を嫌っているので、第二条は廃止もしくは空文化されるでしょうね。
HY様
>中国共産党は「世襲」を嫌っている
ネット上に出ていたはなしで、信憑性に関しては ”?” なんですが…。
毛沢東は自分の息子を後継者にと考えてた節があるというんです。
ハクを付けるには軍歴が必須と考えて、朝鮮戦争の際に司令部付の将校として従軍させ、絶対に安全なはずの、隠匿されている後方の拠点に置いといたんだが…、
そこで本人が「玉子入りチャーハン」を食いたいと言い出した。
米軍の偵察機がうろちょろする中で、盛大に煙の出る料理なんかつくるのは、ご法度。だけど、偉大なる毛主席のご子息のたってのご希望。
結果は、爆撃を喰らって、毛沢東は意中の後継者を失う羽目に。
以後、「玉子入りチャーハン」は、アチラではNGワードになってるんだとか、
国の開祖がなしえなかったことだから、以後の指導者も、自分の息子に皇位継承なんて、畏れ多くてやれなかったんだろうが、今の習近平ならどうでしょうね。
側近茶坊主みたいなのばっかりで指導部を固め、それさえも力を付けそうになったら、汚職の何のと理屈を付けて、粛正。今後、永世主席みたいなポジションを手に入れたら、「次は息子」と言い出しかねない気がするんですがね。
興味深い指摘です。おっしゃる通り、毛沢東の長男、毛岸英は1950年11月25日に朝鮮戦争でアメリカ軍のナパーム弾によって戦死されています。一説には卵チャーハンを作ろうとコンロに火をつけたところをアメリカ軍機に発見されたとされ、彼の命日と誕生日である10月24日では「卵チャーハン」に対してかなりセンシティブになります。
ただしその一方で毛沢東が自分の息子を後継者に考えていたかは明確な証拠がありません。彼には二人の娘と次男の毛岸青がいましたが、彼らを後継者に考えていたという記録もありません。また、彼は亡くなる直前に華国鋒を後継者として指名しましたが、鄧小平によって実権を握られてしまいました。
鄧小平時代に国家主席の任期は5年2期と定められましたが、お存じの通り現国家主席の習近平総書記は任期制限を撤廃しました。彼の行動は「終身国家主席」を目論んでいると指摘する専門家もおり、権力の集中により後継者が予測しずらい状況にあります。しかし現在彼には長男はおらず、世襲の話題もありません。
仮に将来、中華人民共和国がローマのように帝政化するとしても、配下にしたい国の世襲を認めるかは別問題です。特に日本の皇室は長い歴史に裏付けられた権威があり、これを崩すことで相対的に中国の権威を高めようとしてもおかしくないのです。
日中関係というのは中国が製造大国たる日本の金と技術を求め、日本が中国の安い人材と巨大市場を求めて成り立っています。国交正常化から52年、今や日本を抜いて経済大国となった中国は技術面においても日本を凌ぐ製造大国になりつつあります。要は「互恵関係」からライバル関係になりつつあるということです。
日本としては中国の巨大市場は依然として魅力であるものの、人件費が年々上がり、それまでは発展途上だからと割り切れていた共産党統制が不安要素になっています。中国としても日本には未だ手に入れていない技術があるものの、教えてもらうことはほとんどないといってよく、むしろ長年見て見ぬふりをしていた米国の同盟国という安全保障面での懸念(不満)が際立っている状態です。
そして日中両国にとっての「日中関係のあるべき姿」の認識にずれが生じており、日本は従来の関係の存続、中国が「新しい関係」への変革を望んでおります。日本の認識はあくまで日本が中国に対し技術的優位性があることを前提としています。一方で中国の方は日本が米国との同盟を見直し、中華圏の一員となることを望んでいます。この認識のギャップは今後開くことが予想され、埋まることはないでしょう。
いや、明快な解説です!
よく分かり、情報がよく整理出来ました!
理屈は会計士くんの言う通りなんだけど、現実的には日本が折れるしかないよ
所詮、敗戦国はバカにされるしかないのさ
あのぉ…。
少なくとも日本は中華人民共和国などには負けていませんが?(笑
わざわざ「韓国人」と言うハンドルネームを名乗る。
”くん”付け。そして意味不明な「敗戦国」呼ばわり。
スリーカードって所ですかね?
あっちの人がわざわざ韓国人名乗るとも思えないので、韓国人エミュのかまってちゃんでしょうね…かまってちゃんだとすれば、どうしてここでその欲を満たせそうだと思えたのか興味深いですが
しかし以下のポイントにおいて高いエミュ率が見られますな
・当事者でもないのに日本国を敗戦国呼ばわり
・日本が敗戦した事、どこかの国が日本をなめる事、その輩の振る舞いに独立国たる日本が唯々諾々と譲るべきと思っている事、この三点が何のつながりもないのに文脈化しようとする飛躍ぶり
しばらく前まで、五毛の人たちは単に日本語の文章がおかしかったり、日本人が使わない表現だったりと分かりやすかったのですが(今でもそういう人いますが)、今はだいぶ上手になっています。でも、何かが違う。よく読むとやっぱり分かりますよね。お疲れ様としか、、、
まーしかしこの先を考えると油断大敵カモかも
島国の固有スキル『海』バリアはグローバル化により効力が低下しとりますし、堅固と思われた『日本語』バリアもアニメマンガ等“クールジャパン()”快進撃の付随効果で防御力は小さくなりつつあり「日本語話者」と「翻訳ソフトの進化なのか生成AI発達の効果なのか」の相乗かこか数ヶ月でも違和感ある日本語表現の減少は感じまする