「出力制御が再エネ普及妨げ」にSNSでツッコミ殺到
「再エネ普及を妨げる出力制御が増えている」。こんな記事に関して興味深いのは、X上でこの新聞記事に対し、科学的見地・経済的見地からの冷静なツッコミが殺到していることではないでしょうか。科学的・経済的な話題に関する記事になると、いまや、一般人の方が新聞記者よりも圧倒的に優れた知見を持っているという時代なのかもしれない、などと思う次第です。
本稿は、ちょっとした「小ネタ」です。
大手メディアに、こんな記事が掲載されていました。
年間58万世帯分の電気が無駄になる? 再生可能エネルギー普及を妨げる「出力制御」が増えているhttps://t.co/JrFKP2qc6X
— 東京新聞(TOKYO Web) (@tokyo_shimbun) April 21, 2024
「再エネの出力制御が増えている」、という記事です。
実際の新聞記事のリンクを読むと、リード文にはこんなことが書かれています。
「太陽光や風力などの発電事業者に対し、一時的な発電停止を求める『出力制御』が増えている。本年度もゴールデンウイークなど電気の消費量が減る春や秋を中心に、東京電力エリアを除く全国での実施を見込み、年間約58万世帯分の電気が無駄になる計算だ。このまま出力制御が広がると、再エネ普及の足かせになりかねない」。
この記述をそのまま読むと、「出力制御」が「再エネ普及の足かせになる」、という趣旨の指摘ですが、果たしてこれは正しいのでしょうか。
結論からいえば、これは正しくありません。
たとえくどくても何度でも指摘させていただきますが、『【総論】電力系統の維持に適さない太陽光発電の問題点』などを含め、当ウェブサイトではこれまで何十回、いや、何百回となく指摘してきたとおり、「出力制御」は太陽光発電などの欠点に起因する、やむを得ない措置だからです。
そもそも電力系統を維持するためには、電力の需要と供給を一致させる必要があります。どちらかが崩れたら周波数が狂い、最悪の場合、広範囲な停電やブラックアウトなどにつながることもあります。精密機器が壊れたり、医療事故が発生したりするかもしれませんし、社会への影響はシャレになりません。
しかし、たとえば太陽光発電の場合、天気が悪くなれば発電量は減りますし、逆に天気が良すぎると発電量が増え過ぎたりすることもあります。
「出力制御」とは、わかりやすくいえば「電力を捨てること」を意味しています。あるいは、「太陽光発電所で作られた電気の買取を電力会社がお断りする」、といった考え方です。送電容量を超えるわけにもいきませんし、需給均衡を図ることも重要だからです。
その際に適用されるのが「優先給電ルール」です。
優先給電ルール
- 火力発電(石油、ガス、石炭)の出力制御、水力発電の揚水、蓄電池への活用
- 他地域への送電(連系線)
- バイオマス発電の出力制御
- 太陽光発電、風力発電の出力制御
- 長期固定電源(水力発電、原子力発電、地熱発電)の出力制御
(【出所】資源エネ庁等)
これによると、電力が増え過ぎたときには、まずは①発電量の人為的なコントロールが容易な火力発電で発電量を抑えることで出力を制御し、あわせて水力発電(揚水発電)の揚水、さらに蓄電池などへの蓄電を行って調整を図ります。
ただ、それでも電気が余る場合は、続いて②連携線を使って他地域に電力を送ることで対応します(上記①の手段よりも②の「他地域への送電」の優先順序が低い理由としては、遠方への送電はロスが大きいことが考えられます)。
それでも余るときには③バイオマス発電の出力を制御し、太陽光や風力の調整はそのあとの4番目に行われます。また、原発の制御などが最後に置かれている理由は、長期固定電源はいったん止めると運転再開まで手間がかかるなどの事情によります。
すなわち、太陽光発電の制御が増えるのは、太陽光発電所の発電量が増え過ぎているのが原因であり、そもそも太陽光発電所が世の中から必要とされていない証拠でもあります(というよりも、再エネ賦課金の存在を前提としている時点で、コストが高すぎるのですが…)。
ただ、それ以上に面白いのは、X上でこの新聞記事に対し、科学的見地・経済的見地からの冷静なツッコミが殺到していることではないでしょうか。
科学的・経済的な話題に関する記事になると、いまや、一般人の方が新聞記者よりも圧倒的に優れた知見を持っているという時代なのかもしれない、などと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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>このまま出力制御が広がると、再エネ普及の足かせになりかねない
出力制御の要因は、「身の丈に合わぬ再エネ(太陽光)普及によるもの」なのにね・・。
東京新聞がたくさん電気使って出力制御を減らすことに貢献しては如何か?
とポストしかけたけど、いろんな意味で環境に悪そうなので止めました♪
いつもお世話様です。
>東京新聞がたくさん電気使って出力制御を減らすことに貢献しては如何か?
>とポストしかけたけど、
「輪転機とか無駄な電気使うな」、言うたな!
「新聞刊行自体が無駄」、言うたな‼️
新宿会計士様
コメントありがとうなのです♪
それはそうとして、東京新聞のポストもあれだけど、そこで取材に応えてる龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)ってどんな方なのでしょうね?
環境経済学ってのは、発電方式による得手不得手なんかはいっさいないって前提で議論を組み立てる学問なのかな?って思ったのです♪
原発反対派の文系の人ですね。
無駄な発電はすべきではない?じゃあ日本国内の太陽光パネルを破壊すればいいですね。
危地田「買電は夜間のみとする」
東京新聞ではなく北京新聞なのでは?それか南京新聞かな?
トンキン新聞は偏左値が高い。
出力制御=電気の押し売りお断り
う~む、どこぞの電波や紙と同じような…。
制御じゃなくて「義務」にすべき。
発電事業者が要求に充たない供給しか出来ない時は莫大な違約金。
東京新聞に限らず、ほとんどのオールドメディアは馬耳東風を貫いていますからね。
どれだけまともなツッコミを連発されても、見ざる聞かざる言わざるを維持するでしょう。
早く彼らが廃刊せざるを得ない時代になって欲しい物です。
そうすればこのエネルギー問題も「ペテン」が通用しなくなって、
劇的な進展を見せてくれそう。
FIT (固定価格買取制度) の買取価格が引き下げられた時も、同じような記事を見た記憶が・・・左翼ってホントに市場原理が嫌いなんですね。
再エネが至上であり目的でありその邪魔となるものは白くても黒というような前提が無ければ出るはずのない記事ですね。あるいは再エネを生業にしている者の目線。
日本国の産業を発展促進する、国民生活を安定させる、次いで地球環境を保全する。エネルギー政策の”目的”はこれらにあると考えます。本件のような考え方は、それらの目的を忘れて、手段のみを追い求める愚行(経済に悪かろうが環境に悪かろうが何が何でも再エネ)としか思えません。
しっかし一事が万事というか。
・戦争をしたほうがまだマシな状況であっても不戦を叫ぶ
・犯罪の実績や傾向が明らかでも難民もどきを徹底保護
・対立が長く実利も無い隣国との友好に固執する
・以下枚挙に暇なし
いずれも人々がよりよく生きるための手段でしかない部分に拘泥、その美辞麗句のためなら損害を厭わず。健康のためなら死んでも良い、みたいな連中ですね。
主張が愚かすぎて本気とは思えず工作員としか思えない。しかし工作員にしては無能すぎる。彼らを評価する時はいつもこの矛盾に悩みます。
悪党に踊らされるルサンチマンを抱えた無知〇昧が適切かと。
東京新聞は遊休施設を蓄電施設にして電力の平準化に協力すればいいんじゃないかな。
マスコミは何故出力制御が必要になったのかをちゃんと取材して読者や視聴者に客観的にわかりやすく伝えるが使命のはずではないですかね。
それをすっ飛ばしていきなり再エネ普及の妨げって、印象操作や読者や視聴者への洗脳でしかありませんね。
馬耳東風。
この「太陽光で全ての電力が賄える」説や前提がいつまでたっても淘汰されないのが不思議でなりません。
理論的に可能である事と、現代の技術で経済性も含めて可能である事との区別がつかない人たちです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2753S0X20C24A3000000/
住友商事、2000億円投じ蓄電池網 再生エネを安定電源に
日経の記事ですが。蓄電池網をつくることで太陽電池をはじめとした再生エネルギーを安定な電源として活用できます。世の中がその方向に向かおうとしているのにかたくなに太陽電池反対を叫ぶ人が不思議でなりません。
私のコメントに敢えて返信を付けたと言うことは、あなたは「太陽光で全ての電力が賄える」前提をお持ちなのだろうと思います。
私は別に「かたくなに太陽電池反対を叫」んでいませんし、本記事も、このコメント欄にもそんな人はいないようですが、誰に対して語っておられるのでしょうか。
本記事に引用された東京新聞の記事は、太陽光の出力制御を原発を優先した結果であると解釈していて、つまりは「太陽光で全ての電力を賄える」前提にたった記事なのだろうと思いました。私はそれを揶揄しました。
自称「原発に詳しい元首相」もいまだに主張していますし、ネット上にもそう言う言説は溢れています。
ご紹介の日経記事は月内可読枠を使いたくないので読みませんが、全ての電力を太陽光で賄う目的の物ではないと思いますよ。
>「太陽光で全ての電力が賄える」
その推定は間違っています。そんなことは言っていませんし。
話している相手は太陽電池反対を叫ぶ人です。
記事の趣旨は、再生エネルギーが無駄になる=再生エネルギーの導入の足かせになる=バッテリーが足りない
と理解しましたので、リンク先の記事を紹介しました。
>話している相手は太陽電池反対を叫ぶ人です。
であれば、私のコメントツリーではなく余所でやってください。
匿名さんにはあまり返信もしたくありません。
望月イソ子の悪行が暴かれる度に、東京新聞の他の記者たちは望月と同類に見られるのを嫌がってるなんて言ってるけど、記者(及び人間的)のクオリティそのものはどいつもこいつも五十歩百歩なんでしょうね。
あちこちにしゃしゃり出て現地の人に物理的に迷惑を掛けるか、しれっと捏造記事書いて社会に迷惑を掛けるかくらいの違いで。
気になっていて書こうかどうしようか悩んでいたことを書きます。
巨大な揚水湖を使って電気をためる考え方は古く研究も長い間されてきました。
実は原子力発電が簡単に出力を上げ下げできないので巨大なバッテリーを用意して夜間にためて昼間取り出したいとしていました。
これは、米国の環境団体が食いついて長年の夢になってます。原発を廃止するために巨大な揚水湖のバッテリーを作ればよいじゃないか、と1980年前後に騒いでいたようです。
40年かけて研究開発を行っても巨大な蓄電池は実用されていません。きっと無理なんだと言えるのですが、リベラルの方たちは見えていないのでしょうね。
家庭用の蓄電池も10年ではさほど進化していないようです。
太陽光パネルの太陽光の変換効率もかなり低かった時代ですね。東京三洋が頑張っていたはずです。10%前後だったと思います。今でも20%ぐらいでしょうか?
太陽光の変換効率で見ても実用的でないと言えるのではないでしょうか。
今朝のラジオでは、国内経済政策についてネット上の論客には、経済新聞社はもちろんのこと財務省や日銀総裁よりも優れた見識を持っている者が見受けられると言ってましたな。
ま、発電側でが送電を制御できないから、受電側で制御するしかないんだよなぁ。
捨てたくないのなら、蓄電設備を持つべきですが、
そんなコストすら自前で捻出できないのが、今の再エネ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2753S0X20C24A3000000/
住友商事、2000億円投じ蓄電池網 再生エネを安定電源に
ねん出できる(商社がお金を出す=儲かる)ようですが。
太陽光発電のように、結局、補助金頼みということにならなければよいのですが。
再エネ業者から、買い取って、他に売るようなスタイルになるのかな。
記事を読むと、原発が動くと再エネが発電する余地が無くなる!みたいなことを書いているけど、
ベースロード電源として一定の電力を発電し続けられる原発と、
天候や時間帯に発電量が左右されまくる太陽光・風力発電の性質を無視した与太でしかない。
同じ再エネでもバイオマス火力とかはまだいいんですがね。