日銀がマイナス金利(ネガティブ・イールド)政策を撤廃しました。主要国でこれを採用していたのは日本の見でしたが、これで世界の主要中銀からネガティブ・イールド政策は姿を消した格好です。ただ、個人的に影響が大きいと考えるのは、ネガティブ・イールドの修正よりも日銀当預への付利ではないかと思います。
主要国で唯一日本のみが採用していた「ネガティブ・イールド政策」を、日銀がついに撤廃しました。
金融政策の枠組みの見直しについて【※PDF】
―――2024/03/19付 日本銀行HPより
日銀は本日開催した政策決定会合で、いわゆるマイナス金利政策とイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を終了し、政策金利については0~0.1%程度で推移するように促進し、あわせて日銀当預(※所要準備額相当部分以外)にも0.1%の付利を開始する、としています。
しかし、日銀が利上げに踏み切るのは、政策金利を0.25%から0.50%に引き上げた2007年2月21日以来、なんと17年ぶりのことでもあります。
もちろん、これまでの0.1%のマイナス金利自体は、適用される条件も厳格であり、あくまでも象徴的なものに留まっていたというのが著者自身の見解ではありますが、ただ、利上げがもたらすインパクトは、やはり非常に重要です。
とりわけ日銀当預0.1%付利が始まるとなれば、市場全体の貸出金利も上昇することが想定されますし、また、イールドカーブ・コントロール政策も取り払われたことで、これからは日本国債市場や国債先物市場などでも、金利のボラティリティが出て来る余地が広がりそうです。
じつは、個人的にはマイナス金利撤廃よりも、「0.1%付利範囲の拡大」の方が、金融機関や金利市場などへのインパクトは大きいのではないか、などと思う次第です。
これに加え、量的緩和についても方針を変更するようです。
長期国債の買入については「これまでと同程度の金額で」継続するとしていますが、ETFとJ-REITについては新規購入の停止、CP/社債に関する買入額を1年後にゼロとなるよう段階的に減額するなどの措置を決定しています。
このため、金融緩和を完全にやめてしまう、というわけではありません。また、現時点において、債券、為替、株式市場の反応は限定的です。しかし、日銀がマネーの供給量を絞ることになれば、為替は円高方向に、債券は下落(金利上昇)方向に動く可能性があるほか、株式は上値が重い展開にとなるかもしれません。
なお、リフレ派の学者らを中心に、今回の日銀の利上げやYCC撤廃に大きな批判が集まっているようですが、これらがが日本経済にとって正しいものであったかどうかについての評論については、(とある理由があって)当ウェブサイトでは現時点では避けたいと思います。
View Comments (21)
悪い株高、悪い賃上げ、悪い円安、元を辿れば日銀が全部悪い。マスコミの日銀悪玉論に屈して再び緊縮に舵をきるのでしょうか。
マスコミ=財務省の仕込みですね。
マスコミも御用経済学者も動いていましたから、財務省が外堀を埋めて、日銀内部のエージェントが動いたというところですかね。
上場企業ならあり得ないほどの日銀の情報ダダ洩れも「そうゆうことか」と思わせますよね。
銀行・金融方面は大歓迎と賞賛の歓声が聞こえてきそうです。
個人的にはいずれ利上げは仕方ないとは考えておりましたが、ちょっと早すぎやしないかと危惧しています。植田総裁は「賃金と物価の好循環を確認した」と語っておりますが、賃金上昇はあくまでも大企業中心のものですし、中小或いは個人経営の層までは達成されているわけでもありません。見通しもT勝手おりません。また物価にしても現在のそれはあくまでもコストプッシュ型のインフレに過ぎないのではないかと懸念しています。
はっきり言って拙速という印象を拭えません。
じぶんもまだまだ早いと感じてます。
シロウトなんで、その感じが正しいのかはわかりませんが。
ただ、日銀 財務省は庶民の暮らしよりも銀行の収入の方が大切なようで、銀行のエリートの方に仲間意識が近い様にみえます。
永いデフレで、世界と成長度で大きく差がひらいた状況を鑑みるに インフレ率はかなり高めでも大丈夫な気がします。
sey g 様
コメント有り難うございます。
ところで申し訳ありませんが、貴兄のコメントに悪乗りして、自身のスレの誤字を修正するという所業をお許しください。何卒。
見通しもT勝手おりません ×
見通しも立っておりません ○
ペコン!
私自身も貴兄以上に経済に関しては相当なるシロウトなので、自分の危惧にどこまで信憑性・確実性があるのかは、正直言ってわかりかねるところもありますが、少なくとも今現在の経済状況が諸手を挙げて万歳できるような状態なのかと問われれば、うむそうだのう!などと言い切れる自信はありません。
むしろ、いや~まだまだじゃね?といった感じです。ホントに。
日銀 財務省は庶民の暮らしよりも銀行の収入の方が大切なようで >
鋭すぎるお見立てのようですね。植田総裁は以前、なんでも銀行筋の接待には割と積極的に応じていたとか・・・。真相は知りませんが、高橋洋一氏がバラしておりましたね。(笑)
閑話休題
せっかくいい感じの風が吹いてきたこのときに、民の竈の火を吹き消すような今回の金融政策の転換には、違和感を覚えるしかありません。
もう一つ考えられるのが、
“景気は、その人の立ち位置により感じ方がかわる”
と言う事です。
例えばお風呂を沸かすと上の方が熱くても底の方はまだまだ冷たい水だという時があります。
あのバブルの時も、庶民の生活は丁度良かったのです。
上の方はバブルに踊ってましたが。
あと、氷点下に永くさらされた冷たい手はほぼほぼ水のぬるま湯でも熱いとなります。
ながいデフレでこれくらいの景気でもインフレ怖いとなったのかも。
高橋洋一氏は数字をみているので、感覚だけでやってる方々とは見え方が違うのかも。
1990年を1としたGDPを比べると日本は世界と数倍の差があります。
世界より高いインフレ率で追いつけ追い越せぐらいにする必要があると考えるなら、今回の解除は早すぎる様に思えます。
NISAといい、金融機関の喜びそうな政策ばかりが矢継ぎ早に打ち出されますね。
難しい話はいいから預金に利子つけろや…って思います。
ここ2年ほど、ヤフーニュースに物価高、低賃金、GDP等がテーマの記事が掲載されるときは決まって、マイナス金利、円安批判を伴う。そしてコメント欄は記事内容を無条件に支持し、マイナス金利、円安けしからん、というコメントであふれる。そして円安、物価高の記事でもう一つお決まりなのが、何故か批判は日銀だけに向けられることである。増税や緊縮財政で経済の足を引っ張ってきた財務省批判は記事、コメント共にない。まるで財務省が批判の矛先が日銀にのみ向かうよう仕向けているようでもある。
ついに、マイナス金利解除。直後に円安が驀進。さて、今後の為替やマクロ経済にどのように影響するだろうか、興味津々。
検証はマスコミの日銀の政策への批判記事についても、なされなければならない。
17年ぶりの利上げということは、日本の金融会社には、利上げを経験したことのない社員や、経験していても遥か昔のことという社員が、大勢いることになりますね。
株価がどんどん上がって行っているのに熱意・熱量が足りない気がします。いまこそ貯めた力を燃料にアクセル踏み込めや、と思っているのですがなかなかそうならない。
どうしてこんなに冷淡なのか。当方は日本をダメにしてきたのは新聞 TV だと信じています。彼らがけなし続けて来たせいなのです。新聞記者を追求し続けろ。そんな声が幻聴し続けてやみません。
まあ そろそろのいいタイミングですね。
ところが
NHKニュースでは、なぜか繰り返し
利上げで「正常化に向かう」??!
とのアナウンサーのおかしな言いようが
繰り返し流れてました。
早速時事通信のコメント欄などでは
どぶサヨ 韓流、アベがあさんたちが
それを受けて頑張っておかしなコメントしています。
タイムラグからの輸入物価高騰が
先にくる影響があるものの
ウォン崩壊避けるため利上げせざるを得ない
脆弱通貨国韓国のメディアが繰り返し
「日本の円安を全力で阻止すべし!」
とまで頭きてたことからも
円安は日本に取ってはプラスです。
実際、今日の中央日報の記事は
「円安被害国だった韓国に機会」(笑)
だととても喜んでお見えですW
https://japanese.joins.com/JArticle/316374
そのうえで、韓流汚染の日本のメディアの
印象操作刷り込みにはあらためて呆れます。
(韓国への波及)
・円高に伴う輸出競争力も製造コストが食いつぶす。(対日輸入を代替できず)
・低利での外貨調達手段が無くなる・・。(”円”で、米ドルを工面する恩恵減)
・外資の運用が、漸進的に韓国ウォンから日本円へとシフトする。(外資流出)
・・・・・
そして、事象により生じた損害のことを ”被害” だと書き綴るんですよね。きっと。
まあ、
朝日とコラボの嘘捏造での『被害』で
謝罪と金品タカるお国柄なのですから、
なんでも被害に仕立て上げるのは
あの人達の生計たてる根幹にある
ドグマなのだろうかねえ?
とも感じます。
日銀は巨額のETFを保有しているが、その原資はこの当座預金では?
日銀の発表前に一部金融機関が定期預金の利息を上げていましたが、情報がリークしていたという事ではないかと思います。
利上げした金融機関が賭けにでただけなら良いですが、日本人は脇が甘い人が沢山いますのでちょっと心配です。
個人的には「少し早い」と考えています。
しかし刮目すべきことは、日銀政策決定報道リリースのあとの為替が150円超、株価日経平均が4万円台と、「利上げ?何それ?」と一般的な経済理論とは逆の動きをしていることです。
日銀の政策決定が見透かされているのか、影響力がないとも言えましょうか。
マスコミは相変わらず的外れの報道ばかり、甚だしいのは「三菱BKの預金金利が20倍!」
何のことはない普通預金が0.001%から0.02%に、ウソではないけれど特筆するような数字ですかね、せめて整数値になってから騒いで欲しいものです。
(本スレの金融関係的に0.1bp→2bpと記すとスゴイ!となりますが、個人預金者としては迫力があるとは言えないなぁ。)
所詮、日銀も組織の私利私欲で動くということなのでしょう。
自民党、財務省、NHKなど特権階級と言われる組織が、公然と悪事をなす国になったということですね。
>なお、リフレ派の学者らを中心に、今回の日銀の利上げやYCC撤廃に大きな批判が集まっているようですが、これらがが日本経済にとって正しいものであったかどうかについての評論については、(とある理由があって)当ウェブサイトでは現時点では避けたいと思います。
本を出されるのでしょうか?(・・?)