支持率低迷だが…「実務能力と食堂理論」で考える政治
読売新聞の最新世論調査だと岸田内閣の支持率は「4ヵ月連続で『危険水域』である2割台」だったのだそうです。また、Xでは日曜日の夜、「政権交代」に関するトレンドが形成されていて、自民党を「組織的犯罪集団」などと罵るものも散見されました。ただ、こうした「政権交代」を煽る人たちに限って、「それではどこの政党がいつ、どのような政権をどうやって実現させるのか」に関する具体的なビジョンを示すことはありません。
Xで日曜日の夜に形成されるおかしなトレンド
Xではだいたい毎週日曜日の夜、政権交代に関するトレンドが形成されます。
想像するに、日曜日の夜といえば最もインターネット・ユーザーが減るタイミングでもあるため、「ツイデモ」(※)がやりやすい、ということなのかもしれません(※ちなみに「ツイデモ」とは、「ツイッター(※Xの昔の呼称)上のデモ」のことだそうです)。
昨日の夜観察された、これらの「ツイート」(Xポストの昔の呼称)を眺めていると、たいていは、こんな具合です。
- 「#政権交代」
- 「#自民党は組織的犯罪集団」
- 「#日本政府は今すぐ停戦を求めろ」
- 「#次の首相」
…。
自民党に対する不満の正体
有権者が自民党に不満を持つのは当然だが…
「自民党が組織的犯罪集団だ」、などとする決めつけは理解に苦しむところですし、もし「パーティー券収入の政治資金収支報告書不記載」を「裏金」だと問題にするのならば、立憲民主党の安住淳・国対委員長を真っ先に「裏金議員」として糾弾するのが筋ではないかと思います。
ただ、当ウェブサイトの読者の皆さまのなかでも、岸田文雄・現首相に対し強い不満を抱いている方は多いでしょうし、それらのなかには「政権交代」だの、「次の首相」だのといった用語を見て、「何とか党の誰それを次の首相にすべきだ」、などと考える人もいるかもしれません。
ではなぜ、岸田首相に対して強い不満を持つ人がいる(かもしれない)のでしょうか。
その理由はさまざまかもしれませんが、たとえば当ウェブサイトのテーマで申し上げるなら、韓国に対して譲歩してはならない譲歩をしてしまった(可能性がある)こと、財務省寄りの(旧)宏池会の出身者であること、「増税メガネ」などと呼ばれていること――などが挙げられるかもしれません。
こうした自民党に対する不満が「政権交代」というハッシュタグを生成しているのだとしたら、それは世論の空気に照らして当然だ、という言い方もできます。
ただ、それ以上に不思議なのは、こうした「政権交代」トレンドを煽る人たちが、「それではいつ、どうやって、どの政党に政権を交代させ、どのような政権を発足させるのか」に関する具体的なビジョンを示すことが絶対にない、という事実でしょう。
これらのポストの多くは、たんに「岸田首相に対する不満」を煽り、「政権交代」などの空虚な文言を繰り返すだけであり、具体性がまったくないのです。
公正な目で岸田首相や自民党政権を見つめることが必要
改めて指摘しておきますが、我々有権者が政治家や政権を評価するならば、可能な限り公正な目で見つめることが必要です。
岸田内閣が発足以来で行った「増税」が皆無とはいいませんが(たとえば「異次元少子化対策」としての社会保険料の上乗せなど)、むしろ岸田内閣では増えた税金の還元(減税)が行われていることは、事実として指摘しておいて良いでしょう(金額的に「ショボ過ぎる」とはいえ)。
また、韓国に対する譲歩に関しては、当ウェブサイトなども、これをやたら偉そうに、舌鋒鋭く批判して来たクチではありますが、現実問題として岸田首相が韓国に対し、追加で謝罪する談話を出したり、日本政府として自称元慰安婦、自称元徴用工らにカネを渡したりしたわけではない、という言い方もできます。
(※もっとも、対韓譲歩を巡っては、ホワイト国戻し、レーダー照射不問、日韓通貨スワップ再開など、日本の国益に照らし明らかにおかしいのではないかと疑われる点も多々あったとは考えており、これについての意義を見極めるにはもう少しの時間が必要だとは考えています)。
それに、岸田首相自身はいくつかの分野において、顕著な功績をあげていることも事実です。
たとえば防衛費の増額がその典型例でしょう。
長年、日本の防衛費は「GDPの1%前後」に抑えられてきたのですが、2022年12月16日に岸田内閣と国家安全保障会議が制改定した「安保3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)に基づき、防衛費の2倍増などの方針が決定されました。
また、岸田首相を巡っては「媚中派に違いない」といった批判もありますが、客観的事実に基づけば、その岸田首相自身は中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席に対しても「言うべきこと」を主張(『是々非々で見る政治家:中国に一歩も譲らない岸田首相』等参照)していたりします。
岸田内閣はまた、原発の再稼働や新増設を積極的に推進する考えを示していますし(『良い意味での豹変?日経「岸田首相が原発新設を指示」』等参照)、実際、原発再稼働も(少しずつではありますが)前進しています(『関電が美浜3号機再開…原発の効率性と安全性を考える』等参照)。
能登半島地震の対応はシンプルに高く評価して良い
さらにいえば、岸田首相自身が先月発生した能登半島地震において、非常に適切な動きを見せていることについては、シンプルに高く評価して良い点でしょう。
たとえば、岸田首相を巡っては、「能登半島地震での初動が遅かった」だの、「十分な対策を講じていない」だのと批判する者もいましたが、現実に岸田首相の地震での初動は、むしろ極めて迅速でした(『「岸田首相と日本政府の初動が遅かった」は事実なのか』等参照)。
能登半島地震で多くの集落が孤立し、被害が拡大した理由は、能登半島がもともと山がちで、道路網、鉄道、港湾、空港などのインフラが脆弱だったところ、今回の地震により各所で地面が数メートル隆起(りゅうき)するなどし、その交通インフラが各所で寸断されたからです。
また、自衛隊などの支援が「逐次投入」となってしまった理由も、結局のところ、交通インフラが寸断されているため、物理的に何千人という人々を投入することができなかったことにあります。
これに関し、明らかに災害支援などに関する知識がまったくない素人記者が「物資や部隊の空中投下をしろ」などと主張した(『例の記者「孤立集落へパラシュート投下は可能と思う」』等参照)ことなどからもわかるとおり、災害支援を巡る岸田首相の批判者たちは、多くの場合、客観的な事実関係を調べようともしません。
最大野党であるはずの立憲民主党の酷さ
こうしたなかで敢えて指摘しておくならば、日本の最大野党であるはずの立憲民主党が、今回の災害でもポンコツぶりを遺憾なく発揮したことは、記憶にとどめる価値がありそうです。
立憲民主党について言いたいことはたくさんあるのですが、ほんの一例を挙げておくならば、『立憲民主党の「次の災害対策担当相」の現地入りに批判』でも取り上げた、杉尾秀哉・参議院議員が災害直後の現地に入って「視察」を行ったことでしょう。
この点、自衛隊などの災害支援専門部隊を除けば、災害直後の現地に不用意に入るべきではありません。それ自体が道路渋滞につながる可能性があるほか、災害支援に廻すべきべき非常食や飲料水、あるいはガソリンといった貴重なリソースを浪費することにもつながりかねないからです。
れいわ新選組の山本太郎代表がわざとらしく松葉杖をついて2回にわたって現地入りしたことが強く批判されたことは記憶に新しい点ですが、杉尾氏自身はれいわ新選組ではなく、立憲民主党に所属している議員です。
そして、立憲民主党は1月5日に行われた与野党党首会談に泉健太代表自身が参加しており、その会談で「物資などの輸送を優先するため、国会議員が被災地入りするのを控える」と合意していたわけですから、その合意に違反して現地入りした杉尾氏に何らかの懲罰を下すのが筋でしょう。
ただ、残念ながら泉代表が杉尾氏に懲罰を下したという事実は見つかりませんし、同党ウェブサイトの『次の内閣』の「閣僚名簿」では、少なくとも1月26日時点において、杉尾氏は引き続き、「ネクスト内閣」での「災害担当相」に指定され続けていることが確認できます。
このあたりが結局、立憲民主党の残念な点であり、同党の限界そのものなのでしょう。
食堂理論と実務能力理論
自民党は「寂れた食堂街の高くてマズい食堂」
改めて指摘しておきますが、Xに投稿される「#政権交代」などのポストを見ていて浮かぶ疑問点があるとすれば、これらの内容をポストしている人たちはその「政権交代」とやらを実現させて、いったい何を達成したいと思っているのか、というものです。
このあたり、著者自身としても、自民党政権が素晴らしい完璧なものだとはまったく思いませんし、過去に何度も消費税等の増税を実施してきたのも、故・安倍晋三総理大臣を含めた歴代の自民党首相だったことを忘れてはならないとは思います。
(※ただし、2014年と19年の増税は、もともとは民主、自民、公明の3党の合意に基づくものですが、これは安倍総理自身が音頭を取ったわけではなく、民主党政権時代に当時の野田佳彦首相が主導したものでもあるため、「自民党が増税した」という言い方は少し語弊があるとは思いますが…。)
これこそが、当ウェブサイトで指摘し続けている、「自民党は高くてマズい食堂だ」、という例え話です。
すなわち、あなたが暮らす街では外食をしようにも寂れた食堂街しかなく、その寂れた食堂街のなかで一番マシな食事を提供するのが「自民食堂」だ、とでも考えていただければ良いでしょう。
自民食堂では代わり映えのしないありきたりなメニューが非常に高い値段で提供されており、定食を頼んでもご飯はパサパサ、揚げ物はベチャベチャ、麺は延びきっていて、味付けも濃すぎたり薄すぎたりして、まったく美味しくないのです。
しかも、たとえば隣の小規模な「公明食堂」は自民食堂と経営上提携しており、その公明食堂は自民食堂で提供される料理に自分たちの調味料をさり気なく混ぜ込んでくるのですが、それらのなかには体に悪い人工甘味料などが含まれていることもあるので、なおさら要注意です。
いずれにせよ、自民食堂が流行している理由は、ただ空腹を満たすためだけに自民食堂を訪れる人が多いからです。
野党食堂は「自民食堂の悪口」「毒物提供」
ではなぜ、そんな酷い食堂が支持され続けてきたのでしょうか。
その理由はとても簡単で、他の食堂が「食えたもんじゃない」からです。
たとえば立憲民主食堂では、食事のメニュー表自体が「自民食堂の悪口」で書かれており、また、料理を注文しようと思って店員を呼び止めても、ひたすら「自民食堂は料理が遅い」だの、「自民食堂はマズい」だのと文句を垂れ続けているだけです。
それでは肝心の、「おたくの食堂ではどんな料理が出るんですか?」と聞いても、口を濁してモゴモゴするか、実現不可能な「超高級で超美味しい料理を出します」というウソをつくか、そのどちらかでしょう(ちなみに立憲民主食堂には実務経験豊富な料理人がそもそもいません)。
さらに食堂によっては調味料に麻薬を使っていたり、オーガニック食材と称した怪しげな食材を使用したり、なぜかパン食・小麦食を否定したり、と、料理以前にとんでもない毒物が出てきたりすることもあります(そういえば実際、某自称保守政党の主張は科学的根拠を欠いていてメチャクチャだったりします)。
しかも、現実世界の食堂では、食中毒を発生させたら保健所から営業停止を命じられたりすることもありますが、野党食堂の多くは過去の食中毒事件(とくに2009年9月から12年12月までの期間に発生させたものなど)について、「あれは別の食堂がやったことですから」、と開き直っているわけです。
実際問題、立憲民主党や国民民主党関係者らから、旧民主党政権時代の反省の弁を聞くことは、ほとんどありません。
このあたり、国民民主党は、とくに玉木雄一郎代表がここ数年、比較的まともな経済政策を主張することも多いため、個人的には「全否定」すべきものではないとも考えている次第ですが、その一方で旧民主党政権時代について国民民主党が党としてどう向き合っていくかにも、注目は必要ではないかと思う次第です。
維新は立憲民主と比べて「比較的マトモ」かもしれないが…
さらに、「比較的まとも」という意味で、野党の中では国民民主党と並んで注目されているのが日本維新の会ですが、これもあくまで「立憲民主党などと比較して」、という意味であり、実際問題、日本維新の会の国政政党としての実務能力は未知数です。
とくに維新が地盤としている大阪府などにおいては、「財政再建などに非常に大きな成果が出ている」などと指摘されることもあるのですが、その一方で、維新出身の市長・知事らが行政を担ったことの本当の成果(?)が最初に出てくるのは、来年に開催が予定されている大阪万博かもしれません。
この大阪万博の件については、個人的にはいろいろと論じたい点があるものの、本稿ではとりあえずまだ詳細の議論には踏み込まないことにしますが、ひとつだけ申し上げておきたいのは万博準備が順調ではない(らしい)、ということでしょう。
維新は現在、まずは立憲民主党に代わって最大野党を目指すといわれているようですが、万博次第では維新の勢いが失速し、「最大野党」どころの騒ぎではなくなってくるかもしれませんが、このあたりについては可能ならば、いずれ別稿にて議論したいと思います。
実務能力で評価する政治家と政党
なお、誤解を恐れずに申し上げるなら、ウェブ主自身としては、岸田首相よりも優れた政治家がいるならば、さっさとその「岸田首相よりも優れた政治家」に首相を交代してほしいと思いますし、また、自民党よりも優れた政党があるならば、さっさとその「自民党よりも優れた政党」に政権を後退してほしいと思います。
ただ、それと同時に政治家や政党というものは「総合的・多角的に」、「是々非々で」評価しなければならない、ということもまた間違いありません。
これについては、岸田首相についてもまったく同じことがいえます。
財政を巡るスタンスが怪しいことに加え、韓国に対する政策で保守層の多くの不況を買った可能性が高いこと、その反面、原発再稼働・新増設や防衛費増額の推進、能登半島地震における対応のすばらしさ、さらには経済安保・セキュリティクリアランス法制などについては、高く評価できることは間違いありません。
結局のところ、普段から当ウェブサイトにて申し上げている通り、政治家を評価するうえでの視点としては、①「その人の政治家としての志(こころざし)の高さ」もさることながら、②「その人の政治家としての実務能力の高さ」が大切だと思います。
ここでいう「志の高さ」とは、たとえば「その人が政治家になって何を成し遂げようとしているのか」、といった精神的な心構えなどのことであり、「俺は政治家になって、この日本国憲法を変えてやる!」などと闘志を燃やすのも、ある意味ではその人の志の高さといえるかもしれません。
ただし、この「志の高さ/低さ」をどう評価するかは難しいところではあります。たとえば「俺は政治家になって、日本国憲法を死守してやる!」などと強く感じている人も、(方向性はおかしいですが)ある意味では「志」は高いといえるかもしれないからです。
実務能力はとても重要!
このように考えていくと、やはり政治家の技能を見極めるうえでの重要な尺度は、個人的には「実務能力」だと考えています。
ここでいう実務能力は、わかりやすくいえば、自身が唱える政策を実現させる能力のことであり、これにはさまざまなスキルが求められます。
これには既存の法律に関する知識、経済学・金融・会計といった専門分野の知識、官僚らに対する人心掌握術、高度な交渉技能に加え、諸外国首脳・政府関係者らとの人的コネクションやそれを可能とする最低限の語学力などが含まれます。
たとえば、菅義偉総理大臣はヒラ議員だった時代に、特定船舶入港禁止法を議員立法により成立させた功労者のひとりですが、これも「船舶」という輸送手段に着目し、北朝鮮への物資の運搬手段そのものを物理的に制限することで、日本から北朝鮮へのヒト・モノ・カネ(現金)の流れを封じるうえで一役買いました。
その菅総理は総理就任前、安倍総理のもとで8年弱の間官房長官を務め、自民党の連立相手でもある公明党との関係の維持にも心を砕いたとされていますし、安倍政権は実質的に菅政権のようなものだった、などと表現する政治評論家もいるようです(さすがにそれは少し言い過ぎかもしれませんが…)。
実際に名実ともに菅政権が発足すると、その菅政権はたった384日の在任期間で、じつに多くのことを成し遂げましたが(『菅義偉総理大臣の事績集:「日本を変えた384日間」』等参照)、その意味では菅総理こそ、「実務家」として相応しい存在でしょう。
ただし、著者自身は菅総理の功績を高く評価したいと考えている人間のひとりではありますが、その菅総理にもいくつかの失策はありました。たとえば再生可能エネルギーの推進、レジ袋有料化など、明らかに誤った経済政策を推進していたことがその典型例です。
しかし、先ほどから指摘している通り、政治家の実務能力は総合的に評価・判断すべきものであり、政策分野が100の政策分野のなかで、1つや2つ、おかしなものがあったとしても、それをもって100%全否定してしまうのはバランス感覚を著しく欠いています。
立憲民主党が評価されないのは「鶏と卵」?それとも…
そして、日本国民は賢明ですから、こうした実務能力については、意外とシビアに評価しているのではないかと思います。
立憲民主党やその前身の民進党などが、2012年12月の総選挙以来、国政選挙でまったく勝てなくなった理由も、民主党政権時代に産業政策から金融政策、外交政策から防衛政策、災害復興政策に至るまで、そのほとんどの分野で素人仕事ぶりと実務能力の皆無さを国民に見せつけたからでしょう。
このあたり、「野党に実務能力がない」理由は、「野党が政権の座に就いた期間が非常に短く、実務経験を積むチャンスがなかった」からなのかもしれませんし、あるいは逆に、「野党には実務能力がないから、野党が実務経験を積むチャンスを与えられていない」、ということなのかもしれません。
いわば、鶏と卵のような関係です。
ですが、先ほどから指摘している通り、少なくとも民主党とその後継政党である民進党、立憲民主党が今日に至るまで、2009年から12年までの民主党政権を総括したことはありませんし、おれどころか、現在においても民主党政権を「なかったこと」にしているフシすらあるのです。
さすがにこうした姿勢は、一部の熱心な立憲民主党支持者を除けば、私たち日本国民のうちの多くが抱いているであろう不信感を払拭するのに寄与しないどころか、私たち日本国民が立憲民主党を含めた特定野党への不信感を募らせる原因でもあるのではないでしょうか。
読売新聞政党支持率が物語る野党の惨状
こうしたなかで、週末にもいくつかのメディアが内閣支持率を公表しています。
そのうちのひとつが読売新聞による世論調査(2月16~18日実施)ですが、これによると記事タイトルでは「内閣支持率は4ヵ月連続で支持率2割台の『危険水域』だった」、などとしているものの、中身を読むとまた違った点に気付きます。
岸田内閣支持率24%、4か月連続で「危険水域」…読売世論調査
―――2024/02/18 22:02付 読売新聞オンラインより
読売によると政党支持率は自民党が24%で「政権復帰以降で最低を更新した」のだそうですが、そのわりに最大野党であるはずの立憲民主党が5%(!)と、自民党のわずか5分の1あまりに過ぎません。
2009年の政権交代直前には、民主党が政党支持率で自民党を上回っていたことを思い出しておくと、ずいぶんと大きな違いです。
日本の選挙制度は、とくに衆議院議員総選挙においては小選挙区・比例代表並立制が採用されていて、最大政党が圧倒的な議席を確保する傾向があります。メディアが実施する政党支持率に全幅の信頼を置くことは難しいものの、少なくとも前回までの総選挙データを使用するならば、自民惨敗シナリオは考え辛いのです。
2021年の実績でいえば、小選挙区で当選した自民党議員のうち、追加公認2人を除く187人については、うち129人が第2位の候補者に2万票以上の差をつけて当選しています。これに対し立憲民主党は小選挙区の当選者57人のうち7割超にあたる41人が、第2位の候補者と得票数2万票以内だったのです。
立憲民主党が日本共産党と選挙協力を行うというなか、立憲民主党にかなり有利な選挙であったはずなのに、現実問題として立憲民主党は選挙で全然勝てなかったわけであり、こうした状況がたった2~3年で大きく覆るとは考え辛いところです。
もちろん、自民党関係者は、「次の選挙も楽勝だ」、などと思うべきではありませんが、それと同時に短期的に見て、立憲民主党や日本維新の会が自民党を打ち負かして最大党に浮上するという可能性は非常に低く、ましてや日本共産党、れいわ新選組、参政党といった政党が政権の座に就くとも考えられません。
いずれにせよ、岸田首相自身がこの9月の総裁選で再選されずに引退する可能性はあるかもしれませんが、当ウェブサイトでは昨年春先から申し上げている通り、自民党がただちに政権を失うという可能性は、現状では考え辛いのが実情だ、という点については、改めて指摘しておきたいと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
>実際問題、立憲民主党や国民民主党関係者らから、旧民主党政権時代の反省の弁を聞くことは、ほとんどありません。
彼らの自己評価はこんな感じ。
菅直人氏囲んだ旧内閣の同窓会、「名宰相」「時代が放っておかない」と持ち上げる場面も
奥原 慎平 2024/2/16 16:36
https://www.sankei.com/article/20240216-7FWI3A6CVVGPBDNDSFL4NIK3BY/
平成22年9月に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の後、超法規的に中国人船長を釈放させた菅直人政権の対応についてはこんなお話しも。
垂前駐中国大使インタビュー④ 尖閣沖漁船衝突事件、諫言に押し黙った菅直人首相
原川 貴郎2024/2/18 08:00
https://www.sankei.com/article/20240218-UOC674EFUFJEXBASXTDM3CMDNY/
『いや、現に1年前、天皇陛下との会見は1カ月前までに申請する慣例(30日ルール)があるのに、中国の強い要請で(民主党議員からの)いろいろ働きかけがあり、皆さん、降りられました』ってズバッと言われたりしてますが、菅直人氏自身の認識や評価はどうなのやら。
クロワッサンさま
>菅直人氏囲んだ旧内閣の同窓会、「名宰相」「時代が放っておかない」と持ち上げる場面も
まあ、確かに菅直人総理時代は、民主党政権時代、日本政治史に爪痕を残しました。それをどう評価するかは人それぞれ、例え少数意見でも少数意見の集まりのなかでは多数意見になりますしね。
この垂大使のインタビュー見ていると、中国人船長解放の議論で一人だけ尋常でなかったと述べて名指しは避けてますが、要するに菅直人に押し切られた決定だった明かしてますね。戦犯は菅直人だったわけです。東日本大震災の時の混乱もこの人のせいだし。
野党への政権「後退」ですか。「交代」しても政治が悪くなってはまってはねぇ。文字変換の誤りって、時々なんとも言えない味を出しますね。
同音異義語が繰り出すけっさく誤変換に虚を衝かれて笑わさせる経験はみなさんもあるかと思います。「」をつけると野暮ですので、推敲の漏れのフリをして正さずほおっておくのが味となる。
はにわファクトリー様
そうですね、普段はこんなところで茶々入れないんですが、今日はあまりに出来過ぎた誤変換だと思ったのでつい。
ご指摘ありがとうございました。
民主党政権といえば、菅直人首相時代に実施された社会実験としての高速道路無料化。民主党史においては、あの時国民は菅無料(感無量)と涙を流して喜んだ、という話に美化されているんでしたっけ?
※野暮ですが( )を付けました
日本の国民は、「今より実務能力のある総理大臣が、どこかにいるのではないか、そういう人が早くでてこい」と思っているのではないでしょうか。
> 鶏と卵のような関係です。
現役のころ、問題が発生し、対策案で 鶏か?卵か? の議論になった。
私からメンバーへの答えは、”私は普通に食べられる親子丼が欲しい”。
現実と意志と能力のバランスかと。
民主党政権の検証 ― 迷走の3年を総括 ―
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/067_01.pdf
>「政権交代」だけを目標に、政策理念もバラバラな政党・議員が集合して誕生したのが民主党である。
>そして、国家観・憲法観を共有できず、党の綱領も作成できないまま、実現不可能な政策を並べたマニフェストを掲げて選挙を戦い、国民を欺いて政権を取ってしまった。
・・・・・
↑
権限の及ぶがままに、思い付きやその場しのぎの「越法措置?」を連発した民主党政権。
実務力と実行力は似て非なるもの。実務力のない者に、権限を与えてはいけないのです。
結局のところ、宏池会だから~財務省の~とか、そういう、実績ではなく属性による風評で判断する人がどれだけ多いのかって話だと思います。
それで、何が気に入らない真似をしたら、やっぱり〇〇だから、という具合に確信を強めていくだけで。そのスパイラルの結果が大きいかと。
支持率低迷はしているけど、その内訳は、不満だと言っているだけで、現実的に思い付く誰かに代わって欲しいという意味では無い気がします。
これで、岸田総理が誰かに交代したとして、それで不支持の人達が政治に満足するとは思えません。
岸田文雄首相の好ましい業績とは誰が今首相の座にあっても実現していたものである。当方はそのように解釈しています。自我に目覚めて推進してみせるものはハズレ含み政策ばかり。
「閉塞感」を打ち破るには総裁の取り換えしかあり得ないのではありませんか。それをやってみせるのが自民党主導の政治体制というものです。
本当にそうでしょうか?
例えば震災の対応とか、菅直人といった実例を考えるに、誰でも出来たとは限らないと思います。
やって当然と期待するレベルのことをこなしてくれるだけの人でも、案外とそれだけの力量を備えている人って少ないのではないでしょうか。
民主党政権前に、自民党で総理大臣がころころ代わっていた時代もありましたが。交代で閉塞感が打ち破られたとは思えません。閉塞感が打ち破られなかったからこそ、ころころ交代したのではないでしょうか。
岸田総理を代えても、まんまその当時と同じ話になるだけだと思います。
菅直人が、元旦の能登半島地震と翌日の羽田空港事故をうまくさばけたのか?
野党の、マヌケな対応をみた結果からは、
「無理」
だと思いますよ。
たぶん知事と一緒に富山に行った(だろう)
たぶん与党議員団を現地に呼ぶ(だろう)
たぶん自衛隊10万人動員(だろう)
たぶん復旧工事より施工した業者の吊し上げが先(だろう)
たぶん現場検証優先で羽田空港一週間閉鎖(だろう)
あいつらの無能さを、ナメてはいけません。
日航の「避難して全員無事」てのは、ホメてもホメてもホメ足りないですが、岸田政権の正月対応もホメるべき当たり前かと。
>岸田文雄首相の好ましい業績とは誰が今首相の座にあっても実現していたものである
当たり前のことを当たり前にやる、普通のことを普及にやる、これは、かなりの能力が必要なことであることは良く言われること。
また、トップは、余計なことをしないことも、トップに必要なこと。任せる所は、任せ切るという度量が必要。
岸田首相は、今般の災害に於いては、見事なトップ振りを発揮した。
この辺りには、やはり、自民党の長い政治の実務実績の中で過ごして来た、政治家の正当性と揺るがないものを感じる。
誰がやってもとは言うことの対象にならない。
然し、こういうことの実績を評価出来ないとなると、コメ主は、普段どんな仕事をされているのか?派手な仕事ばかりに注目する人だと、周りの人間は迷惑かもしれない。
>「次の首相」1位は石破茂氏25% 岸田首相は1% 世論調査(2024/2/18 毎日新聞)
一体どういう世論調査やねん。
なんかこの手の記事見ると、いっつもアタマに「石破茂」って名前が出てくるんやけど、
この人、「ああ、あの人にやってもろたら、世の中良うなるはずや」
てなこと、口に出したり、自分の選挙区だけででも、やって見せたことあるか?
そこが不思議や。
新聞社が妙な下心もって、書いてるだけとちゃうか?
自民党食堂のお品書きに「石破茂定食」なんてのが載ってても
わけ分からんもん食って、腹でもこわしたら大変やと、
オーダーせんのが、普通の反応やと思うけどな。
結局のところ、マスコミが「反権力」という思考から抜け出せないことが、この様な偏向報道へと繋がっているのでは無いかと思います。
つまり、正確な報道をすれば、とある勢力から「政府の狗」と罵倒されるから、其れが嫌なのでしょう。
加えて、学歴はどんなに立派でも、大学時代に活動家紛いの事をしていたり、或いは其れに共感していたりしていた事も、そして「俺達の匙加減で報道するかしないかを決める」という傲慢な考え方も、正確な報道から程遠い物しか報じられない原因となっています。
其れがマスコミへ対する不信感を強めている訳なのですが、其れに気付いて自己改善をすれば良い事なのに、其れすらもせず、他人のせいにして逃げているのが実情です。
紛いではなくてほんまもん元活動家が辣腕を揮って成長成功した会社はいくつもあります。
知り合いのシニア氏はご高齢のご隠居で都内の豪邸から山梨県に転居して今は悠々自適生活を送っておられますが、今でも自分が興した会社の代表取締役を務めており高速バスを使って都内のオフィスで開かれる役員会に月に何度か通勤しています。
そのシニア氏、今でも舌鋒スルドク社会の欺瞞を指弾し続けていると FB 投稿で知れておりますが、ご老人は若き日にあって 60 年代安保闘争に参加し国会包囲突入の日はデモ隊の一部として放水銃を喰らったというご経験をお持ちです。
当方の知る限りにおいて元学生活動家で転向(転んで)改心し企業戦士にならなかったグループメンバーのその後にはふたつの傾向がありました。従順な職業人として社会順応できなかったグループのひとつは予備校講師・塾講師に転向しました。
別なグループは自分で会社を興しました。情報数理分野の名を掲げる紛らしい数社、彼らの業務実態はシンクタンクであったり、ソフトウェア会社であったり、コンサル会社であったりするのですが、70 年代にあっては IT なる用語は存在しておりません。彼らこそ安田講堂籠城事件において機動隊と対峙した戦士なのです。
奇妙にして皮肉なのは、自らの力で会社を興したグループは思想面は反米反帝立場を基層としておりながら、アメリカから最新エンジニアリング・最新テクノロジーを日本に移入して経営的に成功することにとても熱心でした。親世代を見返してやる。そんな情熱が根底にあった。これが事実の一部です。
多く人たちが同じく気が付いていないのは、日本のいわゆるコンピュータ革命のちにはインターネット革命の礎石を築いたのが彼らだということです。IT 分野における名の知られたシニア経営者・シニアリーダー、すでに同輩の多くはご隠退になっておりますが、転職歴を見れば元活動家たちのサークル出身であることが読み取れたりします。当方のようなのは彼らの薫陶を受けて新社会人となった世代で、元活動家世代の先進性と野心の大きさには年老いて流れた時間を学ぶほどに感服しているのが実情です。
>ほんまもん元活動家が辣腕を揮って成長成功した会社はいくつもあります。
ほんまもん元活動家って何なん?
昔、労働者のために、搾取階級である資本家と闘うなんて言ってた、ほんまもん?の活動家は、いまや立派な搾取階級だ。
彼らは、資本主義の中で成功し、ほんまもんに労働者に、ワンオペなんかという過酷な労働環境で働かせたままで、立派な豪邸に住んで、今や悠々自適。資本主義の仕組を最大に利用し満喫してますな。
自分が大成功しても、労働者の生活なんか良くしようなんて気はさらさらない。
どこが、ほんまもんの活動家だ?
ほんまもんの根っからの搾取主義者だったって事じゃないの?
こんな本質も見抜け無いから、資本主義を最大に利用も出来ず、マスゴミで一般大衆を扇動も出来ず、せいぜい、大企業の下請けで、大企業の連中は横暴だなんて言っているばかりで、下請けから抜け出す気力も能力も持てない、愚痴人間のままなんだろう。あなたのコメントは全部、愚痴にしか聞こえないんだな。
「寂れた食堂街の高くてマズい食堂」が、度重なるお客からの指摘に対しても、その場限りの丁寧なお詫びはするものの、真摯な改善努力を行わない、行いそうにないという場合、そのままその食堂に通い続けるかは、考えどころです。
その食堂に、真摯な改善努力を行ってもらうために、一時の不便は犠牲にしても、他の「食えたもんじゃない」食堂に通ってみるという選択肢はあり、ではないでしょうか。
どんな料理を出したって、他の店へは行きっこないと判れば、料理は更に不味くなっていくかもしれません。
自民党の若手から改革の声があがらないことが、とても残念です。